2014.03.30 Sunday
蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- 第05話「人ならざる者」
桜が咲き始めた3月最後の日曜日・・・行ってみましょう第5話・・・。
今回はビジュアル面で見どころが多いので特別に縦長マルチ構成です!!基本的に左から右へ、上から下へ、という見方をしていただくと大体ストーリー順になっています。
さて、第5話は第6話と共に群像や401の出番が少ないお話で、特に5話はハードな戦闘場面を期待していると肩すかし食うと言う異色の展開です・・・。
大戦艦2隻との戦いを終えた401・・・メンテナンスと補給を受けるため横須賀港のドックに戻ると、米国への移送を頼まれた振動弾頭の積み込み準備も始まって、そばには海軍墓地で見かけた少女の姿があった。それに気づいた群像がイオナに問いかけようとするが、イオナはテラスでマヤと会っていて、前夜の戦いの記憶で得た疑問を口にする・・・。
「あの時・・・思いが流れ込んできて・・・後悔だけじゃない、わずかな満足・・・なぜ?」「友達を助けられたからでしょう?」「友達?・・・そうか・・・」
爆発に巻き込まれ消えていく「キリシマ」・・・託されたユニオンコアを手にした「ハルナ」の「思い」・・・マヤが口にした「友達」という言葉の概念をイオナが「実感」したと言う重要な場面でありハルナも同様に・・・と言う事でしょうが・・・マヤの一言って・・・。(汗)
場面は変わり、断崖絶壁の上にある広大な敷地に建つ大邸宅の一室・・・恐ろしく広い、ヌイグルミで溢れた子供部屋の中、天蓋付キングサイズベッドに眠る「ハルナ」の姿・・・。刑部蒔絵と名乗った少女が目覚めたハルナにコートを渡すと・・・弱々しかったハルナが「シャキーン!!」
いや〜初めて見たときは目が点になりましたが・・・「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ」はギャグアニメでもある!と言う宣言のようで素晴らしい!!(笑)
以下細かいことは見れば分かるので省略!(汗)爆発の衝撃を吸収するため着衣を使ってしまい下着姿だったハルナが、蒔絵のオモチャとなって繰り広げるファッションショーやヘヤーセットの場面、「ハルハル〜」と呼びかけたり「ヨタロウ」化するキリシマ、および「人参を食らうヌイグルミ!!」という驚愕の場面も文句なく楽しいが、注目はやはりハルナの入浴シーン・・・じゃない!だけじゃない!(爆)・・・ハルナの「言葉集め」と「変貌」、徐々に明らかになる刑部邸および蒔絵の「秘密」でしょう。
ロボットの様なぎこちない会話を繰り広げながら、独りぼっちで病弱でもある蒔絵の身の上を知っていくハルナだったが、収集した「堪忍してつかあさい」という日本兵の「悲鳴」を、恥ずかしさを表す使い方として実践しながら、「縁」「友達」「未練」・・・等、新たな言葉も知っていく・・・。全身で「羞恥心」を表すってメンタルモデルとしてどうか?と言う事は別にして(笑)、「後悔」を実体験し、データベースの充実だけではなく、言葉の意味まで真剣に考えるようになった、ハルナにとっては重要な描写が続きます。
また、蒔絵が思わず漏らした「私みたいに秘密のお仕事関係者?」と言う問いかけに「う・・・うん・・・」と言葉を濁し「そっか〜私と同じか〜」と言われて「同じ・・・?」とつぶやいて蒔絵を見つめる・・・。さらに入浴時、「蒔絵は自由だな・・・」と言っても口ごもって俯く蒔絵と・・・その左胸の不思議なコードマークに目を止めるハルナ・・・。言葉や、相手の様子に対して敏感になったハルナの様子が見てとれます・・・。この結果が後で出てくる「蒔絵か・・・」と言う言葉になるのでしょう・・・。
そう言えば「言語」「人類服飾史」「食物」・・・ハルナ達の「知識」は「霧」のデータベース(何故か英語・・・)から引いていると分かりますが、「霧」と言う「存在」が単なる不可思議な生命体?ではない、と言う事実の一端でもあるのかな?(ひょっとしたら人間のデータベースに侵入、あるいは入手している??)
入浴後、ベッドで川の字になって眠った3人。蒔絵の熟睡を確認した二人はテラスに向かう・・・。(蒔絵の「ハルハル・・・暖か〜い」という言葉からメンタルモデルも体温を持つと分かります。)
テラスでのコンゴウとの会話・・・皮肉を言われながらも「作戦行動」を報告をするキリシマに対し、終始無言で通すハルナ・・・。その「変化」を察知したコンゴウは「人類は感情によってその性質を変化させる。だが我々は霧・・・かりそめの人格を演じているに過ぎない・・・」とクギを刺すがハルナは無言で去る・・・。艦隊司令に対するハルナのこの態度・・・霧の一員としての意識はすでに無い?そして・・・そんなハルナに対する、あくまでも冷徹なコンゴウの視線は・・・怖い・・・。(汗)
同じ頃のタカオ・・・硫黄島沖で散る!(笑)
深夜、ハルナとキリシマは地下の秘密の部屋に招待され蒔絵の「真実」を知る。そこには死んだと思われた館の主「刑部」博士が、指一本動かせない姿で横たわっていた・・・。
「あの子は人間ではないのだから・・・」。蒔絵は、霧に対抗するため「超常的な才能をもつ人間」として作り出され、109分の1・・・唯一生き残った「命」・・・デザインチャイルドだった。(具体的に「人間とどう違う」のか不明・・・。)そして、「霧と同様に」その力を恐れた政府によって屋敷に幽閉された上「廃棄」を指示されてもいた・・・・。そんな蒔絵を、振動弾頭の開発者、唯一の存在として残すため博士は自身の事故死を装ったが余命いくばくも無く、モニター上で見ただけのハルナ達に「蒔絵の・・・友達になってくれ」と頼む・・・。
それは・・・感情によってその性質を変化させる人間・・・「娘」を託して逝く「父親」の姿であった・・・。
お涙ちょうだい?一見地味なエピソード。でも、考えてみればこの「人の親」としての「最後の願い」が蒔絵を救い、ひいては人類の未来を変えるかもしれないというのは紛れもない事実で、大変重要な場面です。
この「願い」を、キリシマは「勝手」と言ったがハルナは無言・・・。拙い言語感覚しかないであろうハルナにとって、「未練」という言葉の次に聞いた「友達」と言う言葉は、死に行く人間からの依頼と言う事もあって特別のものと響いたはず、しかも「娘を頼む」ではなく「友達になってくれ」というのも絶妙で・・・博士の言葉をきっかけとして、自分と「同じ」蒔絵を「友」とするに何の不都合や迷いがあろうか・・・。
満月の光が差し込む蒔絵の部屋・・・ベッドの蒔絵を見つめるハルナはつぶやく・・・。
「蒔絵・・・友達・・・」
明け方近く、多数の軍用トラックが現れ、武装した兵が降り立っていく・・・異変を察知したハルナは顔を上げ・・・。
・
・
・
あえて言えば「友情と信頼」がテーマかな。微笑ましい場面も多い第5話ですが、細かな部分で見所満載です。たとえば「ヨタロウ」・・・。
ハルナとキリシマは、ユニオンコアの「入れ物」としてベッド脇に置かれたヌイグルミを選んだ(ヌイグルミの殻を使っただけなのか?全てナノマテリアルで造ったのかは不明?)に過ぎない訳ですが、博士の回想場面では屋敷に幽閉された時から蒔絵と共にあり、食べ物をフォークで口元に持っていく事も、孤独な蒔絵が繰り返したであろう一人遊びだった・・・。唯一の友人・・・それがヨタロウであり、左腕の腕章?の「PROMISE」という文字も切実な意味を含んでいる・・・単なるマスコットで済まない「存在」だと分かります・・・。
そんなヨタロウがハルナによって「命」を与えられた・・・蒔絵にとってどれほどの喜びであり、それをもたらしたハルナに対してどんな思いを抱くか・・・。ハルナから「あげる」と言われて、元々は蒔絵の「物」であった「それ」でもどれほど嬉しかったか・・・。人参パクリの衝撃の後にはこんな見方もできるのです・・・。
と言う事で、只の「娯楽回」等と侮ってはいけない・・・第5話です!!
今回はビジュアル面で見どころが多いので特別に縦長マルチ構成です!!基本的に左から右へ、上から下へ、という見方をしていただくと大体ストーリー順になっています。
さて、第5話は第6話と共に群像や401の出番が少ないお話で、特に5話はハードな戦闘場面を期待していると肩すかし食うと言う異色の展開です・・・。
大戦艦2隻との戦いを終えた401・・・メンテナンスと補給を受けるため横須賀港のドックに戻ると、米国への移送を頼まれた振動弾頭の積み込み準備も始まって、そばには海軍墓地で見かけた少女の姿があった。それに気づいた群像がイオナに問いかけようとするが、イオナはテラスでマヤと会っていて、前夜の戦いの記憶で得た疑問を口にする・・・。
「あの時・・・思いが流れ込んできて・・・後悔だけじゃない、わずかな満足・・・なぜ?」「友達を助けられたからでしょう?」「友達?・・・そうか・・・」
爆発に巻き込まれ消えていく「キリシマ」・・・託されたユニオンコアを手にした「ハルナ」の「思い」・・・マヤが口にした「友達」という言葉の概念をイオナが「実感」したと言う重要な場面でありハルナも同様に・・・と言う事でしょうが・・・マヤの一言って・・・。(汗)
場面は変わり、断崖絶壁の上にある広大な敷地に建つ大邸宅の一室・・・恐ろしく広い、ヌイグルミで溢れた子供部屋の中、天蓋付キングサイズベッドに眠る「ハルナ」の姿・・・。刑部蒔絵と名乗った少女が目覚めたハルナにコートを渡すと・・・弱々しかったハルナが「シャキーン!!」
いや〜初めて見たときは目が点になりましたが・・・「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ」はギャグアニメでもある!と言う宣言のようで素晴らしい!!(笑)
以下細かいことは見れば分かるので省略!(汗)爆発の衝撃を吸収するため着衣を使ってしまい下着姿だったハルナが、蒔絵のオモチャとなって繰り広げるファッションショーやヘヤーセットの場面、「ハルハル〜」と呼びかけたり「ヨタロウ」化するキリシマ、および「人参を食らうヌイグルミ!!」という驚愕の場面も文句なく楽しいが、注目はやはりハルナの入浴シーン・・・じゃない!だけじゃない!(爆)・・・ハルナの「言葉集め」と「変貌」、徐々に明らかになる刑部邸および蒔絵の「秘密」でしょう。
ロボットの様なぎこちない会話を繰り広げながら、独りぼっちで病弱でもある蒔絵の身の上を知っていくハルナだったが、収集した「堪忍してつかあさい」という日本兵の「悲鳴」を、恥ずかしさを表す使い方として実践しながら、「縁」「友達」「未練」・・・等、新たな言葉も知っていく・・・。全身で「羞恥心」を表すってメンタルモデルとしてどうか?と言う事は別にして(笑)、「後悔」を実体験し、データベースの充実だけではなく、言葉の意味まで真剣に考えるようになった、ハルナにとっては重要な描写が続きます。
また、蒔絵が思わず漏らした「私みたいに秘密のお仕事関係者?」と言う問いかけに「う・・・うん・・・」と言葉を濁し「そっか〜私と同じか〜」と言われて「同じ・・・?」とつぶやいて蒔絵を見つめる・・・。さらに入浴時、「蒔絵は自由だな・・・」と言っても口ごもって俯く蒔絵と・・・その左胸の不思議なコードマークに目を止めるハルナ・・・。言葉や、相手の様子に対して敏感になったハルナの様子が見てとれます・・・。この結果が後で出てくる「蒔絵か・・・」と言う言葉になるのでしょう・・・。
そう言えば「言語」「人類服飾史」「食物」・・・ハルナ達の「知識」は「霧」のデータベース(何故か英語・・・)から引いていると分かりますが、「霧」と言う「存在」が単なる不可思議な生命体?ではない、と言う事実の一端でもあるのかな?(ひょっとしたら人間のデータベースに侵入、あるいは入手している??)
入浴後、ベッドで川の字になって眠った3人。蒔絵の熟睡を確認した二人はテラスに向かう・・・。(蒔絵の「ハルハル・・・暖か〜い」という言葉からメンタルモデルも体温を持つと分かります。)
テラスでのコンゴウとの会話・・・皮肉を言われながらも「作戦行動」を報告をするキリシマに対し、終始無言で通すハルナ・・・。その「変化」を察知したコンゴウは「人類は感情によってその性質を変化させる。だが我々は霧・・・かりそめの人格を演じているに過ぎない・・・」とクギを刺すがハルナは無言で去る・・・。艦隊司令に対するハルナのこの態度・・・霧の一員としての意識はすでに無い?そして・・・そんなハルナに対する、あくまでも冷徹なコンゴウの視線は・・・怖い・・・。(汗)
同じ頃のタカオ・・・硫黄島沖で散る!(笑)
深夜、ハルナとキリシマは地下の秘密の部屋に招待され蒔絵の「真実」を知る。そこには死んだと思われた館の主「刑部」博士が、指一本動かせない姿で横たわっていた・・・。
「あの子は人間ではないのだから・・・」。蒔絵は、霧に対抗するため「超常的な才能をもつ人間」として作り出され、109分の1・・・唯一生き残った「命」・・・デザインチャイルドだった。(具体的に「人間とどう違う」のか不明・・・。)そして、「霧と同様に」その力を恐れた政府によって屋敷に幽閉された上「廃棄」を指示されてもいた・・・・。そんな蒔絵を、振動弾頭の開発者、唯一の存在として残すため博士は自身の事故死を装ったが余命いくばくも無く、モニター上で見ただけのハルナ達に「蒔絵の・・・友達になってくれ」と頼む・・・。
それは・・・感情によってその性質を変化させる人間・・・「娘」を託して逝く「父親」の姿であった・・・。
お涙ちょうだい?一見地味なエピソード。でも、考えてみればこの「人の親」としての「最後の願い」が蒔絵を救い、ひいては人類の未来を変えるかもしれないというのは紛れもない事実で、大変重要な場面です。
この「願い」を、キリシマは「勝手」と言ったがハルナは無言・・・。拙い言語感覚しかないであろうハルナにとって、「未練」という言葉の次に聞いた「友達」と言う言葉は、死に行く人間からの依頼と言う事もあって特別のものと響いたはず、しかも「娘を頼む」ではなく「友達になってくれ」というのも絶妙で・・・博士の言葉をきっかけとして、自分と「同じ」蒔絵を「友」とするに何の不都合や迷いがあろうか・・・。
満月の光が差し込む蒔絵の部屋・・・ベッドの蒔絵を見つめるハルナはつぶやく・・・。
「蒔絵・・・友達・・・」
明け方近く、多数の軍用トラックが現れ、武装した兵が降り立っていく・・・異変を察知したハルナは顔を上げ・・・。
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あえて言えば「友情と信頼」がテーマかな。微笑ましい場面も多い第5話ですが、細かな部分で見所満載です。たとえば「ヨタロウ」・・・。
ハルナとキリシマは、ユニオンコアの「入れ物」としてベッド脇に置かれたヌイグルミを選んだ(ヌイグルミの殻を使っただけなのか?全てナノマテリアルで造ったのかは不明?)に過ぎない訳ですが、博士の回想場面では屋敷に幽閉された時から蒔絵と共にあり、食べ物をフォークで口元に持っていく事も、孤独な蒔絵が繰り返したであろう一人遊びだった・・・。唯一の友人・・・それがヨタロウであり、左腕の腕章?の「PROMISE」という文字も切実な意味を含んでいる・・・単なるマスコットで済まない「存在」だと分かります・・・。
そんなヨタロウがハルナによって「命」を与えられた・・・蒔絵にとってどれほどの喜びであり、それをもたらしたハルナに対してどんな思いを抱くか・・・。ハルナから「あげる」と言われて、元々は蒔絵の「物」であった「それ」でもどれほど嬉しかったか・・・。人参パクリの衝撃の後にはこんな見方もできるのです・・・。
と言う事で、只の「娯楽回」等と侮ってはいけない・・・第5話です!!