雪太郎のつぶやき、あるいはプリンセス達の花園

あ〜!!おじさんなのに、「プリンセス・プリンセス」に嵌ってしまった〜〜!!(笑)
美しいもの、面白いもの、切ないもの、考えさせる物・・・。一人が好きだけど、独りじゃ寂しい。そんな私のつぶやき・・・・。ちょっとキモイかもね〜。
クラシック音楽が苦手な人にはお薦めできません。暗いのが嫌いな人にはお薦めできません!!お子様にもお薦めできません!!
[謝辞]
父と母に、家族に、多くの慰めと喜びを与えてくれた、過去、現在、そして未来の芸術家達に、感謝!!
[おことわり]
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2010.06.12 Saturday

桜庭 一樹「お好みの本、入荷しました (桜庭一樹読書日記)」

東京創元社のWebマガジンに連載されていた読書日記(2008年5月〜2009年6月)をまとめた本です。前作同様に中々興味深い部分があちこちにあります。

『作家サクラバカズキは、本と一緒にお風呂に入る。毎日毎日本を読みつつ、ラスベガスへ、アイルランドへ、そして鳥取へ、稀代の読書魔は世界をめぐる!そし て突然の結婚に至るまで。『私の男』『赤朽葉家の伝説』『製鉄天使』の桜庭一樹が縦横無尽に読んで過ごした一年間』
(〜amazon)

今回も凄い読書量でも圧倒されます。ジャンルも広く、もはや私なんかの手には負えません!!(汗)結局、読む人の好みで自分のアンテナに引っかかった本を読んでみるしかないですね・・・。

と言う事で、一応は本の紹介がメインですが、今回の目玉はやはり「まりすけ結婚!!」です!

いつものように編集者たちとの漫才調の会話が続く内、いつの間にか結婚が決まって、ドタバタと式が挙げられる。新郎新婦のなれそめや甘い新婚生活の話題はカケラもなく、いるのか居ないのか分からない奇妙な日常が淡々と・・・。時々、不思議な視線の絡み合いやかすかなつぶやきを、まるで観察日記(笑)のように書き付けるだけなのでますます???な夫婦です・・・。(笑)

お相手はお笑い芸人の友野英俊(吉本興業)らしいが・・・誰?(汗)

いずれにせよ、まりすけも人並みの幸福を手にしたと言う事ですから慶賀の至りです。ただ、夫婦というのは、一人の時とは比べようもないくらい互いへの影響が大きいものです。これから先、作家桜庭一樹の作風はどう変わっていくのか?興味津々で見守りましょう・・・。

そうそう、面白い事が一つ。桜庭さんの通院エピソードが書かれていたのですが、この内容が私と似ていて驚いた!耳の不調から来る「めまい」なのですが、内耳の「石ころ」を移動させるために頭をグルグルされたとか書いてます。私は薬を飲んでいるのでそんな乱暴な事はやっていませんが、試して見ようかとちょっとだけ思いました。持病が似ているなんて・・・自慢にもならないけどね・・・。(笑)

それにしても桜庭さん・・・結婚しても・・・寝る前には本を読むんですね・・・。

マイペース・・・というより・・・プロフェッショナルです・・・。(汗)

2009.11.24 Tuesday

桜庭 一樹「製鉄天使」

桜庭 一樹
東京創元社
¥ 1,785
(2009-10-29)

新作です!

表紙はバイクの部品か?鉄製の武器か?要するに鉄の塊などを描いているのだと思うが・・・大きく掲載しても・・・真っ黒です!(笑)

内容は、以前からあちこちで告知されていたので目新しい部分はありません。「赤朽葉家の伝説」の第二部に登場した「母親」の、若かりし頃の「疾走振り」「輝かしき日々」を新たな視点で描き直した物語。

『辺境の地、東海道を西へ西へ、山を分け入った先の寂しい土地、鳥取県赤珠村。その地に根を下ろす製鉄会社の長女として生まれた赤緑豆小豆は、鉄を支配し自 在に操るという不思議な能力を持っていた。荒ぶる魂に突き動かされるように、彼女はやがてレディース“製鉄天使”の初代総長として、中国地方全土の制圧に 乗り出す―あたしら暴走女愚連隊は、走ることでしか命の花、燃やせねぇ!中国地方にその名を轟かせた伝説の少女の、唖然呆然の一代記。里程標的傑作『赤朽 葉家の伝説』から三年、遂に全貌を現した仰天の快作。一九八×年、灼熱の魂が駆け抜ける』
(〜amazon)

主人公の名前は赤緑豆小豆。赤朽葉家の漫画家の「母親」の名前は・・・・?(笑)

読み比べた訳ではないので正確なところは分からないが、名前とともに細かな部分も違っているような気がします。どうやらこの小説は「赤朽葉家の伝説」の派生作品という趣かな?

読み始めるとすぐに分かりますが、主人公小豆(あずき)の小学校6年から始まる、いわゆる「不良」としての日々が、ひたすら主人公の目線で描かれていきます。ここには「薫り高い文学作品」や「純小説」の雰囲気は微塵もなく、常人にはちょっと辛い「族」言葉の語りや、激しい抗争の場面が延々と続きます・・・。「直木賞作家」としてより、「武闘家」桜庭一樹の本音全開の物語と思った方が良いでしょう。

とは言っても、抗争に明け暮れる日々を描きながらも、随所に桜庭らしく「胸キュン」場面もちりばめられています。激しい言葉を使いながらも、その言葉にこもった一途な思いが胸を打つ・・・そんな描写ですね。基本的なエピソードは「赤朽葉家」で描かれたままですが、より細部に亘って描写することによってリアリティーが高まる、と言う事でしょうか?

面白いのは「千里眼奥様」の娘らしく不思議な「力」の描写もあって、何となく・・・ファンタジーしてます。(笑)

前半は疾風怒濤の展開、後半に行くにつれて・・・辛くなるのは仕方が無いか・・・。

読了して感じるのは・・・「赤朽葉家」でも充分に感動的なエピソードだったのに、今改めて書き直す必要があったかな?と言う事。あえて言えばこの作品は、作者桜庭一樹の個人的な、あの時代へ「郷愁」を、あるいは「別れ」を綴った作品なのかもしれない。今となっては、バブル以前のあの頃が、日本人にとって最も幸福な時代と言えるような気がするからね・・・。

ハッキリ言って「不良の日々」の物語で、「文学」を期待する人にはお勧め出来ません。日々肉弾戦を繰り広げる人間の生き様にも「興味がある」という人に、躍動する肉体から放たれる「雄叫び」こそ信じられると言う人に・・・。

私は・・・どちらでも無いけれど、ファンだからねぇ〜!(笑)

2009.09.11 Friday

桜庭一樹 ~物語る少女と野獣~

桜庭 一樹
角川グループパブリッシング
¥ 1,470
(2008-08-01)

明日は雨か・・・と言う事で、久しぶりに夜遊びに・・・。(笑)

古書店であれこれ手に取ってみる・・・目に付いたのがこれ。

以前からこの本の存在は知っていましたが、内容が良く分からずにあえて無視していたのです。実物を見ると・・・桜庭一樹についてのムック本?と言う雰囲気かな?

読書遍歴からお薦め本、日常から仕事まで、バラエティーに富んだ内容で、これを立ち読みで済ませるのは大変そうで・・・とりあえず買ってしまいました。(笑)

パラパラとめくっただけですが、「お〜!」と驚いたのが・・・直木賞授賞式?の時の和服姿ですね。どこから見ても・・・お上品な若奥様という雰囲気が・・・馬子にも衣装か・・・と感動しました。(笑)

暇な時の暇つぶしにはピッタリかな?

2009.05.20 Wednesday

朝日新聞朝刊に桜庭一樹の懺悔が!?

今日の朝日新聞朝刊の中ほど、「オピニオン」と言う寄稿欄を見たら紙面全体の三分の二を占める扱いで桜庭一樹の寄稿が載っていました。1月16日に結婚したと言う、いかにも若奥様らしい写真入りです。

今までの来し方行く末をジックリと語っていて大変面白いですよ。

・・・・と、朝の始業前に慌てて投稿しておいたのですが、あまりに大雑把ですので帰宅して改めて見てみました。実物を手にされた方には無用かとも思いますが・・・。(汗)

「家という密室で 愛という名のもと 殺される子供たち」

「できるだろうか 他人と家庭つくり 大人になることが」

という、大きな二つの見出しが踊り、六段に亘る長文で書かれているのは、「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」からはじまり「赤朽葉家の伝説」「私の男」「ファミリーポートレイト」にまで至る、作者と、物語の登場人物たちの成長の軌跡・・・。一読してそんな趣と思える「寄稿」です。

私生活がそのまま作品に描かれることはないであろうが、淡い背景となって投影されるのは不思議ではない。「読書日記」などを読んでも、執筆に入るとほとんど修行僧のように入れ込む姿が何度も「目撃」されたことからも、対人関係につまずき、自分を解放できずに苦しむタイプの主人公が多く登場する桜庭作品では、その背景にはやはり作者の人間的な「未熟さ」があるのだと感じ取れます。あえて言えば・・・私にとってはそこが魅力なのだけれど・・・。(純文学ファンにはそっぽ向かれる「弱点」こそ「魅力」と感じるのは、そう思う私も「未熟」な証拠なのだと思いますが・・・。)

ところが、物語の登場人物が幼い少女から大人の女性に変わって行くように、作者も成長し大人になり、やがて伴侶を得て家庭を築くこととなった。その事実をかみしめながら桜庭一樹は「できるだろうか」と不安を口にする・・・。

「寄稿」であるからには、自分の作品の宣伝がしたいわけではなく、言いたいことが有るわけであるが、桜庭一樹は何が言いたいのか?

「好きって、絶望だよね」という海野藻屑の一言は、作者の胸に「過去からの鐘の音のように鳴り続けている」そうだが・・・。桜庭一樹は藻屑の一言から始め、現実の世界での子供達の身の上で起きた、あるいは起きるであろう悲劇を語り、祈りの言葉をささげている。

「一人きりで生きている間、わたしたちは永遠の子供であり、虐げられた幼い被害者の成れの果てだった。でも、自らの意志で他人と家族をつくり、開拓していこうとするなら、これからは物事の当事者になっていかなくてはならない。だが。できるだろうか。大人になることが。わたしたちに、できるだろうか。ほんとうに」

最近のマスコミを賑わす「母子殺人事件」や、「婚活」という流行語に見られる若者達の結婚願望などを見ての、桜庭一樹なりに感じたところを書いたのかもしれない。「これからも。日々祈る」という言葉で締めくくられた文を読んで感じるのは、だれでも被害者と加害者の当事者になりえるという「事実」と、その前で立ちすくむ桜庭一樹の姿で、痛々しくもあるが、大人となった今、「開拓者」として一歩一歩進んでいこうという覚悟の表明のようにも受け取れる。当然の事ながら、それは我々全てに対する呼びかけでもあろうし、「祈り」でもあるのでしょうね。

文中には一言も書かれていないが、最初に読んだ時私の頭に浮かんだのが「懺悔」という言葉。それもあってタイトルに入れてしまったのですが、作品を通して少なからぬ?人間を手に掛けてしまった作者の「それ」といったらこじつけも過ぎるかな?ちょっと悩みますが・・・。

でも、我々も含めて、失われてしまった多くの命に対して、100%無関係と言い切れる人がどれだけいるのか?と考えると、桜庭一樹が我々を代表してくれているようにも思える・・・面倒だからこのままにしておこう・・・。(笑)

時に幼児のように泣きわめき、やむにやまれず他者の命を奪うこともあった桜庭作品の中の少女達。作者が大人になってもそんな切ない物語が書けるのか?ある いは全く別な世界が開かれることを期待すべきなのか?さらに、ひょっとしたら・・・地獄のような家族の姿が描かれるのか?

単なる一ファンでしかないが、かつて同じ道を歩いてきた「一応」先輩としては、固唾を呑んで見守るしかないな・・・。(笑)

2009.05.05 Tuesday

まりすけ結婚!!

ありすさんのコメントに答えようとwikipediaで桜庭一樹について検索したところ・・・

「2009年の2月某日に入籍したことを3月5日更新の『続々・桜庭一樹 読書日記』内にて発表した。」

とあった。

知らなかった!・・・けど37才か〜・・・うんうん・・・。(笑)

実に「男らしい!」桜庭一樹(笑)が、まさか結婚するとは思わなかったのですが、ちょっとほっとしました。「ファミリーポートレイト」の後半の内容が浮かんできて「そうかあれは・・・」と合点がいきましたね。私生活が作品に出るのは当然という面もあれば、それで良いのか?と思わないでも無いけれど・・・。

今更・・・の話題ですが、まずはめでたし!!

今後の作品に期待しましょう。






2009.02.09 Monday

桜庭 一樹「ジェネレーション・オブ・カオス〈3〉時の封印 」

ジェネレーション・オブ・カオス〈3〉時の封印 (ファミ通文庫)
ジェネレーション・オブ・カオス〈3〉時の封印 (ファミ通文庫)
桜庭 一樹  (2003年5月刊)

これもゲームのノベライズですが・・・見るからに胡散臭〜い!(笑)

話の筋としては良くあるRPGのそれですね。冒頭でエルフの一族の暮らしぶりが書かれていたり、王の世継ぎを巡る人間模様、その血筋がもたらす大いなる恐怖の予感・・・。一つの大陸を舞台にした二つの国の勢力争いを背景に、女性剣士の苦闘や仲間たち戦い、友情や恋人達の思いが巻き起こす波乱の様子が描かれていて中々面白い。意外なのは結末・・・読めば分かるな。(笑)

桜庭一樹らしく登場人物たちの生き生きとした会話が楽しいのだけれど、全体としてはかなり堅い感じがする。カバーの絵の雰囲気とでも言うような感触で、物語自体の「硬派」なイメージ通りと言えば言えるかな。ノベライズとしては良いのだと思うけど・・・。

う〜ん定価で買うのはちょっと辛いかな?100円だったら買っても良いかな?という感じだね。とりあえずは・・レアものということで・・・。(笑)読書

2009.02.02 Monday

桜庭一樹「GOSICK―ゴシック」

GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫)
GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫)
桜庭一樹 (2003年12月刊)

もちろん知っていましたよこのシリーズの存在は・・・。でも・・・良くある「ライト・ノベル」と思って今まで読んだ事がなかったのです。おかげで・・・100円で買えました。(笑)

随分古いけど、富士見書房のHPを見ると今でもカタログには載ってるようですよ。

イラストは武田日向さん・・・良いぞ〜・・・・。

「豪華客船で怪現象? 世界の混沌を描くゴシック・ホラー。西欧の小国・ソヴュール王国の聖マルグリッド学園に留学してきた九條一弥は、図書館の屋上で謎の少女・ヴィクトリカと出会う。パイプをくわえ、あらゆる書物を読みあさる彼女は世界の混沌を再構築することができた。」
(〜amazon)

有名だから特に書かないけれど、桜庭一樹の「男らしさ」とミステリー嗜好が、イラストのキャラクターの形を借りてとんでもなくラブリー(笑)な主人公が誕生した!という感じかな。人形のような容姿の少女がパイプを吹かし、老婆のような声で快刀乱麻の推理を披露するという、ミスマッチの極地のようなお話は常人には発想できそうもないし、第1巻のメインのお話も幽霊船絡みの奇想天外のミステリーで吃驚堯天・・・じゃない仰天だ!!(笑)

う〜〜ん・・・・桜庭って・・・凄〜〜〜い!!(汗)

この発想の源って何なんだろうな・・・?と思わず考えてしまいます。作者がミステリー小説が大好きで内外の作品を読み漁っているのは知っていたけど、その「体験」の上に女性としてのフェミニンな志向と「武道家」(笑)としての性癖も影響してこんな「怪作」が出来たのかな???純文学系と全く違う、硬軟の要素が絶妙に入り交じった「桜庭ワールド」が存在した!!そんなことを、遅ればせながら知ることができて良かったと思いますね。

ただ・・・読んでいて頻繁に頭に浮かんだのは・・・「真紅」と「ジュン」なんだけどな・・・。(笑)

角川文庫から「新装版」の話もあるようだけど、イラストが変わらないことを祈りたいが・・・無理だろうな・・・。(汗)グッド

2009.01.31 Saturday

桜庭一樹「学園都市ヴァラノワール―未来は薔薇の色」

学園都市ヴァラノワール―未来は薔薇の色 (ファミ通文庫)
学園都市ヴァラノワール―未来は薔薇の色 (ファミ通文庫)
桜庭一樹  (2002年11月刊)

図書館に行ってもめぼしい本がない・・・。(汗)

気楽に読めてそこそこ面白い。そんな本は広い世の中にはいっぱいあるんだろうけど自分で探し出すのも面倒くさい〜!ここは一つ古本屋でも覗くとしようか・・・と思って行ってみたらありました。

聞いたこともない、いかにも怪しい題名ですが100円だったし・・・外れでも良いかと思って読んで見ると・・・お!(笑)

「『魔法学園都市ヴァラノワール』―。その学園の中にあり、勇者を学校教育によって生み出そうとする機関“勇者育成学部”。そこに進学できる生徒はエリート中のエリートに限られた。そんなある日、ミュウはお爺さんから一本の剣を手渡され勇者育成学部を目指して、特別進学科への編入を勧められる。しかし、その剣こそ天魔剣であった―。そのひと振りの剣と、天才・リュートとの出会いがミュウの運命を変える!!勇者を目指す少女たちの優雅で過激な学園絵巻。」
(〜amazon)

諸国を渡り歩き「煙突掃除」によってその日の糧を得ていた少女と老人。思春期を迎え孤独を訴える少女は、やって来た「魔法学園都市」で生まれて初めて学校に行くことになった。だが、「勇者」を目指すエリート達と過ごす学園生活は過酷な「競争」の場だった。鍛錬と戸惑いの日々、友との出会いと別れを通して、次第に成長する少女の姿が描かれる。

この作品はゲームのノベライズだそうです。従って、どこからどこまでが桜庭一樹の「創作」の範囲かは分かりません。多分大筋は決まっているのでしょうから細かな部分だけかな?ゲーム原作ですからテンポが良く軽快に展開していきますし、全編マンガチックな会話ばかりで、御転婆娘が過ごす波瀾万丈の学園生活という以上の物ではありません。

ただ、お手軽?な「ノベライズ」とは言っても結構丁寧に書かれています。主人公達の人物描写、心理描写なども生き生きと表現されていて読ませます。挫折して去って行く者たちの姿はちょっと感動的・・・「切なさ」をさりげなく描く所は桜庭一樹らしいと感じます。中々良いぞ〜!(笑)

あとがきで「赤×ピンク」の宣伝もしている頃の作品。この手の小説が「作品」と言えるものかどうか?ちょっと分かりませんが、見つけたら手に取って見る価値はあると思いますよ。読書

2009.01.13 Tuesday

桜庭 一樹「書店はタイムマシーン―桜庭一樹読書日記」

書店はタイムマシーン―桜庭一樹読書日記
書店はタイムマシーン―桜庭一樹読書日記
桜庭 一樹  (2008年9月刊)

「桜庭一樹読書日記―少年になり、本を買うのだ。」の続刊。2007年3月からの1年間、出版社のHPでの連載をまとめた本です。(巻末に編集者との座談会が追加されている。)ちょうど「赤朽葉家の伝説」が出版されて推理作家協会賞を受賞し、「私の男」を出版して「直木賞」を受賞するという凄い日々の記録にもなっています。前作同様に本無しには生きられない?桜庭一樹と編集者たちの「ディープ」な日々が綴られる。(笑)

私が読んだ事のある本はちょっとしか出てこないし、「通」の間でしか分からないような表現が多くて・・・うらやましい。(笑)翻訳物の小説、特に推理小説やSFが多いのか?漂う雰囲気は「マニアック!」ですし、いつものように、編集者たちとの交流の様子はほとんど「漫才」のノリです。(笑)

さすがに、受賞絡みの話題は興味深い。記者会見やTV出演。長期取材のTVカメラが張り付いていたり、田舎から和服の「葛籠(つづら)」が届いたり。編集者の気配りに家族の戸惑い、何より本人のアタフタ振りが微笑ましい。(笑)

そして驚くのは、そんな大変な日々なのに、必ず本を読んでから「寝る」のだ!(笑)

全く・・・本好きって人種は・・・。(笑)

読んだことのない本ばかりが出てくるけれど、何となく桜庭一樹のバックボーンが見えてきます。翻訳物が多くて、日本の古典は余り縁が無いみたい。「漱石」あたりでも読むには努力が必要らしい。(笑)日本の古典に強い?荻原 規子などとは志向するものが随分違うようで興味深いですね。

最新作「ファミリーポートレイト」の後半で描かれる「文芸サロン」?や作家達の暮らしぶり等の「ネタ」も満載で、単なる「読書日記」以上に楽しめる「面白読書日記」になっています。(笑)読書

2008.12.28 Sunday

桜庭 一樹「ファミリーポートレイト」

ファミリーポートレイト
ファミリーポートレイト
桜庭 一樹 (2008年11月刊)

いかにも「小説」らしい表紙です。ただ、私としては桜庭らしくもっとシンプルで「美しい」表紙であって欲しかった。この程度がメジャー出版社の「常識」だとしたらちょっと不満ですね。ま、このくすんだ色遣いやかろうじて判別できる二人の姿が、本の内容に合っているのは分かっているけれども・・・。

直木賞受賞後初の書き下ろし長編1000枚、だそうである。さすがに長くて4日掛かりでやっと読了・・・桜庭一樹らしい濃密な作品だ・・・。「ポートレート」は文字通りの写真のこと。かけがえのない、家族写真にまつわる物語・・・。

「ママの名前は、マコ。マコの娘は、コマコ。うつくしく、若く、魂は七色に輝く、そしてどうしようもなく残酷な母の“ちいさな神”として生まれた娘の5歳から34歳までを描く」
(〜amazon)

第一部「旅」、第二部「セルフ・ポートレート」の二部構成。前作「私の男」では、「母」の愛を求める父親と、聖母のごとく惜しみなく「与える」娘の物語であったが、今回は母親と娘の物語。

第一部では、母と子の10年に及ぶ破滅的な、転落の日々が描かれる。前作同様に性描写もあり、一種異様な雰囲気が充満・・・。残酷で、哀れで、優しく、美しい。そんな母との辛く、空虚で、暖かく、切ない日々。娘をかろうじて支えるのは母への「愛」と「本」と「物語」・・・。

手を携えての逃避行、幻想的とも思える場所と登場人物たち・・・そして・・・突然の別れ!

救いのない日常でありながら母とともに懸命に「生きる」少女の姿は、桜庭作品の過去の主人公と同じであるが、この作品では描かれる母子の世界が狭いだけに、さらに鮮烈である。何があろうと、唯一の庇護者「母」の後を懸命に追い、周囲にはその存在を隠すため言葉を封じる幼子の姿は哀切で・・・それだけに「別れ」は悲劇的だ・・・。

第二部は、母を失い、漂うように生きる娘のその後、である。「文字」と「物語」の世界を唯一の拠り所とし、母の幻を求めて日々を送り、やがて作家としての道を歩み始める娘。様々な出会いを経て自分の進むべき道を見つけた娘は、母が夢見て・・・遂に得られなかった・・・「家族」を得る・・・。

ここで描かれる作家としての「破滅的な日常」は、まるで作者の「読書日記」や自叙伝の如し!???ほとんど「病気」(笑)の業界人と主人公の滑稽とも思えるが実は切実な人間模様、そして、危うい雰囲気を漂わせどこか希薄な存在ながらも、少しずつ「失われた」人生を取り戻す娘の姿は結末に近づくに従って人間的で等身大のものになっていく・・・。(「砂糖菓子」「七竈」のような繊細さが影を潜める所は残念だが、作者自信の「成長」の証しととるべきか・・・?)

二部に分けられた作品であるが、第一部の幻想的とも荒唐無稽とも言える描写に比べ、第二部のそれは随分と現実的。その違いをどうまとめるのか?読みながら、何となく感じていたのですが、その答えは最後の場面に、いかにも桜庭らしく、劇的に描かれる!

眼前に突然現れる美しい「母」の姿・・・薄幸だった母を思い泣き崩れる娘・・・過去と現在が一瞬のうちに一つとなる、奇跡とも思える情景・・・。

ああ・・・母よ!私は・・・永遠に・・・あなたの・・・子供・・・。

そんな言葉がふと浮かぶ・・・桜庭一樹の集大成とも思えるお話だ。グッド

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