2014.02.23 Sunday
「マーラー全歌詞対訳集」
以前から有ったら良いな・・・と思っていた本だったので思わずポチリ!(笑)
シューベルトやモーツァルトと違ってマーラーの歌曲や歌詞付楽曲は少ないのかな?
交響曲2番、3番、4番、8番、「大地の歌」に「嘆きの歌」、「若き日の歌」「さすらう若人の歌」「少年の魔法の角笛」「リュッケルトの詩による5つの歌」「亡き子をしのぶ歌」といったところか?
国書刊行会というのは昔からかなりユニークな本が多く、「国書」という社名通りに、何だか古風な感触や、お上品な他社では出さないような一歩間違うと「危ない」系の本も出してくれるありがたい出版社です。この本も、有りそうで無かった類か?
昔は溢れるほどあった歌詞対訳付の国内版CDなどが減り、値段の安さもあって輸入版CDなどが幅を利かせる現代。歌詞が分からない!と言って嘆かなくても、ネットで検索すればほとんどの歌詞が入手できます。しかし・・・まとめて1冊・・・あれば良いよね!欲しいよね!!と言うのがこの本。
全270ページほど、見開きの左側に原詩、右側に訳詩がゆったりとした版組で載っています。訳者は「あとがき」で曲名などで「あえて従来の慣例に従わなかった」部分もあると言い、帯によると訳詩も「全編が清新な新訳」と言う事です。曲名については、「初期のリートと歌」「遍歴職人の歌」「少年の不思議の角笛」「5編のリュッケルト歌曲」「子供の死の歌」と言う風にかなりユニーク。歌詞も、Wikipediaの歌詞と比べると確かに「新訳」で、どちらかと言うと「格調高さ」より「率直さ」を感じます。
この辺賛否はあるでしょうが、英語も×な私には判別不能!(笑)いろいろと業績もある?訳者の須永氏も所詮ネーティブではないのですし、著作権の問題からも新訳は今までと違って当然です。「そんな面もある」と分かった上で「利用」すれば問題と言うほどの事では無さそうです。
多少の誤字や訳者による解説文が読みにくい、この訳で良いのか?ちょっと心配?と言うような部分もありますが、何より今まで無かった物をこの値段で出してくれたことに感謝すべきでしょう。
PCの中には過去数十年の間に溜まったマーラーのライブ録音がWavファイルでいくつもありますのでこの本を見ながら聞き直してみましょう。まずは・・・1980年録音のテンシュテットの2番当たりから・・・。