2007.05.31 Thursday
宮本文昭 ファイナル・コンサート+2
今週のNHK−FM「ベストオブクラシック」は、月曜日を除いて国内の演奏家の録音が放送されました。まだ明日もありますが(笑)火曜日からの3日間について・・・メインは宮本さんですが・・・。
29日(火)寺神戸亮 無伴奏バイオリン演奏会
30日(水)豊嶋泰嗣 無伴奏バイオリン・リサイタル
東京・浜離宮朝日ホール 2006年9月
火曜日、水曜日は寺神戸、豊嶋両氏による無伴奏ヴァイオリンによるリサイタルでした。両氏とも最近の国内で大いに活躍されている方らしい(笑)ので何も申しませんが、私の最近の関心から言って必聴かな?と思い聴いてみました。とは言ってもあれこれやりながらですけどね・・・。ほとんど同じ時期で会場も同じなので、聞き比べには良いタイミングでした。
どちらも同じ楽器とテーマですから、選曲も似たようなものになるのは当然ですね。バッハのソナタ第2番をどちらも取り上げていたのは偶然でしょうか?他の曲は知らない作曲家の作品が多かったけど・・・私が無知なだけのこと??(笑)無伴奏ヴァイオリンのための曲というのはそれほど多くはないという事でしょうか??
どちらの演奏でも感じたのは、やはり現役の演奏家ですから?何となく肩に力が入っているように聞こえたことですね。余裕のあるスケールの大きな滑らかな演奏・・・とは聴こえませんでした。難曲を選ぶのはリサイタルですから当然なのでしょうが、ちょっと空回りしているように聴こえたのが正直な感想でした。でも二人とも現役ですからね・・・いつかまた・・・期待しましょう。
さて今、宮本文昭ファイナル・コンサートを聴き終わりました。有名な方ですから私だって知っています。今回は引退宣言をした宮本氏の、文字通りのファイナル・コンサートのライブです。
− 宮本文昭 ファイナル・コンサート −
「オーボエ・ソナタ」 ドニゼッティ作曲
(7分58秒)
「ホルン・ソナタ ヘ長調 作品17」 ベートーベン作曲
(13分57秒)
「“バイオリン・ソナタ K.376”から
第1楽章、第3楽章」モーツァルト作曲
(11分11秒)
「“3つのロマンス 作品94”から」 シューマン作曲
・第1曲 (3分17秒)
・第2曲 (3分57秒)
「アダージョとアレグロ 作品70」 シューマン作曲
(7分52秒)
「オーボエ・ソナタ 作品166」 サン=サーンス作曲
(11分00秒)
「白鳥の歌」 加古 隆・作曲
(3分31秒)
「明日の記憶」 大島ミチル・作曲
(3分16秒)
「風 笛」 大島ミチル・作曲
(1分20秒)
「アヴェ・マリア」 カッチーニ作曲
(3分12秒)
(オーボエ)宮本 文昭
(ピアノ)山洞 智
「ジ・エイム&エンド」 宮本文昭/鳥山雄司・作曲
(4分20秒)
(オーボエ)宮本 文昭
(ギター)鳥山 雄司
〜東京・トッパンホールで収録〜
<2007/3/31>
(〜NHK HP)
ところどころで語りを入れた親しみ易いコンサートでした。何より選曲が良いんです。もう最後ですからね・・・美しい・・・ひたすら美しい曲が次々と・・・・。
最後の曲は、宮本氏がこの日のために創り、暖めてきたと言う曲。演奏の前に最後の挨拶がありました。
「今日も、この夜の部でも最初にお話しましたけれども、常なるものは、この世の中に存在していません。必ず・・・終わりと言うものは・・・来ます。私も・・・ちょうどこのあたりが良いのではないかなという風に思って・・・今回の決断を・・・しました。今日はオーボエ吹きとして最後の演奏会・・・この小さい会場で・・・皆さん・・・お顔がほとんど拝見できそうな・・・近さで・・・お別れできるっていうのは・・・大きな会場とはまた違った意味で・・・僕にとっては思いで深い・・・事になりそうです。
とりあえずここで、僕の長年のパートナーを勤めてくれた山洞智さんとはこの舞台で・・・最後のお別れという事になります。山洞さんほんとうにどうも、長い間ありがとうございました。山洞さんでした。
残すところ、後一曲となりました。オーボエ生活を終わる時に、この曲を吹いて・・・終わりたいと・・・そういう気持ちで書いた曲です。曲のタイトルが「ジ・エイム&エンド」。「究極の目的」・・・いわゆる・・・僕はこれを演奏するために・・・今までの人生はこれをやる為に生きてきたんだ・・・ちょっと大袈裟でほんと申し訳ないんですけどね(笑)
「究極の目的」・・・これを鳥山さんと二人で・・・この場で・・ホックリとした感じで演奏して・・・これで宮本文昭本当にお別れです。
今まで・・・永年・・・本当に・・・ありがとうございました!!」
ギターの前奏に乗って・・・しっとりと歌いだすオーボエ・・・・懐かしさと切なさと・・・そして優しさに溢れた美しい曲です・・・・。
気まぐれで我が儘なオーボエと言う楽器は、演奏者に多くの苦しみと・・・もちろん喜びを与える楽器なんだそうですね。宮本氏はそんなオーボエとはこの日をもってお別れだそうです。今後は後進の指導と指揮活動などをされるそうです。彼のオーボエはもう聴けませんが、彼の創り出す音楽はこれからも聴けそうです。素適な音楽を聴かせていただきたいですね・・・。
現役演奏者の力のこもった演奏会と、舞台に別れを告げる演奏者の、力みの消えた暖かな陽だまりのような演奏会・・・。対照的なコンサートでしたが、それぞれの思いが音楽に現れていたと思います。正直プロって大変だなとも思います。(笑)できたら、彼らのそんな思いを、きちんと受け止める事の出来る聞き手になりたいものですね・・・。
29日(火)寺神戸亮 無伴奏バイオリン演奏会
30日(水)豊嶋泰嗣 無伴奏バイオリン・リサイタル
東京・浜離宮朝日ホール 2006年9月
火曜日、水曜日は寺神戸、豊嶋両氏による無伴奏ヴァイオリンによるリサイタルでした。両氏とも最近の国内で大いに活躍されている方らしい(笑)ので何も申しませんが、私の最近の関心から言って必聴かな?と思い聴いてみました。とは言ってもあれこれやりながらですけどね・・・。ほとんど同じ時期で会場も同じなので、聞き比べには良いタイミングでした。
どちらも同じ楽器とテーマですから、選曲も似たようなものになるのは当然ですね。バッハのソナタ第2番をどちらも取り上げていたのは偶然でしょうか?他の曲は知らない作曲家の作品が多かったけど・・・私が無知なだけのこと??(笑)無伴奏ヴァイオリンのための曲というのはそれほど多くはないという事でしょうか??
どちらの演奏でも感じたのは、やはり現役の演奏家ですから?何となく肩に力が入っているように聞こえたことですね。余裕のあるスケールの大きな滑らかな演奏・・・とは聴こえませんでした。難曲を選ぶのはリサイタルですから当然なのでしょうが、ちょっと空回りしているように聴こえたのが正直な感想でした。でも二人とも現役ですからね・・・いつかまた・・・期待しましょう。
さて今、宮本文昭ファイナル・コンサートを聴き終わりました。有名な方ですから私だって知っています。今回は引退宣言をした宮本氏の、文字通りのファイナル・コンサートのライブです。
− 宮本文昭 ファイナル・コンサート −
「オーボエ・ソナタ」 ドニゼッティ作曲
(7分58秒)
「ホルン・ソナタ ヘ長調 作品17」 ベートーベン作曲
(13分57秒)
「“バイオリン・ソナタ K.376”から
第1楽章、第3楽章」モーツァルト作曲
(11分11秒)
「“3つのロマンス 作品94”から」 シューマン作曲
・第1曲 (3分17秒)
・第2曲 (3分57秒)
「アダージョとアレグロ 作品70」 シューマン作曲
(7分52秒)
「オーボエ・ソナタ 作品166」 サン=サーンス作曲
(11分00秒)
「白鳥の歌」 加古 隆・作曲
(3分31秒)
「明日の記憶」 大島ミチル・作曲
(3分16秒)
「風 笛」 大島ミチル・作曲
(1分20秒)
「アヴェ・マリア」 カッチーニ作曲
(3分12秒)
(オーボエ)宮本 文昭
(ピアノ)山洞 智
「ジ・エイム&エンド」 宮本文昭/鳥山雄司・作曲
(4分20秒)
(オーボエ)宮本 文昭
(ギター)鳥山 雄司
〜東京・トッパンホールで収録〜
<2007/3/31>
(〜NHK HP)
ところどころで語りを入れた親しみ易いコンサートでした。何より選曲が良いんです。もう最後ですからね・・・美しい・・・ひたすら美しい曲が次々と・・・・。
最後の曲は、宮本氏がこの日のために創り、暖めてきたと言う曲。演奏の前に最後の挨拶がありました。
「今日も、この夜の部でも最初にお話しましたけれども、常なるものは、この世の中に存在していません。必ず・・・終わりと言うものは・・・来ます。私も・・・ちょうどこのあたりが良いのではないかなという風に思って・・・今回の決断を・・・しました。今日はオーボエ吹きとして最後の演奏会・・・この小さい会場で・・・皆さん・・・お顔がほとんど拝見できそうな・・・近さで・・・お別れできるっていうのは・・・大きな会場とはまた違った意味で・・・僕にとっては思いで深い・・・事になりそうです。
とりあえずここで、僕の長年のパートナーを勤めてくれた山洞智さんとはこの舞台で・・・最後のお別れという事になります。山洞さんほんとうにどうも、長い間ありがとうございました。山洞さんでした。
残すところ、後一曲となりました。オーボエ生活を終わる時に、この曲を吹いて・・・終わりたいと・・・そういう気持ちで書いた曲です。曲のタイトルが「ジ・エイム&エンド」。「究極の目的」・・・いわゆる・・・僕はこれを演奏するために・・・今までの人生はこれをやる為に生きてきたんだ・・・ちょっと大袈裟でほんと申し訳ないんですけどね(笑)
「究極の目的」・・・これを鳥山さんと二人で・・・この場で・・ホックリとした感じで演奏して・・・これで宮本文昭本当にお別れです。
今まで・・・永年・・・本当に・・・ありがとうございました!!」
ギターの前奏に乗って・・・しっとりと歌いだすオーボエ・・・・懐かしさと切なさと・・・そして優しさに溢れた美しい曲です・・・・。
気まぐれで我が儘なオーボエと言う楽器は、演奏者に多くの苦しみと・・・もちろん喜びを与える楽器なんだそうですね。宮本氏はそんなオーボエとはこの日をもってお別れだそうです。今後は後進の指導と指揮活動などをされるそうです。彼のオーボエはもう聴けませんが、彼の創り出す音楽はこれからも聴けそうです。素適な音楽を聴かせていただきたいですね・・・。
現役演奏者の力のこもった演奏会と、舞台に別れを告げる演奏者の、力みの消えた暖かな陽だまりのような演奏会・・・。対照的なコンサートでしたが、それぞれの思いが音楽に現れていたと思います。正直プロって大変だなとも思います。(笑)できたら、彼らのそんな思いを、きちんと受け止める事の出来る聞き手になりたいものですね・・・。