雪太郎のつぶやき

美しいもの、面白いもの、切ないもの、考えさせる物・・・。一人が好きだけど、独りじゃ寂しい。そんな私のつぶやき・・・・。
クラシック音楽が苦手な人にはお薦めできません。暗いのが嫌いな人にはお薦めできません!!お子様にもお薦めできません!!
[謝辞]
父と母に、家族に、多くの慰めと喜びを与えてくれた、過去、現在、そして未来の芸術家達に、感謝!!
[おことわり]
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2007.05.31 Thursday

宮本文昭 ファイナル・コンサート+2

今週のNHK−FM「ベストオブクラシック」は、月曜日を除いて国内の演奏家の録音が放送されました。まだ明日もありますが(笑)火曜日からの3日間について・・・メインは宮本さんですが・・・。

29日(火)寺神戸亮 無伴奏バイオリン演奏会
30日(水)豊嶋泰嗣 無伴奏バイオリン・リサイタル
     東京・浜離宮朝日ホール 2006年9月


火曜日、水曜日は寺神戸、豊嶋両氏による無伴奏ヴァイオリンによるリサイタルでした。両氏とも最近の国内で大いに活躍されている方らしい(笑)ので何も申しませんが、私の最近の関心から言って必聴かな?と思い聴いてみました。とは言ってもあれこれやりながらですけどね・・・。ほとんど同じ時期で会場も同じなので、聞き比べには良いタイミングでした。

どちらも同じ楽器とテーマですから、選曲も似たようなものになるのは当然ですね。バッハのソナタ第2番をどちらも取り上げていたのは偶然でしょうか?他の曲は知らない作曲家の作品が多かったけど・・・私が無知なだけのこと??(笑)無伴奏ヴァイオリンのための曲というのはそれほど多くはないという事でしょうか??

どちらの演奏でも感じたのは、やはり現役の演奏家ですから?何となく肩に力が入っているように聞こえたことですね。余裕のあるスケールの大きな滑らかな演奏・・・とは聴こえませんでした。難曲を選ぶのはリサイタルですから当然なのでしょうが、ちょっと空回りしているように聴こえたのが正直な感想でした。でも二人とも現役ですからね・・・いつかまた・・・期待しましょう。

さて今、宮本文昭ファイナル・コンサートを聴き終わりました。有名な方ですから私だって知っています。今回は引退宣言をした宮本氏の、文字通りのファイナル・コンサートのライブです。

    − 宮本文昭 ファイナル・コンサート −

「オーボエ・ソナタ」            ドニゼッティ作曲
                       (7分58秒)
「ホルン・ソナタ ヘ長調 作品17」    ベートーベン作曲
                      (13分57秒)
「“バイオリン・ソナタ K.376”から
            第1楽章、第3楽章」モーツァルト作曲
                      (11分11秒)
「“3つのロマンス 作品94”から」     シューマン作曲
  ・第1曲                 (3分17秒)
  ・第2曲                 (3分57秒)
「アダージョとアレグロ 作品70」      シューマン作曲
                       (7分52秒)
「オーボエ・ソナタ 作品166」     サン=サーンス作曲
                      (11分00秒)
「白鳥の歌」                 加古 隆・作曲
                       (3分31秒)
「明日の記憶」               大島ミチル・作曲
                       (3分16秒)
「風 笛」                 大島ミチル・作曲
                       (1分20秒)
「アヴェ・マリア」              カッチーニ作曲
                       (3分12秒)

                   (オーボエ)宮本 文昭
                    (ピアノ)山洞  智

「ジ・エイム&エンド」       宮本文昭/鳥山雄司・作曲
                       (4分20秒)
                   (オーボエ)宮本 文昭
                    (ギター)鳥山 雄司
  〜東京・トッパンホールで収録〜
                   <2007/3/31>
(〜NHK HP)

ところどころで語りを入れた親しみ易いコンサートでした。何より選曲が良いんです。もう最後ですからね・・・美しい・・・ひたすら美しい曲が次々と・・・・。

最後の曲は、宮本氏がこの日のために創り、暖めてきたと言う曲。演奏の前に最後の挨拶がありました。

「今日も、この夜の部でも最初にお話しましたけれども、常なるものは、この世の中に存在していません。必ず・・・終わりと言うものは・・・来ます。私も・・・ちょうどこのあたりが良いのではないかなという風に思って・・・今回の決断を・・・しました。今日はオーボエ吹きとして最後の演奏会・・・この小さい会場で・・・皆さん・・・お顔がほとんど拝見できそうな・・・近さで・・・お別れできるっていうのは・・・大きな会場とはまた違った意味で・・・僕にとっては思いで深い・・・事になりそうです。

とりあえずここで、僕の長年のパートナーを勤めてくれた山洞智さんとはこの舞台で・・・最後のお別れという事になります。山洞さんほんとうにどうも、長い間ありがとうございました。山洞さんでした。

残すところ、後一曲となりました。オーボエ生活を終わる時に、この曲を吹いて・・・終わりたいと・・・そういう気持ちで書いた曲です。曲のタイトルが「ジ・エイム&エンド」。「究極の目的」・・・いわゆる・・・僕はこれを演奏するために・・・今までの人生はこれをやる為に生きてきたんだ・・・ちょっと大袈裟でほんと申し訳ないんですけどね(笑)

「究極の目的」・・・これを鳥山さんと二人で・・・この場で・・ホックリとした感じで演奏して・・・これで宮本文昭本当にお別れです。

今まで・・・永年・・・本当に・・・ありがとうございました!!」

ギターの前奏に乗って・・・しっとりと歌いだすオーボエ・・・・懐かしさと切なさと・・・そして優しさに溢れた美しい曲です・・・・。

気まぐれで我が儘なオーボエと言う楽器は、演奏者に多くの苦しみと・・・もちろん喜びを与える楽器なんだそうですね。宮本氏はそんなオーボエとはこの日をもってお別れだそうです。今後は後進の指導と指揮活動などをされるそうです。彼のオーボエはもう聴けませんが、彼の創り出す音楽はこれからも聴けそうです。素適な音楽を聴かせていただきたいですね・・・。

現役演奏者の力のこもった演奏会と、舞台に別れを告げる演奏者の、力みの消えた暖かな陽だまりのような演奏会・・・。対照的なコンサートでしたが、それぞれの思いが音楽に現れていたと思います。正直プロって大変だなとも思います。(笑)できたら、彼らのそんな思いを、きちんと受け止める事の出来る聞き手になりたいものですね・・・。ムード

2007.05.31 Thursday

美しい国

今日の毎日朝刊・・・「中畑流万能川柳」から一首を。(笑)
いつもは見ていないんですが、今日はたまたま目についたんです。

「ウツクシイクニを下から読んでみろ」という川柳です。

ま〜下からは読めませんが(笑)反対から読んでみるとなるほどですね!!

「憎いし苦痛」・・・か・・・あるいは、いっその事「ミ」を追加して「醜いし苦痛」。(笑)

内の人間も外の人間も、何となくそんな感じがしてしまいますね。

そもそも阿部首相は、「美しい国」なんてつかみ所の無い曖昧模糊とした目標をなぜ掲げたのか?政治家として期待したいのはもっと具体的で力強いメッセージなのに・・・。

海外から日本に帰ってきたとき、成田から川を越えて都内に入ると驚きます。まるでスラム街のようで・・・・。どうあがいても「見た目で美しく」はなれないのですから、せめて心だけでも・・・、教育基本法とか一連の精神関連法案?(笑)はそのような意味なんでしょうか。(笑)だとしたらそれはそれで筋は通ってますが・・・・。

でも、なにかといわくの多い松岡利勝氏を農相に起用し、一連の騒動でも擁護し続け、結局は大事な命を散らせてしまったのは・・・全て安倍首相の責任でしょう。彼が本当に美しい心の持ち主だったらこんな事にはならなかったんじゃ・・・と思いますね。何を言ってももう遅いけれど、大いに反省していただきたいものですね。

税金を使って、声高に国土や文化の美しさを強調する必要はありません。普通の人が普通に、毎日を笑顔で生きていける国・・・それこそ「美しい国」だと思うね。ホットコーヒー

2007.05.30 Wednesday

たつみや 章「裔を継ぐ者」

裔を継ぐ者
裔を継ぐ者
たつみや 章,東 逸子 (2003年11月刊)

シリーズ第5巻、本編4巻に対する外伝です。

う〜ん・・・素晴らしい・・・・。(笑)

ポイシュマとワカヒコ、二人の少年を主人公にした本編4巻は、「クニ」と「ムラ」の対立と融和の過程をダイナミックに描き出していました。それはまるで、古代の英雄たちの叙事詩を目の当たりにするようでした。4巻の最後では、この時に築かれた平和は、およそ1000年に亘って保たれたとあります。

一口に1000年と言っても、人間にとってはとても長い時間ですよね。その間、単なる成り行きで平和が保たれるとは思えません。そこには何がしかの努力、あるいは働きかけが必要だと思います。この第5巻では第4巻から500年程後の世界が描かれています。いかにして過去の英雄たちの偉業が成され、多くの犠牲の上に築かれた平和が尊いものか、そして神々への感謝と尊敬の念が大事かという事を後世に伝える・・・その役目を担う者の物語です・・・。

美しい物語です。でも・・・主人公はどうしようもないひねくれ者、自分の都合の良いように物事を考え、言い訳をし、そして周りに甘えようとする・・・。まるで私だ!!(爆)

たつみやさんはなぜこのように、「ひねくれ者」の事が書けるんでしょうか?うんざりする位ひねくれているんですから・・。(笑)ひょっとして、たつみやさんもひねくれ者なのか??(笑)色々な理由と誤解があるんですが、とにかくこのような少年が主人公であり、読者は彼と付き合うしかないのが困りものです。(笑)

サザレヒコという名の少年は、自らの思い上がりと思い込みから大きな罪を犯してしまい、ムラを追放されます。償いのために一人で山に入り、多くの困難と危険のなかをひたすら進む。道連れは一人の見知らぬ少年。一人では何も出来ないサザレヒコは、少年の教えと導きによって、少しずつ生きる力と知恵を、自然と神に対する感謝の念に目覚めていく。やがて見知らぬ少年の正体と、サザレヒコの大いなる役割が明らかに・・・。

本編4巻を美しくも険しい峰々を擁する山脈とすれば、この4巻は緑の広葉樹林に覆われた緩やかな単独峰と思えます。柔らかな緑と穏やかな斜面、暖かな日差しと快適な木陰の中を登り降りして自然の恵みを満喫できるのです。サザレヒコの行く道を読者も共に辿る事で、この美しい山を味わう事ができます。それとともに、自然の恵み、神の恩寵・・・生かされる人間のとるべき態度が見えてきます。

サザレヒコは最後には「ユカラ」の名を名乗りその勤めを立派に果たして生きて行きます。ユカラとはアイヌ民族の叙事詩や伝承文学を表す?「ユーカラ」からとったのでしょう。いにしえから伝わる「英雄たちと神々の物語」を語る者にふさわしい名前です。ふと思いついたのは、このお話・・・たつみやさん自信の物語なのかも知れないなという事。ひねくれものの少年が大いなる物語と出会い、自らの目指すべきもの、語り部としての役割に目覚める・・・作家そのもののお話と考えるのはどうでしょうかね?(笑)

本編4巻とこの外伝1巻、計5巻からなる「月神シリーズ」。読み終わってみて感じるのは自分の中の縄文の血かな?(笑)なんとも肌に馴染む物語です。農耕民族にとっては、稲作を収穫を左右する太陽は最も重要な「神」ではありますが、満月を見てウサギを思い、七夕には笹を手に星を見上げる、そんな日本人には「月神」もまた大事な存在と感じます。夜の闇を優しく照らす「月神」・・・そして森羅万象に宿る神、精霊たち・・・そんな存在に対する感性の扉を開いてみたくなる物語です。

機会があったら、ユカラのように、子供達に読み聞かせたら素敵かも知れませんね・・・。拍手

2007.05.29 Tuesday

たつみや 章「月冠の巫王」

月冠の巫王
月冠の巫王
たつみや 章,東 逸子 (2001年12月刊)

シリーズ第4巻。最終巻???(笑)
実は本編としては4巻のようです。第5巻は外伝らしいですね。

「月冠の巫王」・・・表紙はポイシュマであるから、この尊称はポイシュマの事と推測されますね。でも月冠とは??第2巻でワカヒコが火焙りの刑にされそうになったとき、巫女のユツの頭上に輝いた冠か?月神の息子シクイルケに関わる蛇の存在も含めての事か???表紙のポイシュマの周囲を囲む白い輪は???いずれにしろ「王」と呼ばれる存在に「化ける」と言う事が想像できる表紙です。読み終わってあらためて見ると、とても意味深なんです・・・。(笑)

「ムラ」と「クニ」。「ムラ」の平和を乱す「クニ」に対して、ポイシュマとワカヒコはムラの人々と共に立ち上がり、遂に決戦の日を迎える。月神、カムイたち、そして無慈悲な「クニ」人に怒るモノたち・・・。多くの思いが一つになって生み出される荒ぶる神の如き恐ろしい存在!!怒濤のクライマックス!!???です。(笑)多くの登場人物とストーリーを巧みに織り込んで出来上がった絢爛豪華なタペストリーか!!??

今まで何度も「縄文対弥生」という言い方で全体像を説明していましたが、この最終巻を読むと、ちょっと違うなと感じます。あまりにも弥生代表が「悪」なんです。(笑)あまりに「悪」で「弥生君」がかわいそうです。(爆)ですから私は、途中から「縄文対弥生」ではなく「善対悪」に見方を変えてしまいましたよ。(笑)

考えてみれば「クニ」と言うものは、それ自体の「良い悪い」ではなく「クニ」を動かす為政者の「良い悪い」で判断すべきものだと思います。ですから「縄文対弥生」という図式は忘れて良いと思いますね。もっとも、自然に対する、あるいは月神に対する思いや接し方については「縄文対弥生」という見方は必要かもしれません。たつみやさんはあとがきの中で、弥生文化が月神の存在を消した?というような事を書かれていることや、現代文明にまで通じる自然軽視の現状を考えるとね・・・。

たつみやさんは「あとがき」の中で「日本人の私だから書けるファンタジーを作り出してみたいという野望」からこの作品を書いたと告白しています。柔らかな自然との係わり方、登場人物のどこか懐かしい雰囲気、恐ろしくも美しい荒ぶる神々!!確かに日本人のDNAに訴えかける作品に仕上がっていると思います。

ただ・・・申し訳ないけど・・・私は・・・蛇は苦手なんだよな〜〜!!(笑)グッド

2007.05.28 Monday

フランス・ブリュッヘン/18世紀オーケストラ演奏会

今、地デジのNHK教育のサブchで放送していました。

ベートーベン作曲
「交響曲 第1番 ハ長調 作品21」            
「交響曲 第3番 変ホ長調 “英雄” 作品55」      
「交響曲 第8番 ヘ長調 作品93」            
「交響曲 第5番 ハ短調 作品67」            
                      
 (管弦楽)18世紀オーケストラ
 (指揮)フランス・ブリュッヘン
                              
  〜東京芸術劇場で録画〜                 
【インタビュー】 (指揮者)フランス・ブリュッヘン
        (コンサートマスター)マルク・デストゥルーペ

(〜NHK HP)

1時間ほど見てました、第1番と第3番の1楽章まででしたね。9時からは家族が「プロポーズ大作戦」を見るんです・・・。(爆)

2002年11月の収録で、今までも何度か見た記憶があります。あらためて見ると・・・色々ありますね。インタビューでは興味深い話も。交響曲はハイドンが創始して、ベートーベンが発展させたとか。ベートーベンはあの時代の楽器に合わせて作曲している。あの時代の楽器は、今のように最高音から最低音まで均質な音は出なかった。だから現代楽器と奏法では、ベートーベンの意図した「多彩な音」は出ないんだ・・・・。

なるほど、ピリオド奏法と古楽器によるベートーベンの意図した音楽の再現、という事でしょうかね。いかにもそれらしい軽やかで尖がった音楽です。現代オケによる演奏に比べると「薄っぺら〜」とも聴こえますが、新鮮なことは確かですね。(笑)

当然の事ながら楽器も古そうです。金管と木管はいかにも骨董品!!(笑)トランペット?なんてバルブもピストンも無くてどうやって音を出すのか?指で穴を押さえているようだったけど、隣の管は本当に何もやってなかった・・・口だけで??(笑)

見ているだけでも楽しい時間でした。そう言えば、以前見たときも気になったコンマスの後の東洋人の美女。ボーイッシュな髪型なんだけど、なんとも優しい感じの雰囲気が素適でした〜〜!!(笑)ラブ

2007.05.27 Sunday

アニメ「十二国記」第19話

第十九話 「風の海 迷宮の岸」 五章
 「昇山者たちの中に戴国の王となる人物を見いだせなかった泰麒は、毎日のように李斎と驍宗に会いに出かけた。ある日、泰麒は驍宗達のスウグ狩りについていくことになったのだが、泰麒の身を必要以上に案じる女仙たちの発言に、驍宗は侮られたと解してしまう。 泰麒はそれが、使令も持たず、さらに転変さえも出来ない自分のせいだとわかっていた。そしてその事実を驍宗と李斎、二人に告げるのだった。」
(〜NHK HP)

蓬山の女仙蓉可は、景王陽子と景麒に語り続ける・・・。
「禁軍の将驍宗殿は、その名を他国にまで鳴り響かせるほどの人物で、玉座に最も近いと目されていました。けれど泰麒は、彼には天啓が無いと申されました・・・・」

すう虞狩に泰麒を連れて行く驍宗に、心配して意見をつけた女仙の禎衛。出発してから泰麒は詫びる。
「あの・・・驍宗殿、先ほどは女仙が失礼いたしました・・・僕は・・・転変できないんです・・・」驚く驍宗と李斎。
「麒麟に転変して逃げる事もできないし・・・まだ使令もいない・・・だから女仙たちはとても心配してしまうんです。それで・・・・」涙ぐむ泰麒。
「公よ・・・」驍宗が、泰麒の頭に手を載せながら言う。
「公の使令は、はなからあてにはしておらぬ。御心配めされるな」
「あの・・・女怪ならいるんですけど・・・」
「それは心強い!」泰麒をいたわるように、明るく笑う驍宗。ほっとしたように頷く泰麒。

焚き火を見ながら語り合う泰麒と驍宗。
「公は・・・・私が怖いか?」
「いいえ・・・あの・・・・」
「時折・・・私に尻込みなさる風をお見せになる・・・ひょっとして死臭でも染み付いていようか?」
「そんな事はありません・・・」
「もしも公が私に欠けたものを御存知なら・・・言ってはもらえまえか?」焚き火の炎を見つめる驍宗。そんな驍宗の横顔を見て考え込む泰麒・・・。
「上手く・・・言えないんです・・・」
「どんなことでも構わぬ・・・」ため息をついてから・・・泰麒が語りだす。
「火って・・・火って・・暖かくて明るいものですけど・・・あまり強いと怖いでしょう?大きな火は綺麗だな凄いなって思います。それと一緒なんです。凄いなって・・・思うんです・・・」涙ぐむ泰麒・・・。
「けど・・・なんだかすくんでしまって・・・・ごめんなさい・・・ほんとに上手く言えないんです・・・・」泣く泰麒。
優しい表情で泰麒を見つめる驍宗・・・。
「せん無い事をお聞きしてしまった・・・申し訳ない・・・」頭を下げ詫びる驍宗。
「いえ・・・」
「公は良いお子だな・・・」
「えっ・・・いいえ・・そんな・・・」戸惑う泰麒の頭に手載せて語りかける驍宗。
「誠実でお優しい方だ・・・戴国は良い国になろう・・・」
ほっとして微笑み、驍宗を見つめる泰麒・・・・。

一夜明けて、怪しい気配の洞窟に入った3人は異様な怪物に襲われる。連れさられた李斎を追って、奥に向かって駆け込む泰麒。驍宗も撥ね付けられて倒れてしまう。残された泰麒は怪物「饕餮」を折伏しようと挑む!!驍宗が逃げられないと知ってあらん限りの気力を振り絞る泰麒!!気を失った泰麒のもとに・・・使令として柴犬となった傲濫(饕餮)が・・・・。

後日。床に伏せった李斎を見舞う泰麒。気がつくと驍宗の天幕は無く、泰麒に別れを告げに驍宗が現れる。王に選ばれなかった驍宗は王師を辞め、仙籍も返上し戴国を出ると言う。
「私は恥をかくことに慣れていない。王の器でなかったのだから仕方がない。私のような思い上がった者には良い薬だ・・・。これで少しは謙虚になろう・・・」
下を見つめて・・・聴き入る泰麒。
「御自愛なされよ。御世つつがなけれと・・・祈念申し上げる・・・」

寝台の上。考え込む泰麒。蓉可が驍宗を追わなかったと女仙たちがはやし立てる声が聞こえてくる。「もう二度と会うことも無い」「引止めに行くなら今だよ・・・蓉可!!」

聞いている内に堪らなくなった泰麒は寝間着のまま外に駆け出す。驚く女仙たち。
止めようとする汕子や傲濫を振り切り矢のように駆ける泰麒!!その身はやがて光を帯び、獣の姿に!!

美しい黒麒となった泰麒は驍宗を、王を目指して宙を駆ける!!

門が開き、現れた驍宗と泰麒の前に、女仙たちが平伏して頭を垂れる。禎衛が祝いの言葉を発する。
「お喜び申し上げます。驍宗様」
「万歳をお祈り申し上げます・・・泰王ならびに泰台輔・・・」

王としての契約を交わした泰麒と驍宗は、天勅を受けるまでの日々を蓬山ですごす。しかし、泰麒は一人沈んだ表情だった・・・。

陽子の前で、蓉可は振り返る・・・。
「泰麒は・・・天勅を受ける、天が泰王を任ずる儀式の時、天の裁きが驍宗殿を滅ぼす・・・そう信じておられました・・・」

焚き火を前にした泰麒の涙と笑顔。饕餮から驍宗を守ろうと必死の泰麒。夢中で驍宗を追う泰麒の転変。そして契約の場面。前半の見所です。しかし後半は、一人塞ぎこんでいく様子が・・・。笑顔の消えた泰麒の表情が痛々しい・・・そんな第19話です。王冠2

2007.05.27 Sunday

埼玉交響楽団 第58回定期演奏会?

行ってきました、御近所コンサート。(笑)
埼玉交響楽団 第58回定期演奏会。熊谷文化創造館さくらめいと「太陽のホール」。

曲目は
1、グリンカ 歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
2、ヴェートーベンピアノ協奏曲 第5番「皇帝」変ホ長調 op.73
3、チャイコフスキー 交響曲第一番「冬の日の幻想」ト短調 op.13

指揮 久住純信 ピアノ独奏 黒川 浩

埼玉交響楽団ってアマチュアオケなんですけど、今までも何度か聴いてます。下手です。(笑)いや正確には下手でした。今は分かりませんね。(笑)一応入場料を取りますので名前も挙げてしまいますね。

曲目を見て・・・う〜ん・・・と唸りました。(笑)技術的にどうこうは全く分かりませんが、感覚的にはかなりの難曲だと思います。

グリンカは全曲盤を持ってました。ロシア人らしい稀有壮大、荒唐無稽なお話でしたね。巨大な顔が出てきたような???覚えてませんが。(笑)はっきり言って、序曲だけが生き残ってる曲ですね。非常にテンポの早い楽しい曲ですが、一歩間違えたらヨレヨレになりそう・・・スローテンポでないと無理じゃないかな?

「皇帝」は・・・良くは知らない!!(笑)どうもこの手の曲って、まともに聴いた事がないんです。始まってすぐ、気恥ずかしくなって止めてしまうんです。名曲だ名曲だと言われると、とたんに聴きたくなくなる。そんな曲ですね。(笑)多分名曲なんでしょうね。単なるへそ曲がりの私にとっては「誰かオレ様をギャフンと言わせる演奏を聴かせてみせろ!!」という曲です。(笑)

「冬の日の幻想」は印象に残ってないな〜・・・。第2番「小ロシア」だったらサンティ/N響の素晴らしい演奏が記憶に残っているんだけど・・・。でも後期の作品に比べたら、多分地味な分だけ難しいような気がするな。

と言うわけで、予習をしてから出かけたんです。(予習になってないけど・・・。(笑))

会場に着いたら・・・異様な雰囲気が・・・。(笑)

ヤバイ!!長蛇の列が!!何!!完売???!!!!!

そのまま帰ってきました・・・・。(笑)

だから〜・・・行ってきたんです!!会場まで!!!(爆)

なぜ???今まではいつもガラガラだったのに〜〜!!????

考えられるのはピアニストかな?黒川さんて知りませんが、何々?フェリス女学院大音楽学部助教授?・・大物じゃん!!(笑)

「東京芸術大学首席卒業。同大学院修了。デトモルト国立音楽大学卒業。ドイツ、オランダで演奏活動を行い好評を博す。帰国後、各地でのリサイタルや内外一流奏者との共演は、安定した演奏と幅広い表現力、豊かな音楽性で高い評価を受けている。近年では、教則本、エッセイなど執筆、放送や新作の初演などにも活動の場を広げている。」
(〜フェリス女学院大 HP)

他のアマオケの例でも、ピアノ協奏曲はソリストが良ければ、オケは少々アレでも良い結果が期待できそうですからね。今後も増えるかもしれません。ま〜真相は分かりませんが、とりあえずは「楽団の今までの努力の賜物」と言う事にしておきましょうね。(笑)

帰りにツタヤに寄って、「男の隠れ家」を購入。隣のスタバでコーヒーでも飲みながら格好付けてみようかと思いましたが、柄でもないのでツタヤの自販機でアイスコーヒーを飲み家路に。節約節約・・・。(笑)

次は、とりあえずファミマで前売り買おうか・・・・こんなことになるなんて、想像もしなかったな〜!!(笑)開演は2時だったからもう少しで終わりかな?結果はどうだったんでしょうかね???素晴らしい演奏だったらちょっと悔しいけど、そんな事・・・(爆)ムード

2007.05.27 Sunday

FMチューナー一時帰宅(笑)

入院していたチューナーが戻ってきました。しか〜し!!直ってない!!(笑)
実は2年ほど前にも、オーバーホールも兼ねて同じ症状で修理に出したんだけど分からなかったんです。分かりにくいと言えば分かりにくいマニアックな症状だからね〜。(笑)

仕方がないのでサンプルを作って再入院させる事にしました。

チューナーの音を直接パソコンに入れてAudacityで取り込み、波形を画面に出した状態でキャプチャーでコピー、プリントアウトして説明文を記入。取り込んだ音をCDに焼いて出来上がり。

手間がかかるけど、こうでもしないと分からないだろうな。電話じゃラチがあかないからね。いや〜便利な世の中になりました。(笑)

これでまた一週間は使えないけど、もう一台のチューナーをバラしてあちこちつついてみたら復活しました!!捨てようかと思ってたのでラッキー!!(笑)やってみるものですね。これだったら先週のオペラ「ファウスト」が聴けたな〜!!とちょっと残念。あのオペラは好きだったんですけどね。

文字通り三度目の正直なんだけど、問題は症状が分かっても「直るかどうかはまた別」ということだね。(笑)音楽

2007.05.26 Saturday

たつみや 章「天地のはざま」

天地のはざま
天地のはざま
たつみや 章,東 逸子 (2001年3月刊)

「「星の子」であるポイシュマと、高貴な血を引きながらクニを逐われたワカヒコ。敵味方をこえ友情を結んだ2人は、またもや絶体絶命の危機におちて…。幻の超古代を舞台に、理解と友情の芽生えを描く連作ファンタジーの第3弾。 」
(〜amazon)

シリーズ第3巻。起承転結・・・動き出しましたね、確かに絶体絶命だ!!(笑)

春を前に「ムラ」の人々の1年の収穫を持ち、塩や必需品との交換のために海辺のムラに向かう一行。もちろん主人公の二人も・・・。苦難の道のり、仲間割れの危機?を経て二人はそれぞれの道に分かれるが・・・。行き着いた場所で、大きな災いに巻き込まれる。絶体絶命の危機に祈る二人。助かる道は??!!というお話。(笑)かなりハードです。多くの命も失われます・・・・。それだけにクライマックスの迫力は凄いものです・・・。

たつみやさんて埼玉県生まれらしいけど・・・雪国の冬の終わりの生活を御存知なんでしょうかね???私が子どもの頃は、「凍み渡り(しみわたり)」という遊びがありました。雪山の斜面を上り下りして遊ぶんです。2月の終わり?3月初め?朝はまだ寒く雪の表面が凍ってしまう状態の野山を遠くまで歩いていくんです。足を滑らせて滑落して・・・ザラザラの雪で血だらけになったり・・・。(笑)体の軽い子どもだけのスリル満点の遊びでした・・・。

冒頭でムラの人々は荷物をソリに載せ、雪山を越えていきます。峠越えの苦労や斜面の怖さ・・・リアルな描写に驚きます。他の場面も、とても緻密な描写が続きます。登場人物の心理描写も同様・・・。とにかくしっかりとした世界が描き出されています。脱帽ですね。

ストーリーは次々と展開していきますが、この巻ではとりあえずの危機は脱したが、重苦しい雰囲気は晴れません。やはり縄文と弥生のせめぎ合いはまだまだこれからなんですね。人々のやわらかな繋がりで続いてきた世界と、全く異質な価値観のせめぎあいの結果が出るのはまだ先です。別れ別れになった二人の主人公の果たすべき役割とその顛末は・・・待て次号!!ってことで・・。(笑)読書

2007.05.26 Saturday

雑誌「男の隠れ家」 2007年 07月号

男の隠れ家 2007年 07月号 [雑誌]
男の隠れ家 2007年 07月号 [雑誌]

ツタヤを覗いてきました。アレとコレを立ち読みして・・・。アレには笑った!!(爆)
ふと見たら「男の隠れ家」という雑誌が目につきました。「大人のためのクラシック」と表紙に書いてあるやつ・・・。

パラパラとめくると、お〜・・・ほとんどのページを使ってクラシック初心者向けのウンチクが・・・・。音の良いコンサートホールの紹介からCD、DVDの紹介、指揮者や作曲家のインタビューとかもあって盛り沢山。これで680円!!安い!!という内容ですね。

買いませんでしたが・・・。(笑)

興味あるけど良くわかんない〜???という人には老若男女を問わずお薦め・・・かな?ピリオド奏法からカストラート、サイトウ記念オケとかかなりミーハーな内容も。高級オーディオからグランドピアノなんてのもあって・・・やはり金持ちのおじさん向きの面も。コレに目を通せばオタクの振りもできそう???(笑)聞き耳を立てる

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