萩乃は「マリさん・・・」と呼びました。ミッチーもですよね。この二人だけが「マリさん・・・」と呼びました。これは・・意味が・・・ありますよね?多分。(笑)
萩乃とミッチーにとっては、マリが眩しかったのでしょう。自分とは対照的な、天真爛漫なマリの個性が眩しかった・・・だからマリさんなんでしょう。特に萩乃にとっては、愛すべきマリ・・・守るべきマリ・・・大切なマリ・・・だった・・・。
では、アニメ「BLUE DROP」第4話から・・・・。
冒頭、
第3話での二日目の夜の出来事を再度見せてくれました。親切です。(笑)
そして日も高くなった、二人が出合って4日目の、休日の朝・・・。
朝日を顔に受けて目覚めたマリ。床から体を起こしてボサボサの髪をかきむしり・・・ため息をついてから・・・ふと気付いて萩乃のベッドに目を向ける・・・。
空のままのベッドをしかめッ面で見つめてから・・・「フンッ!!」とそっぽを向き、床に大の字になり・・・。
「あ〜〜〜〜清々するッ!!」と叫ぶマリ!
ノヴァールの艦内。シバリエルに報告を始めるエカリル・・・。
青海寮では、パジャマ姿のままのマリが、一人で食事と洗濯をし、何かを探すように寮の中を彷徨う・・・・。階段の上には二羽の小鳥のステンドグラス・・・・。
そして・・・図書室へ・・・。
書棚の本の背には「Fantasy」「MASURA」「Mone」「The Ring」・・・・。
机で小説を書くことに打ち込むミッチー・・・。
声をかけるマリ・・・大袈裟に慌てるミッチー。(笑)
ノヴァールで。報告を続けながらアザナエルの罵声を浴びるエカリル・・・。青い瞳、表情を変えず、無言で前を見つめ続ける・・・エカリル・・・。
図書室を出て、寮の2階のベランダで子供の頃からの自分を語るミッチー・・・。お話に「逃げ込む自分」を恥じて・・・。
「我ながらどうかと思うんですよね。学校でも寮でも、思ってることは何も言えないくせに・・・自由に振舞えるのはお話の中だけで・・・」
「そんな事・・・」ミッチーを励まそうとしながらも、言葉が出ないマリ・・・。
「現実から逃げてるみたいで・・・自分でもいやだな〜って・・・」
言葉をかけようとして・・・考え込むマリ・・・。
「逃げてるか・・・・」つぶやいて肩を落とすマリ・・・。
「逃げてるんですよ・・・」
言葉もなくたたずむ二人・・・・。
出かけようとして、玄関を出たところで二人を見つけた朱音。
「・・ったく・・・良い若いもんが・・・」と呆れながら、二人に声をかけて連れ出す。
ノヴァール艦内。恋人オノミルの死を知ったアザナエルの絶叫が響く・・・。
寂れた商店街を行く朱音たち三人。閉ざされたシャッターの前で戸惑い、ガラスに写る自分の姿を見て茫然とするマリ・・・。呆れながらも元気づける朱音・・・。
ノヴァールでの会見を終え、離脱するBLUE。不可思議なフォリメ、マリの存在を告げるエカリルと、「興味深い存在だ・・」とつぶやくシバリエル・・・。
他に客のいないビストロの店内。食事をする三人組。皿の上には肉とつけ合わせ・・・。
「フランス仕込み」の味に感動するマリとミッチー。「いまだにここの味付けが盗めなくてね・・・」と悔しがる朱音。夢中で食べ続けるマリ・・。息を呑み、驚いたように二人を見つめるミッチー・・・。
「は〜〜〜・・・。美味しかったね〜!」食後の紅茶を口にして、お腹を撫でながら一息つくマリ。(笑)
「やっと、元気が出たみたいだな〜」と、コーヒーを飲みながら安心したように言う朱音。
「えッ、別に元気が無かった訳じゃ・・・」と、心外そうに答えるマリ。
「そう言えばマリさん・・・昨日から様子が変でした・・・」というミッチー。
「・・・そんなこと無いってば・・・」顔を赤らめながら答えるマリ・・・。
「ミッチーだって、さっきまで小説のことで悩んだりしてたじゃない・・・」
「マ、マリさん!!」「アッ!!」口止めしていたことを言われて驚くミッチーと、口を押さえて慌てるマリ。(笑)
「小説?・・・」問い返す朱音・・・。
BLUE艦内で。アザナエルの行動に憤るツバエルに対して、「あの事故の責任がわたしに在るのは、確かなのですから・・・」と、無表情で答えるエカリル。直後に、ノヴァールの動きを告げるAIの声・・・顔色を変えるエカリル。
「へ〜・・香月が小説をね〜・・・」ストローを口に咥えながら、感心する朱音。
「御免!!ミッチー!!」朱音の言葉に頷くミッチー、そのミッチーに手を合わせて謝るマリ。(笑)
「もう良いです・・・」「へへ・・・」(笑)
「私はさ〜・・・コックになりたいんだよね・・・」恥ずかしそうに話す朱音。
「コック・・・?」つぶやくマリ・・・。
「本当に美味しい物って、食うと元気になったりするだろう?」コーヒーカップを手に、身を乗り出して語りだす朱音。
「さっきの・・お前らみたいにさ・・・」頷くマリとミッチー。
「あたしもさ〜、食ったやつを元気にするような料理を作ってみたいんだ・・・。大体、大学ってガラじゃ無いしね」自分を指差して、おどけるように言う朱音・・・見つめるマリ。
「川島さん、素適です!!お料理実習の時もいつも美味しく作るし、絶対なれますよ!!コックさん!!」顔を紅潮させて、両手を握り締め、熱っぽく語るミッチー。
「そ、そか?・・・ありがとよ!」ミッチーの言葉に、苦笑しながらも礼をいう朱音。(笑)
「二人とも偉いな〜・・・」感心したように言うマリ。意外な言葉に驚く朱音とミッチー。
「朱音チンもミッチーも、自分のやりたいことがはっきり分かってるんだ・・・」
「チンかよ!!??」憤慨する朱音。(笑)
「若竹も・・・もちっと自分に素直んなりゃあ良いのにさ〜・・・」思わせぶりに言う朱音。
「素直って何よ?」ふてくされたように聞き返すマリ。
「ま、分かって無いんなら・・・それでも良いけど・・・」
「何それ!!??感じ悪いぞ朱音!!」
「呼び捨てかよ!!??」
「だって、チンはやだって言うから!!」
「あのな〜仮にも年上だぞ〜他にあんだろ!!」
「朱音タン?」
「タンかよ!!」(笑)
「朱タン・・・」
・
・
「自分に素直に・・・」二人の様子を見て、頷きながらつぶやくミッチー・・・。
そこに入ってきたのは、二人組の不良。朱音に「付き合う」様に言い出す。怯えるミッチー、顔を歪ませるマリ・・・睨みつける朱音・・・。
対人プローブを発射したノヴァール。その動きを察知し全速で航行するBLUE。単身、ジェットでプローブを追うエカリル。艦橋で見守るツバエル・・・。
「コマンダー・・・何故・・・そこまで・・・」
海面近くの低空を全速で飛行する双胴ジェット。コックピットには、歯を食いしばり操縦レバーを握り締めるエカリルの姿が・・・。
不良たちと戦う朱音たち。3人組の不良たちは車にマリを引き込んだまま走り出す。
ノヴァールの艦橋。目標補足の報告を聞いて答えるシバリエル。
「捕獲せよ。なるべく生かしてな・・・」
港の倉庫街。止められたスカイラインの中で暴れるマリと不良3人組。突然目の前の空に現われたのは・・・ノヴァールの対人プローブ!!轟く爆発音!!逃げ出す不良達!!
「何・・・これ・・・?」一人残され、茫然と見つめるマリ・・・。
動きだしたプローブから逃げ出すマリ!繰り出された触手!!絡め捕られて絶叫するマリ!!青い光を放ちながら迫るプローブ!!身動きできず、顔を引きつらせて泣きながら見つめる・・・マリ!
そこに打ち込まれる銃弾!!紅蓮の炎を噴き出すプローブ!!埠頭に放り出されるマリ!連続する銃撃音!振り返ったマリの目に映ったのは、スカイラインのルーフに立って打ちまくる、白と青色の人影!!
プローブの攻撃を受けて爆発するスカイライン!!
降り注ぐ破片から、伏せたままのマリを守るように体をかぶせるその人・・・・。
「あなた・・・!!」透明なカプセル越しに見上げたマリの目に映るのは・・・。
「間に合ったわ・・・」と言いながら微笑む・・・萩乃!!
轟音を上げて水中に落下していくプローブ・・・。BLUE以外のコマンダーに召集をかけて艦橋を立ち去るシバリエル・・・。オノミルへの思いに沈むアザナエル・・・。
埠頭で。フライト・スーツを脱ぎ捨て海を見つめる萩乃・・・。
「変な格好しちゃって・・・何よ!!・・・・助けてくれるんなら・・・もっと早くしてよ!!」泣きながら叫ぶマリ。振り返ってマリの横にひざまずき、静かに語りかける萩乃・・・。
「・・・ごめんなさい・・・」
「
・・・怖かったんだから・・・怖かったんだから〜〜!!!」
叫びながら萩乃にしがみ付き、泣きじゃくるマリ!!
目を見開き、息を呑む萩乃・・・・。
やがて静かに目を閉じ・・・愛しげに・・・ゆっくりと・・・やさしくマリを抱き締める・・・萩乃・・・。
「・・・あったかい・・・」つぶやく萩乃・・・。
「何よ・・・それ・・!!」泣きながら言うマリ・・・。
「も〜・・バ〜カ、バカ・・・・バカ〜〜〜・・・・・」泣き続けるマリ・・・・・。
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「若竹〜!!」「マリさ〜ん!!??」朱音とミッチーの声、マリを探して走る二人。
「あっ、マリさん!!」「萩乃も??!!」先に見える倉庫街で手を振るマリと萩乃の姿。
手を振りながら、ミッチーと朱音に向かって走り出すマリと萩乃・・・。
「川島さん・・・さっき言ってた・・・自分に素直にって・・・」マリたちを待ちながら朱音に問いかけるミッチー・・・。
「あ〜あれか・・・。要するに・・・若竹は千光寺が気になってしょうが無いんだよ・・・。あの二人が、何で意識し合ってるのか分からないけどさ・・・。お互い気になるってことに、意味があるんだろ・・・多分・・・」
「そうですね・・・きっと・・・意味があるんですよね・・・」
明るい表情で走るマリと萩乃・・・その様子を見つめながら・・・頷くミッチー・・・。
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はい、以上第4話。4日目の、長〜い休日でしたね。(笑)初日も休日でしたよね・・・確か。(笑)
冒頭の朝の光景。空のベッド、階段のステンドグラス・・・・。「清々した」と言いながらも、無意識のうちに萩乃の姿を求めるマリです。でも、誰もいないのに叫ぶマリって・・・その声を聞いて、萩乃のクスクス笑いが聞こえてくることを期待したんでしょうか?(笑)
そして、ミッチーの「逃げてるんですよ」の言葉を、自分の事として受け取るマリ。はっきりとはしていませんが、萩乃に対する自分の気持ちから「逃げている」事を意識し始めたんですね。
寂れた商店街で、ガラスに写る自分を見つめるマリ。改めて自分の気持ちを見つめようとしていたのでしょうか・・・?
ノヴァールでマリの存在を報告したエカリル。アルメの、コマンダーとしての仕事を機械的に行った訳ですが、この報告が無ければ・・・と思わず考えてしまいます・・・。でも・・・それでもエカリルの運命は・・・。
ビストロで。夢中で料理と取り組むマリと朱音。その様子に驚くミッチー。自分の、ありのままの姿を隠そうとしないマリと朱音に、ミッチーは新鮮な思いを抱いたのでしょうか?
そして、元気の無かった自分をズバリと言われ、うろたえるマリ。自分の夢を熱く語るミッチーと朱音の様子にも・・・うろたえる?マリ。(笑)
「自分に素直になりゃあ・・・」と言われて、さらにうろたえるマリ・・・。(笑)
いや〜大変だマリちゃん。(笑)萩乃のこと、将来のこと。素直に自分と向き合ってこなかったマリには困った宿題です・・・。(笑)
一方、マリを守るためBLUEを離れたエカリル。「何故・・・そこまで・・・」というツバエルの疑問が出るほど、エカリルの行動はアルメの軍人としては異常なものだった・・・。エカリルはこの時、
「千光寺萩乃」としての「自分に素直な道」を選んだのですね。
後戻りのできない道・・・運命の定める道を・・・。
そして、クライマックスの光景。
萩乃に抱きつくマリ・・・。一瞬驚きながらも、やさしく抱き返す萩乃・・・・。
幼い迷子が母親に抱きつき、泣きながら思わず母親を責める情景が浮かびます。恐怖がきっかけとは言え、自分に素直になったマリ、そしてマリと言う存在に、初めて
「愛しさ」を感じる萩乃の姿です・・・。
「・・・あったかい・・・」
最終13話でも聞かれるこの言葉ですが、人間同士の温もりを知らなかった萩乃にとっての、初めての・・・
「大切な記憶」となるのでしょうね。
マリと萩乃の交流を見つめるミッチーと朱音。不器用ながらも好対照の二人の存在が印象的です。そして、明るい表情で、その二人に向かって走るマリと萩乃・・・。
白いバックに溶け込むように走る二人の姿に・・・二羽の小鳥を思い浮かべます・・・・。
アニメ「BLUE DROP」全13話の中でも、最も幸福なラストです・・・。