2009.04.21 Tuesday
ジョゼフ ディレイニー 「魔使いの呪い」
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金原 瑞人 田中 亜希子訳 (amazonに画像が無いのでちょっと細工・・・。)
シリーズ第二巻。表紙と挿絵は佐竹美保氏。道具の使い方で一部間違いがありますが、全体としては大変快調です。(笑)この物語の雰囲気の半分は挿絵で決まっていると感じるほどですし、字面、装幀など、全体としての完成度も高い本です。
「ぼくはトム。魔使いに弟子入りして半年。修業は大変でまだまだ半人前だけど、なんとかやっている。そんなある日、人の血を好むボガート、リッパーを退治し てくれという依頼があった。襲われたのは、なんと師匠である魔使いのお兄さん。病気で寝こんでいる師匠のかわりになんとかボガートは退治したが、こんどは 魔使いが弱った体で、古代の悪霊ベインが巣くう大聖堂の町プライズタウンに向かうと言い出した。だが、そこには魔使いをつけ狙う、冷酷な魔女狩り長官の影 が…。そして捕らえられた魔女たちのなかにぼくが見たのは、たったひとりの友だちアリスの姿だった。魔使いの弟子トムの成長と冒険を描く、シリーズ第二 弾。」
(~amazon)
一巻でも書きましたが、このシリーズ、いわゆる「魔法使い」の物語とは随分風合いが違い、「地道な職業」としての「魔使い」の生活が書かれています。感覚的には「ゲド戦記」に近いものがありますね。
弟子であるトムがするのは荷物持ちであり、講義をメモすることであり、魔物を閉じ込めるために必死で「穴掘り」をしたり、空腹に耐えて歩くことであり、魔女狩りにあって火あぶりにされそうになったり、と実に地味です。(汗)お手軽な「魔法」で全てが解決なんてことはありません。何だか大変です。(笑)
今回は前半と後半で大きな仕事をすることになるのですが、予定通りに済んだのは前半だけ。後半はほとんど手探り状態の中で悪戦苦闘します。意識のない師匠、悪に染まった?アリス。邪悪な悪霊の「囁き」を聞きながら、進退窮まったトムは決断を迫られます。
「七番目の息子の七番目の息子」という良くある境遇に生まれた主人公のトムですが、天賦の才能をドンドン開花させて素晴らしい魔使いになるのか?というとそうでもなく、悩み、迷い、失敗をしながら経験の積み、その上での精神的な成長によって次第に一人前になっていくというお話のようです。特に目立つのは、どこまで人を信用するかという部分での主人公トムの逡巡ですね。そして、最後の最後での選択の仕方にトムの人間性が表れる・・・という展開。
今回は父母に関わる辛い現実、師匠の秘密や身近な人間の非業の死などもあって暗い雰囲気の場面も多かった。巻末を読むと、次巻もなにやら波乱を予感させます。中々硬派なお話ですよ。





























