2010.02.28 Sunday
石川 幸憲「キンドルの衝撃」
著者は米国や日本を中心に活動してきたフリーのジャーナリストらしい。書名になっているのは最近話題の「キンドル」です。
『遂に日本上陸で超注目。キンドルとは何モノか!?米国で大人気となった電子書籍端末キンドルの秘密とは。ペーパーレス読書文化の幕開けを告げるキンドルの正体に迫る』
(〜amazon)
amazonが販売するキンドルについては、無線によるダウンロードで本が読める読書用端末(安いタイプは259ドル!通信料込みでも紙の本より安い!1台に1500冊も保存できる!)で「場所をとらないから便利」らしい?と言う位の印象しか感じていませんでした。この本では、今現在も米国で進行しつつある「変化」と、今後予想される、新聞雑誌も含めての紙メディア全てへの影響や将来像を垣間見せてくれます。
まず書かれるのは、ご本人の現在までの道のりとキンドルとの衝撃的な出会い。そしてamazonの隆盛と現在のキンドルフィーバーでしょうか。書籍だけに留まらず、新聞のDL販売も取り込みつつある様子や、競争相手であるSONYや、成功する上で手法が似ている任天堂Wii等との比較なども・・・。
続いて書かれているのは、米国で進みつつある新聞メディアの苦境と必死の生き残り戦術について・・・。バブル崩壊によって広告収入が激減した新聞各社は、大規模なリストラや、インターネット、キンドル等への進出を模索しているが今だ出口は見えず、メディアとしての形態や課金方法での試行錯誤が続けられているというお話・・・。ニューヨークタイムズやウォールストリートジャーナルなどの実例が興味深い。
最後の部分で書かれているのは、今年2010年がキンドルを始めとした様々な取り組みの実質的な元年となるだろうという予想ですね。
一読して驚くのは、キンドルの存在は紙メディア崩壊の象徴に過ぎず、遅かれ早かれ新聞書籍等はネットあるいは各種端末で見る時代がすぐそこまで来ているという米国の現状分析ですね。実際にそこまで行くのかどうかは誰にも分からないけれども、その流れは急速に進み始めており、やがて日本も・・・と言うことらしい。
英語の書名が「Kindle Revolution」となっていてちょっと刺激的ですが、停滞する米国経済の現状は旧来の手法を許す余裕が無く、否が応でも「新世界」に向かって突き進むしかない様子。問われているのは「紙」という媒体の「レーゾンデートル」であり、消費者に喜ばれるコンテンツを提供できるかというメディアの側の能力らしく、キンドルの登場が引き起こした波紋は文字通りの衝撃となって世界中に広まりつつある・・・ということのようです。(汗)
日本版のキンドルは今だ発売予定は無いようですが、これは時間の問題のようです。米国ではSONYやアップル、スキッフなどの各種端末も開発投入されつつあり、紙を思わせる画面やカラー化などの技術開発競争、そして韓国、台湾、インド・・・等々他メーカーも加わっての低価格化競争も予想される・・・。
良い時代と言うべきでしょうか?狭い我家では朗報かな?庭が広い米国では、新聞を庭先まで取りに行くのが大変らしくてその面でも好評らしいが・・・関係無いですね。(笑)
新しいもの好きなあなたならこの手の情報に注目したいでしょう?amazonのキンドル・・・何だかカッコ良いですもんね〜!(笑)でも・・・満員電車の中でキンドルを読むのは・・・ヒンシュクものかも知れないぞ・・・。(笑)