雪太郎のつぶやき

美しいもの、面白いもの、切ないもの、考えさせる物・・・。一人が好きだけど、独りじゃ寂しい。そんな私のつぶやき・・・・。
クラシック音楽が苦手な人にはお薦めできません。暗いのが嫌いな人にはお薦めできません!!お子様にもお薦めできません!!
[謝辞]
父と母に、家族に、多くの慰めと喜びを与えてくれた、過去、現在、そして未来の芸術家達に、感謝!!
[おことわり]
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2007.09.30 Sunday

アニメ「十二国記」第39話 第40話

第三十九話 「風の万里 黎明の空」終章
蜂起の起きた拓峰の街へ王直属の軍隊である禁軍が陽子達の敵として現れる。だがそれによって陽子は、王の了解を得ず勝手に禁軍を動かした人物がいる事を知り、呀峰と昇紘の後ろ盾として裏で取りまとめていた元冢宰・靖共の存在に気付く。
靖共にこれ以上勝手はさせないと決意する陽子のもとに、金色の鬣を持つ一頭の獣が舞い降りる。その光景を呆然と見つめる誰しもが、それがこの慶国に唯一無二の存在、「麒麟」だと分かる。

第四十話 「乗月」
芳国で、恵州候・月渓が先代の峯王・冽王を討って4年の年月が流れた。
慶国の新しい禁軍将軍・桓魋は、空座となった玉座を月渓が仮王として治めていると聞き、景王・陽子からの親書を持って芳国を訪れた。
しかし月渓は、朝廷が多少なりとも鎮まった今、恵州に戻る決意をしていた。冽王を討つという大罪を犯した自分が、王宮に留まり仮だとしても王として国を治めてはいけないと考えていたのだ。

(〜NHK HP)

「終章」
雲を突き抜けてやって来る・・・・獣!!郷城胸壁で待つ陽子の前に獣形の麒麟が駆けつける。待ち構える禁軍を見下ろす・・・景麒に騎乗した景王赤子!!真の王の威厳に勝負は付いた・・・。
やるべきことを果たした陽子は、明郭の浅野のもとへ・・・。

寝台の上に横たわるのは、かすかに微笑む浅野の遺体・・・。

「浅野・・・・」泣く鈴・・。
「笑っている・・・」つぶやく祥瓊・・・。
「この刀が見せてくれたから・・・もう間に合わないのは知っていた・・・」水禺刀を浅野の上半身に置き、つぶやく陽子・・・。
「そんな・・・」目を伏せる祥瓊。
「刀に映った浅野君は・・・笑っていた・・・。でも、私の望む幻も見せる・・・。だから、私が笑っていて欲しいと思ったからかも知れないと・・・。でも・・・本当だった・・・」
「そうね・・・笑っている・・・」うなずく鈴・・。陽子も涙を流す。
「済まないが・・・彼を埋めてやりたい・・・」
「いいの?彼はあちらに・・・」戸惑う祥瓊。
「彼は・・・ここで生きて死んだ・・・。だから・・・ここに眠りたいのだと思う・・・」
   ・
   ・
   ・
落ち着いてから外で語り合う3人。これから何をするか・・・そして・・・。

「良い国っていうのは・・・何なんだろう?・・・二人はどういう生き方がしたい?そのためには、どういう国であって欲しい?」改まって聞く陽子。
「寒いのや、ひもじいのは嫌だわ・・・。それに・・・私が言ってはいけないのだけど、やっぱり誰かに辛く当たられたり、さげすまれるのは嫌だった・・・。それに耐えるうちに、自分だけが不幸に耐えているように誤解しちゃう・・・」答える祥瓊。続けて鈴も。
「あたしもそうだったなぁ・・・。我慢するのを止めれば良かったのに・・・そういうのを我慢していると、何だか気持ちが小さくなってしまうのよねぇ・・・」
「そうそう・・・。でも・・・これって全然答えにならないわね?・・・」戸惑う祥瓊。(笑)

「いや・・・参考になった・・・」
「本当?」意外そうな鈴。
「うん・・・。それで、その用が終わったら、二人はどうする?・・・私もまだまだ遠甫に学びたい・・・。もし遠甫が無事で、金波宮に来てくれたら・・・二人ともそこで働きながら学ばないか?」
「えっ?」「待って!」驚く鈴と祥瓊。
「私は今、一人でも多くの手助けが欲しい。あの王宮の中で、信じることの出来る人が、本当に一人でも多く必要なんだ」
驚きで茫然とする鈴と祥瓊・・・大きなため息をついて祥瓊が言う。
「しょうがないわね・・・行ってあげてもいいわ・・・」もったいぶった祥瓊の答えを聞いた鈴もうれしそうに・・。(笑)
「陽子がどうしてもって言うなら・・・助けてあげないでも無いかな〜〜〜??」
「どうしても!!」パチンと手を合わせ、おどけた様に答える陽子。(笑)
顔を見合わせて、思わず笑い出す3人娘・・・・。(笑)
   ・
   ・
   ・

金波宮で、遠甫と語り合う陽子。
「わしは道を貫いたつもりだった・・・。だが・・道とは他者の命を犠牲にするものではあるまい。ならば、わしの貫いたものは何だったんだろうな・・・?この歳になってもまだこうして迷う・・・。時々、わしは道を説く事よりも、田を耕す事、武器を持って戦うことの方が、はるかに意義があるように思える事がある・・・」
「遠甫は、民に、種をまいてらっしゃるのではないですか?」
「なるほどな・・・。わしのように長生きしてもまだ迷う・・・。陽子のような若造に諭される。人というのはその程度のものだ・・・」

陽子が遠甫を太師に、と願い出る。すると遠甫は、自分はかつてここで達王に仕えた「老松」「乙悦」だと告白し、居合わせた一同は驚ろかされる・・・。


久しぶりの朝堂で、玉座を占めて官吏の前に立つ景王陽子。官吏の移動、綱紀粛正を命じ・・・そして言う。

「良心に恥じる事がない者は狼狽するに及ばない。みんな・・・立ちなさい!!」どよめく官吏たち・・・陽子は続ける。
「景麒にも聞いてもらおう・・・」
「私は人に礼拝されたり、人の間に序列ある事が好きではない。相手の顔が見えないことが嫌だ・・・。人から叩頭されることも、叩頭する人を見るのも不快だ」
「これ以後、礼典、祭典、及びもろもろの定めある儀式、他国からの賓客に対する場合を除き、伏礼を廃し、跪礼、立礼のみとする!!」
「主上!!」驚く景麒!!
「もう決めた・・・」
「侮られたと、怒る者が居りましょう」諌める景麒。
「他者に頭を下げさせて、それで己の地位を確認しなければ安心できない者のことなど、私は知らない。それよりも、人に頭を下げる度、壊れていく物の方が問題だと・・・私は思う・・・。人はね景麒・・・」諭すように話しかける陽子。
「真実相手に感謝し、心から尊敬の念を感じた時には、自然に頭が下がるものだ・・・。他者に対しては礼をもって接する、そんな事は当たり前の事だし、するのしないも、本人の品性の問題で、それ以上のことではないだろう・・と言っているんだ・・・」
「それは・・・そうですが・・・」戸惑う景麒。
「私は・・・慶の民の誰もに王になってもらいたい・・・」官吏たちに向き直り、語り続ける陽子。
「地位でもって礼を強要し、他者を踏みにじることに慣れた者の末路は、昇紘、呀峰の例を見るまでも無く明らかだろう。そしてまた、踏みにじられる事を受け入れた人々が辿る道も・・・」

「人は誰の奴隷でもない。そんな事のために生まれるのじゃない。他者に虐げられても屈する事の無い心。災厄に襲われてもくじける事の無い心。不正があれば正す事を恐れず、獣に媚びず、私は慶の民に、そんな不羈の民になって欲しい。己といういう領土を治める唯一無二の君主に!そのためにまず、他者の前で毅然と、頭を上げることから初めて欲しい・・・」

「諸官は私に、慶をどこに導くのだと聞いた・・・これで答えになるだろうか?」
「その証として、伏例を廃す・・・」凛とした陽子の声が響く・・・・。

「これをもって、初勅とする!!」

  〜「完」〜

「風の万里 黎明の空」編はこれで終わり。

「乗月」
この40話から、アニメでは「東の海神 西の滄海」編となる。原作では短編集の「華胥の幽夢」所収。公主「祥瓊」追放後の後日談である。

陽子と祥瓊の手紙を携えて芳国を訪れた桓魋。祥瓊についての話を聞きいぶかる月渓に言う。
「人は変わる事が出来るんです。幸いな事に・・・」
納得のいかない表情の月渓・・・。

恩義ある冽王に対する思いから、仮王に立つ事を渋る月渓。桓魋と月渓は語り合う。

「峯王を・・・敬愛しておられたのですね・・・」
「民が主上を恨む・・・それはあまりにも当然で・・・しかし、いたたまれないほど辛かった・・・。あの方を憎みたくなかった・・・。私にとってあの方は・・・清廉潔白で・・・真っ白な・・・。だから・・・これ以上憎みたくないから・・・殺したのだ!!」うめく様に続ける月経・・・。
「民の為ではない・・・私怨だ!!・・・だから・・・」
「それは、民の為と同義です・・・」桓魋の言葉に驚く月渓。
「恵州侯にとって良い王とは、民のためになる王だった・・・。峯王にそうあって欲しかった・・・」桓魋を見つめていた月渓は、顔を背けて言う。
「やはり玉座にはつけぬ。それでは文字通り簒奪だ・・・。どんな言い訳も許されない!」言い張る月渓。
「言い訳?誰に対する言い訳なのですか?」問いかける桓魋。言葉に詰まる月渓・・・。
「あぁ・・・失礼を・・・」謝る桓魋。
「いや・・・確かに私は主上に対して言い訳をしたかったのだ・・・。憎かったのでも、軽んじたのでも、ましてや位が欲しかったわけでもない・・・と。いや私は・・・そう・・・せめて自分自身に申し開きがしたいのだ・・・。この上玉座を盗めば、私は自分に言い訳のしようも無くなる・・・。そんな私を・・・祥瓊様は笑うだろう・・・」
「恵州侯が国主でおられるからには、芳が荒れ果てていることはあるまい・・・。そう祥瓊が申したから、主上は私を遣わされました・・・」うめく月渓・・・。
「先ほど内乱と申しましたが、実は私たちが起こしたものでした」驚く月渓。
「私も罪人です・・・」静かに続ける桓魋。
「しかし・・・日が落ち、深い闇が道を塞いでも、月は照らしてくれます・・・」
頭上の満月を見上げる二人・・・。
「そうだ・・・月陰の朝というのはどうでしょう?仮朝でも偽朝でもなく、王が玉座にあるのを日陽の朝とするならば、王のいない朝は月陰の朝じゃないかな?・・・月に乗じて・・・暁を待つ・・・・」
「なるほど・・・・」考え込む月渓・・・。

祥瓊の懺悔の手紙を読み、涙を拭う月渓。
罰を受ける為、一人恭に向かったという祥瓊への寛大な処置を願う為、供王に書状を出そうとする。桓魋が聞く。
「しかし僭越ながら・・・。それはいかなる肩書きをもって出される書状でございましょうか?」
「確かに、一州侯が他国の王に、罪人の減刑を申し出ることなど出来ぬ・・・。恐れながら・・・芳の国主としてお願いしよう」うなずく桓魋。

「確かに人は変わることが出来るようだ・・・」つぶやく月渓・・・。

恭に向かう祥瓊。帰国する桓魋がやって来る・・・。
「もし恭国にあるを見つければ・・・叩き出す!!」供王の言葉を伝える桓魋。困惑する祥瓊。吉量に祥瓊を引き上げながら桓魋は言う。
「供王は罪の陳謝に及ばずと言って下さったんだ。どこへなりとも行け!とな・・・。」

「恵州侯は、祥瓊に詫びたいと言っておられた・・・」
「私に?月渓が??」
「あなたの父上のものを盗む・・・と、そしてあなたのことを思案するのも、これを最後にすると・・・」
「それで良いのよ・・・。月渓には民が待っているのだから・・・」
「それともう一つ・・・。恵州侯はお前の歌が好きだった・・・と」
「ウソ!!」目を閉じて叫ぶ祥瓊。
「何故だ?」
「あれは人形の歌よ!!自分が人形と知らぬ人形の歌・・・。今は私だって忌み嫌っている!!なのに・・・どうして・・・・?」泣く祥瓊。
「どうしてそんなこと言うの?!」泣き続ける祥瓊・・・。

「良かったな・・・」祥瓊の肩に手をかけ語りかける桓魋・・・。

陽子にとっても鈴や祥瓊にとっても、今までの過去を振り返り、新たな一歩を踏み出すための日々が描かれる第39話、40話です。「不羈の民に」と呼びかける陽子の凛々しい姿。朱旌や采王主従と再会する鈴の姿。楽俊と再会し全てを清算するため、恭に向かって歩く祥瓊、月渓の思いに泣く祥瓊の姿。そして月渓と桓魋の深い会話・・・。印象的な場面が随所にあります。じっくりと見てください。

次回からは十二国記シリーズの最後を飾る「東の海神 西の滄海」編が始まります。王冠2

2007.09.30 Sunday

ハイティンク/フランス国立管 ドビュッシー「ペレアスとメリザンド」

雨の日曜日。FM海外オペラアワーがしっとり聴けました。

「歌劇“ペレアスとメリザンド”」      ドビュッシー作曲
                  (第1幕:32分17秒)
                  (第2幕:31分25秒)
                  (第3幕:35分37秒)
                  (第4幕:40分59秒)
                  (第5幕:27分49秒)
    ペレアス…(バリトン)ジャン・フランソア・ラポワント
            ゴロー…(バリトン)ローラン・ナウリ
         アルケル…(バス)グレゴリー・ラインハルト
    イニョルド…(ソプラノ)アメル・ブライム・ジェルール
               医師…(バス)ユーリ・キーシン
   メリザンド…(メゾ・ソプラノ)マグダレーナ・コジェナー
    ジュヌヴィエーヴ…(アルト)マリー・ニコル・ルミュー
             (合唱)フランス国立管弦楽団合唱団
               (管弦楽)フランス国立管弦楽団
              (指揮)ベルナルト・ハイティンク
  〜フランス・パリ シャンゼリゼ劇場で収録〜
                  <2007年6月16日>
  (ラジオ・フランス提供)
(〜NHK HP)

さ〜「ペレアスとメリザンド」・・・「沈黙のオペラ」でしたっけ?(笑)

ドビュッシーの唯一のオペラ。とても地味。とても暗い。とても静か。そして・・・とても美しい!!実はとても好きだ!(笑)

色彩的な曲を多く書いた?ドビュッシーなのに、地味で暗く静か・・・。演奏がとても難しい?聞き手にも集中力が要求される?一音一音を磨くような、陰影の濃さを鮮やかに描き出すような演奏でないと・・・眠くなるんだよね。(笑)

歌手も難しい?何しろフランス語だ。美しく柔らかな響きが聴けないと・・・。でもタイトルロールの二人がメゾ・ソプラノとバリトンとはどうなんだろう??歳若い二人、普通はソプラノとテノールかな・・・??マグダレーナ・コジェナーには注目しているが・・・フランス語は今一?(笑)ハイティンクの指揮もやはり地味目か???そういう面で、一貫性があると言えば言えるか・・・。

第3幕第一場。印象的な短い前奏に続いて歌われるメリザンドの歌「私は日曜の午後の生まれ」。有名な「髪の場」はやはり美しい。ドビュッシー節も全開だ。燃え上がる恋の炎・・・「トリスタンとイゾルデ」を思い起こさせる・・・。

第2場、第3場、第4場と次第に高まる緊張感・・凄い曲だ!!

そして第4幕第4場。
結末を予感するように暗く静かに進むが・・・抑え切れずに・・・次第に高まる興奮。そして死を見つめながらの接吻!!

「ああ!ああ!星がみんな落ちてくる!」
「わたしの上にも!わたしの上にも!」
  ・
  ・
  ・
暗い熱狂が美しい・・・。

最終第5幕、臨終の場。

静かに漂う音楽。無言で逝ったメリザンド。嘆くゴローを諭すアルケルの言葉が重い・・・。

「ここにおるでない、ゴロー・・・あれにはいまや静寂が必要なのだ、さあ、おいで・・・むごいことだが、おまえのせいではない・・・あれは実に静かで、つつしみ深い、ひっそりとした存在だった・・・まるで、この世の不可思議で、不憫な存在だった・・・いまあれは、この子の姉のように横たわっている・・・。ゆこう・・・この子はこの部屋に置いてはならぬ・・・今や母親に代わって、この子が生きなければならぬのだ・・・この可愛そうなる番がきたのだ。・・・」
(〜高橋英郎訳)

沈む夕日、最後の残光、煌めく星々・・・静謐でありながら痺れるような美しさ・・・そして優しさに満ちた最終場だ。

作曲家が最後に筆を置く時、幸せだっただろう・・・ドビュッシー・・・天才だ・・・。ラブ

2007.09.28 Friday

週末の放送

う〜ん、いろいろありますね。

明日土曜日、夕方6時からのFMはN響定期の生中継。

− 第1601回N響定期公演 −

交響詩“ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら”
               作品28」R・シュトラウス作曲

「バイオリン協奏曲 第5番 イ長調 K.219“トルコ風”」
                      モーツァルト作曲
             (バイオリン)セルゲイ・クリーロフ

「交響曲 第1番 ハ短調 作品68」     ブラームス作曲

                  (管弦楽)NHK交響楽団
                 (指揮)モーシェ・アツモン
  〜NHKホールから中継〜

アツモン・・・どうなんでしょう???(笑)

11時からのFMは「ジャズ・トュナイト」で「ジョー・ザビヌル追悼特集」。75歳で先ごろ亡くなったジョー・ザビヌルの追悼番組。懐かしい名前だ・・・。

日曜日朝9時からのBShiは2003年のザルツブルク・イースター音楽祭から。

歌劇「フィデリオ」(ベートーベン)

フロレスタン (囚人) : ジョン・ヴィラーズ
レオノーレ (その妻、男装して
  フィデリオと名のる ) : アンゲラ・デノケ
ドン・フェルナンド (大臣) : トーマス・クヴァストホフ
ドン・ピツァロ (典獄) : アラン・ヘルド
ロッコ (監獄の番人) : ラースロー・ポルガー
マルツェリーネ (その娘) : ユリアーネ・バンゼ
ヤキーノ (門番) : ライナー・トロスト
合 唱 : アルノルト・シェーンベルク合唱団
管弦楽 : ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
指 揮 : サイモン・ラトル
演出 : ニコラウス・レーンホフ
字幕 : 天野 晶吉

[ 収録: 2003年4月, ザルツブルク祝祭大劇場 (オーストリア) ]

歌手は全く知らない人ばかりだけど、ベルリン・フィルだからね・・・。

午後2時からのFM海外オペラアワーは「ペレアスとメリザンド」!!

「歌劇“ペレアスとメリザンド”」      ドビュッシー作曲
                  (第1幕:32分17秒)
                  (第2幕:31分25秒)
                  (第3幕:35分37秒)
                  (第4幕:40分59秒)
                  (第5幕:27分49秒)
    ペレアス…(バリトン)ジャン・フランソア・ラポワント
            ゴロー…(バリトン)ローラン・ナウリ
         アルケル…(バス)グレゴリー・ラインハルト
    イニョルド…(ソプラノ)アメル・ブライム・ジェルール
               医師…(バス)ユーリ・キーシン
   メリザンド…(メゾ・ソプラノ)マグダレーナ・コジェナー
    ジュヌヴィエーヴ…(アルト)マリー・ニコル・ルミュー
             (合唱)フランス国立管弦楽団合唱団
               (管弦楽)フランス国立管弦楽団
              (指揮)ベルナルト・ハイティンク
  〜フランス・パリ シャンゼリゼ劇場で収録〜
                  <2007年6月16日>
  (ラジオ・フランス提供)

「バイオリン・ソナタ」           ドビュッシー作曲
                      (14分28秒)
「ピアノ三重奏曲 イ短調」           ラヴェル作曲
                      (27分10秒)
               (チェロ)シャロン・ロビンソン
             (バイオリン)ジェイミー・ラレード
            (ピアノ)ジョセフ・カリクシュタイン
  〜デンマーク・フムレベック ルイジアナ現代美術館で収録〜
                   <2007年2月2日>
  (デンマーク放送協会提供)

なんとメリザンドがマグダレーナ・コジェナーだ!!!ぜひ聴こう!!

そして夜9時からの教育TVは「オーケストラの森」。

− 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 −      
                              
                              
「組曲“惑星”から」              ホルスト作曲
 1.戦争の神“火星”                   
 2.翼を持った使いの神“水星”              
 3.快楽の神“木星”                   
 4.老年の神“土星”                   
 5.魔術の神“天王星”                  
 6.神秘の神“海王星”                  
                              
「冥王星」              コリン・マシューズ作曲
                              
             (合唱)東京シティ・フィル・コーア
      (管弦楽)東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
                     (指揮)飯守泰次郎
                              
  〜東京・オペラシティコンサートホールで録画〜      
(2007年7月26日) 

冥王星がミソか??(笑)

そして日曜深夜3時過ぎからは、BS2クラシックロイヤルシート。

「 ヴァディム・レーピン & ニコライ・ルガンスキー リサイタル」

1. フラトレス ( ペルト作曲 )
2. バイオリン・ソナタ イ長調 ( フランク作曲 )
3. 幻想曲 作品47 ( シェーンベルク作曲 )
4. 幻想曲 ハ長調 D.934 ( シューベルト作曲 )
[ アンコール ]
5. ワルツ・スケルツォ 作品34 ( チャイコフスキー作曲 )
6. ルーマニア民族舞曲 ( バルトーク作曲 /
セーケイ編曲 )
7. 「なつかしい土地の思い出」 作品42 から
   「メロディー」   ( チャイコフスキー作曲 )
8. 「ベネチアの謝肉祭」 から ( パガニーニ作曲 )
バイオリン : ヴァディム・レーピン
ピアノ : ニコライ・ルガンスキー

[ 収録: 2004年10月5日, サントリーホール ]

何となく・・・いいな〜・・・。(笑)

ま〜全部は無理だから気が向いたらね・・・。
以上引用は全てNHK−HPから。熱燗

2007.09.27 Thursday

デキムス・ユニウス・ユウェナリス「おまえの鼻が気にくわん」

今日の毎日新聞、「引用句辞典」というコラムから。
投稿のタイトルはローマ帝政期の詩人ユウェナリスの「風刺詩」という作品からの言葉。

仏文学者の鹿島茂氏が、今回の自民党総裁選に引っ掛けて書いている。要するに、今回の選挙は候補者に対する好き嫌いが結果に現れた、実に嘆かわしい選挙であったと言うお話ですね。一部引用します。

『麻生前幹事長の敗因については、政治評論家たちがいろいろと分析を試みているが、基本的には右の引用(「おまえの鼻が気にくわん」)の心理による。

つまり、政策とか政治理念という以前に、麻生前幹事長は、容姿、態度、言動すべてをひっくるめて、自民党の派閥や議員たちから「好かれて」いなかった。これに尽きる。』

『そして、その場合、「好かれている」という積極的要素よりも、「嫌われていない」という消極的要素のほうがはるかに大きな影響を及ぼす。

福田新首相が好きという人はあまりいないだろうが、「大嫌い」という人も少ない。

反対に、麻生前幹事長が「嫌い」という人はかなり多く、「大嫌い」という人も少なくない。

この「好き」「嫌い」による選択が、」投票が行われる前の段階でそれぞれの派閥の態度決定に作用してしまったのである。しかも、「好き」という引力よりも、「嫌い」という斥力の方が強く働いたのだ。

こんなことは、本来の政治の在り方からすれば、あってはならないことである。政治家はタレントではないのだから、ルックスや雰囲気の「好感度」なんかで判断されては困る。政策や政治思想で勝負すべきだ。

正論である。だが、正論は正論であるがゆえに常に破れる運命にあるのだ。

なぜなら、人間はフィジカルな要因からくる好悪の情だけはどうにも克服できないからである。』

ここで、ユウェナリスについての説明があるが割愛。(「健全なる精神は健全なる肉体に宿る」という有名な成句も「風刺詩」にあるが、じつはこれは誤訳で、もともとは「健全なる精神は健全なる肉体に宿ってほしいものだ!」という祈願文である。なんてお話もあったんだけど、ちょっと難しいので・・・)

『さて、この「おまえの鼻が気にくわん」式に決着を見た総裁選挙、これはまさに小泉純一郎元首相を当選させた「好感度」選挙の裏返しだが、一度、こうした大衆型選挙がまかり通ってしまえば、もはや元には戻らなくなるのは確実である。

以後、総裁を狙う候補者は、フィジカルなハードルを最初にクリアーしなければならなくなるだろう。悲しいが、これが現実なのである。

「人気投票なんてけしからん」という事のようですが、やはり嫌いなものはどうしようもないもんな・・・。(笑)

でもこれが、「最初のハードル」であれば何の問題もないでしょう?政策や政治思想が「次のハードル」としてきちんとあればね・・・・。ところが現実には、ハードルが1個しかなかった・・・?この現実、政治家業界の層の薄さこそが一番の問題かな??

「健全なる精神が、多くの普通の政治家にも宿ってほしいものだ!」と思います。(笑)ハサミ

2007.09.25 Tuesday

海部 宣男「すばる望遠鏡の宇宙  ハワイからの挑戦」

カラー版 すばる望遠鏡の宇宙―ハワイからの挑戦 (岩波新書)
カラー版 すばる望遠鏡の宇宙―ハワイからの挑戦 (岩波新書)
海部 宣男

今夜は十五夜・・・お団子食べました??(笑)

さてこの本は、しばらく前の毎日新聞日曜版、読書蘭の巻頭を飾った・・・お薦め本?(笑)すばる望遠鏡建設に関わる裏話が一杯??と期待して買いました。

すばる望遠鏡についてはNHKのドキュメンタリーなどでかなり細かなことまで知られていると思います。鏡の製造に関わる一連の出来事や、運搬組立の苦労、ファーストライトの大騒ぎとか。(笑)私もほとんど見ています。

ですから、この本の「建設裏話」的なの部分について目新しいところはそれほど多い訳ではありません。全く知らなかった事としては、建設反対運動や、地元の先住民、事故で亡くなった工事関係者の遺族の方々との交流・・・などの話でしょうかね。著者はこの大事業の責任者として働いていた方なので、技術的な裏話などは関連書籍が多数出ていることもあってか深入りせず、比較的地味な人的交流の面を取り上げたと言う雰囲気ですね。

また実際の運用に当たっては、「日の丸」望遠鏡という変な思い込み?は全くなく、ハワイの地元の人材がほとんどを手がけ、研究者も世界中からやってくるという、21世紀の開かれた研究機関の日常も書かれています。

と、説明していますが、実は今までのことは全体の3分の一位なんですね。あとの3分の2は、すばる望遠鏡が見せてくれた宇宙の「神秘の姿」でございますね〜。(笑)

残念ながら、私は「天文小僧」でも「天文おじさん」でもないので、内容の素晴らしさを全て理解できる能力がないのですが、それでもう〜んと唸る画像が一杯です。はっきり言って、この辺は専門的な知識があるかどうかで、本自体の評価が分かれると思います。ひたすらロマンを求める方にはちょっと難しい面もあるかも知れませんね〜。(笑)

はっきりとは言えませんが、かなり最新の宇宙像に迫るような観測結果が掲載されているようです。また、これから先の天文学の進む方向や、世界の天文界の潮流なんてことも書かれていて、単なる紹介本というより現代天文学の「今」を教えてくれるような内容ではないか?と思います。まさに「ハワイからの挑戦」の様子が分かるんですね。

新書版ですが、薄手の光沢紙で画像もくっきりと印刷されていますし、大雑把に言って2ページに一枚は写真や図が入っています。とても内容の濃い本ですね。

これからの季節、どんどん夜空が澄んできます。日常のあれこれを忘れ、思いを空の果てに飛ばしてみるのもいいかもしれないね。とは言っても・・・宇宙の果てって・・・あ〜〜考えると眠れなく・・・・。(笑)月

2007.09.24 Monday

ドゥダメル/シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ

NHK-FM「ベストオブクラシック」を半分だけ聴きました。(笑)

− 南北アメリカ大陸のオーケストラ −(1)

 ▽グスタボ・ドゥダメル指揮、シモン・ボリバル・ユース・
          オーケストラ・オブ・ベネズエラの演奏会 

「リュッケルトの詩による5つの歌」       マーラー作曲
                      (18分31秒)
「交響曲 第5番 嬰ハ短調」          マーラー作曲
                    (1時間7分17秒)
         (メゾ・ソプラノ)マグダレーナ・コジェナー
 (管弦楽)シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・
                      オブ・ベネズエラ
                (指揮)グスタボ・ドゥダメル

  〜スイス ルツェルン文化・会議センター
                 コンサートホールで収録〜 
                   <2007/3/24>
  (スイス放送協会提供)
(〜NHK HP)

「リュッケルトの詩による5つの歌」の最後の2分ほどから聞き始めましたが、こ、これは!!!!!柔らかくしなやかな声・・・素晴らしいソプラノだ!!!!初めから聴けば良かった〜!!!!(笑)マグダレーナ・コジェナーか・・・聞いた事ある名前だけど・・・またいつか聴けるだろう・・・。要チェックですね。

グスタボ・ドゥダメルって若手でしたっけ?記憶が無いんだけど・・・。(笑)シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラって・・・ベネズエラの田舎のオケかい???そんな認識でいたもので、期待していなかったんですよね、もったいなかったな〜!!(笑)検索してみたらこのオケでDGからCDも出している!!アバドやラトルから絶賛されてる若手の注目株だそうだ。なんだか凄いぞ!!いや〜もったいなかった〜!!(笑)

で、5番ですが・・・これも中々いいぞ!!

いや〜、オケも熱演です。ちょっと不安定なところもあるけど、日本のオケなどよりはるかに安心して聴ける。(笑)ダイナミックな部分も、ゆったりした部分もしっかりと描き出してくれます。表情が濃いんですね〜。ほとんど一流オケ並みか?テンポの速い部分がちょっと軽量なんだけど、勢い自体はとても自然で生きた音が聞こえてきました。やはり只者じゃないな・・・・。

若さゆえか?走り過ぎと感じる部分が多いけど、悪くはない。切羽詰った?緊張感に溢れた演奏、力の入った力演としか言いようがない!!快演だな〜〜〜!!!!

演奏終わって聴衆も熱狂!!実演でこれだけあおられたらブラボ〜〜〜〜!!と言わずにはいられないね!!(笑)

理性でと言うより、感性で指揮しているような感じだから、これからどう変わっていくか予想もつかないけど、クライバー亡き後の注目株と言えそうだね。20代半ば?のベネズエラの熱血指揮者グスタボ・ドゥダメル!!面白そうだ!!(笑)ムード

2007.09.24 Monday

理念と政策

今日の毎日新聞、一面の左側、政治部編集委員小松浩という記者?による記事ですね。「理念過剰政治脱却を」と題した、福田新総裁に対する注文のようです。これからの国内政治の方向性をきっちり言ってくれていると思うので、一部引用しましょう。

『小泉純一郎、安部晋三と続いた二人の首相は、確かに一つの時代の寵児であった。派閥を基盤とした自民党のボス選び構造が崩れ、首相が国民人気目当ての広告塔になった時代。2人はその波頭に乗って最高指導者の座へ上り詰めた。』

『「美しい国」や「戦後レジュームからの脱却」がこの夏、黙々と地方を回った小沢一郎・民主党代表の訥弁に敗れた時、頭に浮かんだのは、作家塩野七生さんの言葉だった。「政治家は、具体的なことをやってくれればいいと思います。抽象的なことは、小説家や宗教家がやりゃいいわけです」(今年5月、日本記者クラブでの講演)

塩野さんはローマ史を引き合いに、民衆は最初から最後まで健全であって、政治がかじ取りを間違えば民衆はもろに影響を受けると指摘。「政治家というのはつくづく大切だ」と語った。

平等感の喪失、将来への懸念。それを小泉政治の「負の遺産」と呼ぼうが呼ぶまいが、次のように言って、さしつかえはないであろう。つまり、多くの国民が望んでいるのは一人の政治指導者の国家観、個人的な信念ではなく、明日の暮らしの安心だ----と。

テロの不安に覆われたこの数年、国際社会を率いたのは、ブレア前英国首相やブッシュ米大統領に代表される「理念型」の政治家であった。小泉、安部両氏も同じ系譜に連なる。

だが我々は、信念や正義感のとりことなった政治家が、時に致命的な過ちを犯すことを知った。故森嶋通夫ロンドン大名誉教授はかつて著書で書いている。

「信念をチェックする自動制御機構をもたない純粋の信念の政治家は政治家として欠陥品である」(「政治家の条件」)』

『小泉政権は、改革に名を借りた、党内権力闘争の時代でもあった。安部政権は、国家の器作りにばかり目が行き、中味(国民の生活)がなおざりにされた。明日25日に首相指名される福田氏がまず考えるべきは、誰のための政治か、という一事に尽きよう。

抽象より具体を、理念より政策を、福田新総裁には語ってもらいたい。福田氏が責任を負うのは、330票にではなく、一人一人の国民に対してである。』

ま〜、残念ながら、「安部氏は心身ともに欠陥品であった」という事実は、世界の常識となってしまった訳だよね・・・。ソフトな印象から?国民の人気を集めたのに、首相となったとたん、鎧で身を固めて旗を振りだした。何とも危ない人だと思っているうちに、身体不調?でやめてくれたのは、正直言ってありがたい。(笑)

あんな人の後釜なんだから、福田氏はとにかく実務に徹するしかない。財政再建、年金、医療、福祉、そして景気対策・・・・。実のある政策を立て、実行しなければ・・・。良薬口に苦し・・・増税だって、必要なら国民が納得するまで説明してやるべきことをやってもらいたいですね。

これでだめだったら・・・自民党がなくなったって別にいいんだよ!!熱燗

2007.09.24 Monday

ラヘル・ファン・ コーイ「宮廷のバルトロメ」

宮廷のバルトロメ
宮廷のバルトロメ
ラヘル・ファン コーイ 松沢あさか訳 (2005年4月刊)

「「ぼくだけを村にのこさないで!」泣いてたのんで、やっと都へでたバルトロメをおそう、運命のいたずら。世界中の富をあつめて栄えるスペインの首都マドリード、その華やかな宮廷でバルトロメを待つ、人間なのに人間でない生活とは?人間にもどれるのは、宮廷画家ヴェラスケスの画室でのわずかな時間だけ。しかしやがて、少年の生活に新しいきざしが見えてくる。その頃、お城の外でも親きょうだいたちが、バルトロメをすくいだそうと知恵をしぼっていた。」
(〜amazon)

宮廷か・・・なんだか面白そうだ・・・。バルトロメ・・・オペラに出てきたような記憶があるが・・・・セビリアの理髪師??(笑)そんな事で借りてみましたが、結構面白い!!

このお話は、田舎から一家で出てきた少年が偶然の事故からお城に上がり、苦しい日常を送ることとなったが、彼の才能を見出した一部の大人や離れ離れとなっている家族たちの協力によって開放される・・・というお話です。

主人公の子供が辛い経験の後に希望を掴むという、良くある話なんですが、活き活きとした描写で引き込まれます。17世紀のスペイン、マドリードの王宮といえば、はっきり言ってその当時の「世界の中心」ですね。生まれながらに足と背骨?に障害?を持つ10歳の子供が、その宮廷に仕えるという事は尋常のことではありません。5歳の王女マルガリータに要求されたのは、普通の人間として役割ではなかった・・・。

作中に17世紀スペインの宮廷画家ディエゴ・ベラスケスが登場します。そしてこの物語は、そのベラスケスの代表作である「ラス・メニーナス」(女官たち)がモチーフになっているようです。詳しくは書きませんが、読み終わってから改めてこの絵を見るとなるほど〜!!と感心します。(笑)

全体を通して感じた雰囲気がリンダ・スー・パーク の「モギ」に似ているかな?向上心旺盛な主人公の、困難な中でも希望を失わずに努力を続ける姿、意外な形で転機が訪れる結末など、さわやかな読後感が共通していますね。一応児童向けですが、私だって充分楽しめましたよ〜。(笑)読書

2007.09.23 Sunday

アニメ「十二国記」第37話 第38話

第37話   「風の万里 黎明の空」 十四章
郷城への突入に成功した陽子と虎嘯は昇紘を捜すため二手に分かれる。そして陽子は驃騎と班渠から昇紘の居場所を聞き、ついに昇紘を見つけ出した。陽子の正体に気づいた昇紘は、天意の存在を確信し、剣を投げ出し陽子に「殺せ」と言い放つ。
一方、鈴は浅野と再会する。鈴から状況を聞いた浅野は自分にも何か出来る事はないかと考え、以前追いはぎから救ってくれた人たちに助けを求めるため、一人明郭を目指すのだが・・・。

第38話   「風の万里 黎明の空」 十五章
陽子達は桓魋の部隊が加わった事で州師にも勝る勢力を得た。それでも拓峰の街の人たちが蜂起する気配はなく、静まり返ったままであった。
鈴は、我慢することで自分の不幸を慰めている街の人たちの気持ちと、梨耀に仕えていた時の自分の気持ちが似ていると感じていた。祥瓊もまた同じ気持ちで、二人はこの乱によって二度と呀峰や昇紘のような人物を生み出さないで欲しいという願いが景王に届けばいい、と陽子に話す。

(〜NHK HP)

さあ〜・・・いよいよ山場である。

無数の死体を乗り越えて、陽子は、景王は戦う!!正に死屍累々!!「玉座は血であがなうもの」「腹は括った」と言った陽子だったが、無力な王ゆえに、多くの血が流される・・・。昇紘は捉えたが、限られた兵力では負けが見えている。

「仲間を呼んでくる!!」と言って明郭を目指す浅野。自らの誇りを守り、景王を守るためにと小司馬に立ち向かったが切られる・・・。5千の援軍とともに駆けつけた祥瓊からそれを聞き、鈴は泣くが・・・王である陽子は気丈に振舞うしかない・・・。

「小司馬に媚びなかったから切られた・・・なら良い・・・。私にも、ここでやるべきことがある。・・・・・・良いんだ・・・」

第38話は禁軍を送り込む靖共たちと、陽子を案ずる景麒の姿から始まる。

夜明け前の郷城の胸壁の上で、陽子たち3人は街の人達が立ち上がらないことについて語り合う。
「あたし、何となく街の人の気分、分かるな・・・。あたしが仕えていた人は使用人にとても辛く当たる人だった・・・。今から考えると、少しは文句を言えば良かったって思う。でも、ご機嫌を損ねるのが怖くて黙っていた・・・。黙って我慢して、そうしている間に・・・どんどん怖くなるんだよね。よく考えたら、梨耀様があたしを殺したりする訳じゃないのに、我慢していないともっと酷いことになりそうな・・・」
「そんなものかもしれないわね・・・」祥瓊も頷く。
「我慢していれば、自分はなんて不幸なんだって、自分を慰めていればいい。街の人もきっとそう・・・。大切な人を殺されるまで気が付かない・・・」続けて祥瓊が言う。
「昇紘に殺されるようなことをした方が悪い・・・なんてね・・・。人間て、不幸の競争をしてしまうわね。本当は死んでしまった人が一番可哀そうなのに・・・。誰かを哀れむと・・・負けたような気がしてしまうの・・・。自分が一番可哀そうだって思うのは、自分が一番幸せだって思うことと同じ位気持ちがいいことなのかもしれない。それは違うって諭されると、腹が立ってしまうのよね。こんな不幸なわたしを、この上責めるのかって・・・」顔を見合わせて笑う鈴と祥瓊、横で聞いていた陽子も笑う。
「陽子??」戸惑う鈴。
「皆、同じところにはまり込むんだな・・・」
「あなたも?」驚く祥瓊。
「人が幸せになる事は、簡単なんだけど難しい・・・そんな気がする・・・」
「あのね。生きるってことは・・・うれしい事半分、辛い事半分なんだって・・・」
鈴の言葉に考え込む陽子と祥瓊・・・。

歩きながら更に語る3人・・・。
「沢山の人が犠牲になるんだから、ちゃんと景王の耳に届くといいわね・・・」
驚いて祥瓊を振り向く陽子。
「乱が起こった事で、景王様が、二度と昇紘や呀峰のようなやつをのさばらせないでくれれば・・・そうなったらいいな・・・って話」鈴が付け加える。
うつむく陽子・・・。

「あたしね、本当は景王様に会いたくて来たの・・・祥瓊もそうなんだって」
「景王に??なぜ??」戸惑う陽子。
「同じ年頃の娘だから!!」声をそろえて応え、笑いあう鈴と祥瓊。(笑)
「それに同じ海客だから。海客の王様なら、可哀そうなあたしを助けてくれるって思ってた・・・」
「わたしは逆よ・・・景王を恨んだ・・・」いたたまれず、背を向ける陽子。
「自分は王宮から追い出されて・・・同じ年頃の娘が王になったって聞いて。八つ当たりだけど・・・許せなかったわ・・・。楽俊に合えなかったら、きっと今でも恨んでいたと思うわ・・・」
「楽俊!!?」驚く陽子。
「いい人だったの・・・とても感謝している。あの人の友達なんだから、きっと景王もいい人なんだと思うわ・・・」

「私だ・・・」目を閉じて、背を向けたままで陽子が言う。

「何が?」不思議そうな鈴。振り向いた陽子が2人を見つめて答える。
「その景王は私だ・・・」息を呑む鈴と祥瓊。
「こういう事を言うと、お笑いに聞こえることは分かっているけど、今の話を聞いて、黙っておくのは出来ないから言っておく・・・」
「それであの海客が・・・」浅野の言葉(「景王を守ってくれ・・・頼む」)を思い出す祥瓊。
「その時は意味が分からなかった・・・でも・・・あなたが景王・・・赤子なら・・・」
「浅野は陽子って・・・」
「それが本当の名だ。官は赤子と字を付けた・・・ご覧の髪だから・・・」
「あたし・・・金波宮に行ったわ。でも王は居なかった・・・延にいると言ってたけど、なんだか変で・・・」
「私は、遠甫という人に、こちらのことを学んでいる途中だった」
「遠甫?さらわれたという・・・松塾の?」
「遠甫をさらったのは昇紘で、さらわせたのは呀峰だ。遠甫を助けようと動いていたら、こういう事になった・・・」
「なぜ?あなたが本当の景王なら、昇紘や呀峰を罷免すれば済む!!こんなことをしなくたって!!」
「私は官に信用が無い。昇紘を郷長から更迭するなら、それに足る証拠を出せと、景麒は官に言われたそうだ・・・。私には・・・何の権限も無い・・・」
「そんなはず無い!!」信じられない祥瓊。
「無いんだ!!私が王宮に戻り、朝議を開いても、禁軍をいつ動かせるか分からなかった。そうしている間に、遠甫は殺されるかもしれない!!現に、里家で私と同じ年頃の娘が殺され・・・弟は瀕死だ・・・。この街でも子供が死んだ・・・助けてあげたかった・・・だから!!」聞いていた鈴が、陽子を見つめながら問い詰めるように聞く。
「間に合えば助けてあげた??あの子を??」
「当たり前だろ!人一人の命だぞ!!」息を呑み、目線を下げる鈴。
「もし、そんなに酷い怪我に見えなかったら?昇紘のせいじゃなくても?」祥瓊も聞く。
「祥瓊なら見捨てるのか?」言葉につまる祥瓊・・・。
「・・・そうね・・・」

「私は至らない王だ・・・。沢山の民が無為に殺され、重税や苦役を課せられていることも知らなかった。それで目の前に見える不幸な人だけ助けようなんて、噴飯物だってことは分かっている。桂桂やその子を助けたって、別の場所で別の子供が死んでいるんだろう・・・。でも、私にできる事が目の前の不幸だけなら・・・それを何とかしたい・・・」

「不甲斐ない王で・・・すまない・・・」目を伏せる陽子・・・。

祥瓊の肩に手をかけ、声を震わせ、泣きながら笑い出す鈴・・・。
「ちょっと鈴!!・・」驚く祥瓊。
「すごい・・・馬鹿みたい・・・」
「鈴・・・??」
「勝手に期待して、勝手に失望して・・・ほんと馬鹿みたい・・・。でも王様って・・・そんなものなのね・・・。みんな勝手に期待して・・・陽子自身のことなんて考えてもみないで・・・勝手に失望して行くの・・・」涙を拭いながらつぶやく鈴。

「私は・・・どうすれば良い?」問いかける陽子・・・。

「決まってるじゃない」答える鈴。
「そうね!!」
陽子と鈴の間に立ち、2人の腕を取った祥瓊が言う。
「州師をここで迎え撃ち、呀峰を引きずり降ろすのよ!!」
「うん・・・」頷く陽子・・・。
   ・
   ・
   ・
街に火を放った州師。人々を守る為に、陽子たちは郷城から打って出る!!
班渠に指示をしながら陽子は進む。

州師は撃退したが、朝を迎えて遂にやってきた禁軍!!王の許しも無く禁軍が来た事から、靖共の陰謀と知った陽子たち。陽子は一計を案じる・・・・。動揺する街の人々に王の考えを伝える鈴と祥瓊。自分の身分を明かしての説得に人々は驚く。

いよいよクライマックスです!!3人の少女が、それぞれの素性と、置かれている状況を理解し、互いに励まし合う場面は感動的です。非常に酷い「絵」ですが、我慢しましょう。(笑)それから「水戸黄門の印籠」みたいなあの場面・・・スカッとしますね〜!!(笑)

次回はいよいよ「風の万里 黎明の空」の終章です。王冠2

2007.09.23 Sunday

NHK放送予定

寝たのが2時なのに、寒くて目が覚めた〜!!(笑)

今日明日あたりの目立つものをいくつか紹介しておきましょう。

まずBShiでこのあと9時から「BBCフィルハーモニック演奏会」。以前の再放送ですが、ミューザ川崎のすっきりとした音、BBCフィルもいい演奏です。神尾真由子も登場!!

午後2時からのFMは「札響スペシャル」。マーラーの2番が!!キタラの響きも良いぞ!!

今夜のBS2「クラシックロイヤルシート」は「シューマン・コンサート」「 フランツ・ウェルザー・メスト指揮クリーブランド管弦楽団演奏会」。シューマンはアルヘリッチとシャイーだからひょっとしたら凄いかも!!??メストは以前の再放送か?聖地での演奏が聴き物。

明日の夜6時からは「世紀のテノール パヴァロッティを偲(しの)ぶ」と題した特番。CDの演奏かな。

そしてFMの「ベストオブクラシック」。明日からは「南北アメリカ大陸のオーケストラ」というシリーズだ。結構面白そうですね。要チェックです。

そして映画なんだけど、明日の夜9時からの衛星映画劇場「真珠の耳飾りの少女」。ちょっと見ものかもしれません。

「17世紀のオランダ美術を代表する天才画家フェルメールによる名画「真珠の耳飾りの少女」に秘められた物語を描いたベストセラー小説を映画化。フェルメール家に住み込みの使用人として雇われた17歳の少女グリートは、その優れた色彩感覚を見出されフェルメールの絵の具の調合を手伝うように。やがてフェルメールにインスピレーションを与える存在となる。アカデミー撮影賞など3部門にノミネートされた。」
(〜NHK HP)

さて・・・もう9時か〜!!(笑)聞き耳を立てる

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