雪太郎のつぶやき

美しいもの、面白いもの、切ないもの、考えさせる物・・・。一人が好きだけど、独りじゃ寂しい。そんな私のつぶやき・・・・。
クラシック音楽が苦手な人にはお薦めできません。暗いのが嫌いな人にはお薦めできません!!お子様にもお薦めできません!!
[謝辞]
父と母に、家族に、多くの慰めと喜びを与えてくれた、過去、現在、そして未来の芸術家達に、感謝!!
[おことわり]
本サイトはAmazon.co.jpのアフィリエイトプログラムに参加しておりますが、「紹介料放棄」の契約を結んでおり、分類上は「非商用」サイトとなります。


Since 2006. Sorry Japanese version only.

<< August 2007 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>

2007.08.31 Friday

〜プロムス2007から〜ジャナンドレア・ノセダ指揮BBCフィル

NHK-FMベストオブクラシックを聴きました。今年のプロムスの公演が早速登場です。そういえばラストナイトももうすぐかな??来週の土曜日か?BBC PromsのHPで予定も分かり、ライブの音も聴けますよ

さ〜て、2002年から常任となっているナセダとBBCフィルは2004年11月の来日公演が印象に残ってますね。(9月23日にBShiで再放送されるようです。)ゲルギエフのお気に入りらしい(弟子??)イタリア人、ナセダの指揮は明快で分かりやすく期待していました。

 − 特集 ヨーロッパ夏の音楽祭
               〜プロムス2007から〜 −

 ▽ジャナンドレア・ノセダ指揮
          BBCフィルハーモニックによる演奏会

「交響曲 第8番 ヘ長調 作品93」    ベートーベン作曲
                      (26分43秒)
「“初期の七つの歌曲”と“ロイコンに”」     ベルク作曲
                      (16分13秒)
「交響曲 第2番 ハ長調 作品61」     シューマン作曲
                      (36分47秒)

                (ソプラノ)ルネ・フレミング
             (管弦楽)BBCフィルハーモニック
               (指揮)ジャナンドレア・ノセダ
  〜イギリス・ロンドン
           ロイヤル・アルバート・ホールで収録〜
                    <2007/8/6>
  (イギリス放送協会提供)
(〜NHK HP)

ロイヤル・アルバート・ホール・・・。ラストナイトの中継でおなじみのホールですが、不思議に音が良い。とても大きくて良い音がするとは思えないんだけど・・・長年の経験の賜物なんでしょうか??(笑)明快で力強い音は私の好みです。

まずはベートーヴェンの8番。この曲は正直言って・・・好みです!!(笑)富士山みたいにすっきりとした、分かりやすくて美しい曲です。ひょっとしたらベートーヴェンの全9曲のなかで一番かも・・・。今回の演奏も申し分のないもので楽しめました。この曲を大音量で聴くと・・・快感です!!(笑)楽章の切れ目で拍手をする聴衆が・・・良いですね。(笑)いかにもプロムス・・・軽やかな拍手・・・。(笑)

お次のベルクは・・・なんとも言えないな〜・・・。(笑)大ベテラン、フレミングの声は結構重量級に感じたんですが・・・。猫に小判かな??(笑)

最後のシューマンの2番。あまり馴染みの無いシューマン・・・。(笑)たしかバーンスタインが最晩年にPMFで指揮した曲でしたっけ??第3楽章の、なんとも思い入れの強い演奏、唸り声?が耳に残ってます。あれに比べるとすっきりとしてますね。全体の見通しの良い分かり易い演奏でした。

全体にすっきり系。もうちょっと重厚に・・・と思わないではありませんが、これはこれで良いんじゃないでしょうか?今後も期待できるコンビだと思います。ムード

2007.08.29 Wednesday

村山 早紀「新シェーラひめのぼうけん死をうたう少年」

死をうたう少年―新シェーラひめのぼうけん (フォア文庫)
死をうたう少年―新シェーラひめのぼうけん (フォア文庫)
村山 早紀

図書館で1カ月待ち・・・やっと入手できました・・・。(笑)
新シリーズ全10巻の第9巻です。ここまで来てしまいましたね・・・。

国を救う為、魔法使いサウードを探し出して帰国した姫様たち一行。ところが、事態を解決する決め手が無い事が判明して悩む・・というお話。予言者の言葉も困難な未来を示す。疲れから倒れたサファイヤ姫が夢で見るのは、少女の頃出合った不思議な屋敷の不思議な少年・・・。サファイヤ姫の素直な心が少年に変化を起こすし、過去から未来につながる希望の道を見つけていく・・・・。この不思議な少年が最終巻で果たす役割は何か??・・謎です・・・。(笑)

最後の戦いの前の暗い日々でしょうか?日の出前が一番暗い?大きな展開もなく、ちょっと意外な内容です。最終巻への橋渡しという感じですね。

当然ハッピーエンドでしょう最終刊、期待しましょう!!読書

2007.08.27 Monday

ゲルギエフ指揮・マリインスキー劇場管弦楽団演奏会

今夜のNHK-FM「べストオブクラシック」を聴きました。


 − 特集 ヨーロッパ夏の音楽祭
            〜ミッケリ音楽祭2007から〜 −

 ▽ゲルギエフ指揮・マリインスキー劇場管弦楽団演奏会

「組曲“くるみ割り人形”作品71aから“小さい序曲”
     “トレパーク”“花のワルツ”」チャイコフスキー作曲
                      (10分44秒)

「バイオリン協奏曲 第1番 イ短調 作品77」
                   ショスタコーヴィチ作曲
                      (37分33秒)
          (バイオリン)セルゲイ・ハチャトゥリヤン

「交響曲 第1番 ト短調 作品13“冬の日の幻想”」
                    チャイコフスキー作曲
                      (41分19秒)

            (管弦楽)マリインスキー劇場管弦楽団
                (指揮)ワレリー・ゲルギエフ
  〜フィンランド・ミッケリ
         マルッティ・タルヴェラ・ホールで収録〜
                    <2007/7/1>
  (フィンランド放送協会提供)
(〜NHK HP)

最初に音楽祭のファンファーレが入る。良いな〜・・・。雰囲気が盛り上がります。(笑)

ホールの名前になってるマルッティ・タルヴェラって歌手でしたっけ??バス歌手??カラヤンか誰かのCDに録音してるような記憶がありますが。さすがにいい音だ!!(笑)

さて、ざっと聴いた大雑把な印象は、さすがゲルギエフ!!明快で分かり易い躍動感に満ちた演奏ですね〜。指揮者もオケも曲も独奏者もロシア〜〜〜(笑)なプログラムですが素晴らしい・・・活き活きとしてます。良いコンサートです!!

まずは「くるみ割り人形」から。軽やかで新鮮な音楽です。「小さい序曲」はトライアングルの透明な音が印象的。「トレパーク」は・・・スゲー乱暴な音・・・かな??(爆)その分「花のワルツ」が優雅・・・かな??(笑)さすがに劇場付のオケと指揮者です。表情が濃い〜〜〜!!(笑)これは・・・全曲聴いてみたくなりますね。まだ聴いた事ないけど・・・。(笑)そういえばこの間のCD・・・あ〜行方不明!!(笑)

で・・ショスタコーヴィチ。ソロのハチャトゥリアン君は1985年生まれの俊英か・・・。この曲・・・記憶がない・・・。(笑)1948年の曲というけど、日和見して、完成後7年間も発表しなかったというからかなり屈折しているようだ・・・。(笑)

出だしは・・・く、暗い〜〜・・・!!と思ったらノクターン!!(笑)しかめっ面のショスタコービチらしいよ。途中でもたれることもなく、瞑想的な雰囲気で弾ききりましたね。

第2楽章は一転激しい展開!!張り詰めたヴァイオリンの旋律が美しい。綱渡り的見せ所が聞かせ所が満載の劇的迫力に満ちた楽章だ。プロコフィエフっぽくて素適だ!!

第3楽章は対照的に重厚な展開で始まるが、ヴァイオリンソロは叙情的な旋律を切々と歌ってくれる。良いな〜〜〜・・・・。(笑)カデンツァが長い〜。最後は過激に盛り上がってそのまま4楽章に突入!!

終楽章はなんだか楽天的な雰囲気で始まる。ストラヴィンスキー風??(笑)ソロも伴奏も激しい展開で最後まで一気になだれ込む!!いや〜これは凄い曲であり演奏です。たまらない〜〜〜!!(笑)会場騒然!!!!!!(爆)

これは・・・掘り出し物。期待以上の演奏会ですね!!

最後はチャイコフスキーの1番。チャイコフスキーで始めてチャイコフスキーで締める。それほど偉大という事かな??

実は私、第1番と第2番の違いが分からない。(笑)以前サンティ/N響で第2番を聞いて、曲名を第1番と間違えて覚えてしまってから、なんだかずっと混乱しているんです。(笑)機会があるたびにしっかり聴いてみようとするんですが・・・・。(笑)

第一楽章。う〜〜ん・・・地味な曲だな・・・。(笑)カリンニコフに負けてる・・・?(爆)以外に軽快で力強いんだけど・・・地味。(笑)

第2楽章。叙情的・・・・。繊細な弦・・・木管の透明な響き・・・民謡風の旋律・・・中々良い。・・・中盤がちょっともたれる・・・。(笑)後半は盛り上がって静かに終わる・・・。まずまず・・・。

第3楽章。精妙な出だし。何だかバレー音楽みたい。(笑)でもスケールが大きいんだよな・・・。やはり只者じゃない。(笑)ちょっと単調。もう一つ変化があれば・・・。

第4楽章。暗くて地味な出だし!!(笑)ロシア〜〜じゃないか??(爆)ところが、中盤で突然明るく転調!!何これ??!!(笑)変な曲だ〜〜・・・。(笑)最初の部分は必要なのか??と大いに疑問だけど・・・作曲者はもういないからな〜〜・・・。(爆)後半はチャイコフスキーらしい派手な展開で聴ける!!と思ったらまた暗くなり・・・次第に盛り上がってコーダに突入!!ショスタコーヴィチみたい!!(笑)ゲルギエフも盛り上げてましたね〜〜!!

中々興味深い曲ではありました。後年の3部作などには遠く及びませんが、ところどころ聴き所がありますね。捨てがたい・・・というところでしょうか。(笑)やはり第2番の方が良いかな〜〜??(笑)

う〜〜ん・・・全体としては良い演奏会だった!!また聴こう!!(笑)

そうそう、お知らせしておきますが、今週から来週にかけてのNHKは、FMやBShiなどで面白そうな番組が沢山あります。紹介しきれないので興味ある方はNHK−HPで見てくださいね〜〜!!今日も色々あったんだけど・・・。(笑)グッド

2007.08.26 Sunday

佐野 洋子「100万回生きたねこ」

100万回生きたねこ (佐野洋子の絵本 (1))
100万回生きたねこ (佐野洋子の絵本 (1))
佐野 洋子

今日の毎日新聞。絵本の「100万回生きたねこ」の発刊30周年を記念した全面広告がありました。絵本の全文?と、絵の一部、それから各界著名人の「思うところ」を紹介していましたね。西原理恵子、柳田邦男、藤井フミヤ、小島奈津子(キャスター)、黒田知永子(モデル)。そして無記名の48歳女性。

印象に残っているのは、最後の48歳女性ですね。

「私は人の気持ちを無視して生きるこのねこでした。
愛することでしか愛はもらえないことを
家庭も学校も誰も教えてくれませんでした。
愛がわからずどこかで苦しんでいる人みんなが、
このねこたちに出会いますように。」

>家庭も学校も誰も教えてくれませんでした。

人のせいにするな!!と言っても仕方がない。みんなそんなものだろうしね・・・。子供の頃にこの本に出逢えたら幸せになれるのか?分からないけど。少なくとも愛することの切なさは分かるかな???

「そばにいてもいいかい。」
と、白いねこにたずねました。
白いねこは、
「ええ。」
と いいました。
ねこは、白いねこの そばに、いつまでも いました。
(〜100万回生きたねこ)

>「そばにいてもいいかい。」「ええ。」

そう・・・大切な人は・・・そばにいるだけでいい。それが全ての始まりだよね。

こんな風にやさしく言葉を交わす相手こそ・・・いてほしい・・・。猫

2007.08.26 Sunday

アニメ「十二国記」第29話 第30話

第二十九話 「風の万里 黎明の空」 七章
 慶国の固継という里で生活を送り始めた陽子は、閭胥(ちょうろう)である遠甫から教えをこうていた。自分ができることは?その限界はどこなのか?陽子は少しずつ学んでいった。
 慶行きの船に乗ることができた鈴だが船で知り合った少年・清秀は冷たい態度をとり続ける。海客で言葉も通じず、帰る場所も無い。だから自分が一番、誰よりも辛い、鈴はそう思っていたのだ。
 一方、恭国の御庫より宝飾品を盗み出した祥瓊は柳国へと来ていた。

第三十話 「風の万里 黎明の空」 八章
 柳国で身柄を捕らえられた祥瓊だが、賄賂を要求してくる県正とやりとりをする事で何の処罰もなく出てくることが出来た。そんな祥瓊を宿屋で相部屋になった楽俊が呼び止めた…。
 慶国へ着いた鈴達。だが、清秀の容態は日増しに悪くなっていく。
 そして陽子は、遠甫を尋ねてきた奇妙な男の使いをした労という家を訪ねる。そこで労と話す別の男のあとをつけた陽子は、とある街の宿屋たどり着く。
(〜NHK HP)

3人の行動が同時進行で語られるので忙しい!!(笑)印象的なところだけいってみます。

遠甫の元で学ぶ陽子。王として何をなすべきか?自分の無知を痛いほど知る・・・。

「良いかね?よ〜く覚えておくんだ。人は最初に最低限の土地と家を与えられる。そして、自分の土地でより豊かになることも出来る。とりあえず、天災災異がなければ、一生飢える事などありはせん。あとは自分の甲斐性次第なのだよ」
「では・・・私は土地を与えて・・・後は何を?」
「お前さんのするべきことなど、限られておる。日照りに備えて水を蓄える。水害に備えて川を整備する。飢饉に備えて穀物を蓄える。妖魔に備えて兵を揃える。そしてそのほとんどは、官がおれば出来る事だ・・・。いったい何を悩む事がある?」
「あっ・・・」思わず笑みを漏らす陽子。「そうですね!!」「うむ・・・」
国を豊かにしてやろうなどと考えるのは後で良い。まず、国を荒さないこと。そして、自らを律して少しでも長生きすること。これだけを考えるのだ・・・
「私が何もしなくても、民は生きていくのですね・・・」

後に意外な人物と判明する遠甫。教師としての遠甫と暮らすうちに、彼と係わりを持つ怪しい者たちの存在に気付く陽子。自分なりの判断をするために探りを入れていく・・・。

船で知り合った少年・清秀と話すようになって、鈴は彼の不幸な身の上を知ることとなる。自分の辛さばかりを言い募る鈴に清秀は言う。

「あのさ〜、誰かが誰かより辛いなんてウソだ・・・誰だって・・・同じくらい辛いんだ・・・
本当に苦しかったら、人間はそこから抜け出す為に必死になる。抜け出さなかったのは、ネーチャンは不幸に気持ちよく浸ってただけじゃないのか?そんなやつにどうして同情してくれるのさ!!
言葉に詰まる鈴・・・。妖魔に受けた傷が元で様子がおかしい晴秀。鈴はそんな晴秀を助けようと必死になるが・・・。

「ネーチャン・・・オレ・・目がさ〜・・見えないみたいだ・・・やっぱ死ぬみたい」
「そんなはずないでしょ!!馬鹿なこと言わないで!!堯天に一緒に行こう。私、景王様に会うから頼んであげる!!あんたの目を治してくれるように!!」
「オレ・・・死ぬの怖いよ・・・」「清秀!!」泣きながら清秀を抱きしめる鈴。
「父ちゃんの時も母ちゃんの時も・・・笑ったんだ。必死になって笑ったんだ・・・でも・・・自分の死ぬのだけは・・・笑えないよ・・・」泣きながら、茫然とつぶやく清秀・・・。

腐敗した柳の役人のおかげで、全てを失いながらも何とか釈放された祥瓊。誰かさんと同じように、柳を見聞して廻る楽俊に拾われる。(笑)

「今まで、芳の難民には沢山会った。先の王は随分憎まれてるな〜。公主をかばうものもいなかった」
「私のせいじゃないわ・・」
アンタのせいだよ!!
「えっ??!!」息を呑む祥瓊。
「親父さんが峯王になったのは、確かにアンタのせいじゃね〜。けどさ〜。公主になったからには、その責任が生まれるんだよ
「責任?」
「ここ、柳の国の太子は確か官吏を務めておられる。南の奏国でも、太子は王を助け、公主は国立の医院を作られた。今のように病人の方が医者に行くようになったのは、奏の公主様が始められた事だ」
「・・・知らなかった・・・だって・・・」力なくつぶやく祥瓊。
知ってなきゃいけなかったんだ。公主の祥瓊より、オイラの方が遥かに芳に詳しい。それって・・・ボロを着るより恥ずかしいことだって分かるか??
「でも・・・」言いかけて・・・うつむく祥瓊・・・。
「世の中のほとんどの人は、その毛織物を着てる。誰も恥やしね〜。それが、自分の手で働いて得た最上のものだからだ。何の努力も無しに、絹を着ている連中もいるさ。でもな〜、努力も無しに与えられるってことは、その値打ち分のことを要求されているんだ
「全部・・私のせいだと言うの?」着物の裾を強く握り締め、搾り出すように言う祥瓊。
「お父様もお母様も、何もしなくて良いっておっしゃったのよ。何を知る機会も無かった。そんな人間いくらでもいるわ。景王だって!!」「へっ?!!」「景王」の言葉に驚く楽俊。
「そうよ!何も知らずにこちらに流されてきたくせに、今は王宮の中で贅沢な暮らしをしている。それでも、私だけが責められるの??!!」
「景王が憎いのかい?何の努力も無しに、かつてのアンタと同じものを持っているように見えるから?・・・」無言の祥瓊。
景王は国と民に責任を負っている。責任を果たさずに手に入るものなんか無いんだよ。あったとしたら、それは何か間違っている。間違ってる事を楯にとっても誰も認めてくれね〜んだ!!
「き、聞きたくないわ!!・・・聞きたくないの!!・・・お願い!!・・・」
寝台に突っ伏して、耳を押さえながら泣きじゃくる祥瓊・・・見守る楽俊・・・。そんな祥瓊も、楽俊と旅を続けるうちに、自分が何も知らなかった事を認めざるをえなくなる。

堯天に急ぐ鈴たち。護衛を頼まなかったため盗賊に襲われながら、なんとか助かった。護衛を頼まなかった自分を責めるうちに、鈴は、かつての主人梨耀の事を思い出す。

「皆、梨耀様のことが嫌いだった。でも、「嫌いか?」と言われて「そうです」なんて言えないでしょう?だから「とんでもない大好きです」って言うんだけど、梨耀様は「本当はどう思っているんだ?」ってしつこく嫌味を・・・」
「その梨耀様って・・・何か可哀そうだな」「えっ??!!何でよ??!!」
「鈴だって、わざと護衛を断った訳じゃないだろ?どうにもならなかったんだ・・・だから・・・腹が立つ。梨耀って人だってさ〜、ただ・・・どうにもならないことでムシャクシャして当たったりしてたんじゃないのかな〜??」「そうかしら??・・・・」
「自分でも悪い事したなって思ってさ〜、で、嫌われたかな?って思って聞いたのに、見え見えの態度で「いいえ」って言われたら、やっぱり・・・腹が立つ。そんな事が続くとさ・・・何か意地みたいになって・・・とにかく本音を言わせるぞ〜って・・・そう言う感じってあるんじゃないかな??・・・・」
「何よ・・・梨耀様の気持ちが分かった風に・・・。あたしだって・・・本当に辛かったんだから!!」泣く鈴。
「ネーチャンすぐ泣くけどさ〜。オレ・・・泣くのって嫌い・・・」
「アタシだって・・・昔は辛抱強い子だって・・・」
「オレさ〜・・・慶の家が焼けて、村の人も沢山死んで、巧に逃げるしかないってなった時、最後に家の焼け跡を見に行って・・・スゲ〜泣いたのな・・・。もう・・・悲しくて悲しくて・・・我慢できなくて、一生泣き止めないかと思った・・・。ああ〜〜・・・人が泣くには二つあるんだな〜って思った・・・。自分が可哀そうで泣くのと、只もう・・・悲しいのと・・・。自分が可哀そうで泣くのはさ、ガキの涙だよ。誰か何とかしてくれって、父ちゃん母ちゃん誰かって・・・」

「目が良くなったら、そこに行ってみようか?」涙を拭いて鈴が聞く。
「ネーチャンと??・・・泣き虫とじゃ〜・・・・大変だな・・・」鈴に疲れた体を寄せる清秀・・・清秀の頭を撫でる鈴・・・。
  ・
  ・
  ・
堯天を目前にした拓峰の町。そこで鈴、清秀、そして陽子は偶然出会いながら互いを知らずに離れてしまう。そして・・・鈴は清秀を失うことに・・・。

考えてみればこの清秀という子供(10歳位か?)、先の景王の退位に伴う国土の荒廃から国を逃れ、逃れた先の巧国では、陽子たちが渡ってきた際の蝕により家を失い?さらに奏国に逃れる途中で母親は病死。父親は清秀の目の前で妖魔に殺され、自分も頭に傷を受け、その傷が元で結果的に命を失うことになる・・・。故国にたどり着きながら、傲慢な役人の手にかかって?命を失うことになるが・・・最期は陽子の腕の中だった。なんとも、十二国の世界の不幸を一身で引き受けたような子供である。王に恵まれなかった民にとって、死は身近な存在だという事を、いやでも教えてくれる存在でした。

祥瓊は楽俊との出会いを通して、鈴は清秀との日々・・悲しい死を通して自立した人間として大きく成長します。やがて出逢う陽子たち3人ですが、その前にはまだまだ多くの波乱が・・・道のりはまだまだ遠い・・・。王冠2

2007.08.21 Tuesday

ラジオドラマ「風神秘抄」

荻原規子氏のブログを見ていたら、NHK-FMで「風神秘抄」のドラマをやってるようですね。昨日から始まってるようです。(笑)

他の記事もお仕事関係、趣味関係、アニメ、小説、対談、取材と盛り沢山。過去ログ読み始めたら止まらなくなりそうです。(笑)クリエーターらしい、好奇心全開の内容で、しかも書く事が本職だから面白いですね〜。新作の話もあったりして要チェックですよ。読書

2007.08.20 Monday

8月・・・

今日から仕事、8月も後半だ。
8月と言えばやはり終戦物はつきものだし、新聞などにも沢山載ってますね。特に書く事もないかな・・・と思ったんですが、一つだけ取り上げておきます。一部引用。

昨日の毎日新聞2面から。瀬戸内寂聴氏の「時代の風」と言うコラム。題して「62年前の8月15日 北京で降った雨の記憶」。瀬戸内氏は戦時中は北京にいて、出征したご主人を、赤ん坊を抱えて待つ身だったそうです。生活の為、なんとか見つけた運送屋に初めて出勤したのが8月15日。その運送屋で正午に始まったラジオ放送を聞いた・・・。

『店主が、がばと床に身を伏せ号泣しだした。
「負けた!天皇陛下がそうおっしゃった!」
気がついたら、私は店を飛び出して西大門を背後にして西安大道をわが家に向かって走りつづけていた。

家にいる赤ん坊のことしか頭になかった。
日本が負けた!中国で私たち日本人はどういう目に遭わされるのか!これまで目撃してきた日本人の中国人に対する数々の横暴無礼な態度のすべてが一挙に目の中に走っていく。

じっと恨めしそうな顔をしたまま、靴で体を踏みにじられていた老人のボーイの姿。洗い方が悪いと、日本人の主婦から食器を顔めがけて投げつけられていた阿媽(あま)の姿。中国人にはコーリャンの屑しか貰えない配給所で、白米を貰って当然のような顔をしている日本人の列。

復讐されるという恐怖が腹の底から沸き上がってきた。どんな目に遭わされても仕方がないのだという恐怖があった。
子供の命を守らなければならないという想いだけが、私の全身を、駆けめぐっていた。』

その後、突然降りだした雨に仕方なく雨宿りをしていると、一人の若い日本兵がやってきた。その初々しい少年のような頬をみて、色々と感慨にふけったが、雨も止みまた走り出した・・・。

『後年、私がそのことを書こうとした時、その日の北京は晴天で、雨は降らなかったと教えられた。
しかし、私は、たしかに雨を浴びたのだ。証人もいる。あの若い兵士が・・・・・と思ったが、名も知らぬその証人の行方は探しようもない。

毎年8月15日が巡りくる度、私はあの日の北京の雨を思い出さずにはいられない。』

戦時体験としては始めて聞くような内容です。

>復讐されるという恐怖が腹の底から沸き上がってきた。

考えてみれば、あの日に外地にいた日本人は多かれ少なかれ、同じような恐怖を味わったのではないかと思えますね。忘れてはならない事実でしょう・・・。ホットコーヒー

2007.08.19 Sunday

荻原 規子「西の善き魔女〈4〉星の詩の巻」

西の善き魔女〈4〉星の詩の巻
西の善き魔女〈4〉星の詩の巻
荻原 規子

全4巻の最終刊、新書版の外伝(2)、(3)を収録。第3巻はどうした??と言われても・・・貸し出し中なんです。(笑)第3巻は新書版本編の最終第5巻と外伝(1)の合本のようですが、第5巻は読めましたが外伝(1)が入手できませんでした。これは後ほど。外伝(1)は全体の過去のお話と言う事なので特に支障はないでしょうからね。

さて第4巻ですが、前半は「竜退治」の頃のアデイルとヴィンセントの物語。後半はこの物語全体の締め!!かな。(笑)

この物語って最初の頃は主人公フィリエルの「シンデレラストーリー」かと思っていたんですが、次第に恋愛物に移り、最後になってみると、女王賛歌、女性賛歌になってるように感じましたね。王とは、女王とは何か?どのような資質が求められ、どのように行動し、生きていくべきか?男社会の視点ではどう転んでも見えてこない、人類永遠の課題の答えがここにある・・・なんちゃって。(笑)

2巻3巻ではちょっと「飛躍感」が気になったんですが、4巻ではなれたせいか?それほど気になりません。特に前半は素晴らしい。

その前半は、アデイルとヴィンセントが東方に出かけ、遂には南方のフィリエルたちとめぐり合う直前までのお話ですが、波乱万丈です!!

2巻では軽く触れられているだけでしたが、旅立ちから南方にたどり着くまでの行程は半端じゃない。楽しい旅のはずが、立ちふさがる黒い影!!恐怖の時を果て判明する驚愕の事実!!そして決死の逃避行・・・という感じかな〜?(笑)どちらかと言えば、脇役?のはずのアデイルたちなんですが、死に直面して必死で切り抜けるお話は予想外に劇的です。思わず・・・泣けました。(笑)

新しく登場する人物たちも個性的で大変魅力的です。このような冒険ファンタジー小説の典型のような展開は、はっきり言ってこの物語全体の中でも一番まとまり良いところかも・・・とも思えますね。(笑)フィリエルの物語は何となく柔らかいんですが、アデイルたちは・・・キリリとまとまっている・・・と言う感じかな??(笑)自分の存在が他者の命に関わる・・・その事実に気づき、おののき苦しむアデイル。その苦しみを乗り越え、自らの役割と生き方を自覚する様はちょっと感動的ですね。

後半は締め!!ですが、難しい面があります。SF的部分と現実的部分の整合性というか??SF的部分に飛躍感を感じる人にはちょっと辛いかも知れません。そうでなければ問題というほどのものはないのですが。辛いと感じる人はこの物語全体の評価もそうなるかも知れないという微妙な部分ですね。(笑)作者がこのSF的部分の発想をどのように得たのかちょっと興味があります。村松栄子の「紫の砂漠」「詩人の夢」などにも似た様な話がありましたが、ひょっとしたら「かぐや姫」とか古典物からの発想かしらん???SF畑ではポピュラーなのかもしれませんが、正直言ってこのような展開がどうしても必要だったのかちょっと疑問も感じます。でも、この飛躍感こそ荻原規子の真骨頂なんだと思ったほうが良いのかもしれません。

最後は当然の事ながらハッピーエンド。過去の亡霊ともいえる「それ」を葬り、自らの未来は自ら拓くと誓ったフィリエルたち。自分たちに課せられた使命の重大さを知った上でも明るい彼らはなんとも・・・能天気??(笑)人類の、過去の罪状を糾弾するような結構深刻な話でもあるんですが、それを感じさせない明るさが凄いですね。若い娘達の歓声と笑顔がすべてを包み込み男達を圧倒します。(笑)あちこちに仕掛けられた落としどころも絶妙!!(笑)なんともとぼけたエンディングは漫才か??(爆)

確かに構成上の弱点がなくはないと思うんですが、作者の人間を見る目の暖かさと確かさは凄いものだと思います。その結果描き出されるお話は、細部まで丁寧に書き込まれており、少女たちの、活き活きとした表情と肉声がはっきりと見えて聞こえてくるようです。読んで幸福になれる楽しい物語ではありますね。読書

2007.08.19 Sunday

パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマー・フィル演奏会

観ました、聴きました。眠かったけど〜〜〜・・・・。(笑)

パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマー・フィルハーモニー管弦楽団演奏会2006

「交響曲 第1番 ハ長調 作品21」            
「交響曲 第2番 ニ長調 作品36」            
「交響曲 第3番 変ホ長調 作品55“英雄”」       
                      ベートーベン作曲
                              
「悲しいワルツ」               シベリウス作曲
                              
    (管弦楽)ドイツ・カンマー・フィルハーモニー管弦楽団
                 (指揮)パーヴォ・ヤルヴィ
                              
  〜2006年5月26日 横浜みなとみらいホールで録画〜    
(〜NHK HP)

凄〜〜〜い!!疾風怒濤のベートーヴェンだね〜!!こいつは見ものですよ!!

パーヴォ・ヤルヴィか・・・なんで「パーボ・ヤルビ」じゃないんだNHK??!!ヴェートーヴェンを止めておいて今更と思うけど・・・。(笑)

最初に感じました・・・横浜みなとみらいホールって音が悪いの???って。(笑)

聴いた限りでは悪くないが、少〜〜〜し響きが薄い。指揮者頭上のメインマイクの他に、ステージ上には沢山マイクロフォンが立っている。やけに分離の良い音から判断すると、NHKホールと同じように響きの少なさをマルチマイクで補ってるような感じがする。でも聴こえるのは「明晰な音」と言えるし、ピリオド奏法らしい??音には合っているから良いんだけど・・・。時々ゴロゴロと雑音が入るんだよな・・・。(笑)

今は音だけ聴いて書き込みしているのではっきりしないんですが、字幕かなんかでピリオド奏法の楽団とあったような気がします。確かにトランペット2本は古〜〜〜い楽器でしたね。でも他の楽器は「普通」にしか見えません。分かる人が見れば分かるんでしょうが・・・。弦も軽く?ヴィブラートかけてましたね。当然のことながら、ピリオド奏法と言っても色々有るんでしょうね・・・・。

さて演奏ですが、3曲とも基本的には同じですね。すっきりとした力強い演奏に聴こえます。軽快なテンポ、スムースなフレージング・・・好きだね〜〜こういうの。陸上競技、たとえばハードルなんかのBGMにぴったりか??(笑)優美で力強いと言う感じだ!!

ピリオド奏法は、軽快でテンポも早くなるとは聞いてるけど、この演奏はそのことをいやでも分からせてくれます。凄いハイテンポ!!(笑)「普通」の演奏がどの程度かは知らないけど、急速調の部分では自転車でないと追いつけない位早い!!(爆)オケがよくついていくものです。でも緩徐楽章はゆったりと・・・優美です。

3曲ありますが、全曲演奏の一環だったようですね。一回で3曲聴けるなんて・・お徳です!!(笑)3曲とも彼らしい(笑)良い曲ですが、9曲も書いていて、第1番から「聴ける」曲が書けるなんてベートーヴェンはやはり只者ではありません。(笑)他にはマーラーとカリンニコフ位か?(爆)番号順に聴いてみると、なるほど進歩?の跡が歴然ですね。そんな意味でもお徳です。(笑)

NHKには珍しく、少し凝ったカメラアングル、フレーミングが多用されました。洗練されているとはお世辞にも言えなかったけど、観ていて楽しかったですね〜。特に指揮者を正面下から観るアングルは。ヤルヴィ氏の身振り手振り、表情、汗、飛び散る唾までバッチリでしたよ〜〜。(爆)

ヤルヴィ氏を観ていて思いました。表情が豊かだな〜って。なんだかプーチン大統領を思い起こさせる顔なんですが(笑)、しかめっ面から笑顔まで大サービスです。(笑)身振りも強烈、力に溢れた身のこなしが美しい!!クライバーを思い起こさせることも。ちょっと振り過ぎ、体壊すんじゃないか?と余計な心配をするくらいです。(笑)でもこれだけ懸命な?指揮をされたらオケもやらざるをえないでしょうね〜。仕方がないわね〜!!!!やってあげるわよ〜!!!!って。(爆)のせるのが上手い、音楽が体から溢れ出している指揮者ですね。これをオーラと言うか?(笑)

第3番は特に曲の良さもあって聴きものでした。ベートーベンと言うとどうも古臭いという感触もあってあまり積極的には聴かないんですが、聴き始めるとね・・・・。第一楽章から全力疾走というのは堪りません。やめられませんぜ〜〜〜!!(笑)カッパエビセンじゃないけど・・・。(爆)本能的な闘争心を刺激するような曲の運びだよな〜・・・。汗だくになって走って行きたいよ〜!!と言う曲。自転車向きかな??(笑)昨夜観ているときは、久しぶりに腕組して立って観てしまいました。(笑)

第2楽章。葬送行進曲だから何となく気勢をそがれるんだけど。後半が重厚でドラマチックしたね。只の走り屋じゃないんです。(笑)しっかりと「タメ」ができると言う感じかな。この辺をしっかり聴かせることが出来るかどうかが「力量」の差なんでしょうね。

第3、4楽章は一気呵成!!弛緩したところが全くない!!力に満ち溢れた、しかも自然で爽快な演奏!!細かなフレージングも活き活きとしている。健康的な幸福感いっぱいの演奏。これで良いのか?と思わないでもないけど・・・良いんです!!(笑)クラリネットが上向きで吹いたり、なんだか芸が細かい場面もあって目が離せない!!コーダが大袈裟なのが玉にキズなんだけどきっぱりとして男らしいぜ!!(笑)会場も大拍手!!

これは・・・素晴らしい演奏会じゃないか!!

驚いたのがアンコール。シベリウスの「悲しいワルツ」ってアンコールの定番だけど、こんなに表情豊かな演奏は始めてかな???もともとエストニアの人らしいから、お国物に近いんだろうけど、死神との最後のダンスでしたっけ??その情景の美しさ、哀しさ、残酷さ?がしっかりと描き出されていたように聴こえましたね。凄いよこれは・・・。ヤルヴィ君(笑)・・・シベリウスも良さそうだぞ・・・。

久しぶりに入れ込んだ演奏会でした。またこんなのが聴きたいね。NHK様・・・お願い!!!!!(笑)グッド

2007.08.18 Saturday

荻原 規子「西の善き魔女〈2〉戦いの巻」

西の善き魔女〈2〉戦いの巻
西の善き魔女〈2〉戦いの巻
荻原 規子

全4巻の第2巻。図書館には単行本が無いようなので、新書版の(3)、(4)を読みました。新書版の場合はイラストが「普通」の少女漫画風になってます。ま〜・・・良いんじゃないですか。特に(3)の表紙は物語の雰囲気を良く出していますね。憂いを帯びた美少女の膝で眠る美少年・・・うらやましい〜〜!!(笑)

あちこち見てみるとこの物語はコミックもあればアニメもあるんですね。試しにアニメの第1話を見てみましたが・・・前半がモロ少女趣味で非常〜〜〜〜〜に辛かったですね。(笑)後半は引き込まれましたが・・・。女性の方には大人気なんでしょうか???だとしたら・・・随分違うんだ・・・・。(笑)

そう言えば、荻原氏のブログもありましたね。中々面白そうです。

さて小説ですが、前半は主人公が遂に王宮に乗り込んで、四苦八苦というお話。(笑)後半が・・・なぜか恐竜退治のために南国へ・・・・と言うお話。これは・・・・何???(笑)

スケールの大きい大河小説風のものを期待していたんですがちょっと違うな・・・。前半は分かる。権謀術策が渦巻く宮廷の生活の中でも自分らしさを失わず、だからこそ悩む主人公の苦難の日々が描かれていますが、どうも作者の志向は美少女恋愛物語の方面に行くんですよね・・・。(笑)権力争いから距離を置き、傷ついた幼馴染の美少年を思いやる主人公。はかなげな美少女と幼馴染の幼い恋の行方が主題になっていくのはティーンエージャー向けライトノベルとしては王道なんでしょうが、本格ファンタジーの線からは少しづつ離れていってしまっているような気がするな。個人的には・・・残念かな??(笑)

後半はなんと言ったら良いのか???竜というのもファンタジーの大きな要素ではあるけど、それまでの話からすると、どうも唐突と言う印象がある。なんだか無理な展開という気がするんだけど・・・。またこれってSFだったの???という部分もあってますます???(笑)

最後まで読めばすっきりする物語なのか?この時点ではなんとも言えないな・・・。(笑)

とは言っても、さすがに荻原規子ですよ。じっくり読むと中々の作品である事は分かります。登場人物それぞれの立場に応じた、印象深い言葉があちこちにあるんですね。この辺はやはり作者の懐の深さの現れでしょう。ストーリー的に先が読めないのは良いことだから、期待しながら次に行ってみようかな。(笑)読書

▲top