雪太郎のつぶやき、あるいはプリンセス達の花園

あ〜!!おじさんなのに、「プリンセス・プリンセス」に嵌ってしまった〜〜!!(笑)
美しいもの、面白いもの、切ないもの、考えさせる物・・・。一人が好きだけど、独りじゃ寂しい。そんな私のつぶやき・・・・。ちょっとキモイかもね〜。
クラシック音楽が苦手な人にはお薦めできません。暗いのが嫌いな人にはお薦めできません!!お子様にもお薦めできません!!
[謝辞]
父と母に、家族に、多くの慰めと喜びを与えてくれた、過去、現在、そして未来の芸術家達に、感謝!!
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2015.11.08 Sunday

蒼き鋼のアルペジオ「Blue Steel」と「BLUE DROP」の切ない関係

『Cadenza』観てきました。

最終日、最終回のレイトショー・・・文字通りの滑り込みでした。(笑)

2時間ほどの長さですが、一度見ただけなので細かい部分は朧・・・それでも何となく感じた事がありますので、忘れない内に書いておきましょう。

全体としては、TVアニメ版に比べるとやはり短く感じました。細かな心理描写が省略されている印象が付きまとって困りましたが、「尺」が決まっている中では当然。何度か見るとその部分が解消されてまた印象も変わるでしょうが、当地ではもう無いんだよな・・・。(汗)

戦闘場面はさすがにCGのレベルも高くて見どころ満載でした。しかし、「完結編」?としては展開がある程度読めるのでTV版第1話のようなワクワク感がないのも仕方が無いか・・・。

これから放映の地域もある様なのでネタバレは避けたいので大雑把な話、と言うよりは結末を見て思い浮かんだ、全く関係のない「BLUE DROP」と似ている部分をいくつか書いておきましょう。

1、「艦」が似ている。
「イ号401」は「蒼き鋼」の異名を持つ「潜水艦」ですが、「BLUE DROP」に登場する「地球調査艦隊5番艦ブルー」は陸上走行以外は可能と思われる万能艦です。(笑)サイズ的にはブルーが遥かに大きいでしょうが詳細は不明。スマートな外観を持ち、主人公の意のままに動く「相棒」と言う意味で似ています。

そう言えば、TV版第1話で群像の目の前に401が浮上する衝撃的場面は、マリとBLUEのそれと全く同じです!

ただ、「素直」に空を飛べる「BLUE」に対して、敵味方ともに海に限定された描き方しか出来ないアルペジオの設定はかなり「変」ですね。(笑)

2、ヒロインが似ている。
イオナと萩乃・・・どちらも長い髪にほっそりとしたシルエット。控え目でおとなしいけれど、真の強さを内に秘めた視線が印象的・・・。「過去の犠牲」に少なからず責任を感じている。特に萩乃は、無意識のうちに「良き死に方」「良き死に時」「良き死に場所」を探している雰囲気が濃厚・・・。イオナはそこまで行かないが、『Cadenza』でも心を痛めるシーンがあった。

3、「仲間」が似ている
「学園」から「戦闘」に身を投じる、あるいは戦闘に「巻き込まれる」仲間たち。優秀なクルー達の印象も良く似ている。AIの「BLUE」も同様だ。イオナは立場上も「BLUE」に似ている。

4、背景が似ている
「BLUE DROP」は地球への移住を強行する異星人との戦いが背景でした。アルペジオは「霧」という名前の正体不明の存在による「地球人封じ込め作戦」?が背景でした。

最終的に「霧」の正体を描かないアルペジオのシナリオは、「先」に対する含みを持たせるためのものか?あるいは現実の地球環境に対する不安感を表現する物なのか?はたまた何となくその様にしてしまったのか?(笑)は、分かりませんが、圧倒的な戦力差を前にした主人公たちの「苦境」の描き方は似ていますね。

5、結末が似ている
ネタバレだから書かないけれど、切なく美しい結末・・・。どちらもヒロインの「その後」は不明だ・・・。(根拠のない希望的観測に過ぎないとも思うが・・・。)

6、音楽面が充実している
BGMは「BLUE DROP」が最高!アルペジオはキャラソン込みで充実度が異様に高い!

と言う感じの『Cadenza』・・・実は突っ込みどころも満載ですが、一度は見ても良い作品です。逆に、アルペジオファンには「BLUE DROP」を是非見て欲しい。きっと気に入ります・・・。





2014.08.16 Saturday

蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- 第12話(終)「航路を拓く力」

ついに最終話・・・細かな展開なので・・・左から右・・・上から下へ見て行ってください・・・。


前方に霧のアメリカ艦隊・・・後方からは、異形の物となったコンゴウが迫り窮地に追い込まれた「蒼き鋼」。ところが、コンゴウの放った超重力砲は前方の霧の艦隊を薙ぎ払い、次いで401に向けられ・・・一対一の・・・文字通り最後の戦いが始まる。

「異変」を感じたイオナ達は概念伝達によってコンゴウと接触・・・。荒れ果てたサロンでは・・・表情を失ったコンゴウが「私は貴様らを・・・殲滅する・・・」とつぶやいて接続を絶つ・・・。

イオナ達を道連れに破滅へと突き進むコンゴウは超重力砲を連射!「俺たちは止まる訳にはいかない・・・」と言う群像の言葉に、「私が・・・コンゴウを説得に行く」と応じたイオナは単身対艦ミサイルに身を潜ませて弾幕をくぐり抜け、激しい戦いの末、遂にはコンゴウに接触!!失う事の痛みを知るイオナは、群像達の援護により消滅の危機を間一髪乗り越え、閉じられたサロンを押し開いてコンゴウを救う・・・と言う結末です・・・。

全12話の最終話だけにこれまでの総括的な場面も多くなります。目に付いたところから上げていくと・・・。

まず、圧倒的なコンゴウの力を目にして追い詰められた401クルー達は、これまでの来し方を振り返り、自分たちの「覚悟」を改めて思い起こします。

「俺たちは閉鎖された世界に風穴を開ける為に戦いを始めたんだ。誰かを待つんじゃない・・自分達が始めないと・・・世界は変わらない・・・。俺たちは止まる訳にはいかない・・・」と群像が・・・。

そして、メンタルモデル達も、「コンゴウを救いたい」というイオナの言葉から、様々な「思い」・・・自分たちの「意志」について考えます・・・。

「コンゴウは・・・傷ついている・・・」(イオナ)
「現状では無傷だが・・・」(キリシマ)
「心が・・・」(イオナ)
「それは存在を証明できないもの・・・」(ハルナ)
「なんで・・・こんな面倒な思考ルーチンになってしまったんだ・・・?」(キリシマ)
「私たちは兵器じゃなかったの・・・?」(タカオ)

「何かだった・・・ではなく、今、自分が何者か?・・・・と言う事だ・・・」(群像)

「今、自分が何者か・・・?」(ハルナ)
「私は・・・救いたい・・・コンゴウを・・・戦う理由が無い・・・。何より、演算処理を超えた「衝動」が、私を突き動かしている・・・。群像・・・これが「意志」?」(イオナ)
「意志・・!」(ヒュウガ)
「意志・・・?」(ハルナ)
「意志・・・!」(タカオ)
「イオナ・・・コンゴウを救えるか?」(群像)
「群像・・・私に命令して!」
「イオナ・・・君はこれより、旗艦コンゴウのメンタルモデルコアに物理接触、彼女の暴走を止めるんだ!」
「了解!」

メンタルモデル達が自分たちの「存在理由」「自己の確立」を意識した場面です。「霧」の「兵器」から「意志持つ者」へ・・・群像達の「覚悟」とは別次元の感覚ながら、「思考ルーチンの変化」と言うより「進化」の証と言うべきしょう。「意志を持って行動する・・・」この物語のメッセージがここまでで言い尽くされていますね・・・。

そして、残されたのはコンゴウです。

初見時、「ラスボス」コンゴウが「救われる」と言う展開の「意味」が腑に落ちなかったと言うのが正直なところですが、これまで見てきた様な、メンタルモデ ル達の「心の軌跡」を辿った上での結果としては納得がいきます・・・。

「アドミラリティコードとコンゴウに従うだけ」と言っていたマヤを失い、401への固執が故に「霧」本体からも見捨てられて幽鬼と化したコンゴウは、初めて知った「怒り」と「悲しみ」の暴走・・・荒れ狂う「感情」と言う「意志」のやり場に戸惑い、翻弄されながら、氷の刃を振るってイオナを追い詰める。自分も含めて「エラー」と言い切ったコンゴウは超重力砲によって全てを「清算」しようとするが、「死」と「喜び」と「悲しみ」を知り、自らの「意志」を貫こうとするイオナによって救われます・・・。

ここで分かるのは、コンゴウが単なる「悪役」ではなく、艦隊旗艦としての「役割」を背負って「兵器」の本分にこだわり、拠り所としたアドミラリティコード にがんじがらめになっていたと言う事であり、イオナ達との接触を通して芽生えた自らの「意志」の存在を認めることができずに苦しんでいたと言う事。

イオナと戦いながらコンンゴウは叫びます!

「この思考を乱す苦痛は何だ!?自分の中からあふれ出す、怒りや悲しみに押しつぶされそうだ!」「何故だ!?何故今のままではいけないのだ?!変化などいらない!関系などいらない!私は一人で良かったのだ!世界 等・・・認識したくなかったのに!!・・・何故・・?」

コンゴウが頻繁に口にした「面倒くさい」という言葉の裏側に、この様な「葛藤」があったと言う事でしょう。イオナとの直接対決によって彼女の中の「本音」が露わになった・・・。

そして、意志の力によって危機を乗り切ったイオナは、遂にサロンを解放し、打ちひしがれ、涙にくれるコンゴウを優しく抱きしめて・・・コンゴウの「心」を・・・「檻」から解き放つ・・・。。

「もう大丈夫・・・。繋がれば・・・ 分かり合えれば・・・もう怯えなくて良い・・・。そうしたら・・・友達になれる・・・」

全てが終わり、甲板上で手と手を触れあったまま、コンゴウが尋ねイオナが答える・・・。

「401・・・お前は何を規範に存在しているのだ?」

「自分の・・・意志・・・」

「そうか・・・ありがとう・・・」

柔らかなコンゴウの言葉・・・暗い紫色が清明な青に変わる・・・美しいラストです・・・。あえて言えば、コンゴウが「ありがとう」と言う言葉を知っていたのか?口にする時を誰が想像できたか?(笑)と言うほどの「超進化」ですが、イオナのもたらした「心の平安」がもたらした自然な帰結ということかな?「言葉は始原」から始まったメンタルモデル達の進化の帰結で・・・「ありがとう」こそ、「人間らしさ」を表す究極の言葉と言う事なのでしょう。

コンゴウの苦しみ・・・これらの会話を通しても分かりますが、言葉ではなく細かな描写で分かる部分もあります。まずは以前にも書いた「氷の刃」、そして荒れ果てたサロンに放置されたマヤのピアノ、戦いながら一瞬だけ見せたコンゴウの涙・・・。

「強さ」ではなく、心のもたらす「温もり」に対抗できない「氷の刃」は、頑ななコンゴウの心を表し、ピアノは、失われてしまった「友達」への追慕の表れでしょう。そもそも「兵器」にとって「音楽」は「不要」と分かっていながら、マヤのそれを許したのは何故か?頑なさの裏返しなのは確かかと思う。マヤが「人形」でしかなかったと分かっても、存在の記憶は消せず、自分が、霧という「存在」、文字通りの「人形の家」・・・「檻」に囚われていたと知る事になるきっかけと言えま す。そして、戦いながらも流れ出す涙は、救いを求めるコンゴウの「心」の発露でしょう・・・。

「ありがとう・・・」コンゴウの言葉には万感の思いがこもっています・・・。

いまだ原作未読の私には良く分かりませんが、メンタルモデルの導入というのは「霧」の壮大な「実験」だったのかな?だとしたら、この結果をもって「実験」は 「失敗」したと言える面もあるのだろうが、「人類」に対する「霧」の「評価」が変わる側面もありそうに思える。「敵対する存在」から「別の物」になる可能 性の「芽」・・・霧の「評価」と「次の一手」が興味深い・・・。

さて、全話の最後・・・静かなエンディングでは、スタッフロールと共にその後の「蒼き鋼」の姿が見られます。

サンディエゴ港入港と振動弾頭引き渡しセレモニー。硫黄島でのタカオ復活!サンディエゴに留まった蒔絵とハルハル、そしてキリクマ!(笑)マヤのピアノの前で一人物思いにふけるコンゴウと・・・新たな航海に向かう401・・・群像とイオナ・・・。

う〜ん・・・実に丁寧な心理描写の数々・・・驚くべき作品です・・・!

全12話を通して描かれたのは「自ら考え、意志を持って行動せよ!」「会話と触れ合いを通して理解し合い、友となれ!」と言うメッセージでしょう。大事なのはこれらは車の両輪であり、両方揃って初めて、明るい未来への展望が開けると言う事!

「霧」と言う存在は無くとも、日々閉塞感を強めつつある21世紀の現実世界・・・その世界に生きる我々にとって、実に示唆に富んだテーマではありませんか?只のアニメに収まらない作品として、世界中の人々に見て欲しいものです・・・。


最後に、こんな作品を生み出してくれた原作者、制作陣に感謝申し上げます!

ありがとう・・・・。

って・・・あれ・・・共感しちゃってる?(笑)

う〜ん・・・コンゴウって今の自分たちに似ているんですよね・・・。

次に会う時は、彼女の素敵なピアノを聞かせて欲しい・・・。

空気振動によって感性を刺激する物理現象・・・「音楽」を彼女はどのように分析するのか興味深いぞ。(笑)

我々はどこから来たのか?我々はどこへ行くのか?我々は何者なのか?

旅は続く・・・。





2014.07.02 Wednesday

蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- 第11話 「姉妹」

大詰め・・・11話・・・。

いつも通り、上から下へ・・・左から右へ・・・です。


米本土、サンジエゴ港を最終目的地とした新生・・・アルス・ノヴァ・モードの401は、霧の艦隊による後方よりの追尾に対し超重力砲や強化された火器を使用し、これを一蹴。しかし、潜水艦400、402の姉妹は動ずることなく、海中から様子を伺う・・・。

群像は「あの2隻を引き連れて、ホノルルに行くリスクを冒す訳にはいかない」と、経由地であるハワイに向かう前に姉妹を叩くため、コアのみとなったタカオを始めとする「蒼き鋼」の総力あげての作戦を開始する。

その動きを察知した姉妹は、イオナの意図を探る為サロンで接触。霧の兵器とはかけ離れたイオナの言動に驚き攻撃を決める。

一方、監禁状態だったコンゴウは、抑えようのない怒りをパワーに変えて強引に拘束を破り、マヤをも巻き込んで艦体の融合を図る・・・。

操船を分担し、デコイを含め3隻での攻撃を仕掛けた蒼き鋼・・・まずは402、続いて400を撃沈・・・その間、イオナは戦闘を避けようとサロンでの説得を続けたが、願い空しく姉妹は消える・・・・。姉妹艦を失って打ちひしがれるイオナ・・・その様子に心を痛める群像だったが、前方には新たな霧の艦隊、後方には・・・異形の物となったコンゴウが迫る・・・。

10話に比べるとストーリーとしてはシンプル。全体としては「蒼き鋼」の「奇策」とも言える作戦をまず語るべきでしょうが、それは見れば分かる事。ここでは、潜水艦3姉妹の葛藤を描く心理描写が実に丁寧で凄いので触れておきたいですね!

400と402は諜報が主任務で、派手さの無い潜水艦故か?とも思える、いかにも機械的で感情を表に出さない言動が特徴。ところが、イオナとの接触の中でやり取りのニュアンスが次第に変わって行き、最後のぎりぎりの部分では互いに思いやるかの様な部分も現れて、イオナの悲しみが納得できる描き方です。

「401潜航・・・重力振反応増大・・・戦闘態勢に入った模様・・・」「401は私たちと交戦するつもりなのだな・・・勝つ自信があると言う事か・・・」「401に接触してみましょう」「しかし、タカオ、コンゴウたちの変調をきたした前例がある。401との接触は危険だ」「私たちの相互監視強度を、最大レベルに設定したらどうでしょう?」「了解した・・・・」400の危険な提案・・・躊躇しながらも受け入れる402です・・・。

周囲を淡い緑に包まれ始めたサロン・・・茫然と見つめる姉妹・・・。

「これは・・・・」「変化している・・・・」

「400、402・・・」椅子に座って両手でティーカップを持ち、冷まそうと息を吹きかけながら呼びかけるイオナ・・・。

「この変化は、あなたが引き起こしたのですね?401・・・」「わたしが?」「お前は本当に霧なのか?」「お前をこの世界に生み出したのは、一体何者だ?」「わたしは霧。只、群像の願いを叶えようとしているだけ」「千早群像の願いとは何なのです?」「それは・・・上手く・・・言語化できない・・・」「不明瞭極まりない・・・」「とても霧の言葉とは思えない」「私は・・・ただ・・・初めて触れられたあの時(2年前の出会い)・・・分かった・・・。私は群像の願いが何か、まだ知らない。でも・・・それが何であろうと、私は、群像の願いを叶えるためなら・・・全てを捧げる・・・」驚いて顔を見合わせる姉妹・・・。

「全てを・・・!」「その価値観は理解できない・・・」

たまらずイオナに向かって歩き出す402・・・。

「402・・・!」「何故・・・私には理解できないのだ?!理解できない理由を教えてくれ・・・!

椅子に座ったままのイオナ・・・つかつかと歩み寄った402はイオナに触れようと思わず右手を差し出す・・・その手がイオナの頬に触れようとした瞬間・・・400の手が伸びて抑える・・・。

「402!これ以上の接触は危険です!」

唐突な遮断の後・・・戦端が開かれる・・・。

一計を案じたイオナは、タカオに操艦を預けて姉妹の説得を試みる。

「401が呼んでいる」「何のつもりだ・・・」

「400、402。あなたたちは私の姉妹。できるなら戦いたくない

「その申し出は受け入れられません」「沈むのはお前の方だ・・・401」「お前が言っているほど、仲間は友好的ではないようだぞ」

「お願い!私の言葉を聞いて!わたしはあなた達を沈めたくない!」

「もう勝ったつもりか?」「あなたはもはや霧ではありません」「これ以上の対話は、リソースをいたずらに浪費するだけ」「それとも、最初からそれが狙いか?」

「そんな・・・お願い!」

一手・・・二手・・・姉妹を追い詰める群像達・・・動揺するイオナ・・・。

「ん?・・・」「どうしました?402」「401に何か変化があったと思われる・・・」「何か?」「上手く情報化できない・・・

「戦わなければ・・・私は沈められ・・・群像は・・・死んでしまう!」辛かった前回の戦闘を思い出して慄くイオナ・・・。

矢継ぎ早の攻撃を受けた姉妹・・・400に迫る浸食魚雷に402が飛び出して被弾!

「システムエラー・・・」修復プログラムが機能しない・・・破滅を意味する402の言葉に息を飲むイオナ・・・。

402!何故このような真似を!?」詰問する400・・・。

お前を・・・傷つけたくなかった・・・」徐々に崩壊が始まった体で淡々と答える402・・・。

「私を・・・・・・?これでは・・・401と同じです!」まなじりを決して反撃する400。

「やめて!400!」

「もう遅い!」


反転した401・・・追いかけるように、攻撃を仕掛ける400・・・。

「あなたを沈めます!401!」

「・・・・」俯くイオナ・・・。

直後、ワイヤートラップに掛かった400に401の浸食魚雷が着弾し蝕む・・・。

「400!・・・済まない・・・・400・・・・」力無く語りかける402・・・。

「何故・・・謝るのです・・・・」

言いながら・・・402に向かってゆっくりと左腕を差し出す400・・・402が駆け寄り・・・右手が触れようとした瞬間・・・。

400の艦体が爆発し・・・消え去る体・・・・右手を差し出したまま、虚空を見つめて立ち尽くす402・・・。

むせび泣くイオナ・・・。

「どうした401・・・」

「だって・・・あなた達が・・・姉妹艦が消えてしまう・・・」

「お前は敵と戦い、敵を沈めた・・・それだけだ・・・」

「でも・・・」

「それだけだ・・・」

深海の暗闇に消える400の艦体・・・明滅する爆発光・・・。

寒々としたサロン・・・独り残され・・・泣き続けるイオナ・・・。

戦闘が終わって、俯いたままのイオナ・・・。名を呼んだ群像に、

「大丈夫・・・私は・・・群像の船・・・私は・・・群像と共に行く・・・」

と、けなげに答えるイオナ・・・掛ける言葉が見つからず辛そうな群像の表情が印象的・・・。

戦闘開始前、群像は「イオナ・・・やるぞ・・・」と念押ししています。この戦いが群像達には必要であるが、イオナにとっては辛いものであると分かっているからでしょう。実際にイオナは辛かった。懸命に姉妹を説得したが報われなかった。しかし、そんな事実を仲間たちには一言も口にせず、「私は群像の船」と言い切っている。

姉妹との会話の中でイオナは「全てを捧げる」と言っていたが、「全て」の中身は自分自身だけではなかったのかもしれない・・・大事な姉妹艦も・・・、と考えると、壮絶なものを感じます。ハッキリ言えば・・・「見殺し」にしたのだから・・・。大人しそうに見えるイオナの、激しい内面を覗き見る事になるエピソードです。また、「自分の中にあるただ一つの命令」に従った・・・その意味では、イオナこそ最も「霧らしい霧」なのかもしれない・・・。

さて姉妹たちの変貌も・・・。

イオナとの接触に躊躇した402が、会った途端にスキンシップの誘惑に駆られたり、400を思って身を投げ出す。「曖昧さ」にも注意を惹かれ、最悪の結果に終わると分かった時、「済まない」と謝罪し、最後には・・・泣き続けるイオナに心を動かされたか?「それだけだ」と慰めて逝く・・・。あまりに人間的でどこが「霧」か?

頑なだった400にしても、予想外の展開の連続に、イオナに対する「敵対感情」をむき出しにし、まるでコンゴウの様!そして最期の瞬間・・・402に向け無言で手を差し出して別れを告げようとした?いずれにしろ・・・もはや兵器ではない・・・。

第9話で、コンゴウが「誰も彼もが壊れていく」と嘆いていたが、ここまで来るともはや「壊れていく」のが自然なのかもしれないと思えてきます。これは、たとえばウィルス的な感染する作用ではなく、イオナが言った「フェイスツーファイス」の会話がもたらす変貌、「感情プログラム」を搭載した事の「結果」・・・「霧」による「シミュレーションの結果」がここにあると言えるか・・・。

コミュニケーションを通して
「壊れる事」こそ「人間的」なる事・・・なのかもしれない!

マヤ以外のメンタルモデルは感情プログラムが実装されているらしいが、逆に言えば「霧」本体はその結果についてある程度は予測していたのではと思われる。人間の行動を理解し、勝利するための実験の結果が、この物語になっている?そう考えると、人間にとってのコミュニケーションの重要性を霧側もある程度分かっていて、それが「人類のコミュニケーションを絶つ」=「海上封鎖」作戦にあらわれている・・・としたら飛躍のし過ぎかな?(汗)

「霧」を代表するかのような姉妹艦と401との対決は、やはり霧の敗北に終わったけれど、メンタルモデルと言う存在が元々持っていると思われる「人間的なるもの」も教えてくれました。辛さに一人耐えるイオナの思いの強さと、全てを分かっているかのような群像の優しさも伝わるお話でした。

小ネタでは、ちょっとテクニカルな面ですが、サロンでの視点の切り替え・・・柱の背面をカメラが左右に動いた時、その前後で景色が変わるシーン・・・凝ってますね!!

最後はコンゴウ・・・。

「人形」と分かっていてもマヤに話しかけずにはいられないコンゴウの孤独!マヤの首を片手で差し上げ、それでも「マヤ!これが、私たちの、カーニバルだ!」と叫ばずにはいられないコンゴウの哀しみ・・・。

コンゴウの怒りの矛先はもはや401だけでは無く、自分とマヤを貶めた「霧」にも!?様々な思いが浮かぶ、異質で壮絶なシーンに思わずたじろぎます・・・。

第11話。愛と憎悪・・・様々な人間心理を描く・・・凄いお話でした・・・。





2014.06.22 Sunday

蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- 第10話 「その身を捧ぐ」

第10話・・・全話で最も美しい回・・・。

今回も縦長構成・・・左から右へ、上から下へと流れます・・・。


ヒューガ、タカオの協力によりコンゴウの追撃をかわした401。しかし、ホッとしたのもつかの間、姉妹艦400、402の不意打ちを受けて轟沈!水深1000m、場所によっては9000mを超えるという深海に向か言って沈んでいく・・・。攻撃の衝撃から立ち直った群像とイオナは自己修復プログラム起動するが、外殻を構成するナノマテリアルがイオナのコマンドを受け付けず、耐圧外殻を修復できない401は増大する水圧により次第に圧潰、爆縮していく・・・。

サロンでは400、402とコンゴウが対峙。「何故、勝手に401を沈めた?」と詰問するコンゴウに対して、姉妹は「我々はあなたを監視していました」「あなたもタカオ達と同様401に同調する可能性があった」・・・「現にあなたは、今も必要以上に401に執着している」「哨戒行動に戻りなさい、コンゴウ」と命じて消える・・・。己の置かれた立場を知り、「執着」の言葉に動揺するコンゴウ・・・。マヤが「良かったね、これでもう401を気にする必要は 無いんだから」と慰めるが・・・虚ろな表情で黙り込む・・・。

合流予定地点から401が消息を絶った海域へ・・・暗い予感に慄きながら捜索を続ける蒼き鋼のメンバー達・・・。焦りを募らせるタカオを「私はイオナ姉様に後を託された・・・もしもの時は・・・イオナ姉様の遺志を継がなきゃいけないのよ・・・」と諭すヒューガ。その言葉を聞いたタカオは「艦長が・・・群像が待ってるんだから・・・」と、ヒューガのカプセルを借り一人深海に向かう・・・。

沈みゆく401艦内・・・救助を待ちながら、沈降に伴って増える破損部位を放棄していくが、気温低下と酸素濃度の低下、Co2濃度の上昇が進む・・・。右腕を骨折し?出血を伴うけがも負った群像は、混濁していく意識の中で生命維持機能の停止、艦の中枢機能の温存をイオナに命じた後・・・「生きろ・・・イオナ・・・・」と、囁くような言葉を最後に・・・呼吸を止める・・・。

「いや・・・・私は・・・・私は・・・一人に・・・・なりたくない!・・・・群像!」

残されたイオナは叫ぶ・・・・・・。

かすかな救難信号をたよりに海底にたどり着いたタカオ・・・401の残骸の中に救難ポッドを発見するが、中で横たわる群像の傍らにイオナのユニオンコアを見て息を飲む!意を決したタカオは、群像の為にと・・・自らの体と艦を捧げ・・・新生401・・・アルスノヴァモードの姿で海上に帰還・・・目覚めたイオナは群像の無事を知り涙する・・・。

一方、400、402から事態の急変を告げられたコンゴウは「今度こそ、この私の手で401を討つ!」と意気込むが、400、402からは、それらの反応を持って一方的に「旗艦からの解任」と「拘束」を宣告される!困惑したコンゴウはマヤに救いを求めるが・・・。「彼女は我々が作った監視ユニット・・・ごく単純なルーチンに従って反応を返すだけの人形にすぎません・・・」「それも、たった今強制終了させた・・・これ以上、あなたを監視する必要は無いから・・・」姉妹から告げられる冷酷な真実に、コンゴウは打ちのめされて立ち尽くす・・・。その周囲を、文字通り壊れた人形として、むなしく踊り続けるマヤ・・・。

あらすじとしてはこんな所・・・全編、緊張感に満ちた展開です!

見所は沢山ありますが、まずはタカオとヒュウガの選択。

焦りの色を隠せないタカオに対して、最悪の事態も考えてのヒュウガの対応は抑制された表情の中に悲壮感も感じさせ、コミカルな面と冷徹な科学者としての面を併せ持った、実は「大人」な人物像が描かれています。対してタカオの「恋する乙女道一直線!」(笑)は、前半では無茶な行動に走る様子が描かれますが、海底でイオナと群像の「絆」を悟った後の後半では迷わず自己犠牲を決意して実行すると言う美しい行為に昇華して行きます。

後半、そんな二人のサロンでの会話が切ない・・・。

「自らを犠牲にして他者を救う・・・。それは本来、霧にはあり得ない行動・・・。まさか、イオナ姉様がそんな選択をするとはね・・・そして・・・あんたも・・・」「フンッ・・・」「あんたを構成しているナノマテリアルを使えば、イオナ姉様の体を再生することは可能・・・でも、今度はあんたが体を失う事になる・・・。硫黄島の備蓄ナノマテリアルを失った今、再生することはほぼ不可能よ・・・。」「そうでしょうね・・・」「あんたはそれで良いの?」「それが艦長の・・・千早群像の望みなら・・・」

「友人」を思いやり、辛い事実を淡々と告げて意志を確認するヒュウガ・・・。その言葉を受け止め、穏やかな・・・とても幸福そうな表情で答えるタカオと・・・それに続く401との融合・・・。もはや、兵器を超越した存在となったメンタルモデル達 の、全編で最も美しい場面です・・・。

このクライマックスも凄いですが、初見時もっとも驚かされたのは最後の修羅場!

兵器としての本分に従っているつもりだったコンゴウが、自らの「変貌」を指摘され、いつも傍らにあったマヤが「人形」だったと知った時の衝撃はいかばかりか・・・。悪役コンゴウが「霧」本体から「欠陥品」の烙印を押され、壊れた自動人形と成り果てたマヤと取り残されるラストは、異様なまでの緊張感をはらんでいる・・・。

第8話の副題「人形の家」はここにも関係してくるのか?単純なハッピーエンドでは終わらせない構成の見事さは脱帽ものです!

そして、イオナと群像の時は・・・。

深海の水温は最低温度1.5度程度まで低下すると言う。イオナと昔話をしながらも室温低下に耐える群像。データベースから体を温める手段として二人とも裸で寝袋に入ると言う記述を見たイオナだったが、エネルギー節約の為にと群像に止められる。イオナは「困惑」していたのか?群像もどうなのか?とても微妙な表現で「困惑」させられます。(笑)

そうこうする内、呼吸にも困難が生じ始めた群像。その状況と、艦隊としての使命から今後をシュミレートしたイオナは・・・。

「その結果・・・最善の策は、ここであなたを切り捨てる事・・・」「だろうな・・・あの日・・・君と海へ出た時から決めていた・・・。終わりかけたこの世界を救えるなら、俺は何でもすると・・・」「群像・・・」「聞いてくれイオナ・・・。俺の事は良い・・・振動弾頭を必ず・・・アメリカに届けてくれ・・・。そうすればきっと・・・世界は変わる・・・」苦しげな群像・・・見つめるイオナは一人思いに沈む・・・・。

「以前の私なら・・・ためらわずそうしていた・・・そうしない理由は・・・何も無いはずだった・・・。なのに・・・私は・・・。あなたを見捨てることなんて・・・できない!」

出会いからの2年、人間の介在を必要としないはずの操船に群像達が関わり、タカオ達との接触により特に第8話辺りから顕著になったイオナの「変貌」が、ここではっきりと描かれる!!

そして、止まらない浸水により艦の大半を失った頃、群像は呼吸を止める・・・。低体温と呼吸困難からくる「仮死状態」と思われるが、傍らで見つめるイオナにとっては・・・「死」?

第9話で「一人はきっと・・・とても弱いから・・・」と言ったイオナは激しく動揺するが、群像を見捨てることができずにその身を捧げる。タカオもその様を見て・・・。

「全く・・・本当に・・・あんたってば・・・。これじゃあ・・・私の入り込む隙間なんて・・・どこにも無いじゃない・・・」と涙を流し、半ばあきれながら、自分の負けを認めた上で同じ行動を選択する・・・。二人の乙女の献身・・・アニメ史上に残る美しさです・・・。

これは、群像の存在が二人にさせた選択・・・いよ!色男!!というのはちょっと軽薄!?(笑)

ま、そんな面もありますが、ここで大事なのは第7話でヒュウガが言った「大局の為に自分を犠牲にする」という群像の考えに対する理解、さらには「生きろ・・・イオナ・・・・」と言う群像の言葉に見られる、メンタルモデル全員を一個の「人間」として見つめて接する群像の生き様・・・が彼女たちを引き付けた・・・と感じます。何度か書いたイオナと群像の「微妙な感覚」・・・私的にはこれも同じと考えると腑に落ちますね・・・。

「好きな人の為に好きに生きる」タカオが言った言葉を体現化する行動は、人間以上に人間的で・・・人間の男には・・・と、ため息が・・・。(笑)

さて、長くなったので最後に細かいことを四つほど・・・。

副題の「その身を捧ぐ」ですが、モロですね・・・「献身」としてほしいな〜と勝手な妄想。(笑)それから・・・サロンですが・・・冒頭でも明らかになってますが、「概念伝達」は使えないはずだけど・・・。(汗)もう一つは・・・蒔絵が・・・「ハルハル・・・暖か〜い」と言ってましたよね・・・。おまけの一つは・・・タカオがあんな事できて、イオナができなかったのは何故???

と言う事で第10話・・・とても、とても美しい・・・素敵なお話です・・・。





2014.06.07 Saturday

蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- 第09話「決死の脱出行」

さて第9話・・・第8話後半から始まった動きが更に加速し、大きなカタストロフを迎えます・・・。

細かな場面転換が多いのでちょっと苦しい配置になってます・・・。(汗)


「我々は、過ちを正し、本来の姿に立ち返らねばならない!」断固たる決意を示すコンゴウの元、「霧」の東洋方面第一巡航艦隊8隻による硫黄島への総攻撃が始まる!対する「蒼き鋼」側は、イオナの命も受けて張り切るヒュウガが防御を受け持ち、他のメンバーはそれぞれの役割を果たす。群像は「コンゴウや霧と共に歩む世界・・・その可能性は本当にゼロなのか?」と落胆しながらもアメリカに向かう事を優先し、タカオも参加しての脱出作戦が決行される!

作戦行動中も何度か「サロン」での接触が行われる。ヒュウガ、タカオ、そしてイオナ・・・それぞれがコンゴウからの説教(笑)を受け流し、あるいは説得を試みるが失敗!ヒュウガの敷設した特製機雷原も意に介さぬコンゴウの猛攻を受けた401だったが、間一髪の所でフルバーストによる離脱に成功!ヒュウガのハッキングを受けて401を取り逃がし、タカオからは401は囮だったという事実を聞かされて自らの「完敗」を知ったコンゴウはうなだれ「お前たちは間違っている・・・」と力無くつぶやく・・・。

そのころ、二人きりで401を操船していたイオナと群像が、安堵して互いにねぎらおうとした刹那・・・潜水艦400、402による奇襲を受けてあえなく轟沈する・・・・・・・。

というストーリー・・・最初から最後まで見どころ満載・・・なので、つれづれなるままに・・・まずはストーリー全般と細かい所から。(笑)

衝撃的な結末の前に、見事な作戦だと驚かされるのが、タカオの役割ですね。冒頭のマヤとの撃ち合いは見ての通りですが、手に汗握る戦闘が終わったと思ったら、401に乗っていたのは群像とイオナだけ!他のメンバーは新型弾頭と共にタカオが預かっていた!!という展開には思わず唸ってしまいました。作戦決行前、「いつ抜けるかは私が決めさせてもらう」と言い放ち、「蒼き鋼」参加に対する、群像様直々の感謝の言葉と握手に内心歓喜(笑)しながら、群像様からの「お願い」を「いいわ、聞いてあげる!」と、あくまで「高飛車」に徹して受け流す様子からは予想もできません!アニメ独自かどうかは知りませんが脱帽ものの見事なと言うか・・・タカオを「100%信用した根拠は何?」と聞きたくなるような呆気にとられるストーリーです!(汗)

ツンデレの極致・・・タカオも、群像に信任された凄いやつ!とも言えますが、そんなタカオの事を分かった上で?何の衒いも無く真っ直ぐに見つめながら「君にしか頼めない」(実際、物理的にもそうなんだけど)と決め台詞を使った群像君・・・彼の上手さ・・・と言った面もあるかな?(笑)

次に小ネタを一つ。

フルバースト・モード・・・・O・Pで流れる、伊401の艦体スペックに記載された「Gravition Engine /Type-S x70 Type-R x14」と言う部分の「重力子エンジン タイプR×14」 というエンジンの仕様による機能になるのか?他の艦体にはないもので、ヒュウガが言った「伊号401はね・・・スペシャルなのよ」に当たるようだ。これらの艦体スペック・・・良く見るとそれぞれに個性があって興味深い。(目立つのはコンゴウ、イオナ、タカオか・・・)

そして、今回の目玉は・・・やはりコンゴウの「変貌」ですね。

前回、ビーチの光景に頬を緩めた瞬間もあったが、ピーマンと?(笑)イオナの口にした「楽しい」に反応して「正しい霧の兵器」に戻ってしまったコンゴウ・・・。今回も冒頭で勇ましく宣言しましたが、戦闘よりもサロンでの会話による変貌が目立ち、その結果が結末の敗北に繋がったようです。3度に渡る会話から重要な部分を上げるとして、その前にサロンについて。

5話辺りから少しずつ変わり始めたサロンの光景・・・柱の上部から?繁茂し始めたツル草等ですが、第8話では周囲の緑まで見え始め、コンゴウも「私はずっと疑問に思っていた。この空間を最初に構築したのは誰なのかと。それはお前なのだな401」と断定していましたが、本当のところは不明。ひょっとしたら霧が用意したサーバー?上のスペースで、メンタルモデル「全体」の精神状態などを反映している?と考えた方が自然かと思いますが、このスペースが、最終話での「解放」までにどう変わって行くかも見所の一つですね。ちなみに、この場面で使われる茶器の絵柄・・・実物があるなら欲しいと思えるセンスの良さで、以前からあちこち探してみましたがいまだ不明です。(笑)

で、まず1回目はヒュウガ・・・。

「こんな時にお茶なんて、ずいぶんと優雅ねえ。人類から学んだのは、余裕を見せつける方法論という訳?」「無駄話をするつもりは無い、401から手を引け。我々がやり合っては時間の無駄だ」「そんなテンプレな言葉一つで、この私が引き下がる訳ないでしょうに!これだから優等生は・・・」「何故お前は401に組するのだ?その大戦艦級の能力、有用に使おうとは思わないのか?」「私も、無駄話をするつもりは無いわあ。イオナ姉様が好きだから護る。そのロジックは、いかなる行動基準においても優先される」「観念的思考が行動原理になりうるなど、理解不能だ」「それは理解不能ではなく思考停止。あなたの頭が固すぎるから、みんな離れて行くのよ。名は体を表すとは、よく言ったものね?コンゴウ」「ほう・・・それが挑発と言うものか」「一度鏡を見る事を勧めるわ・・・今のあなたが、どんなひどい顔をしているか・・・ビーチで遊んでいる時は、もう少し楽しそうだったわよ」「楽しむなど・・・我々霧にとって最も不要な変数だ。正しく導き出される結果が全てであり、過程は問わない。私はお前の演算能力は評価していたのだがな・・・ヒュウガ」・・・「超重力砲による威嚇行動・・・結局、あなたのカードはそれしか無いのね。兵器としては正しいんでしょうけど」「正しい、そう、私は正しくアドミラリティコードに従っているまでだ」「本当に?それこそがあなたの感情に基づくものではなくって?」「面倒くさい・・・もう消えろ!」

一応全文・・・細かな部分で火花が散ってます。しかし、どう見てもヒュウガがコンゴウをいじめている様に・・・。(笑)元同僚の歯に衣着せぬ指摘にタジタジとなったコンゴウが、最後はいつもの常套句「面倒くさい」で逃げるパターンと言えます。(汗)言葉の応酬とは別に、特に注目すべきはティーカップ・・・波紋がね・・・揺れるんですよ!ヒガュウの最後の言葉に反応するようにコンゴウのカップの波紋が・・・揺れる・・・内なる「動揺」が形となって表現されてます!

次はタカオ・・・相手が元部下となるとちょっと上から目線。(笑)

「今の私は・・・あの人の船!蒼き鋼!!」「愛は・・・沈まない!!」と、マヤとの交戦で叫ぶタカオだったが、突然コンゴウに引っ張られ・・・。

「ちょっと!今忙しいんだけどお!」「我々の戦闘行動を妨害するとは、いかなる理由だ?タカオ!」「別に、私は私の好きにしているだけよ!」「ヒュウガといいお前といい、霧であることを忘れたか?」「人間の言葉に良い言葉があるわ。それはそれ、これはこれ!」「お前たちは人類と接触する事により、己を見失っている。私はそれを正さなければならない」「なにそれ!勝手に決めつけないでよ!!私の事は、私が一番分かっている・・・私は、愛を知って目覚めたの!人も私も、そうやって進化していくの!」・・・「やはり異常と判断するしかない。アドミラリティコードから外れた進化等、必要ないのだ」「それが絶対と言えるの?」「私は戦況と情報から分析し、結論に至っている。感情等と言う不確定要素は不要だ」「あのさあ、コンゴウって自分だけが正しいって思っているでしょう?兵器が兵器であるためにはどうあるべきものか?って。そんなの、もう私関係無いんだよねえ」「それが霧の言葉か?千早群像との接触はそこまでお前を変えてしまったのか?」「好きな人の為に好きに生きる。こんな簡単な事が何で分かんないかなあ?」「我々は人では無い。自らは引き金を持たない兵器であるべきだ」「だから、そのベキベキ言ってんのがうるさいんだっての!ま・・もうどこまで行っても平行線よね。そのうちあんたも・・・この感覚を理解できると良いわね。世界の色が変わって見えるわよ

タカオは実に率直。感性のままに生きることの素晴らしさを訴えますが、不良と生徒会長?(笑)、対極の存在であるコンゴウに通じるはずもないと言う雰囲気。互いに共感の欠片も無いながら、「愛を知って目覚めたの!人も私も、そうやって進化していく」と言う言葉は実に深い!未来に対する希望を感じる・・・。(ただ・・・OTOME plug inを実装しているタカオだったら「愛」より「恋」と言いそうな気もするが・・・。)

戦闘も一段落し、401を見失ったままの状況の立て直しを図るコンンゴウとマヤの会話・・・。

誰も彼もが壊れていく・・・」・・・「コンゴウお疲れみたいだねえ。みんな、言う事聞かなくて大変だ」「貴様はどうなのだ?マヤ」「私?私はアドミラリティコードとコンゴウに従うだけだよお〜」「そうだ・・・それこそ・・・正しい霧の姿だ・・・

一縷の望み?・・・ちょっと痛い・・・マヤも良く「観察」している?(汗)

そして、満身創痍になりながらも執拗に401を追うコンゴウと、逃げながらもコンゴウを気遣って説得を試みるイオナ・・・。

「コンゴウ・・・そんな無茶をして痛くないの?」「痛みなど、我々には不要な概念だ。命令を遂行するためには、いかなる対価も支払う。それよりも何の用だ401?ようやく悔い改める気になったか?」「あなたと、もっと話がしたかったから・・・」「私はお前を沈め、千早群像を殺す。そして霧の存在を正常化せねばならない・・・それだけだ」・・・「どうして?人にも、私たちにも、それぞれの可能性が・・・」「何度言えば分かる?我らは、アドミラリティコードに従う兵器なのだ」「本当にそれだけ?私は群像と航海する中で、私自身の存在を認識するようになった・・・」「人形のようだったお前が、良く喋るようになったものだ。それこそが異常だと、何故気づかない?お前は壊れてしまったのだ」「私は壊れてなんか・・・」「やはり・・・あの男を消すのが先か・・・」「やめて・・・私には、群像との時が必要なの・・・。私たちの存在が何なのか?その答えを得るためにも・・・コンゴウ、あなただって!」「raison d'être の模索など、下らぬ行為だ。無価値で無意味な問いかけだ」「意味はある・・・。一人はきっと・・・とても弱いから・・・。私も・・・一人きりの時はこの世界で、どうしたら良いのか分からなかった。きっと今のあなたも・・・」「私は弱くない・・・」「でも今のあなたは・・・独りぼっち・・・昔の私と同じに見える」「違う。私にはアドミラリティコードがある。マヤもいる・・・」「それは・・・自分にそう言い聞かせているだけじゃなくって?メンタルモデルを得たことで、他に何か感じない?」「黙れ」「やっぱり私たちは似てると思う。こうして話しているとよけいに・・・」「黙れ!!下らぬ馴れ合いなどいらん。何度言ったら分かる?これも時間稼ぎのつもりか?」「違うコンゴウ!私は・・・あなたと・・・」「確かに・・・今の私はアドミラリティコードとは関係が無い、感情と言うものを抱いているのかもしれない。だが、これだけは覚えておけ・・・私はお前が嫌いだ・・・」

懸命に説得するイオナ・・・しかしその言葉に真実が含まれていればいるほど・・・コンゴウは頑なになり・・・最後は自らの感情に忠実に・・・どす黒い悪意を囁く・・・。

もはやティーカップを手にすることも無く・・・コンゴウの変貌はここに完結・・・

正直言ってコンゴウの存在に共感を抱いたことは無いのだけれど、本音を隠して生きる?いや押し隠して気づかない振りをする?誰もが囚われる心の暗闇・・・とても辛い描写です。それからイオナの「告白」も次回に繋がる重要な言葉ですし、この部分の「会話」があって最終話がある・・・。結果的にイオナ達の気持ちは届かなかった訳ですが、「コミュニケーション」が主題でもある?このアニメの、最も重要な場面かと思います。

エンディングのアニメ・・・コンゴウの柔和な表情が・・・。


さて最後は・・・イオナと群像の「時」・・・。

二人が見つめ合う時の描写って実に微妙・・・ちょっと言い難いものがあって・・・言葉にできない。(汗)「面倒くさい」ので、次回と共にじっくり見てください!おっと・・・これって共感?(笑)






2014.05.25 Sunday

蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- 第08話「人形の家」

第8話・・・いよいよコンゴウが・・・。



第8話も7話同様に動きは少ないが、最後で大きく動き出す展開となっている。まずは全体を大雑把にまとめると・・・。

「ハルナ」「キリシマ」を伴って硫黄島に帰還した事により基地の存在が「霧」側に伝わり、コンゴウを旗艦とする東洋方面第一巡航艦隊8隻によって包囲されてしまう。人類生存のために新型弾頭をアメリカに届けたい群像は、コンゴウを基地に招待して直に会話することで「霧のロジック防壁に穴を開けよう」と試みるが失敗し激しい戦闘が始まる・・・と言うお話だ・・・。

緊迫した会話の場面や賑やかでコミカルなビーチの場面などの見所や、非常に重要な会話も交わされていて、とても書き切れないから思いつくままに書いていこうかと・・・。

まず、展開には全く関係無いが・・・冒頭にヒュウガが2年間かけて「要塞化」した「硫黄島」の内部構造詳細図(笑)が流れるが、余りに荒唐無稽で・・・はっきり言って呆れるけど・・・さすがアニメ!とチョッピリ感心もする。(笑)「コメディアン」ヒュウガの真骨頂だが、ナノマテリアルの材料に関する話や労働力の実態・・・ロボット?魚?(笑)とか、何かがあるとより良かったかな・・・。

次は、コンゴウとマヤの上陸場面!

前話から水着のままでいる?(笑)イオナとタカオが出迎える。自分の「予測」より「早い」といぶかるイオナに、実体としては初めて会ったコンゴウは「森羅万象に対するお前の洞察は、極めて高度な水準に達しているようだ」「あの子(マヤ)が急かした。早くこの島に来たいと言ってな」と答える。次いで「未来予測に長けたお前の事だ、私の次の行動もお見通しのハズだな?」「ではその予測通りに振舞ってやろう!」と打ちかかるが、「二人とも、挨拶はそれ位で良いだろう!」と言いながら登場した群像が収める・・・という何とも厳しい展開だ!

「森羅万象に対する洞察・・・」「未来予測に長けた・・・」という言い方、これはイオナに対するコンゴウの「評価」ですが、何故ここまでと不思議にも思える。コンゴウは第3話でのマヤとの会話の中で「 自我の獲得と同時に、我々は時の概念を得て、未来を 予測することを知った・・・戦術の誕生だ・・・」と言って、霧のメンタルモデル化による「戦術の獲得」について総括したが、イオナの存在がその「証明」であり、その戦績もあって?いかに「危険視」しているかをも表してる感触だ・・・その結果としてあの「挨拶」があったと言う事か・・・。

次は「応接間」の場面・・・一見とりとめの無い会話の様でいて、かなり凄い内容だ・・・。

草原の風景が映し出された壁のスクリーン、それを見たコンゴウが「まがい物か・・・」と言うと、ヒュウガが「そ、私たちと一緒!」と切り返す。元は同じ旗艦同士で対等の立場だった?ヒュウガとコンゴウに千早群像も加わり、「わざとらしい」「じゃれあい」と一刀両断して警戒するコンゴウを巻き込みながら、face to face 、丁々発止のやり取りが繰り広げられる・・・。(汗)

「私はお前たち全てを消し去ると決意した」と言い放つコンゴウに対し、「何故人類はこの地球から消えなければならないのか?」と問いかける群像、・・・。タカオとヒュウガは、霧の「アドミラリティコード」が自分たちの「規範」であり、それに従うことが「存在理由」でもあると言うが、コンゴウに「この惑星の海洋を封鎖し、全ての交流を絶つ」というアドミラリティコードの指示に対し「どうしてお前たちはその指示に背く?」「背くことができたのだ?」と聞かれて黙する・・・。

「千早群像!全てはお前と401から始まったのだ!」「お前はそのことを理解しているのか?」「霧はお前たちとの接触により変質しようとしている・・・それは何故なのだ?」逆に問い詰めるコンゴウに群像は沈思黙考・・・「腹が減ったな」と受け流す。(汗)

この物語の「核心」がここに!と言う場面で、思わず脱力・・・真面目に考えるとストーリー展開が破綻している様にも思えるが、これも作戦か?!(笑)

続くはバーベキュー争奪戦・・・。

ハルナ!・・・君は手品師か?!キリシマ!!生肉はダメだってば!!(汗)ヒュウガ・・・精肉は・・・育たないぞ・・・(爆)ハルナ・・・君のコートは戦闘モード用スイッチか?(汗)キリシマ・・・塩水は・・・乾いたって・・・臭いんだぞ・・・。

「あの者達は、不思議と調和がとれている様だ・・・」ビーチで繰り広げられる穏やかな光景、メンタルモデルたちの微笑ましい様子に「一瞬頬を緩めた」コンゴウだったが・・・「楽しい」というイオナの言葉から豹変!

「401・・・お前は一体何者だ?」問いかけるコンゴウ・・・イオナは「私は霧の潜水艦」と答えるが「いや違う!」と突き放し、次の瞬間二人はテラスで対峙する・・・。

「私はずっと疑問に思っていた。この空間を最初に構築したのは誰なのか?と・・・それはお前なのだな401?」「お前は、恐らく我々とは違う原理に導かれて、メンタルモデルになった者だ・・・」「お前のアドミラリティコードは私たちの物と同じなのか?いや、そもそもお前は本当にアドミラリティコードからの指令に従っているのか?お前と接した霧には、例外なく変化が認められる・・・それは一体何故だ?」・・・「彼女たちを変えた物は何だ?」

畳み掛けるコンゴウ、イオナは「私には・・・分からない・・・」「私はただ、群像の船として務めを果たしているだけ」「私は、群像に・・・」と言い淀むと、「答えられないと言うのか?霧であるお前が・・・。やはり、私の考えは正しかったようだ・・・!」

「全ての原因は千早群像にある!」・・・言いながら、ビーチの椅子から立ち上がったコンゴウ(実は、防疫の為ユニオンコアを船に残したダミー!)は群像に告げる!

「人間の姿を模倣し、その行動を理解しようとした結果が混迷を生み、兵器としての霧を弱体化させた」・・・「我らは、アドミラリティコードに定められた様に、あるべき存在へと立ち返るのだ」・・・「私は、千早群像と401、そしてそれに従う者全てを撃滅する・・・!」

流れ去る金色の粒子(ナノマテリアル)・・・薄れていくコンゴウを見送りながら「理解し合えなかったのは残念だ・・・」と言う群像の言葉が終ると同時に開かれる戦端、火を噴く主砲・・・ミサイルポッド・・・。

激しい攻撃の下、「霧は兵器、兵器が楽しいなどと言う感情を持つことは間違っている!」と言い切るコンゴウと、彼女が一口だけ食べたピーマンを見つめて心を痛める?イオナ。

「わ、私は、あなたに協力して上げない事も無いけど・・・」と、照れ隠しから突っけんどんに告げるタカオに、「ありがとう・・・俺達は・・・コンゴウを突破して、アメリカに行く!」と、決意を告げる群像・・・その視線の先には・・・艦橋から、傲然と「標的」を見つめるコンゴウの姿があった・・・。

う〜ん・・・説明だけで長くなってしまった!簡潔にまとめよう!(笑)

まず、メンタルモデルの「変貌」について、その「実態」が「公式」に認定されたと言う事が出来る。霧を「代表した」コンゴウによる一連の言葉からそれは明らかであり、コンゴウ自身もその兆候を見せていた。結局のところ、その「原理」は明らかにされなかったが、群像こそ感染源!?という認識で良いのかな?(笑)

そして「アドミラリティコード」について。「海洋を封鎖し、全ての交流を絶つ」とはあるが、「人類の滅亡」にまでは言及していないと言う事も明らかでは?イオナの「真実」や霧の「実体」は相変わらず不明であるが、人類にも未来は残されている?!

コンゴウについてはあまりに複雑だが・・・ピーマンが彼女を怒らせた!という説を否定する証拠は無い!(笑)紅茶の熱さにピーマンの不味さ、味覚と皮膚感覚による刺激という初めての経験はメンタルモデルだからこその物・・・ただし、ヒュウガ謹製ピーマンの味は未知数!(汗)

真面目な話もしておくと、徹底してイオナ達の「楽しい」を否定しておきながら、マヤが「楽しむ」様子には無頓着と言う矛盾も見せている。身内には甘い「親分」とも言えるが、冒頭の来島時に「一人はさみしい、二人は楽しい。私はマヤ、友達コンゴウ・・・」と歌ってはしゃぐマヤの言葉にはコンゴウの「本音」も隠されているのかも知れない・・・。指揮官は孤独と決まっているが、「実質的」にメンタルモデルの部下を「全て」失った「事実」は、コンゴウにとっても重いと思える・・。

もう一つ・・・冒頭の「挨拶」で打ちかかるコンゴウの「剣」は氷の結晶を模したものと思われるが、「鋼」ではなく「氷の結晶」と言うのも意味深だ。鋼を溶かすには千数百度の高温が必要であるが、氷は「ひと肌の温もり」で溶かされる・・・。あの「剣」がコンゴウの心をも表しているとしたら・・・以下は最終話に繋がる!(汗)

そしてマヤ・・・全話を見て、衝撃の「事実」を知っていれば気付く事がいくつか・・・。
ピアノへのこだわりについては何とも言えないので置くとして、まずは海岸で砂絵を書くマヤ・・・子供の様な絵でありながら特徴を捉えているのは彼女の観察眼の故であり?監視者としての本質を表している?そして、砂絵のコンゴウが波で消える様を見て声を上げて笑う姿は・・・見方を変えると、恐ろしい!(汗)あくまでも「霧の兵器」であるマヤだから「子供の遊び」では済まないはずだ・・・。(ついでに書いておくと、最後の方では蒔絵も砂地に数式を書いていたが、マヤの絵と共に何か意味があるのか?数学専攻者なら分かる数式かもしれないが、他の意味もあるのか?と興味深い・・・)

最後はタカオ。

今回のタカオは意外なほど真面目に立ち振る舞っている。イオナへの対抗意識もあるが、元上官であるコンゴウに対して自分の意志を明確に示す必要もあった訳で、前話からの思索の深まりも示しているのであろう。最後の場面での群像に対する言葉は、初見時には何と言う事も無いと思えたが、実は今後の展開のカギを握っていた・・・群像を支えようとするタカオの「本音」の言葉である・・・。

と言う事で第8話・・・「人形の家」と言う副題は様々な意味を含んでいるのでしょうが、代表的には「イプセンの戯曲」と言う事になるのかな?南の島の狭い空間を舞台に、女性型メンタルモデル達が人格を持ち、「霧」の「規範」を超えて自らを主張する姿は見物です。激動の後半が幕を開いた、見事な舞台の始まりとしても見てください。

あ、最後に一つ・・・このアニメ、401クルーに関する情報がほとんど無いのですが、その中の一人「織部僧」についての疑問・・・。

飲み物を口にした時、マスクの下に見えたのはストロー状の「口」?彼って何者だ!???(汗)

2014.05.06 Tuesday

蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- 第07話「硫黄島」

さて、ドラマチックな展開だった第6話に続く7話です・・・。



ハッキリ言って・・・見ての通りかなり微妙な展開・・・大きなエピソードも無い「踊り場回」か?と思えますが・・・。

401が硫黄島の秘密基地へ半年振りに帰港すると、ドック内には重巡洋艦タカオが係留されており、管理人ヒュウガが、群像たちが不在の間に「造った」自らの体「メンタルモデル」の姿でイオナに飛びつき歓迎する。ついで登場したタカオは、群像に対し「艦長になって」と「告白」をするつもりが、「振動弾頭とそのデータを渡せ!」という「要求」に変わってしまい、裏でイオナ独占を「画策」していたヒュウガと大喧嘩になる!(笑)

ドタバタコメディー風の賑やかな場面に続き、それぞれの思惑を探り合い、自分のあり方や今後の行動を思案する情景が描かれる・・・。戦闘場面は無く、ほとんどギャグ場面が連続するようにも見えるのですが、この物語全体に係わる深い話もあちこちにある、敵?味方入り乱れた南の島での数日間のお話・・・と言ったところです。

細かく書くのも面倒なので、登場人物毎に注目点をまとめてみると・・・。

まずはハルナ・・・。

第6話で蒔絵と固い絆を結んだが、艦隊司令であるコンゴウの言う「我ら霧は命令の上にのみ存在する」「感情の混乱は、人間の思考のシミュレーションに伴う演算処理に負荷がかかり過ぎた故」と言う様な論理に対して、「蒔絵の友達になる」という「約束」を優先して艦隊離脱を宣言する。第5話では終始無言のままコンゴウに接したハルナに、劇的な「感情」体験がもたらした「変貌」の帰結がこの「宣言」に現れた訳で、第7話でも、様々な場面で「友達」としての蒔絵に対する「気配り」が描かれていて「覚悟」の程が分かります・・・。

続いてキリシマ・・・。

キリシマも蒔絵と「友達」となった訳であるが、表面上「霧の一員」の顔が見え隠れするのが面白い。感情的には蒔絵やハルナとの関係を喜びながらも、条件反射的に「霧の一員」としての「癖」が出る感触。明確な「自分の意志」を持ったハルナに対して、そこまでの「変貌」を遂げていないキリシマのどっち付かずの「困惑」振りが、これからも随所で見られるので要注目です。早い身振りをするとキュッキュッとなる体・・・芸が細かい。(笑)

そして今回の主役?(笑)ヒュウガは・・・。

コンゴウの話からすると、ヒュウガは「霧」の「東洋方面第2巡航艦隊」の旗艦でありながら、401との海戦で敗れたらしい。その結果が第2話で登場した401の「超重力砲」であり、硫黄島の「秘密基地」と言う事になる。

(第2話ではコンゴウが「401とヒュウガは昔一戦交えている」と言っていたが、群像と401が出会ってからまだ2年程しかたってい ないはずなのに「昔」と言うのは不思議。また第4話で、弾薬消費履歴が見られたが、第1話でのナガラ級との交戦の前の戦いがヒュウガとの海戦のように表現 されていた。どうもこのアニメ、時間軸のデータに不思議な部分があります。)

15本の侵食魚雷、32本の通常魚雷、ミサイル61本を撃ち込まれて401に敗れた反動?でイオナを神格化し?(笑)初登場のこの第7話ではコミカルな描き方がされてはいるが、白衣を身に纏った科学者然とした風貌の通りに大戦艦級の明晰な頭脳による論理展開はあくまでも冷静だ・・・。

「大局の為に自分を犠牲にする」
という群像の狙いを理解し、イオナに盲目的な従順さを見せながら・・・401に敗れた「同類」でもあり、先行きを思案するタカオに「蒼き艦隊」への参加を誘いつつ本心を語る。

「伊号401はね・・・スペシャルなのよ。私たち霧の中の突然変異と言っても良いけど、それが人間でいう癌細胞なのか進化の道標か・・・分からないけどね」「私はね、人間がどうなろうかなんて興味は無いの。我々はどこから来たのか?我々はどこへ行くのか?我々は何者なのか?それこそ知りたいのよ」「イオナ姉様が千早群像と接触したことから、戦況は、世界は一変した。だからイオナ姉様の事は何でも知りたいの・・・」

これまでに登場したメンタルモデルの中で、ここまで理路整然とした語り口だったのはコンゴウ以外ではヒュウガが初めてか?さすが艦体旗艦を務めただけのことはあると言う事ですが、「兵器の本分」「アドミラリティーコード」至上のコンゴウに対して、「蒼き艦隊」の「創設」から自分たちの「raison d'être」にまで言及するとは只事ではありません!

特に後者に付いては、ヒュウガの名前が初めて聞かれた第2話以降のエンディング冒頭で流れる英文テキストそのものである事も考えると、ある意味、彼女はこの物語の「狂言回し」的な存在とも言え、その冷静な観察眼からは千早群像もコンゴウも、彼女の手の内で踊っている様にも感じられます。間違っても、熱烈なイオナ教徒やコメディアンとしての側面だけで見てはいけないメンタルモデルですね!(笑)



また彼女の言う「スペシャル」「進化」と言う言葉の具体的な内容も、401の特殊な艦体スペックやイオナの変貌などに関連する刺激的な部分で興味深い。もっとも、「イオナ姉様の事は何でも知りたい」と言いながら 「人間がどうなろうかなんて興味はない」「(イオナに)あんな人間(群像)は不要」と言うのは不思議。人間を「見切った」上での言葉かも知れません が、人類は感情によってその性質を変化させると言う面を見落としている様でもある。情緒的な部分の影響が見えていないというのは、逆に「霧」としての本質を表しているのかもしれない・・・。

さて続いては・・・ここまででも結構長くなったので・・・最後に、タカオとイオナをまとめて。(笑)

タカオの大きな特徴は「OTOME plug in」の実装ですが、第7話ではその効果がいかんなく発揮されています。「群像抱き枕」に頬ずりし、恥じらいの余り「告白」に失敗し、妄想全開の姿を群像に見られてあわてて逃げ出す・・・一途な思いとは裏腹のコメディタッチですが、この「一途さ」が次に繋がる訳なのでしっかり見ましょう。(笑)

また、一見身勝手に思える、イオナに対する視線や言葉の端々ににじみ出る一方的な「ライバル視」も、「困惑」をイオナにもたらしただけではなく「変貌」のきっかけになったようですし、イオナと自分との「違い」や「差」はどこにあるのかと考え続けることでタカオ自身も変わっていく事になる訳ですね・・・。

その結果、極めて微妙な表現が重ねられていく内、イオナは、今までにない自らの「反応」・・・群像に対する「感情の揺らぎ」を自覚し、「命令で艦長のそばにいるだけなのよね?」「艦長の事を何とも思ってない訳ね?」というタカオの言葉に答えられず「私は何?私は誰?何の為に群像と出会った?」と自問します。ヒュウガとは別に同じ様な言葉がイオナの口から出てくるというのも「スペシャル」さの一端でしょうが、第1話ではヒトデに触れながら「人間」を意識したイオナが、今回は自らの「存在」に考え込むというのは大変な「進化」と言うべきかも知れません・・・。また、タカオにしても、群像に対する「思い」の強さではイオナに「勝った」と思い込んだようにも見えます。この辺の「思い込み」が第10の「決断」で生きてくる訳ですね・・・。

最後に全体に関する点で一つだけ。

この第7話だけエンディングの絵柄が変わっています。今まではメンタルモデル達の「蜘蛛の糸」風バージョンでしたが、艦体をあしらったものが流れます。ヒュウガの言葉を聞いてタカオがつぶやいた「私たちは兵器・・・だった者・・・」「私たちは兵器・・・兵器が物を考えるものか・・・。私は誰?私たちはどこへ行くのだ・・・?」という「兵器」の枠に収まらない言葉や、イオナとヒュウガに見る思考の深化に対し、直前に登場するコンゴウとマヤの「兵器そのもの」の姿と合わせて、メンタルモデル達の「本質」を改めて突きつける意図かも知れません・・・。



と言う事で第7話、一見「日常」風の描写に続き物語の「本質」に切り込む・・・地味ながら見所満載と言う事が分かりますね。





2014.04.13 Sunday

蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- 第06話「ともだち」

さて・・・第6話・・・前半のクライマックスです・・・。

画像は通常通り、上から下へ、左から右へと見て行ってください。



冒頭で描かれるのは刑部博士の「娘」に対する別れの言葉・・・そして「死」・・・。

「蒔絵・・・人形として生み出されたお前に、あろうことか、私は愛情を抱いてしまった。そして今、お前は人ならぬ物、我々人類の敵と、心を通わせようとしている・・・。本当に、皮肉なものだ・・・。

だが・・・何故だろう・・・?どんな強力な兵器よりも・・・今、お前たちが育もうとしているその「思い」こそが、この世界を変えるのだろう と・・・そう・・・思えるのだ・・・。

さよなら・・・蒔絵・・・愛する・・・私の娘・・・」

伝えられることの無かった「遺言」、地味な表現ですが、これこそこのアニメの核心でしょう。以後は様々なその「形」が示される訳です・・・。

飛来する軍(JGSF)の攻撃ヘリ!ガスマスク姿の武装兵士・・・博士の死を待っていたかのように、新型弾頭に関する情機密保持を理由として蒔絵を「処分」すべく、「軍」による作戦が決行される!(メイドが一人だけホールドアップさせられていたが、彼女は軍属ではないと言う事か?ただの民間人とも思えないから諜報関係者・・・?)

「ともだち」の辞書データを見つめていたハルナは、電源遮断により攻撃を察知し、眠ったままの蒔絵をキリシマに託し、一人、軍に対峙する・・・。そして、身勝手な軍の「論理」に苛立ち「攻撃」をしかけようとした時・・・。

「ダメだよハルハル!」と叫ぶ声!!

そこにはキリシマを抱え驚きの表情の蒔絵が・・・ハルナは、蒔絵の姿を見て銃口を向ける軍をバリヤー?で打ち倒すが・・・。

「ハルハル・・・」心細げな蒔絵・・・。

「聞いてくれ蒔絵・・・私は・・・」思わず言いよどむハルナ・・・。

霧の・・・メンタルモデル・・・」苦しげに、小声で答える蒔絵・・・。

「あっ・・・!」蒔絵の言葉に息をのむハルナとキリシマ・・・。

やっぱり・・・そうだったんだ・・・」言葉を落とす蒔絵・・・。

「すまない・・・騙すつもりは・・・無かった・・・」

俯いてから手を差し伸べようとするハルナ・・・その手を恐れるように、息をのんで後ずさる蒔絵!

その様子に、衝撃を受けるハルナ・・・目をそむけ、いたたまれずに駆け出す蒔絵・・・。

「蒔絵・・・」茫然と見送るハルナの・・・さびしげな表情・・・。

「ともだち」の「正体」・・・それを知って逃げ出す子供・・・「当然の反応」と思うキリシマ・・・・しかし実は・・・互いに「思い」があった。

蒔絵のダミーを使って軍を引き付ける・・・。蒔絵に拒絶された・・・そんな「失意」のうちにも蒔絵を思ってハルナは戦う。一方蒔絵は「霧を殺す」ための爆弾を作った・・・自責の念もあり、ハルナを助けるためにも軍を自分に引き付けようと考える・・・すれ違う二人・・・。

「私は霧の大戦艦ハルナ」「蒔絵を保護しようとしているのも、振動弾頭の製造法を知る為」・・・自ら意識して戦いながらも、「蒔絵の願い」通りに敵兵を護ってしまい苛立つハルナだったがダミーを失って苦戦・・・。同じ頃、ハルナの状況を知った蒔絵は、「お前を戦闘に巻き込む事を、ハルナが望むと思うか!?」と言うキリシマの言葉を振り切り「助けに行かなきゃ!」と駆け出すが、その小さな体には軍の照準が集中し、遂には一斉射撃が・・・!!

「いやだ!いやだ!私は・・・私は・・・蒔絵を失いたくない!!」弾幕の中、懸命に駆け寄って間一髪のタイミングで蒔絵を抱き締めるハルナ!「ともだちがいなくなっちゃうのは・・・いやだ!」涙ながらに訴える蒔絵・・・。互いの思いを知った二人だったが・・・苛烈を極める攻撃に、ハルナの防御は崩壊の瀬戸際!

「助けてくれ!誰か!!」目を閉じて懸命に願うハルナ・・・すると、その声に応えたイオナが登場・・・群像達も加わって軍を一掃する・・・。

ほのかに明るさを増す空の下、互いに向き合ったハルナ(キリシマ)と蒔絵は、改めて「ともだち」としての「絆」を結ぶ・・・

初見時思わず泣けました・・・実に美しいドラマです!!

驚き、恐れ、失意、落胆、苛立ち、悲しみ・・・そして喜び!!微妙な表情の変化、流れ落ちる透明な涙まで、CGに付き物という不自然さを微塵も感じさせない実に丁寧な描写です!そして、涙こそ見せないながらハルナの「変貌」の一部始終は実に感動的!!

第4話冒頭「言葉は始原」というセリフから始まったハルナの変貌はここに一応の完結見る事となった訳で、細かいことは気にせず、蒔絵たちの「心の旅路」を味わってほしい第6話です。


と言いながら・・・最後に細かいことを二つほど。(笑)

今回は「JGSF」という「軍」が悪役として登場しました。(第3話では「陸軍」が悪役でした)当然これって何?と考える訳ですが、この国の「自衛隊」(JSDF)でも、陸上自衛隊は「JGSDF」で「D」が無いだけです。ストーリーもなんとなく「陸自」を連想させますが、全員がマスクを着用し、死傷者の描写も無し、「処分」に対しても一応の大義名分はあった訳なので、配慮はされていたと言う事でしょうね。海上自衛隊(JMSDF)とこのアニメとの協力関係は知られていますが、陸自との関係は知りません。その辺の微妙な事情もあるのか??とちょっと興味深いです。昨今は災害派遣その他で大活躍して非常にありがたい存在ですが、アニメとは言え、「D」無しで自国の「軍」を悪役にするのは難しい面もありますね・・・。

もっとも、外国から見たら「S」も「D」も関係なく世界有数の強力な「軍隊」としか見られていないのは「常識」でしょうが・・・。(汗)

もう一つはお気楽に・・・最後の場面のタカオ・・・。涎でも垂らしていそうな呆けた顔・・・実に素晴らしい!(爆)





2014.03.30 Sunday

蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- 第05話「人ならざる者」

桜が咲き始めた3月最後の日曜日・・・行ってみましょう第5話・・・。

今回はビジュアル面で見どころが多いので特別に縦長マルチ構成です!!基本的に左から右へ、上から下へ、という見方をしていただくと大体ストーリー順になっています。


さて、第5話は第6話と共に群像や401の出番が少ないお話で、特に5話はハードな戦闘場面を期待していると肩すかし食うと言う異色の展開です・・・。

大戦艦2隻との戦いを終えた401・・・メンテナンスと補給を受けるため横須賀港のドックに戻ると、米国への移送を頼まれた振動弾頭の積み込み準備も始まって、そばには海軍墓地で見かけた少女の姿があった。それに気づいた群像がイオナに問いかけようとするが、イオナはテラスでマヤと会っていて、前夜の戦いの記憶で得た疑問を口にする・・・。

「あの時・・・思いが流れ込んできて・・・後悔だけじゃない、わずかな満足・・・なぜ?」「友達を助けられたからでしょう?」「友達?・・・そうか・・・」

爆発に巻き込まれ消えていく「キリシマ」・・・託されたユニオンコアを手にした「ハルナ」の「思い」・・・マヤが口にした「友達」という言葉の概念をイオナが「実感」したと言う重要な場面でありハルナも同様に・・・と言う事でしょうが・・・マヤの一言って・・・。(汗)

場面は変わり、断崖絶壁の上にある広大な敷地に建つ大邸宅の一室・・・恐ろしく広い、ヌイグルミで溢れた子供部屋の中、天蓋付キングサイズベッドに眠る「ハルナ」の姿・・・。刑部蒔絵と名乗った少女が目覚めたハルナにコートを渡すと・・・弱々しかったハルナが「シャキーン!!」

いや〜初めて見たときは目が点になりましたが・・・「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ」はギャグアニメでもある!と言う宣言のようで素晴らしい!!(笑)

以下細かいことは見れば分かるので省略!(汗)爆発の衝撃を吸収するため着衣を使ってしまい下着姿だったハルナが、蒔絵のオモチャとなって繰り広げるファッションショーやヘヤーセットの場面、「ハルハル〜」と呼びかけたり「ヨタロウ」化するキリシマ、および「人参を食らうヌイグルミ!!」という驚愕の場面も文句なく楽しいが、注目はやはりハルナの入浴シーン・・・じゃない!だけじゃない!(爆)・・・ハルナの「言葉集め」と「変貌」、徐々に明らかになる刑部邸および蒔絵の「秘密」でしょう。

ロボットの様なぎこちない会話を繰り広げながら、独りぼっちで病弱でもある蒔絵の身の上を知っていくハルナだったが、収集した「堪忍してつかあさい」という日本兵の「悲鳴」を、恥ずかしさを表す使い方として実践しながら、「縁」「友達」「未練」・・・等、新たな言葉も知っていく・・・。全身で「羞恥心」を表すってメンタルモデルとしてどうか?と言う事は別にして(笑)、「後悔」を実体験し、データベースの充実だけではなく、言葉の意味まで真剣に考えるようになった、ハルナにとっては重要な描写が続きます。

また、蒔絵が思わず漏らした「私みたいに秘密のお仕事関係者?」と言う問いかけに「う・・・うん・・・」と言葉を濁し「そっか〜私と同じか〜」と言われて「同じ・・・?」とつぶやいて蒔絵を見つめる・・・。さらに入浴時、「蒔絵は自由だな・・・」と言っても口ごもって俯く蒔絵と・・・その左胸の不思議なコードマークに目を止めるハルナ・・・。言葉や、相手の様子に対して敏感になったハルナの様子が見てとれます・・・。この結果が後で出てくる「蒔絵か・・・」と言う言葉になるのでしょう・・・。

そう言えば「言語」「人類服飾史」「食物」・・・ハルナ達の「知識」は「霧」のデータベース(何故か英語・・・)から引いていると分かりますが、「霧」と言う「存在」が単なる不可思議な生命体?ではない、と言う事実の一端でもあるのかな?(ひょっとしたら人間のデータベースに侵入、あるいは入手している??)

入浴後、ベッドで川の字になって眠った3人。蒔絵の熟睡を確認した二人はテラスに向かう・・・。(蒔絵の「ハルハル・・・暖か〜い」という言葉からメンタルモデルも体温を持つと分かります。)

テラスでのコンゴウとの会話・・・皮肉を言われながらも「作戦行動」を報告をするキリシマに対し、終始無言で通すハルナ・・・。その「変化」を察知したコンゴウは「人類は感情によってその性質を変化させる。だが我々は霧・・・かりそめの人格を演じているに過ぎない・・・」とクギを刺すがハルナは無言で去る・・・。艦隊司令に対するハルナのこの態度・・・霧の一員としての意識はすでに無い?そして・・・そんなハルナに対する、あくまでも冷徹なコンゴウの視線は・・・怖い・・・。(汗)

同じ頃のタカオ・・・硫黄島沖で散る!(笑)

深夜、ハルナとキリシマは地下の秘密の部屋に招待され蒔絵の「真実」を知る。そこには死んだと思われた館の主「刑部」博士が、指一本動かせない姿で横たわっていた・・・。

「あの子は人間ではないのだから・・・」。蒔絵は、霧に対抗するため「超常的な才能をもつ人間」として作り出され、109分の1・・・唯一生き残った「命」・・・デザインチャイルドだった。(具体的に「人間とどう違う」のか不明・・・。)そして、「霧と同様に」その力を恐れた政府によって屋敷に幽閉された上「廃棄」を指示されてもいた・・・・。そんな蒔絵を、振動弾頭の開発者、唯一の存在として残すため博士は自身の事故死を装ったが余命いくばくも無く、モニター上で見ただけのハルナ達に「蒔絵の・・・友達になってくれ」と頼む・・・。

それは・・・感情によってその性質を変化させる人間・・・「娘」を託して逝く「父親」の姿であった・・・。

お涙ちょうだい?一見地味なエピソード。でも、考えてみればこの「人の親」としての「最後の願い」が蒔絵を救い、ひいては人類の未来を変えるかもしれないというのは紛れもない事実で、大変重要な場面です。

この「願い」を、キリシマは「勝手」と言ったがハルナは無言・・・。拙い言語感覚しかないであろうハルナにとって、「未練」という言葉の次に聞いた「友達」と言う言葉は、死に行く人間からの依頼と言う事もあって特別のものと響いたはず、しかも「娘を頼む」ではなく「友達になってくれ」というのも絶妙で・・・博士の言葉をきっかけとして、自分と「同じ」蒔絵を「友」とするに何の不都合や迷いがあろうか・・・。

満月の光が差し込む蒔絵の部屋・・・ベッドの蒔絵を見つめるハルナはつぶやく・・・。

「蒔絵・・・友達・・・」

明け方近く、多数の軍用トラックが現れ、武装した兵が降り立っていく・・・異変を察知したハルナは顔を上げ・・・。
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あえて言えば「友情と信頼」がテーマかな。微笑ましい場面も多い第5話ですが、細かな部分で見所満載です。たとえば「ヨタロウ」・・・。

ハルナとキリシマは、ユニオンコアの「入れ物」としてベッド脇に置かれたヌイグルミを選んだ(ヌイグルミの殻を使っただけなのか?全てナノマテリアルで造ったのかは不明?)に過ぎない訳ですが、博士の回想場面では屋敷に幽閉された時から蒔絵と共にあり、食べ物をフォークで口元に持っていく事も、孤独な蒔絵が繰り返したであろう一人遊びだった・・・。唯一の友人・・・それがヨタロウであり、左腕の腕章?の「PROMISE」という文字も切実な意味を含んでいる・・・単なるマスコットで済まない「存在」だと分かります・・・。

そんなヨタロウがハルナによって「命」を与えられた・・・蒔絵にとってどれほどの喜びであり、それをもたらしたハルナに対してどんな思いを抱くか・・・。ハルナから「あげる」と言われて、元々は蒔絵の「物」であった「それ」でもどれほど嬉しかったか・・・。人参パクリの衝撃の後にはこんな見方もできるのです・・・。

と言う事で、只の「娯楽回」等と侮ってはいけない・・・第5話です!!





2014.03.23 Sunday

蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- 第04話 「横須賀急襲」

さて、第4話・・・4月から再放送が始まるそうなのでさっさと・・・。



第4話では、401と大戦艦「ハルナ」「キリシマ」2隻との大海戦が描かれます。このシリーズも後半になるほど重苦しい雰囲気が漂いますが、格好良い戦闘場面や戦術の見事さに絞って観ることができるのがこの4話と言えます。また、メンタルモデル「キリシマ」のご尊顔を拝める最後のチャンスでもあります・・・。(笑)

冒頭、2隻による傍若無人なまでの攻撃(2話において群像が危惧した陸上への攻撃)と、その最中でのハルナの趣味である?「言葉集め」の様子が・・・。人間の「悲鳴」を機械的に処理していくハルナは「兵器」としては正常であろうともやはり不気味です。でも、第5話6話での「変貌」を際立たせる重要な場面でもあります。また、彼女が口にした「言葉は始原、美しいシステム・・・」という聖書(「はじめにことばがあった。ことばは神と共にあり、ことばは神であった。」新約聖書 ヨハネによる福音書1:1)にも通じる一言は、言葉こそ人間の存在理由という「真理」を表し、このシリーズ全編の世界観の一部とも思われる非常に重要なセリフです!!

感情を一切交えないハルナの言い方にはそこまでの意識はないようですが、言葉自体の「意味」は強烈で印象的な場面の一つですね・・・。

そして激しい戦闘の顛末は・・・細かいことは省くとして・・・。(汗)

スペック上も圧倒的に不利な状況の中、401は地の利を最大限に生かして戦ったが、大戦艦2隻が前後に合体した上での超重力砲の標的としてロックオンされ絶体絶命のピンチに!!その刹那・・・索敵演算能力の間隙を突いて放たれた浸食魚雷・・・最後の1発が着弾!!2隻はもろくも瓦解し、夜空を背景に美しい大爆発の情景を見せた後、銀砂となって降り注ぎ・・・跡形もなく消え去った・・・。

次々と繰り出す401の奇策、対する大戦艦の物量戦、一瞬のタイミングのズレが致命的な結果をもたらす場面や、よく見ていないと分からなくなる部分等のテクニカルな面での見所も多いのですが、ストーリー的に大きな見どころはメンタルモデル「キリシマ」の「激情」と「後悔」でしょう。

人間が関わった為攻撃パターンが読めなくなった401との対決に、冷静なハルナは「(ヒュウガやタカオの様に)我々は後悔することになるのかもかもしれん・・・」と予言するが、「ばかばかしい」と一笑に付したキリシマは、時に「激情」を見せて感情エミュレーターの数値を大きく変動させながら応戦・・・。そして、401の反撃を悉く封じて勝利を確信したキリシマが大見得を切った次の瞬間の・・・着弾!「負ける」と言う衝撃的な事実を、さらには自らの「死」を意識して「後悔」することとなったキリシマ・・・。

「ハルナ・ ・ ・いやだ・ ・ ・ ・ ・私は・ ・ ・私はまだ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・死にたくない!」

爆発に巻き込まれて徐々に消えていくキリシマの体、間一髪差し出されたユニオンコアに手を差し伸べ、防爆機能も併せ持った?コートにくるまって「爆発」に身を任せるハルナ・・・。

「そうか、これが・ ・ ・ ・これが・ ・ ・ ・ ・これが・ ・後悔・ ・ ・ !」


キリシマが「死」に恐怖するのは「兵器」としてどうなのか?と言うのは別として、人間が頻繁に使うと知っていた「後悔」と言う「言葉」の「意味」を、文字通り初めて「実感」するに事なったハルナの様子も含め、ここに描かれる「破滅」の光景は異様なまでに美しい・・・。

また、群像の奇策もさることながら、「勝てる!」と断言して大戦艦の能力を最後の瞬間まで計算しきったイオナの能力も凄いのか?艦体スペック上、戦艦はシングルコアなのに、潜水艦だけがデュアルコアであることの意味がここに表現されていると思われます。(ただ、メンタルモデルの周囲に展開される演算リング?の数に、この辺が反映されていないのがちょっと惜しいかな・・・。)

そういえば、イオナがコマンダーシートの横の卓によじ登る様子や、第1話の「急速潜航〜」、今回の「這う!」というセリフや動作の脱力感もキュート(笑)ですが、戦闘前のテラスにおけるハルナ達との会話や、二隻を撃沈後の群像の気遣いにも「分からない」という言葉を繰り返す様子には感情面での変化が感じられません。もともとは諜報が主任務という潜水艦は、キリシマの様な感情エミュレーターを実装していないのか?と興味深いですね。激情タイプのキリシマやタカオに対して、感情を表さない、言い換えると感情に左右されないイオナこそ「兵器」らしく・・・だから強いと言う事でしょう。

さて・・・最後の場面、静謐なピアノ曲(ドビュッシー?ラヴェル??)が流れる中・・・巨大な倉庫の壁に空いた「穴」が完全な「人型」なんて・・・まるで漫画だ!!(爆)何て細かい事は置いといて、実に見応えのある第4話であります!





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