雪太郎のつぶやき

美しいもの、面白いもの、切ないもの、考えさせる物・・・。一人が好きだけど、独りじゃ寂しい。そんな私のつぶやき・・・・。
クラシック音楽が苦手な人にはお薦めできません。暗いのが嫌いな人にはお薦めできません!!お子様にもお薦めできません!!
[謝辞]
父と母に、家族に、多くの慰めと喜びを与えてくれた、過去、現在、そして未来の芸術家達に、感謝!!
[おことわり]
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2010.09.26 Sunday

Twitterでも・・・

投稿が滞ってますね〜。仕事も忙しくて疲れ気味・・・色々と小ネタはあるのですが、記事にまとめ上げて投稿に至るほどのものでもないし・・・かと言って何もしないのももったいない〜。(汗)

そんな感じなので、ここらでTwitterなるものでも初めてみようかと思います。人に見てもらいたい・・・というより、備忘録に近いかな?ボケ防止?(笑)

「つぶやき」だったらこちらの方が早い?けど・・・なんて思いながら・・・。

使い方が今一つ分かりませんが・・・コチラからどうぞ。

お暇でしたら覗いてみてください。

2010.09.26 Sunday

放送予定

日の出前だと・・・いや〜寒いな〜・・・気がついたらもうすぐ10月、いよいよ秋です・・・。

クラシック倶楽部はコチラ

2010年 9月27日(月) 午後7:00〜午後7:45(45分) BShi ステレオ字幕放送
クラシックミステリー 名曲探偵 アマデウス「ムソルグスキー “はげ山の一夜”」。

2010年10月 1日(金) 午前10:00〜午前11:53(113分) BS2 Bモード
クラシック倶楽部 パシフィック・ミュージック・フェスティバル

20102010年10月 1日(金) 午後10:25〜午後10:50(25分) 教育/デジタル教育1 ステレオ
スーパーバレエレッスン ロイヤル・バレエの精華 吉田都(2)

2010年10月 1日(金) 午後11:05〜 2日午前1:20(135分) 教育/デジタル教育1 Bモード
芸術劇場 − ナタリー・デセイの“夢遊病の女” −。2010年2月パリ・オペラ座公演。ベルリーニの歌劇「夢遊病の女」を全編ノーカットで、ナタリー・デッセーが観客を魅了!

10/2 (土) 18:30 〜 19:00 (30分) BS朝日
題名のない音楽会 「巨匠たちの挑戦!吹奏楽バンド維新」

2010年10月 3日(日) 午前6:00〜午前7:22(82分) BShi Bモード
クラシック倶楽部 N響コンサート 日比谷公会堂 あの感動をふたたび〜終戦直前に響いた第9〜

2010年10月 3日(日) 午前7:30〜午前8:00(30分) BShi Bモード
オール・ザット・オーケストラ −シネマ・クラシックス−

2010年10月 3日(日) 午後9:00〜午後10:00(60分) 教育/デジタル教育1 Bモード
N響アワー − 巨匠マリナー 86歳 円熟のブラームス〜最近の演奏会から〜 −

2010年10月 4日(月) 午前0:40〜午前4:40(240分) BS2 Bモード
プレミアムシアター グスタフ・マーラー生誕150年記念コンサート ほか



FMは・・・。

2010年 9月27日(月) 午後7:30〜午後9:10(100分) FM ステレオ
ベストオブクラシック −ガボール・タルケヴィ トランペット・リサイタル−

2010年 9月28日(火) 午後7:30〜午後9:10(100分) FM ステレオ
ベストオブクラシック・セレクション −ジョセフ・リン バイオリン・リサイタル−

2010年 9月29日(水) 午後7:30〜午後9:10(100分) FM ステレオ
ベストオブクラシック −モーツァルトとメシアン−(バイオリン)徳永二男 川田知子(ビオラ)鈴木康浩(チェロ)上村昇(コントラバス)永島義男(ホルン)山岸博 久永重明(クラリネット)横川晴児(ピアノ)児玉桃

2010年 9月30日(木) 午後7:30〜午後9:10(100分) FM ステレオ
ベストオブクラシック −ピアノ四重奏演奏会−(バイオリン)樫本大進(ビオラ)川本嘉子(チェロ)趙静(ピアノ)小菅優!!!

2010年10月 1日(金) 午後7:30〜午後9:10(100分) FM ステレオ
ベストオブクラシック・セレクション −ピエール・ロラン・エマール リサイタル−

2010年10月 2日(土) 午後7:20〜午後9:00(100分) FM ステレオ
名曲リサイタル(二胡)鳴尾牧子(ピアノ)中野聡子、(リュート)高本一郎、(ピアノ)加羽沢美濃 

2010年10月 3日(日) 午後2:00〜午後6:00(240分) FM ステレオ
サンデークラシックワイド −海外コンサート−ドレスデン国立管弦楽団の魅力クリスティアン・ティーレマン、シャルル・デュトワ、マルタ・アルゲリッチ、ズービン・メータ

2010年10月 3日(日) 午後6:00〜午後6:50(50分) FM ステレオ
現代の音楽 −演奏家に聞く〜宮田まゆみ(笙)−(1)

2010年10月 3日(日) 午後7:20〜午後9:00(100分) FM ステレオ
FMシンフォニーコンサート  東フィル 第51回 オペラシティ定期シリーズから 尾高忠明指揮、ジョリヴェ、ケルツェック、ブルックナーの9番!


中々良いプログラムがあちこちに!

2010.09.19 Sunday

放送予定

日が出るとちょっと暑いけど、一時を思えば天国ですね。(笑)雨が降りましたから、蚊が出てきますから要注意です。


クラシック倶楽部はコチラ

2010年 9月20日(月) 午後7:00〜午後7:45(45分) BShi ステレオ字幕放送
クラシックミステリー 名曲探偵アマデウス▽トリスタンとイゾルデ 前奏曲と愛の死

2010年 9月24日(金) 午前10:00〜午前11:25(85分) BS2 Bモード
クラシック倶楽部 群馬交響楽団 第463回定期演奏会

2010年 9月24日(金) 午後10:25〜午後10:50(25分) 教育/デジタル教育1 ステレオ
スーパーバレエレッスン ロイヤル・バレエの精華 吉田都(1)。再放送!!

2010年 9月25日(土) 午後10:00〜26日午前2:00(240分) BShi Bモード
プレミアムシアター グスタフ・マーラー生誕150年記念コンサート ほか。マーラーの2番、3番!

2010年 9月26日(日) 午前6:00〜午前7:55(115分) BShi Bモード
クラシック倶楽部 PMFオーケストラ演奏会ファビオ・ルイージ指揮、ブルックナー7番他!

2010年 9月26日(日) 午後9:00〜午後10:00(60分) 教育/デジタル教育1 Bモード
N響アワー − フィンランド ふたつの協奏曲〜シベリウスとサリネン〜 −

9/26 (日) 14:00 〜 15:00 (60分) BS11(Ch.11)
ソプラノ歌手松井菜穂子が見た中国〜歌声は海をこえて〜

2010年 9月27日(月) 午前0:40〜午前4:40(240分) BS2 Bモード
プレミアムシアター フラウエン教会コンサート ほか



FMは・・・。

2010年 9月21日(火) 午後7:30〜午後9:10(100分) FM ステレオ
ベストオブクラシック −野原みどり ピアノ・リサイタル 山形公開録音−

2010年 9月22日(水) 午後7:30〜午後9:10(100分) FM ステレオ
ベストオブクラシック・セレクション −ピーター・ウィスペルウェイ リサイタル−

2010年 9月23日(木) 午後7:30〜午後9:10(100分) FM ステレオ
ベストオブクラシック。

2010年 9月24日(金) 午後7:30〜午後9:10(100分) FM ステレオ
ベストオブクラシック −スウェーデン放送合唱団演奏会−

2010年 9月25日(土) 午後6:00〜午後9:00(180分) FM ステレオ
N響演奏会 −第1681回N響定期公演−ネヴィル・マリナー指揮のシューマン・プロをNHKホールから。

2010年 9月26日(日) 午後6:00〜午後6:50(50分) FM ステレオ
現代の音楽 −第20回芥川作曲賞選考演奏会から−(2)


秋の夜長・・・良い季節になってきました・・・。

2010.09.16 Thursday

廣嶋 玲子「送り人の娘」

廣嶋 玲子
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 1,680
(2010-02-11)

カドカワ銀のさじシリーズの一冊。RDG3巻末の広告に載っていて気になっていたので借りてみました。表紙は一目で分かる東逸子画伯。

『額に目の刺青を持つ少女・伊予は、死んだ人の魂を黄泉に送る力を持つ「送り人」だ。平穏に暮らしていたある日、伊予は死んだ狼を蘇らせてしまう。その力 が、美貌の覇王・猛日王の知るところとなり、伊予は猛日王に狙われることに。そんな彼女を救ったのは、命を助けた狼の闇真だった。絆だけを頼りに、少女と 狼の冒険が始まる!傑作和風ファンタジー。』
(〜amazon)

以前に「祈祷師の娘」と言う本を読んだ事があり中々良かったという印象が残っています。この本は今流行の「送り人」の娘ですので読まない訳にはいきません。(笑)

「和風ファンタジー」と言うだけに、雰囲気は日本の古代の世界、神と人間が互いの存在を意識して深い関わりをもっていた頃の感じです。たつみや章の「月神シリーズ」や荻原規子の同時代を舞台とした作品世界を彷彿とさせる感触があります。この物語で言う「送り人」とは、自分の死を「自覚」できずに彷徨う死者の魂を黄泉の国まで導くのが仕事。神に選ばれた者が、生まれた時から生涯をかけてその任を担う。古代の村社会においては「尊敬」の対象であると同時に、死に関わる者として忌み嫌われる存在でもあって、孤独な一生を送ることになるという・・・。

年老いた送り人「真由良」は、一族皆殺しの場面に生まれ落ちて只一人生き残った赤ん坊を助ける。「伊予」と名付けて共に暮らし、平穏な13年の年月を経て運命の歯車が大きく動きだす!!

良くある巫女や祈祷師、呪術師などの成長物語かと予想して読み進んでみると、これが意外とダイナミックな展開が繰り広げられてビックリ!

偶然発現した「技」を「王」に知られ追われる身になった娘の逃避行。不本意ながら過す事になった「王」の館での手に汗握るやりとりや凄惨な結末。そして明かされた出生の秘密から分かった娘の真の「力」と、果たすべき、恐ろしくも大切な役割・・・と予想もできない展開が続きます!

最後は多くの魂を救った娘が、友と共に明るい未来に向かって踏み出す光景で終り、単純な成長物語の枠を超えて、長き不幸の時代を浄化するための存在として目覚める娘の様子が描かれて読み応えがあり、最後まで一気に読んでしまいました。

物語の中盤で辛い別れを告げる事になる真由良、まだまだ幼い伊予を護り導く狼の闇真等、伊予を取り巻く人物や神々との交流場面は情感豊かに丁寧に描かれていて安心して読めます。また、結末の展開は全く独自の世界観が感じられて感心しましたので、2005年に作家デビューをしたという作者廣嶋さんですが、これからも期待できそうです。

数年前までは聞いたこともなかった「送り人」の呼称を使った物語で、正直際物的な感もあって余り期待していなかったのですが、紛れもない「送り人」という存在をしっかりと描き出して立派な「和製ファンタジー」になっていますので安心して手に取って下さい。

そうそう、記憶力が怪しい私が困った事が一つ。固有名詞がかなり独特(猛日王、闇真、大火美姫、火具地、輝火山・・・等々)で覚えるのが一苦労だったことかな?この辺は作者の「こだわり」でしょうから懸命に覚えましょう。(笑)

2010.09.12 Sunday

放送予定

今朝は6時前に目覚めて、妻と30分ほど散歩してきました。さすがに涼しくて気持ちが良い〜!!(笑)

クラシック倶楽部はコチラ・・・。

2010年 9月13日(月) 午後7:00〜午後7:45(45分) BShi ステレオ字幕放送
クラシックミステリー 名曲探偵アマデウス▽ウェーバー 歌劇“魔弾の射手・序曲”。

2010年 9月17日(金) 午前10:00〜午前11:30(90分) BS2 Bモード
クラシック倶楽部 広島交響楽団演奏会

2010年 9月17日(金) 午後11:10〜18日午前0:40(90分) 教育/デジタル教育1 Bモード
芸術劇場 「キングズ・シンガーズ・イン 東京」。2010年7月6日、上野学園 石橋メモリアルホールでのライブ。

2010年 9月18日(土) 午前0:40〜午前1:15(35分) 教育/デジタル教育1 Bモード
芸術劇場「ベザイディンオート・フォルテピアノ・リサイタル」

2010年 9月18日(土) 午後10:00〜19日午前2:00(240分) BShi Bモード
プレミアムシアター フラウエン教会コンサート ほかダニエル・ハーディング指揮ドレスデン国立管、(ピアノ)ミシェル・ダルベルト、(バリトン)コンラッド・ジャノー。

2010年 9月19日(日) 午前6:00〜午前7:25(85分) BShi Bモード
クラシック倶楽部 群馬交響楽団 第463回定期演奏会

2010年 9月19日(日) 午後9:00〜午後10:00(60分) 教育/デジタル教育1 Bモード
N響アワー − 郷愁の名旋律〜メロディー・メーカー ドボルザーク〜 −


FMは・・・。

2010年 9月13日(月) 午後7:30〜午後9:10(100分) FM ステレオ
ベストオブクラシック −ベルリン・フィル特集−(1)トン・コープマン指揮他。

2010年 9月14日(火) 午後7:30〜午後9:10(100分) FM ステレオ
ベストオブクラシック −ベルリン・フィル特集−(2)クリスティアン・ティーレマン指揮。

2010年 9月15日(水) 午後7:00〜午後9:10(130分) FM ステレオ
ベストオブクラシック − 第1680回N響定期公演 −ネヴィル・マリナー指揮、東京・サントリーホールから中継。

2010年 9月16日(木) 午後7:30〜午後9:10(100分) FM ステレオ
ベストオブクラシック −ベルリン・フィル特集−(3)マリス・ヤンソンス指揮、ヴェルディの「レクイエム」他。

2010年 9月17日(金) 午後7:30〜午後9:10(100分) FM ステレオ
ベストオブクラシック −ベルリン・フィル特集−(4)クラウディオ・アバド指揮他。

2010年 9月18日(土) 午後7:20〜午後9:00(100分) FM ステレオ
名曲リサイタル。(ソプラノ)鵜木絵里(ピアノ)多田聡子、(ピアノ)辻本智美。

2010年 9月19日(日) 午後2:00〜午後6:00(240分) FM ステレオ
サンデークラシックワイド −海外オペラアワー−準メルクル指揮、シューマン「歌劇“ゲノヴェーヴァ”」他。

2010年 9月19日(日) 午後7:20〜午後9:00(100分) FM ステレオ
FMシンフォニーコンサート −関西フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会−

何となく秋の夜長・・・中々良いぞ!

2010.09.11 Saturday

スザンヌ・ダンラップ「消えたヴァイオリン」

西本かおる訳

小学館のYA向けシリーズの一冊で、原題は「The Musician’s Daughter」。邦訳の「ヴァイオリン」は良いですね。(「バイオリン」という表記は何だか嫌・・・。)

『スリルと冒険のつまった感動ミステリー

18世紀、音楽の都ウィーンを舞台にした、歴史ミステリ-。クリスマスイブの演奏会の帰り、音楽 家ハイドンの楽団ヴァイオリニストが、突然、何者かに殺される。そして、大切にしていたヴァイオリンが、消えてしまった。このヴァイオリニストの娘テレジ アは、身重の母と年若い弟とともに取り残され、悲しみにくれるが、どうして、こんなことになったのか、父の死の真実を知ろうと決意する。そして、父の死体 を運んできた友人に、現場に連れて行ってくれるように頼む。そこは、ロマの集落の近くで、普通の人は、めったに立ち寄らない場所だった。なぜ父は、こんな ところに来ていたのか……。謎は、深まるばかりだった。

登場する音楽家ハイドンは、交響曲の父とも呼ばれる作曲家。また、他にも、エステルハージ 侯爵、女帝マリア・テレジア、皇女マリア・エレザベートなど、実在の歴史上の人物が多く登場し、フランス革命前の激動の時代を背景に、臨場感あふれ、読者 を引きつけて放さない。しかも、歴史に基づいたストーリーでありながら、歴史的背景を知らなくてもすんなり楽しめるのは、主人公のテレジアが、時代を超え て愛される魅力あふれる少女だからといえるだろう。 』
(~amazon)

作者スザンヌ・ダンラップは子供の頃からピアノを習っていたが、長ずるに及んで演奏家の道を断念。音楽史で博士号を得たらしい。ストーリーは・・・amazonの説明で充分かな?(笑)

いかにもYA向けの表紙で、軽〜い内容を想像し予備知識ゼロで読み始めたのですが、悲惨なクリスマス・イブの夜の描写から始まったお話は18世紀の貧乏音楽家家庭の苦しい生活の様子が延々と続いてかなり辛い前半です。

映画「アマデウス」でも描かれた貧民墓地の穴に父親の遺体を葬る家族の悲哀、縁を切られて長年会っていない叔父の、「結婚の持参金なら用意してやろう」という口約束にすがるしかないと一途に思い込む身重の母親。真実を解き明かして父親のヴァイオリン(アマティ)を取り戻したい娘テレジア・マリア(15歳?)・・・。父親の音楽家仲間も何やら秘密を隠している様子で、不穏な空気をはらんだウィーンの世情もあって先の予想もつきません・・・。なんだこれは?とちょっと困惑しました・・・。(汗)

『18世紀後半、東欧各国で啓蒙専制君主が出現して近代化政策を推進した。オーストリアでは皇帝ヨーゼフ2世が、1781年に農奴解放令を出して農奴制廃止を図ったが、貴族など抵抗勢力の反発を招き改革が頓挫したため、事実上農奴制は温存された』
(〜wikipedia)

Wikiの「農奴制」についてのこの記述を時代背景とした頃のオーストリアの首都ウィーンが舞台。心ある人々の犠牲とその影で繰り広げられた人間ドラマを15歳?の少女の目線で追い、ハイドンを始めとした音楽家、ロマ(ジプシー)の人々や、宮廷人そして皇女マリア・エリザベートから皇帝ヨーゼフ2世まで登場し、最後はホーフブルク宮の接見室での怒濤の結末までなだれ込みます!

父親譲りの絶対音感をもつテレジアと、好々爺然とした名付け親(パパ)ハイドンとの公私にわたっての心温まる交流、エステルハージ家のお抱えオーケストラの内情、宮廷の召使い達の日常や上流階級、社交界の様子など、興味津々の場面に、主人公達の危険と隣り合わせの無鉄砲な行動や恋の行方も描かれていて飽きさせません。

全体としてもかなり複雑なストーリーなのですが、読み進む上で分かり難い部分が無く、あの時代の世情や風俗なども含めて「音楽史家」らしい丁寧で緻密な描写がされていて感心します。少女が主人公ですが本格的歴史サスペンス・ロマンチック・ミステリーと言っても良いくらいの出来ですね。(笑)

見かけによらず凄い本!ということで、お薦めしておきましょう。

2010.09.05 Sunday

放送予定

ちょっと涼しくなってきたかな???

クラシック倶楽部はコチラ

2010年 9月 6日(月) 午後7:00〜午後7:45(45分) BShi ステレオ字幕放送
クラシックミステリー 名曲探偵 アマデウス「ハイドン 弦楽四重奏“ひばり”」。

9/9 (木) 2:29 〜 3:29 (60分) 日テレ(Ch.4)
深夜の音楽会〜読響Symphonic Live。スタジオジブリがイラストを制作!よりイメージをふくらませながら、伊倉一恵の語りでプロコフィエフの名作〈ピーターと狼〉をお楽しみください。

2010年 9月10日(金) 午前10:00〜午前11:32(92分) BS2 Bモード
クラシック倶楽部 N響ほっとコンサート2010

2010年 9月11日(土) 午後9:40〜午後11:00(80分) BShi Bモード
東京クヮルテット 円熟の響き。

2010年 9月12日(日) 午前6:00〜午前7:30(90分) BShi Bモード
クラシック倶楽部 広島交響楽団演奏会。シベリウスの2番!

2010年 9月12日(日) 午後9:00〜午後10:00(60分) 教育/デジタル教育1 Bモード
N響アワー −生誕150年マーラー交響曲シリーズ〜第5夜 交響曲第1番 巨人−。1996年のN響創立70周年&サントリーホール10周年記念特別演奏会で、ズービン・メータが指揮した交響曲第1番「巨人」を放送!


FMは・・・。

2010年 9月 6日(月) 午後7:30〜午後9:10(100分) FM ステレオ
ベストオブクラシック −小山裕幾 フルート・リサイタル−

2010年 9月 7日(火) 午後7:30〜午後9:10(100分) FM ステレオ
ベストオブクラシック −永野英樹 ピアノ・リサイタル−

2010年 9月 8日(水) 午後7:30〜午後9:10(100分) FM ステレオ
ベストオブクラシック・セレクション −波多野睦美 メゾ・ソプラノ・リサイタルピアノは高橋 悠治

2010年 9月 9日(木) 午後7:30〜午後9:10(100分) FM ステレオ
ベストオブクラシック −セルゲイ・アントノフ チェロ・リサイタル−

2010年 9月10日(金) 午後7:00〜午後9:10(130分) FM ステレオ
ベストオブクラシック −第1679回N響定期公演−指揮はネヴィル・マリナー!

2010年 9月11日(土) 午後7:20〜午後9:00(100分) FM ステレオ
名曲リサイタル。(バイオリン)南紫音 (ピアノ)梅村祐子 (ピアノ)松本和将。

2010年 9月12日(日) 午後2:00〜午後6:00(240分) FM ステレオ
サンデークラシックワイド −海外オペラアワー−フィリップ・ジョルダン指揮によるパリ・オペラ座での“ワルキューレ” 。

2010年 9月12日(日) 午後7:20〜午後9:00(100分) FM ステレオ
FMシンフォニーコンサート −東フィル 第790回オーチャード定期演奏会から−ミシェル・プラッソン指揮による「幻想交響曲」他。

大物は少ないながら・・・。

2010.09.04 Saturday

山根 一眞「小惑星探査機 はやぶさの大冒険 」

久々のノンフィクション!話題の「はやぶさ」本です。「惑星探査機 はやぶさの冒険」という書名も中々振るってますね。(笑)

と言うか・・・人間でもないのに「冒険」は変!!ですが。(笑)

『星のかけらを拾って地球に戻るまで、60億キロを、7年間かけて旅をした惑星探査機の運命。その全プロセスにおいて、プロジェクトチームに綿密な取材を続 けてきた著者が、他では知り得ない情報をふんだんに盛り込んだ。「はやぶさ」ファンも知らない未公開の事実、わくわくする証言が続々と公開される』
(〜amazon)

関連本は沢山あると思いますが、どれが良いのか?門外漢の私には全く分かりません。たまたま近所の図書館で見つけたのがこれで、早速読んでみたのですが良かったですよ。

著者はルポライター?の山根 一眞氏。(実はこの人、巻末にはJAXAの嘱託ともある。)

冒頭には8ページにわたって「はやぶさ」のイラストや軌道図、「イトカワ」の写真なども掲載されていてプロジェクトの全貌が分かり易く説明されています。巻末には同様に「あの日」の写真などが・・・。

ざっと読んで見ると・・・。

この本の「強み」は、7年前の「はやぶさ」打ち上げ前からの実地取材の積み重ねがあって初めてできる「臨場感」ですかね。発射から帰還まで、それぞれ重要な場面でのプレスリリース、関係者の表情のルポやインタビューなどが「その時点」でのリアルタイムで書かれていて、現場の雰囲気が良く伝わって来ます。話題になったからと、慌てて関係者への取材をしての急ごしらえの本ではありません。あえて言えば地味な科学者たちの奮闘の記録ですが、7年間の積み重ねの末に、あの奇跡的な結末を迎える事が出来たと言う事が良く分かる内容になっています。

様々なメディアが伝えたように、技術的な面の困難さを担当者の意外なこだわりや発想が救ったり、実務の面ではNASAを初めとする諸外国の機関との連携も重要だったことも分かって、巨大プロジェクトの裏面も垣間見られて興味深く読めます。当然のことながら、現代においては、宇宙開発も只のロマンチックストーリーでは済まないのですね。

結末では、「あの日」の「現地」での関係者の働きが詳しく書かれています。NASAのDC−8が何故あそこにいたか?肉眼で見た最期の光景はどうだったか?初めて見る美しい写真も掲載されていてあの興奮が甦ります!最後には、今世紀最高(今の所は)のドラマと天体ショーを見せてくれた関係者に感謝しつつ・・・読了出来ました。

細かいことを言うと、子供向けを意識した?表紙のイラストや装幀がちょっとショボかったり、肝心のイラストに間違いがあったりという編集のミスもありますが、「世紀の大冒険」の一部始終が語られた内容は、著者の熱意が伝わってくる「作品」に仕上がっていて一読の価値があると思います。

真っ暗な虚空を一人進むはやぶさ・・・淋しくはなかったのか?いやいや・・・夜空を埋め尽くす星々に見守られていたのだ・・・そんな描写もある、とても人間くさい「大冒険」のお話です。

2010.09.04 Saturday

藤江 じゅん「時計塔のある町」

藤江 じゅん
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 1,575
(2010-05-29)

相変らず暑い日が続きますが、今日あたりは湿度が低めで、日陰では涼しく感じるようになってきましたね。もう少しです・・・。

さて、先週読んでいたのはこれ、「黄金旋律」や「RDG」と同じ「カドカワ銀のさじシリーズ」の一冊です。装画は佐竹美保氏。洋風の時計塔の横を「飛ぶ」馬の鞍や二人の衣装は何となく純和風?目次のページには一目で佐竹画伯と分かる線描の絵と、その裏には分かり易い地図が書かれています。

『夏休みのある日、妹・麻由美と上野の博物館に出かけた小5の孝は、帰りの地下鉄で突然洪水に襲われ、気を失ってしまう。目覚めるとそこは、日本によく似 た、不思議な別世界の町。しかも麻由美が、恐ろしい謎の巫女・迂渦夜姫にさらわれてしまった!さらに孝も、特別な力をもつ“金の馬の童子”として、迂渦夜 姫の手先に狙われることに。孝は、ジュンスヰ印の竪琴の力を借り、町で出会った同い年の少年・マオと2人きりで、妹を助けに行こうとするのだが―』
(〜amazon)

藤江じゅんという人の作品は初めて読みましたが、全体として中々良いです。小五の少年と妹が異世界に飛ばされて様々な冒険の末に元の世界に戻るというお話で、登場人物も現代日本の子供に巫女、大学教授、不思議な少数民族から影のような人々、巨大なカラスに博物館の学芸員・・・と実に多彩です。SF的な部分とファンタジー的な部分に和風テイストのしっとり感から現代風の明解さも加えられ、不思議な世界観ができあがっていますし、結末では、最初の部分でさらり触れていた小道具が意外な真実を語ると言う風な展開もあって「この作者、只者ではないな〜!」と感心させられました!

只、様々なエピソードが語られますが、正直なところちょっと掘り下げ不足で終わっている部分も結構あって、魅力的な素材が多いのにもったいないなとも思いました。実は、全体的な印象も同様で、表紙やイラストのイメージと文中の描写のイメージがピッタリといかない面、特に和風テイストの部分と、洋風ファンタジー風の部分の異質感が感じられるところが少なくないように感じました。

という事で、もう少し長めにして丁寧にまとめればさらに良くなったかな?と思いますが、各種の賞も受賞されている作者さんですから、これからも要注目という事で一読をお薦めしましょう。

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