雪太郎のつぶやき

美しいもの、面白いもの、切ないもの、考えさせる物・・・。一人が好きだけど、独りじゃ寂しい。そんな私のつぶやき・・・・。
クラシック音楽が苦手な人にはお薦めできません。暗いのが嫌いな人にはお薦めできません!!お子様にもお薦めできません!!
[謝辞]
父と母に、家族に、多くの慰めと喜びを与えてくれた、過去、現在、そして未来の芸術家達に、感謝!!
[おことわり]
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2009.04.30 Thursday

中川 なをみ「龍の腹」

中川 なをみ,林 喜美子
くもん出版
¥ 1,575
(2009-03)

中川氏の作品は数冊読んだことがあり、手堅い作家という印象が残っています。それ以上の事は記憶が無いが・・・。(汗)

20章からなる物語。表紙は林喜美子画伯。各章の最初のページには薄い影絵のような挿絵がある。わずかに茶色がかったインクでクッキリと印字された文章は気持ちよく読めます。

「「焼き物の技術を学びたい」という、父の夢に引きずられ、父とともに日本から宋へと渡った少年、希龍。苦難の道程をへて、焼き物の地、龍泉にたどりついた 二人の前に、まるで丘をはう龍のような、巨大な登り窯が現れた…。戦乱激しい南宋時代末期を舞台に、陶工として、焼き物作りに身を投じる少年、希龍の命の 物語。」
(〜amazon)

一言で言えば、「大河小説」でしょうか。鎌倉幕府が開かれてから70年ほど後の時代。九州の博多から父と共に旅立った8才の主人公「太郎」。宋王朝の崩壊を経て、元王朝が成立してしばらく経つ頃まで、太郎が36才になるまでの波瀾万丈の物語です。

老舗の呉服問屋に生まれ、何不自由なく育った主人公が父とともに中国に渡る。彼の地の焼き物の技法を身につけた二人は、帰国後その技術を広める・・・なんて筋を最初の内は想像していたのですが、読んでみると大違いでした。

厳しい修行の日々が前半3分の一を占めます。その後は元の侵攻に騒然とする世相の中での過酷な旅、様々な出会いや、戦いの中、志半ばで死んでいく人々の姿も描かれており、単純な児童向け小説の域を超えています・・・。また、一部には現代中国の雛形のような人々の描写もあり、史実の面から疑問が無くもないですが興味深いですね。

主人公「太郎」は中国に渡って「希龍」と名乗り、父に捨てられたと思いながら土にまみれて働く内、次第に陶工という仕事の素晴らしさに魅せられていく。その才を認められて父と再会したのは20才の時!政治に関わりたいと言う父と別れ、更に修行を重ねる為、希龍は自ら選んだ道を行く・・・。様々な困難を乗り越え、やがて家族を得る・・・。人間としてしっかりと自立していく主人公の姿が見られます。

舞台は中国、歴史上の人物も多数登場しますから、語られる言葉も中々味わい深いものがあります。特に目立つのが「仕事」や「人生」にまつわるもの。

「おまえがおまえの人生の主なんだぞ。親は脇に置け。親に感謝は必要だが、自分の人生の主にするのは間違っている。いいか、親は脇に置け」

「仕事にはいつだって楽しみという土産があるんだ。本気でかかれば、きっと、なにかを返してくれる。おれはどんな仕事でも、楽しみが見えるまでは必死になる」

「しょうがなく働くやつと一緒に仕事はしたくない」

「本物の旅も心の旅も、旅に変わりはない。体も心も、いっぱい旅をして、いつか留まるときがきたら、そこに帰ればいい」

「人の一生は旅なんだろう?苦労も含めて、おれは一生けんめいに旅をするつもりだ」
     ・
     ・
     ・
地に足の付いた人間の言葉、力強い言葉があちこちにあって素晴らしい!

児童向けの読み物で「焼き物」に関するものと言えばリンダ・スーパークの「モギ―ちいさな焼きもの師」が思い浮かびますが、この本は焼き物に関する事でも更に本格的な内容です。陶土に魅せられ、焼き物に魅せられ、自然と、命の輝きに魅せられていく希龍の姿が感動的です。「龍の腹」という書名の説明は目に付かなかったのですが、幼いときは泣きながら、成長してからは自らを鼓舞するように語りかけた登り窯のことであり、希龍自身のことでもあるのでしょうね・・・。

何故働くか?額に汗して働くことの素晴らしさを実感させてくれる、近頃珍しい物語です。

児童書ではありますが、本格的な大河小説という雰囲気で大人も楽しめますよ!

2009.04.26 Sunday

「けいおん!」の楽しみ!

快調ですね「けいおん!」。

妻も娘も見てますが、娘が「バンドやりたい!」なんて言い出して・・・。(汗)

昨日、楽器屋さんを覗いたところズラリと並ぶギターの中にありましたよ、唯が持っていたのとそっくりのギター。25万円位の値段でしたから多分アレなんだろうと思います。

今日も暇だったので、あちこち覗いて見ていたら結構盛り上がっていますね「けいおん!」ネタで。楽器やグッズに関する蘊蓄が語られていて、オタクパワーの凄まじさに圧倒されそう。(笑)

つられて私もちょっと調べてみました。

唯(ゆい)のギターはGibson Les Paul Traditional Heritage Cherry Sunburst みたい。定価32万円位で実売22万円位?ジミー・ページのトレードマークだったっけ?アンプはMarshallのMGかな?お値段は1〜2万円位?

澪(みお)のベースは
Fender American Vintage Series '62 Jazz Bass 3-Knob®の左利き用。定価26万円位で実売10万円位?左利き用だと特注か?これはフェンダージャパンのブログにも書かれていますね。左利きのベーシストといえば・・・ポール・マッカートニー位しか知らないけど、彼も使っていた?アンプはやはりFenderだと思うけど今のカタログには無い?市場に出ているもので2万円位?

紬(つむぎ)のシンセサイザーはKORG TRITON Extremeの76鍵モデル(真空管の位置、ディスプレーの右側に黒鍵が16個、右端は黒鍵1本だから)みたいで、これは・・・もう売っていませんが14万円位だったのか?ボディーがブラックだと61鍵らしいけど・・・アニメではネイビー?このシンセには真空管が使われていたそうですが、OPの画面で青くて楕円形の物体が映るけど、あれがボディー上面にレイアウトされた真空管らしい。こんな所まで写すなんて凝りすぎ!!(笑)キーボードアンプはRolandらしい。さすがにお嬢様だけあって10万円位するようです。

律(りつ)のドラムは・・・YAMAHAだ。(笑)色や形から判断するとシグネチャーシリーズ ヒップギグのメローイエロー色・・・かな??定価23万円位で実売19万円位??(汗)シンバル類は別売りだからもっとするか?Zildjianだったっけ?フルセットだとかなりの金額?

EDの場面で目立つのは紬のキーボード。コルグのRK−100のホワイトですが、1984年頃の発売で7万円位したらしい。今見ても格好良いですね〜。昔見慣れた?巨大なアンプやグレードアップされたドラムセットなどはもう調べる気も起きませんが、スタッフのこだわりが分かって楽しめますね。

そんなこんな・・・全部まとめて・・・おいくらでしょうか?(大汗)

娘よ・・・バイトで稼ぐのだよ!(笑)

その他、ラジカセ、カメラ、TV、ティーセット等々・・・。目に付く物は全てネタになりそう。(笑)

第2話では「10GIA」なんて楽器屋さんが登場しましたが、巷では便乗商法も盛んのようです。この辺は・・・頑張ってもらいたいものですね。(笑)

第4話では「オジー・オズボーン」が出てきたりしてちょっとビックリ!最後の場面でのラジカセの音楽に関係しているのであろうがヘビメタは知らないし・・・。(汗)そう言えば、この場面の後で唯がサラサラとギターを弾くところがあったけど・・・まるで漫画だね〜。(笑)

音楽アニメらしくこだわりも凄いですが、監督は女性だけに食べ物にもこだわりがありそう。でも・・・私には・・・ちょっと・・・ついて行けないな。(大汗)

「まごプログレッシブ」さんにはそんなお話が綴られておりました。ディープな世界を知りたい方はどうぞ!(笑)

2009.04.26 Sunday

放送予定

晴れましたね。ちょっと蒸し暑いかな?
連休に入った方もおられるでしょうが、あまり長いのも考え物?(笑)

4/27 (月) 2:00 〜 2:55 (55分)BSフジ
日野皓正クインテットライブ。2007年11月30日、東京・六本木のスイートベイジル139で行われた、世界的トランペッター日野皓正のライブの模様をお届けする!

2009年 4月27日(月)午後11:00〜翌日午前0:30(90分)BShi
ロックの学園2009 − 1日目 −

2009年 4月28日(火)午後11:00〜翌日午前0:30(90分)BShi
ロックの学園2009 − 2日目 −

2009年 4月28日(火)翌日午前0:45〜翌日午前2:15(90分)総合
今夜も生でさだまさし −長野の春はただいま御開帳−

2009年 4月28日(火)翌日午前3:00〜翌日午前3:45(45分)総合
トップランナー (ミュージシャン)TAKURO

4/29 (水) 0:00 〜 0:55 (55分) BSフジ
本田雅人 featuring BOB JAMES。

2009年 4月29日(水)午後11:00〜翌日午前0:30(90分)BShi
ロックの学園2009 − 3日目 −

2009年 4月30日(木)午後5:00〜午後5:50(50分)BS2
あなたの街で夢コンサート −広島県・福山市−

2009年 4月30日(木)午後11:00〜翌日午前0:30(90分)BShi
スーパーライブ 秦基博 in 武道館。やはりハイビジョンが良いね、ぜひどうぞ!

2009年 5月 1日(金)午前10:00〜午前11:43(103分)BS2
N響演奏会 −第1643回N響定期公演−

2009年 5月 1日(金)午後1:00〜午後1:55(55分)BShi
クラシック倶楽部 −音楽物語“ぞうのババール”−

2009年 5月 2日(土)午後10:00〜翌日午前0:00(120分)BS2
ロックの学園2009。

2009年 5月 2日(土)午後11:00〜翌日午前1:31(151分)BShi
ウイークエンドシアター ロッシーニ・オペラ・フェス2008歌劇「エルミオーネ」

2009年 5月 2日(土)翌日午前0:00〜翌日午前1:00(60分)BS2
青山テルマ ライブ 2009

2009年 5月 2日(土)翌日午前1:31〜翌日午前3:10(99分)BShi
ウイークエンドシアター ドキュメンタリー「カラス・アッソルータ 究極のカラス」

2009年 5月 3日(日)午前6:00〜午前7:45(105分)BShi
N響演奏会 −第1643回N響定期公演−。

2009年 5月 3日(日)午前8:25〜午前8:57(32分)総合/デジタル総合
課外授業 ようこそ先輩「“未来への地図”をつくろう〜大黒摩季〜」

2009年 5月 3日(日)午後3:00〜午後4:45(105分)教育
ETV50クラシック・アーカイブ〜和洋名演名舞台〜 −第2部・世紀の名演奏−

2009年 5月 3日(日)午後7:30〜午後9:00(90分)BS2
僕は演歌で生きていく〜歌手・ジェロの1年〜

2009年 5月 3日(日)午後9:00〜午後10:00(60分)教育
N響アワー  − 最近の演奏会から〜エド・デ・ワールト登場〜 −

2009年 5月 3日(日)翌日午前1:00〜翌日午前4:11(191分)BS2
クラシック・ロイヤルシート 藤原歌劇団公演から 歌劇「どろぼうかささぎ」


FMは・・・。

2009年 4月27日(月)午後7:30〜午後9:10(100分)
ベストオブクラシック・セレクション −クレメンス・ハーゲン チェロ・リサイタル−

2009年 4月28日(火)午後7:30〜午後9:10(100分)
ベストオブクラシック −ミシェル・ダルベルト ピアノ・リサイタル−

2009年 4月30日(木)午後7:30〜午後9:10(100分)
ベストオブクラシック・セレクション −山梨県南部町公開録音−

2009年 5月 1日(金)午後7:30〜午後9:10(100分)
ベストオブクラシック −清水直子と仲間たち〜アウラータ・クィンテット演奏会−

2009年 5月 3日(日)午後2:00〜午後6:00(240分)
サンデークラシックワイド −海外コンサート−フランス・ブリュッヘンの芸術

2009年 5月 3日(日)午後7:20〜午後9:00(100分)
FMシンフォニーコンサート −東京フィル第759回オーチャード定期から−

数は多いですが、やはり地味目・・・・。

ま、じっくりと聴いて下さいね。

2009.04.25 Saturday

朽木 祥 「風の靴」

朽木 祥
講談社
¥ 1,680
(2009-03-28)

煌めく海と空、風を受けて進むヨット・・・印象的な表紙に惹かれて借りてみました。表紙と見返しの絵は柏村勲画伯。この方・・・85才程らしいが、いまだに毎日相模灘を描いているという人。挿絵は服部華奈子氏。1980年生まれで鉛筆画に打ち込んでいる方らしい。ひょっとして随分と贅沢な本かも・・・。(汗)

ただ・・・どこから見てもちょっとチープな、いかにも「児童書」の装幀が惜しいな〜〜。(笑)

「海を渡る風を見ているときと同じ顔だった。陸で話していたのに。「自分のからだが透明になって、船とひとつになって、駆けていくんだ。」―そうなんだ。お じいちゃんが、風に靴を履かせる。風が靴を履いて、大海原を駆けていく。そんなふうに、ウインドシーカー号は走る。あふれる光のなか、きらめく波を切っ て。僕らの船は、風の靴になって、どこまでもどこまでも駆けていく。海が空にふれてひとつになり、空が天にとどくはるか高みまで。「かはたれ」「たそか れ」の作者朽木祥の新境地―。」
(〜amazon)

たわいないお話かな?と思って読み始めたのですが・・・これは・・・良いぞ!

一言で言えば表紙そのもののような物語。

中学受験に失敗し、さらに、共にヨットを操って心を通わせていた祖父の突然の死に打ちのめされる中一の主人公「海生」。優秀な兄と比べられ、早くも高校受験の準備に駆り立てられる日常に嫌気がさし、友人、その妹、そして愛犬と共に小型ヨットによる家出を決行するが、思いもよらぬ航海と出会いの末に、自分自身の未来に向かって新たな一歩を踏み出す・・・。

著者のヨット経験や周囲の人々との交流のお陰もあってか、ヨットの船上でのスリルと爽快さ、海の息吹や恐ろしさもしっかりと実感出来ます。宝探しにキャンプファイヤーの一時も・・・アーサーランサムの「アマゾン号」や、作中にも出てくるジュール・ヴェルヌの「十五少年漂流記」を読んだ事がある方なら思わずニヤリ!ですね。(笑)

冒頭には小型ヨット(A型ディンキー)や大型ヨットの説明図。お話の中にはアメリカス・カップの話題が出たり、優美な木造船の魅力やヨットハーバーで過ごす日常も語られていて大変興味深く読めました。ヨットファン必読・・・かな?(笑)

きっかけは現代っ子には良くある「挫折」の話ですが、祖父との回想やヨットを巡って直面する厳しい「海の掟」、友人や偶然であった大人との触れ合い通して、少しずつ前向きになっていく少年の心の成長が見所で、最後は・・・う〜ん・・・海の男!と爽やかに終われます。(笑)

山で生まれ、山で育った私には全く縁が無かったヨットや海のお話ですが、読んでいる内に、寄せる波の音や爽やかな風を感じる事ができました。これからの季節にもピッタリです!(笑)児童書と括ることなく、全ての世代の方にお薦めしましょう。

2009.04.25 Saturday

秦 基博って

今日は一日雨。

特に予定もなく、午前中は浴室の蛇口のパッキンを交換し(笑)、午後から車で30分ほどのところまで遊びに出かけました。本屋さん、パソコン屋さん、楽器屋さん・・・おじさんらしくないか?(笑)

楽器屋さんではSONAR8のデモをやっていたので1時間ほど付き合ってしまいました。中村俊介に似たカッコ良いお兄さんが、ギターをかき鳴らし、PCR−500を転がし、して愉しませてくれました。帰りにSONAR6LEの解説本を買い、駐車料金200円払い帰って来たら暗くなってしまいましたがちょっと得した気分かな・・・。

食事を済ませて新聞の番組欄を見るとNHK−BS2の深夜番組が目に・・・。

「スーパーライブ 秦基博 in 武道館」

「はた もとひろ」って言うのか?

何となく気になって検索してみたら・・・・面白そうだぞ!

YouTubeを見たら・・・いける!

尾崎を思わせる張り詰めた叙情が素晴らしい・・・。

大会場でのライブだと音楽もピンぼけぎみになりはいないかと心配だけど、とりあえず・・・見てみよう。


2009.04.24 Friday

三田村 信行「風の陰陽師〈4〉さすらい風」

全四巻のシリーズ最終巻です。

「板東の覇者、平将門にこわれて東国に赴いた晴明、そこで待ち受けていたのは、またもや黒主の野望による策略。しかし、多城丸たち仲間を救うには、将門を操る黒主を助け、将門軍を勝利に導く以外にない。晴明のとるべき道は?そしてすべてが終わった後―。 」 (〜amazon)

 随分と分厚くなったな〜・・・と思ったのですが、ページ数から言うと今までと同様なのですね。う〜ん・・・疲れているせいかな?(笑)


>友は去り、愛する者は身罷り、家族は遠き存在となる。ただ一人京に残される清明の心には・・・風が・・・。

第三巻では抜け殻のようになっていた晴明。咲耶子姫の一年の喪が明けるとともに京を捨て東国に・・・。多城丸、小枝と共に平将門の行く末を見守ることになったが、黒主の企てによって運命の歯車が大きく狂う!武士の勃興という時代の流れの中で、晴明は仲間たちを護るため奮闘する・・・というお話。

「平将門の乱」で知られる「史実」を「陰陽師の陰謀」という視点から見直したとも言える展開で、大変面白い。実は私、この「史実」については全くの白紙状態でしたが、読了後にWikipediaを見てビックリ。(笑)登場人物の名前や事の顛末など、大まかな事実関係はほとんどそのまま!作家さんて凄い!と感心しました。史実を知ってから読むか知らないままで読むか・・・どちらが良いか?悩みますね〜〜!(笑)

結末はちょっと辛いかな・・・。登場人物それぞれが心情を吐露し、思いを遂げようとする内にクライマックスに突入していきます。将門最後の決戦の中で共に倒れる者、傷つきながらも逃れる者・・・。晴明、多城丸、小枝も運命の荒波に巻き込まれ・・・消えて行く・・・。

後日談として意外な秘話が「暴露」されていますがこれはご愛敬。歴史上の人物である安倍晴明を描いたこのシリーズは、ちょっと切なく、叙情的な雰囲気を漂わせる晴明らしく、静かな余韻とともに終わります・・・。

二星天氏の表紙と挿絵のように、繊細な感性を感じさせる三田村版「安倍晴明」でした。陰陽師という存在やその「技」についてはかなり荒唐無稽な部分もあるのではないかと思いますが、作者による「あとがき」には各種の参考文献等に取材した上での「創作」と書かれています。見た目YA向けの雰囲気ですが、大人でも充分に楽しめる歴史物ファンタジーに仕上がっていますね。

正直言って、これで終わりとはもったいない!もう少し読みたかったかな〜。(笑)

2009.04.22 Wednesday

ジョゼフ ・ディレイニー 「魔使いの秘密 」

ジョゼフ ディレイニー
東京創元社
¥ 2,625
(2008-02)

 金原 瑞人 田中 亜希子訳

シリーズ第三巻。

「ぼくはトム。師匠の魔使いと、魔女の女の子アリスと一緒に暮らしている。ところが冬になったとたん、師匠は居心地のいいチペンデンの家から、アングルザー ク高原にある冬の家に移るという。アングルザークは、なにかといやなうわさのある土地だ。しかもアリスは一緒に住めないなんて…。暗くて陰気な冬の家で 待っていたのは、広い地下室にある、魔女やボガートを封じ込めた穴、そして師匠のかつての恋人で、ラミア魔女のメグだった。おまけに師匠の出来損ないのも と弟子モーガンが、この地で冬の魔王ゴルゴスを目覚めさせようとしているらしい!ボガート退治で大怪我をした魔使いのかわりに、孤軍奮闘するトム。師匠を 助け、モーガンの野望をくじくことができるのか?好評シリーズ第三弾。 」
(〜amazon)

第二巻は「魔使いの呪い」、そしてこの第三巻は「秘密」です。トムの師匠である「魔使い」って、何だか色々あるんです。昔の恋人、不肖の弟子・・・。そして、主人公のトムはその部分で師匠に対する全幅の信頼を寄せることが出来ずに悩む。これまた第二巻と同じ、そして今回も師匠は怪我で使えない!(笑)結局トムはまたまた一人で孤軍奮闘する事に・・・。クライマックスでは恐怖の波状攻撃を受けて圧倒されます!

ただ、その経験がトムを「強くする」のも事実。いつものように、地道な日々の積み重ねが、弟子を育てていく・・・。

結末は大きく動きます。表面上は一応ハッピーエンドなのだけれど、いくつもの辛い別れや大きな波乱を予言する部分もあり、嵐の前の何とか・・・という雰囲気ですね。

ということで、やっと先日見かけた新刊が読めます。(笑)

2009.04.21 Tuesday

ジョゼフ ディレイニー 「魔使いの呪い」

ジョゼフ ディレイニー
東京創元社
¥ 2,520
(2007-09)



金原 瑞人 田中 亜希子訳 (amazonに画像が無いのでちょっと細工・・・。)

シリーズ第二巻。表紙と挿絵は佐竹美保氏。道具の使い方で一部間違いがありますが、全体としては大変快調です。(笑)この物語の雰囲気の半分は挿絵で決まっていると感じるほどですし、字面、装幀など、全体としての完成度も高い本です。

「ぼくはトム。魔使いに弟子入りして半年。修業は大変でまだまだ半人前だけど、なんとかやっている。そんなある日、人の血を好むボガート、リッパーを退治し てくれという依頼があった。襲われたのは、なんと師匠である魔使いのお兄さん。病気で寝こんでいる師匠のかわりになんとかボガートは退治したが、こんどは 魔使いが弱った体で、古代の悪霊ベインが巣くう大聖堂の町プライズタウンに向かうと言い出した。だが、そこには魔使いをつけ狙う、冷酷な魔女狩り長官の影 が…。そして捕らえられた魔女たちのなかにぼくが見たのは、たったひとりの友だちアリスの姿だった。魔使いの弟子トムの成長と冒険を描く、シリーズ第二 弾。」
(~amazon)

一巻でも書きましたが、このシリーズ、いわゆる「魔法使い」の物語とは随分風合いが違い、「地道な職業」としての「魔使い」の生活が書かれています。感覚的には「ゲド戦記」に近いものがありますね。

弟子であるトムがするのは荷物持ちであり、講義をメモすることであり、魔物を閉じ込めるために必死で「穴掘り」をしたり、空腹に耐えて歩くことであり、魔女狩りにあって火あぶりにされそうになったり、と実に地味です。(汗)お手軽な「魔法」で全てが解決なんてことはありません。何だか大変です。(笑)

今回は前半と後半で大きな仕事をすることになるのですが、予定通りに済んだのは前半だけ。後半はほとんど手探り状態の中で悪戦苦闘します。意識のない師匠、悪に染まった?アリス。邪悪な悪霊の「囁き」を聞きながら、進退窮まったトムは決断を迫られます。

「七番目の息子の七番目の息子」という良くある境遇に生まれた主人公のトムですが、天賦の才能をドンドン開花させて素晴らしい魔使いになるのか?というとそうでもなく、悩み、迷い、失敗をしながら経験の積み、その上での精神的な成長によって次第に一人前になっていくというお話のようです。特に目立つのは、どこまで人を信用するかという部分での主人公トムの逡巡ですね。そして、最後の最後での選択の仕方にトムの人間性が表れる・・・という展開。

今回は父母に関わる辛い現実、師匠の秘密や身近な人間の非業の死などもあって暗い雰囲気の場面も多かった。巻末を読むと、次巻もなにやら波乱を予感させます。中々硬派なお話ですよ。

2009.04.19 Sunday

アバド/ ルツェルン祝祭管 マーラー交響曲第2番 「復活」

今日はのんびり・・・。

NHKのBS-hiで今朝放送された 「BSシンフォニーアワー 」を観ました。

クラウディオ・アバド指揮 ルツェルン祝祭管弦楽団 演奏会
交響曲 第2番 ハ短調 「復活」   ( マーラー作曲 )
ソプラノ : エテール・グヴァザーヴァ
メゾ・ソプラノ : アンナ・ラルソン
合 唱 : オルフェオン・ドノスティアルラ
管弦楽 : ルツェルン祝祭管弦楽団
指 揮 : クラウディオ・アバド

[ 収録: 2003年8月20日, ルツェルン・コンサートホール(スイス) ]
(〜NHK HP)

アバドが芸術監督になって最初のルツェルン音楽祭での演奏。もう何度目の放送になるのか?以前にも投稿しているのですが、よくよく見たらPCに取り込んでいないことが判明。改めて聴いてみることにしました。

かなりオンマイクの音で疲れそう・・・ちょっと潤いに欠ける音・・・ヘッドフォンアンプが暖まっていないせいか?保存するかどうか迷うな・・・。

ただ、画面を見ていると飽きない・・・優美なアバドの指揮棒、集中しきった楽員の表情、物珍しい奏法や楽器・・・ザビーネ・マイヤーってカラヤンに似てる・・・美、美女が・・・とか。(笑)

実は、第一楽章、第二楽章と聴き進む内、この曲ってちょっと恥ずかしいな〜と感じてました。(汗)

マーラーと言うとちょっと「格好つけすぎ」の面もあって、「渋さと無縁」の作曲家とも思うのですが、ほとんど「天真爛漫」と言いたくなるこの曲でも、あまりにも赤裸々な、文字通り「素朴」な旋律、ほとんど「民謡調」のメロディーが溢れかえっています。マーラー君!良いのか?それで??!!とちょっと言いたくなる。(笑)

ところが曲が進むにつれて・・・集中しきったオケの演奏振りをみているうちに引込まれますね・・・。

終楽章・・・合唱、パイプオルガン、オーケストラ・・・そしてアバド・・・渾然一体となった白熱の演奏に思わず泣けました!(汗)

終演後、楽員のいなくなった舞台に一人立つアバド・・・降り注ぐ花びら・・・。

声を限りに「ブラボー」を叫ぶ・・・老婦人・・・!

満足そうに微笑む・・・アバド・・・。

ああ・・・幸福な一時です・・・。

う〜ん・・・聴いて良かった・・・アンプも暖まって音もしなやかに・・・やはりこれは永久保存版ですね・・・。

BDとPCの両方に保存しよう・・・これからも何度も聞くことになるかな・・と思ったのですが・・・困った事が一つ。

朝の番組だから・・・画面左上に大きく時刻表示があるのです・・・。(汗)

NHKさん、他の時間にもう一度・・・プリーズ!(笑)

2009.04.18 Saturday

放送予定

さて、4月も残り少なくなってきました。周りは緑一色ですね。


2009年 4月24日(金)午前10:00〜午前11:54(114分)BS2
N響演奏会 −第1625回N響定期公演−

2009年 4月26日(日)午前6:00〜午前7:20(80分)BShi
エリアフ・インバル指揮 フィルハーモニア管弦楽団演奏会

2009年 4月26日(日)午後8:00〜午後8:45(45分)BShi
クラシックミステリー名曲探偵アマデウス▽R.シュトラウスの交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」。

2009年 4月26日(日)午後9:00〜午後10:00(60分)教育
N響アワー −シュトラウスの交響宇宙−。

2009年 4月26日(日)翌日午前1:00〜翌日午前4:00(180分)BS2
クラシック・ロイヤルシート 東京のオペラの森 歌劇「エフゲーニ・オネーギン」。小澤だ〜。


FMは・・・。

2009年 4月20日(月)午後7:30〜午後9:10(100分)FM
ベストオブクラシック −注目の若手指揮者たち−(1)アンドリス・ネルソンス。

2009年 4月21日(火)午後7:30〜午後9:10(100分)FM
ベストオブクラシック −注目の若手指揮者たち−(2)ヤニク・ネゼ・セガン。

2009年 4月22日(水)午後7:30〜午後9:10(100分)FM
ベストオブクラシック −注目の若手指揮者たち−(3)。キリル・ペトレンコ。

2009年 4月23日(木)午後7:30〜午後9:10(100分)FM
ベストオブクラシック −注目の若手指揮者たち−(4)ダニエル・ハーディング。

2009年 4月24日(金)午後7:30〜午後9:10(100分)FM
ベストオブクラシック −注目の若手指揮者たち −(5)ステファン・ソリョム。

2009年 4月26日(日)午後2:00〜午後6:00(240分)FM
サンデークラシックワイド −特選アラカルト−「没後250年 ヘンデル二つの演奏会」


ということで、お散歩でもしてこようか・・・。(笑)

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