2014.06.22 Sunday
蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- 第10話 「その身を捧ぐ」
第10話・・・全話で最も美しい回・・・。
今回も縦長構成・・・左から右へ、上から下へと流れます・・・。
ヒューガ、タカオの協力によりコンゴウの追撃をかわした401。しかし、ホッとしたのもつかの間、姉妹艦400、402の不意打ちを受けて轟沈!水深1000m、場所によっては9000mを超えるという深海に向か言って沈んでいく・・・。攻撃の衝撃から立ち直った群像とイオナは自己修復プログラム起動するが、外殻を構成するナノマテリアルがイオナのコマンドを受け付けず、耐圧外殻を修復できない401は増大する水圧により次第に圧潰、爆縮していく・・・。
サロンでは400、402とコンゴウが対峙。「何故、勝手に401を沈めた?」と詰問するコンゴウに対して、姉妹は「我々はあなたを監視していました」「あなたもタカオ達と同様401に同調する可能性があった」・・・「現にあなたは、今も必要以上に401に執着している」「哨戒行動に戻りなさい、コンゴウ」と命じて消える・・・。己の置かれた立場を知り、「執着」の言葉に動揺するコンゴウ・・・。マヤが「良かったね、これでもう401を気にする必要は 無いんだから」と慰めるが・・・虚ろな表情で黙り込む・・・。
合流予定地点から401が消息を絶った海域へ・・・暗い予感に慄きながら捜索を続ける蒼き鋼のメンバー達・・・。焦りを募らせるタカオを「私はイオナ姉様に後を託された・・・もしもの時は・・・イオナ姉様の遺志を継がなきゃいけないのよ・・・」と諭すヒューガ。その言葉を聞いたタカオは「艦長が・・・群像が待ってるんだから・・・」と、ヒューガのカプセルを借り一人深海に向かう・・・。
沈みゆく401艦内・・・救助を待ちながら、沈降に伴って増える破損部位を放棄していくが、気温低下と酸素濃度の低下、Co2濃度の上昇が進む・・・。右腕を骨折し?出血を伴うけがも負った群像は、混濁していく意識の中で生命維持機能の停止、艦の中枢機能の温存をイオナに命じた後・・・「生きろ・・・イオナ・・・・」と、囁くような言葉を最後に・・・呼吸を止める・・・。
「いや・・・・私は・・・・私は・・・一人に・・・・なりたくない!・・・・群像!」
残されたイオナは叫ぶ・・・・・・。
かすかな救難信号をたよりに海底にたどり着いたタカオ・・・401の残骸の中に救難ポッドを発見するが、中で横たわる群像の傍らにイオナのユニオンコアを見て息を飲む!意を決したタカオは、群像の為にと・・・自らの体と艦を捧げ・・・新生401・・・アルスノヴァモードの姿で海上に帰還・・・目覚めたイオナは群像の無事を知り涙する・・・。
一方、400、402から事態の急変を告げられたコンゴウは「今度こそ、この私の手で401を討つ!」と意気込むが、400、402からは、それらの反応を持って一方的に「旗艦からの解任」と「拘束」を宣告される!困惑したコンゴウはマヤに救いを求めるが・・・。「彼女は我々が作った監視ユニット・・・ごく単純なルーチンに従って反応を返すだけの人形にすぎません・・・」「それも、たった今強制終了させた・・・これ以上、あなたを監視する必要は無いから・・・」姉妹から告げられる冷酷な真実に、コンゴウは打ちのめされて立ち尽くす・・・。その周囲を、文字通り壊れた人形として、むなしく踊り続けるマヤ・・・。
あらすじとしてはこんな所・・・全編、緊張感に満ちた展開です!
見所は沢山ありますが、まずはタカオとヒュウガの選択。
焦りの色を隠せないタカオに対して、最悪の事態も考えてのヒュウガの対応は抑制された表情の中に悲壮感も感じさせ、コミカルな面と冷徹な科学者としての面を併せ持った、実は「大人」な人物像が描かれています。対してタカオの「恋する乙女道一直線!」(笑)は、前半では無茶な行動に走る様子が描かれますが、海底でイオナと群像の「絆」を悟った後の後半では迷わず自己犠牲を決意して実行すると言う美しい行為に昇華して行きます。
後半、そんな二人のサロンでの会話が切ない・・・。
「自らを犠牲にして他者を救う・・・。それは本来、霧にはあり得ない行動・・・。まさか、イオナ姉様がそんな選択をするとはね・・・そして・・・あんたも・・・」「フンッ・・・」「あんたを構成しているナノマテリアルを使えば、イオナ姉様の体を再生することは可能・・・でも、今度はあんたが体を失う事になる・・・。硫黄島の備蓄ナノマテリアルを失った今、再生することはほぼ不可能よ・・・。」「そうでしょうね・・・」「あんたはそれで良いの?」「それが艦長の・・・千早群像の望みなら・・・」
「友人」を思いやり、辛い事実を淡々と告げて意志を確認するヒュウガ・・・。その言葉を受け止め、穏やかな・・・とても幸福そうな表情で答えるタカオと・・・それに続く401との融合・・・。もはや、兵器を超越した存在となったメンタルモデル達 の、全編で最も美しい場面です・・・。
このクライマックスも凄いですが、初見時もっとも驚かされたのは最後の修羅場!
兵器としての本分に従っているつもりだったコンゴウが、自らの「変貌」を指摘され、いつも傍らにあったマヤが「人形」だったと知った時の衝撃はいかばかりか・・・。悪役コンゴウが「霧」本体から「欠陥品」の烙印を押され、壊れた自動人形と成り果てたマヤと取り残されるラストは、異様なまでの緊張感をはらんでいる・・・。
第8話の副題「人形の家」はここにも関係してくるのか?単純なハッピーエンドでは終わらせない構成の見事さは脱帽ものです!
そして、イオナと群像の時は・・・。
深海の水温は最低温度1.5度程度まで低下すると言う。イオナと昔話をしながらも室温低下に耐える群像。データベースから体を温める手段として二人とも裸で寝袋に入ると言う記述を見たイオナだったが、エネルギー節約の為にと群像に止められる。イオナは「困惑」していたのか?群像もどうなのか?とても微妙な表現で「困惑」させられます。(笑)
そうこうする内、呼吸にも困難が生じ始めた群像。その状況と、艦隊としての使命から今後をシュミレートしたイオナは・・・。
「その結果・・・最善の策は、ここであなたを切り捨てる事・・・」「だろうな・・・あの日・・・君と海へ出た時から決めていた・・・。終わりかけたこの世界を救えるなら、俺は何でもすると・・・」「群像・・・」「聞いてくれイオナ・・・。俺の事は良い・・・振動弾頭を必ず・・・アメリカに届けてくれ・・・。そうすればきっと・・・世界は変わる・・・」苦しげな群像・・・見つめるイオナは一人思いに沈む・・・・。
「以前の私なら・・・ためらわずそうしていた・・・そうしない理由は・・・何も無いはずだった・・・。なのに・・・私は・・・。あなたを見捨てることなんて・・・できない!」
出会いからの2年、人間の介在を必要としないはずの操船に群像達が関わり、タカオ達との接触により特に第8話辺りから顕著になったイオナの「変貌」が、ここではっきりと描かれる!!
そして、止まらない浸水により艦の大半を失った頃、群像は呼吸を止める・・・。低体温と呼吸困難からくる「仮死状態」と思われるが、傍らで見つめるイオナにとっては・・・「死」?
第9話で「一人はきっと・・・とても弱いから・・・」と言ったイオナは激しく動揺するが、群像を見捨てることができずにその身を捧げる。タカオもその様を見て・・・。
「全く・・・本当に・・・あんたってば・・・。これじゃあ・・・私の入り込む隙間なんて・・・どこにも無いじゃない・・・」と涙を流し、半ばあきれながら、自分の負けを認めた上で同じ行動を選択する・・・。二人の乙女の献身・・・アニメ史上に残る美しさです・・・。
これは、群像の存在が二人にさせた選択・・・いよ!色男!!というのはちょっと軽薄!?(笑)
ま、そんな面もありますが、ここで大事なのは第7話でヒュウガが言った「大局の為に自分を犠牲にする」という群像の考えに対する理解、さらには「生きろ・・・イオナ・・・・」と言う群像の言葉に見られる、メンタルモデル全員を一個の「人間」として見つめて接する群像の生き様・・・が彼女たちを引き付けた・・・と感じます。何度か書いたイオナと群像の「微妙な感覚」・・・私的にはこれも同じと考えると腑に落ちますね・・・。
「好きな人の為に好きに生きる」タカオが言った言葉を体現化する行動は、人間以上に人間的で・・・人間の男には・・・と、ため息が・・・。(笑)
さて、長くなったので最後に細かいことを四つほど・・・。
副題の「その身を捧ぐ」ですが、モロですね・・・「献身」としてほしいな〜と勝手な妄想。(笑)それから・・・サロンですが・・・冒頭でも明らかになってますが、「概念伝達」は使えないはずだけど・・・。(汗)もう一つは・・・蒔絵が・・・「ハルハル・・・暖か〜い」と言ってましたよね・・・。おまけの一つは・・・タカオがあんな事できて、イオナができなかったのは何故???
と言う事で第10話・・・とても、とても美しい・・・素敵なお話です・・・。
今回も縦長構成・・・左から右へ、上から下へと流れます・・・。
ヒューガ、タカオの協力によりコンゴウの追撃をかわした401。しかし、ホッとしたのもつかの間、姉妹艦400、402の不意打ちを受けて轟沈!水深1000m、場所によっては9000mを超えるという深海に向か言って沈んでいく・・・。攻撃の衝撃から立ち直った群像とイオナは自己修復プログラム起動するが、外殻を構成するナノマテリアルがイオナのコマンドを受け付けず、耐圧外殻を修復できない401は増大する水圧により次第に圧潰、爆縮していく・・・。
サロンでは400、402とコンゴウが対峙。「何故、勝手に401を沈めた?」と詰問するコンゴウに対して、姉妹は「我々はあなたを監視していました」「あなたもタカオ達と同様401に同調する可能性があった」・・・「現にあなたは、今も必要以上に401に執着している」「哨戒行動に戻りなさい、コンゴウ」と命じて消える・・・。己の置かれた立場を知り、「執着」の言葉に動揺するコンゴウ・・・。マヤが「良かったね、これでもう401を気にする必要は 無いんだから」と慰めるが・・・虚ろな表情で黙り込む・・・。
合流予定地点から401が消息を絶った海域へ・・・暗い予感に慄きながら捜索を続ける蒼き鋼のメンバー達・・・。焦りを募らせるタカオを「私はイオナ姉様に後を託された・・・もしもの時は・・・イオナ姉様の遺志を継がなきゃいけないのよ・・・」と諭すヒューガ。その言葉を聞いたタカオは「艦長が・・・群像が待ってるんだから・・・」と、ヒューガのカプセルを借り一人深海に向かう・・・。
沈みゆく401艦内・・・救助を待ちながら、沈降に伴って増える破損部位を放棄していくが、気温低下と酸素濃度の低下、Co2濃度の上昇が進む・・・。右腕を骨折し?出血を伴うけがも負った群像は、混濁していく意識の中で生命維持機能の停止、艦の中枢機能の温存をイオナに命じた後・・・「生きろ・・・イオナ・・・・」と、囁くような言葉を最後に・・・呼吸を止める・・・。
「いや・・・・私は・・・・私は・・・一人に・・・・なりたくない!・・・・群像!」
残されたイオナは叫ぶ・・・・・・。
かすかな救難信号をたよりに海底にたどり着いたタカオ・・・401の残骸の中に救難ポッドを発見するが、中で横たわる群像の傍らにイオナのユニオンコアを見て息を飲む!意を決したタカオは、群像の為にと・・・自らの体と艦を捧げ・・・新生401・・・アルスノヴァモードの姿で海上に帰還・・・目覚めたイオナは群像の無事を知り涙する・・・。
一方、400、402から事態の急変を告げられたコンゴウは「今度こそ、この私の手で401を討つ!」と意気込むが、400、402からは、それらの反応を持って一方的に「旗艦からの解任」と「拘束」を宣告される!困惑したコンゴウはマヤに救いを求めるが・・・。「彼女は我々が作った監視ユニット・・・ごく単純なルーチンに従って反応を返すだけの人形にすぎません・・・」「それも、たった今強制終了させた・・・これ以上、あなたを監視する必要は無いから・・・」姉妹から告げられる冷酷な真実に、コンゴウは打ちのめされて立ち尽くす・・・。その周囲を、文字通り壊れた人形として、むなしく踊り続けるマヤ・・・。
あらすじとしてはこんな所・・・全編、緊張感に満ちた展開です!
見所は沢山ありますが、まずはタカオとヒュウガの選択。
焦りの色を隠せないタカオに対して、最悪の事態も考えてのヒュウガの対応は抑制された表情の中に悲壮感も感じさせ、コミカルな面と冷徹な科学者としての面を併せ持った、実は「大人」な人物像が描かれています。対してタカオの「恋する乙女道一直線!」(笑)は、前半では無茶な行動に走る様子が描かれますが、海底でイオナと群像の「絆」を悟った後の後半では迷わず自己犠牲を決意して実行すると言う美しい行為に昇華して行きます。
後半、そんな二人のサロンでの会話が切ない・・・。
「自らを犠牲にして他者を救う・・・。それは本来、霧にはあり得ない行動・・・。まさか、イオナ姉様がそんな選択をするとはね・・・そして・・・あんたも・・・」「フンッ・・・」「あんたを構成しているナノマテリアルを使えば、イオナ姉様の体を再生することは可能・・・でも、今度はあんたが体を失う事になる・・・。硫黄島の備蓄ナノマテリアルを失った今、再生することはほぼ不可能よ・・・。」「そうでしょうね・・・」「あんたはそれで良いの?」「それが艦長の・・・千早群像の望みなら・・・」
「友人」を思いやり、辛い事実を淡々と告げて意志を確認するヒュウガ・・・。その言葉を受け止め、穏やかな・・・とても幸福そうな表情で答えるタカオと・・・それに続く401との融合・・・。もはや、兵器を超越した存在となったメンタルモデル達 の、全編で最も美しい場面です・・・。
このクライマックスも凄いですが、初見時もっとも驚かされたのは最後の修羅場!
兵器としての本分に従っているつもりだったコンゴウが、自らの「変貌」を指摘され、いつも傍らにあったマヤが「人形」だったと知った時の衝撃はいかばかりか・・・。悪役コンゴウが「霧」本体から「欠陥品」の烙印を押され、壊れた自動人形と成り果てたマヤと取り残されるラストは、異様なまでの緊張感をはらんでいる・・・。
第8話の副題「人形の家」はここにも関係してくるのか?単純なハッピーエンドでは終わらせない構成の見事さは脱帽ものです!
そして、イオナと群像の時は・・・。
深海の水温は最低温度1.5度程度まで低下すると言う。イオナと昔話をしながらも室温低下に耐える群像。データベースから体を温める手段として二人とも裸で寝袋に入ると言う記述を見たイオナだったが、エネルギー節約の為にと群像に止められる。イオナは「困惑」していたのか?群像もどうなのか?とても微妙な表現で「困惑」させられます。(笑)
そうこうする内、呼吸にも困難が生じ始めた群像。その状況と、艦隊としての使命から今後をシュミレートしたイオナは・・・。
「その結果・・・最善の策は、ここであなたを切り捨てる事・・・」「だろうな・・・あの日・・・君と海へ出た時から決めていた・・・。終わりかけたこの世界を救えるなら、俺は何でもすると・・・」「群像・・・」「聞いてくれイオナ・・・。俺の事は良い・・・振動弾頭を必ず・・・アメリカに届けてくれ・・・。そうすればきっと・・・世界は変わる・・・」苦しげな群像・・・見つめるイオナは一人思いに沈む・・・・。
「以前の私なら・・・ためらわずそうしていた・・・そうしない理由は・・・何も無いはずだった・・・。なのに・・・私は・・・。あなたを見捨てることなんて・・・できない!」
出会いからの2年、人間の介在を必要としないはずの操船に群像達が関わり、タカオ達との接触により特に第8話辺りから顕著になったイオナの「変貌」が、ここではっきりと描かれる!!
そして、止まらない浸水により艦の大半を失った頃、群像は呼吸を止める・・・。低体温と呼吸困難からくる「仮死状態」と思われるが、傍らで見つめるイオナにとっては・・・「死」?
第9話で「一人はきっと・・・とても弱いから・・・」と言ったイオナは激しく動揺するが、群像を見捨てることができずにその身を捧げる。タカオもその様を見て・・・。
「全く・・・本当に・・・あんたってば・・・。これじゃあ・・・私の入り込む隙間なんて・・・どこにも無いじゃない・・・」と涙を流し、半ばあきれながら、自分の負けを認めた上で同じ行動を選択する・・・。二人の乙女の献身・・・アニメ史上に残る美しさです・・・。
これは、群像の存在が二人にさせた選択・・・いよ!色男!!というのはちょっと軽薄!?(笑)
ま、そんな面もありますが、ここで大事なのは第7話でヒュウガが言った「大局の為に自分を犠牲にする」という群像の考えに対する理解、さらには「生きろ・・・イオナ・・・・」と言う群像の言葉に見られる、メンタルモデル全員を一個の「人間」として見つめて接する群像の生き様・・・が彼女たちを引き付けた・・・と感じます。何度か書いたイオナと群像の「微妙な感覚」・・・私的にはこれも同じと考えると腑に落ちますね・・・。
「好きな人の為に好きに生きる」タカオが言った言葉を体現化する行動は、人間以上に人間的で・・・人間の男には・・・と、ため息が・・・。(笑)
さて、長くなったので最後に細かいことを四つほど・・・。
副題の「その身を捧ぐ」ですが、モロですね・・・「献身」としてほしいな〜と勝手な妄想。(笑)それから・・・サロンですが・・・冒頭でも明らかになってますが、「概念伝達」は使えないはずだけど・・・。(汗)もう一つは・・・蒔絵が・・・「ハルハル・・・暖か〜い」と言ってましたよね・・・。おまけの一つは・・・タカオがあんな事できて、イオナができなかったのは何故???
と言う事で第10話・・・とても、とても美しい・・・素敵なお話です・・・。
雪太郎様
遂に来ましたネ!
もちろん言うこと無しです!!
ですので拙ブログの同じ場面の記事の、URLだけ置いて行きます。
http://aonow.blog.fc2.com/blog-entry-605.html
ここから(正確には焼き肉でピーマンを囓った後で激怒し事から?)急に、コンゴウ様の人気が出るんですよねェ〜。
では、また。