T教授の大いなる野望(或いはたくらみ)
T教授は言語学の研究者である。
教授は考えた。
「大陸には昔からの言い伝えに基づいた素晴らしい伝承文学が数多くある。
それに比べると我が国のそれは少々見劣りが・・・。
アーサー君と妖精ちゃんぐらいだもんな〜。
「仕方がない。自分で創っちゃうか〜。
どうせ創るなら、かっこいい本格的王道ファンタジーがよいの〜。
魔法使いに指輪にドラゴン、小人に妖精そして王様王女様。
魔王怪物名馬に鷲、無法者に正義の味方。
主人公にお供の者、お茶目な仲間・・・
「左様、歌を入れよう。
中世の吟遊詩人の如く、格調高く!!
主人公の名前も歌にちなんだのにしようかの〜。
「歌と言えば大工、じゃない第九じゃ〜。
第九と言えばフロイデ〜じゃの〜〜。
フロイデ・・フロイド?・・フロド!!
「お供と言えばサンチョ・パンザ。
サンチョ・・サムチョ??・・・・サム!!
「魔法使いは平和の使者じゃ。
平和と言えば、ガンジーじゃの〜。
うん、ガン爺だ〜〜〜!!!
「全体の構成も大事じゃの〜。
まず序章、プロローグじゃ。
そして本編、3部構成くらいの大作じゃ〜〜!!
追補編に細かい資料を詰めこもー。
ここが勘所じゃのー。
物語の奥行きを出す資料をたっぷり用意しよう!!
大いなる歴史の流れと仲間たちの思い出をたっぷりと。
或いは読者を困らせるかもしれんが。(試練じゃ!!)
「さて後世に残る程の物にするにはもう二〜三味必要かの〜?
まずは全体を象徴する神話編のような特別編じゃ〜。
「この様な構成で一般読者から学生、研究者まで引きずり込むのじゃ。
努力するほど隠された面白さが分かるようにするのじゃ。
論争の種になる隠し味も入れて。
分かりにくさも時には必要じゃ!!
「二味目はそうじゃ!!
翻訳じゃ!!世界の読者の為に素晴らしい翻訳を。
大いなる歴史を語る以上、格調高く、詩情あふれる語りでなければの〜。
細かな翻訳上のガイドを書き記そうか。
論争の種になるかもしれんがかえって面白い。
「翻訳者も選ばなければの〜。
例えば瀬田爺なんかいい味出してるよの〜。
ちょっと臭いところもあるが。
ま、登場人物も皆臭いんじゃからいいか〜。
あいつらほとんど風呂に入れんからの〜。
「三味目はこれがちょっと難しいか。
特別編はわしの死後出す方がかっこいいの〜。
生前出版をしなかったいわく付きの作品というのは結構論争の種になる物じゃ。
賢二のシュッポッポみたいなものじゃ。
好き勝手書いておいて判断は読者に任せるのじゃ〜。
「こんな感じにすれば、噛めばかむほど味が出るスルメファンタジーができるじゃろ〜。
残念なのは、わしの生きているうちには全体に対する読者の反応が分からん事じゃが。
な〜に読者もそのうちやってくるから問題ないよの〜。
「そうじゃ、わしは猫がすきじゃ。
スルメファンタジーじゃから必要ないかもしれんが、
マタタビの粉も少しまぶしておこう。
塩漬けはちょとしょっぱいからの〜。
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お。
夢か〜。
変な夢。
めちゃくちゃな内容じゃの〜。
やっぱいくら厚くても本を枕にしちゃいかんの〜。
以上は某トピでの投稿・・・。(汗)
ほとんど荒らしと紙一重の存在でしたが ・・・、もう3年位前ですね・・・。
あの熱気が懐かしくなります。