雪太郎のつぶやき、あるいはプリンセス達の花園

あ〜!!おじさんなのに、「プリンセス・プリンセス」に嵌ってしまった〜〜!!(笑)
美しいもの、面白いもの、切ないもの、考えさせる物・・・。一人が好きだけど、独りじゃ寂しい。そんな私のつぶやき・・・・。ちょっとキモイかもね〜。
クラシック音楽が苦手な人にはお薦めできません。暗いのが嫌いな人にはお薦めできません!!お子様にもお薦めできません!!
[謝辞]
父と母に、家族に、多くの慰めと喜びを与えてくれた、過去、現在、そして未来の芸術家達に、感謝!!
[おことわり]
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2009.08.30 Sunday

マリさん・・・その(9)

ちょっぴり時間が掛かりましたが(汗)・・・・それでは、アニメ「BLUE DROP」第9話から・・・。


朝の青海寮。


輝く日差しを浴び、屋根瓦の上で戯れる3羽の雀・・・聞こえてくるマリの声、戸を叩く音・・・。

「どうしたの〜?ミッチー・・・急がないと遅刻しちゃうよ〜!!ミッチーってば!!」
「あ〜!!まだ着替えてない!!」入口の引き戸を開けたとたん、ジャージー姿で机に突っ伏したままのミッチーを見つけて驚くマリ。

「・・・何やってんだ全く・・・」

「ん・・・?・・・あら??」呆れたようにつぶやきながらも、普段と違う部屋の様子に気付くマリ。


床や机に散乱する紙屑・・・・・付箋の付いた沢山の本(46冊?)・・・。 眠ったままのミッチーに静かに歩み寄り、寝顔を覗き込むマリ・・・。

「ん・・・?」 かすかな寝息をたてて眠り続けるミッチー。

「頑張ってんだ・・・・脚本・・・・」小さく頷いて・・・つぶやくマリ・・・。

「ん・・・??!!えっ!!」ふと気付いて背後の時計(8時33分)を見返し驚くマリ。

「・・・って言ってる場合じゃな〜い!!」

大きく息を吸い、口の前に両手を揃え、眠り続けるミッチーに向かって叫ぶマリ!(笑)



「こら〜〜〜!!!起きろ〜〜〜!!!!」



朝の寮に響き渡る・・・マリの叫び声・・・あわてて飛び立つ雀たち・・・。(爆)



  「Lagenaria siceraria」   「夜の・・・思い出・・・」



木立の間の通学路。学校に向かうマリとミッチー。


「ふあ〜〜〜〜ぁっ!・・・」歩きながら大きな欠伸をし、途中で気付いて口を閉じ、思わず赤面するミッチー。(笑)

「大丈夫〜?ちゃんと寝てないんじゃないの〜?」かすかに苦笑しながら、横から覗き込んで様子を伺うマリ・・・。

「夕べは調子が良くて・・・ついつい・・・」眠そうに答えるうちにもまぶたが下がり・・・。

「あっ!!」途端につまづいて倒れそうになるミッチー!(笑)

「おっと〜!・・・あんまり無理しない方が・・・」と、後からミッチーの手を取り心配するマリ・・・。

「あぁ・・はい・・・でも〜書いていて久々に手応えあるって気がするから・・・大丈夫です」微笑むミッチー。

「そっか!!」納得するマリ。

「で〜・・・・どんなお話なの!??」一瞬上を向いてから、ミッチーに向き直って顔を寄せ、唐突に聞くマリ。

「そ・・・それは・・・出来上がってからのお楽しみってことで・・・・」戸惑って目を逸らし、声を潜めるミッチー・・・。

「え〜〜〜良いじゃない〜!ちょっとだけ教えてよ〜!」

「でも〜・・・まだ最後とか決まってないし・・・」

んん・・・どっち道ホームルームでも発表するんでしょう?途中まででも良いからさ〜!??お願い!」ミッチーの前に立って胸に手を当て、下から覗き込むようにしてねだるマリ。(笑)

「じゃ〜・・・・大体の粗筋だけ・・・・」マリの視線を受け恥ずかしそうに目を逸らし、紅潮した顔で語りだすミッチー・・・。

     ・
     ・
     ・

2年櫻花の教室・・・黒板には「HR 学園祭の企画」の文字・・・。


椅子に座り、両手を祈るように揃えて語るミッチー・・・。

ミッチーの周りに立って聞き入るクラスメートたち。自分の席で正面を向いたままの萩乃・・・頬杖をつく朱音・・・、後向きで椅子に座り真直ぐにミッチーを見つめるマリ・・・・・・。教室の後方、黒板の前に立って聞き入る裕子先生・・・。

静かに流れるミッチーの声・・・浮かび上がる鮮やかなイメージ・・・。

「ごく普通の少女が、炎で焼かれる夢から醒めて、気が付くと暗い檻の中にいて。

そこはかつて人々から、聖なる少女と崇められたものの、今では異端の烙印を押され、囚人となったジャンヌ・ダルクが捕らえられている、中世の牢獄だったんです。

ふいに眼前に現われた少女を、牢内のジャンヌは悪魔の使いと罵ります。

いきなり悪魔呼ばわりされた少女は、反発して、狭い牢の中で少女とジャンヌは険悪な雰囲気になってしまいます。

すでにジャンヌの処刑を明朝に控えた牢獄に、様々な人々が訪れます。

親切な牢番のおかみ。

ジャンヌを熱狂的に支持していた見習い修道女。

ジャンヌと共に戦った騎士。

少女は、訪れた人達に必死に助けを求めます。

けれど、人々の目には、少女の姿がジャンヌとして映っているのです。

少女の目には見えている牢内の本当のジャンヌの姿や声は、訪れた人々には分からないんです。

少女をジャンヌと思い込んだ人々と接し、傍らのジャンヌの話を聞くうちに、少女は、ジャンヌの孤独な胸の内を理解していきます。

それまでジャンヌは、自分の心の中を人にさらけ出す事も出来ずにいて、辛い事も、苦しい事も、悲しいことも、全て自分ひとりで抱え込んでいたんです。


屈託のない少女に接する内に、ジャンヌは徐々に心を開いていきます。

全てに絶望し、諦めていたジャンヌは、いつしか、自分の命に代えてでも大切にしたいものを再び見つけます。

誰でも希望を持つことが出来る・・・諦めずに信じ続けることが・・・きっと何かを変えていく・・・。

未来を恐れず、希望を捨てない事によって・・・・・



揺れる眼差し、組んだ両手に力を込めて、熱っぽく語るミッチー・・・。

「ぇ・・・そんなお話を書ければ良いなって・・・思ってるんですけど・・・」ふと我に帰って周りを見渡して、クラスメートたちの視線と沈黙に戸惑うミッチー。

「・・・・・・・・あ・・・あの・・・ダメだったらまた、別のお話を考えますから・・・

ミッチーを見つめる萩乃・・・椅子から突然立ち上がるマリ。

「そんな事無い!!スッゴク良かったよミッチー〜〜〜!!」涙を浮かべた目、感激の面持ちでミッチーの手を取って何度も振るマリ。同じように感激の声を上げるクラスメートたち。

「あ・・・・・・?!」自分に向けられた歓声に戸惑うミッチー・・・。

「香月さん素適〜!!」「感動したわ・・・」「凄いじゃない!!」「何て良いお話なの〜?!!」「俄然やる気になってきた〜」沸き返る2年櫻花。

目を見開き、信じられぬ面持ちのミッチー・・・・。



「は〜い。じゃぁ皆席について〜」パンパンと手を叩いて促す裕子先生。

「素晴らしかったわ・・・・香月さん・・・・」ゆっくりと教卓に向かって歩く途中、ミッチーの背に手を当て小声で賞賛する祐子先生。息を飲み、頬を紅潮させたまま興奮の収まらぬ様子のミッチー・・・。

「え〜と・・・それじゃ〜脚本は引き続き香月さんに頑張って貰うとしてぇ・・・」教卓にもたれながら・・・おもむろに萩乃の顔を見つめる祐子先生。意を受けて小さく肯き、苦笑しながら立ち上がる萩乃。

「学園祭まで、後一ヶ月少しです。先ほど、香月さんが発表して下さったお話を上演することを前提に、今の段階で出来る準備を始めたいと思いますが、どうでしょうか?」言いながらクラスを見渡す萩乃。

「賛成〜!」声を合わせる2年櫻花。


「ですから・・・・・・まずは、衣装や大道具の材料の準備を・・始めないと・・・・です・・・」黒板の前で、自信なさそうに言うミッチー。その横で、中世フランス、牢獄、配役(脚本待ち)、大道具、小道具、衣装・・・と板書していく萩乃。

「もちろん、香月さんの脚本が終わらないと・・・正確な所は分かりませんが・・・」向き直って言いながら、小さく肩をすくめてミッチーを見つめる萩乃・・・。

「あ!す・すみません・・・」慌てて頭を下げるミッチー。

「謝ることないよ〜」「期待してるからね〜」「頑張ってね・・・」クラス中から次々に掛かる励ましの声。息を弾ませ、身を縮め、うつむき加減で聞き入るミッチー・・・横顔を見つめる萩乃・・・。

「まずは品物の下見と・・・最低限用意する物の買い出しが・・・必要ですね・・・。とりあえず必要な物として・・・模造紙・・・ボール紙・・・」淡々とした口調で要点をまとめ、板書していく萩乃・・・教卓を前にうつむいたままのミッチー・・・。


窓際から・・・その様子を見つめる・・・BLUEのアジサシ・・・。

     ・
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     ・

「エカリルは・・・お前の艦のコマンダーは・・・いったい何をやっているのだ?」

海底のBLUE艦橋。モニターをみつめながら、いぶかしむアザナエル・・・。

「あれは・・・フォリメの生態調査で・・・れっきとした探査任務だ!」口ごもりながら・・・思わず目を伏せ・・・最後には強弁するツバエル。(笑)

「探査?・・・遊んでいる様にしか見えんな!」腕組みをしたまま、呆れたように言うアザナエル。

「捕虜のくせにうるさい!」立ち上がって食ってかかるツバエル。

「コマンダーには・・・ちゃんとしたお考えがあるのだ・・・」

「我々が口を出すことではない・・・」静かに告げるツバエル・・・。

「お考え・・・か・・・・」皮肉たっぷりに言いながら・・・考え込むアザナエル・・・胸に掛かるペンダント・・・。

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    ・

その頃、1番艦ノヴァールでは、連絡が途切れたアザナエルに関する報告を聞くシバリエルが・・・。

「ヤツならば確実に任務を遂行しよう・・・あの艦を確実に・・・」片目を細め、不適な表情でつぶやくシバリエル・・・。

同じ頃、BLUEのハンガーに安置されたアザナエルの乗機では・・・機首のランプが赤く明滅し・・・。

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     ・
     ・

「え〜〜〜!!」

「じゃぁ萩乃様は〜!?」「早退してお出かけにぃ〜??!!」「しかもあの女と二人っきりでぇ〜??!!!!」(怒)

二年櫻花の入り口でミッチーを前にして、衝撃的な事実を聞いて叫ぶ親衛隊!(笑)

「買い出しと下見に・・・隣の町まで行くことになって・・・」肯きながら説明し、ゆっくりと後ろを振り向くミッチー・・・。

黒板に書かれている「あみだくじ」・・・ピンクのチョークで丸が書かれている名前は「千光寺」と・・・太陽マークも付け加えられた「若竹」・・・。


駅の構内に鳴り響く発車のベル。懸命に階段を駆け下り、閉まりかけた電車のドアをかすめて滑り込むマリと萩乃・・・。走り出す電車・・・荒い息の下から顔を見合わせ、ほっとして思わず笑い合う二人。


「く、悔しい〜〜〜!!」

こだまする・・・親衛隊の叫び!!(笑)

・・・」当惑して・・・顔を引きつらせるミッチー・・・。(汗)


カーブした海沿いの線路を走り去る・・・二人を乗せた電車・・・。

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「わぁ〜〜!!凄い〜〜!!」開け放った窓から身を乗り出すようにして、目の前に広がる海と、汽笛を鳴らしながら悠然と航行する白い大型客船を見つめるマリ。

「窓・・・閉めてくれる・・・」風になびく長い黒髪を押さえ、手にした手帳を見つめながら、迷惑そうに言う萩乃・・・。

・・・うう〜ん・・・・!」ふくれっ面で萩乃を見返してから、ふてくされて、叩き付けるように窓を閉めるマリ。(笑)

他に乗客の見あたらない・・・静かな車内・・・。

「資材と生地と後は・・・」小声でつぶやきながら、手帳にメモを書き付ける萩乃・・・

「ねえ・・・」頬杖をして、併走する客船を見つめたまま・・・萩乃に声をかけるマリ・・・。

「なに・・・?」

「前に港で見たあの大きいやつってさぁ・・・」

「ん・・・何?!」はじかれたように顔を上げ、マリを凝視する萩乃・・・。

「あれ・・・あなたの船なんでしょう・・・・?」客船を見つめたまま静かに問いかけるマリ・・・。

「・・・・そうよ・・・それがどうかした・・・?」一瞬の沈黙を経て手帳に視線を戻し・・・平静を装って答える萩乃・・・。

「なんだかさぁ・・・初めて見る気がしなかったのよねぇ・・・・」

「・・・・そう・・・・不思議ね・・・・」メモの手を休めることなく・・・無表情で答える萩乃・・・。

「う〜ん・・・・どうしてかなぁ・・・・」ぼんやりと外を見つめながら・・・考え込むマリ・・・。

「・・・乗せてあげましょうか・・・?」手帳に目を落としたまま・・・静かに問いかける萩乃・・・。

「え!・・・・あの船に??!・・・・・本当??!!」驚いて萩乃に向き直るマリ。

「・・・・ええ・・・・」真っ直ぐにマリを見つめ・・・小首を傾けて答える萩乃・・・。

「やった〜!!」椅子から腰を浮かせて喜ぶマリ。

「・・・怖く・・・ないの・・・?」戸惑ったように問いかける萩乃・・・。

「何が?」不思議そうなマリ・・・。

「・・・私達の・・・・・・」口ごもる萩乃・・・。

轟音と共に突然トンネルに入り真っ暗になる車内・・・数秒の後、点灯した車内灯の下で見つめ合う二人・・・。

「・・・本当はさぁ・・・船だけじゃぁ・・・ないんだよね・・・」視線を落とし、ためらいがちに話し出すマリ・・・。

ん・・・?」見つめる萩乃・・・。

「・・・あなたのことも・・・昔から・・・知っているような・・・気がしてたんだ・・・・」かすかに頬を染め・・・視線を逸らし・・・囁くようなマリの・・・声・・・。

暗いトンネルを背景に、マリを凝視する・・・萩乃の・・・横顔・・・。

轟音と共にトンネルを抜け、海辺の街に向かって遠ざかる、二人を乗せた電車・・・・。

     ・
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立ち並ぶビル・・・溢れる車・・・多くの人が行き交う町中・・・。

はァ・・・・・凄いね・・・まるでお祭りみたい・・・!」周囲を見回して圧倒されるマリ。

「キョロキョロしないで、行くわよ!」横目でマリを見ながら、トートバッグを肩に歩き出す萩乃。

「ええ!ちょっと待ってよ!ねぇ〜〜!」慌てて後を追うマリ。


ビルにかかる看板の上から、そんな二人を観察するBLUEのアジサシ・・・。


画材店で店員に説明を聞きながらメモをとる萩乃・・・物珍しそうに見回すマリ。

意見を聞こうと?振り返った萩乃の前にマリは居ず・・・離れた場所でオモチャに見入るマリ。

顔をしかめながらマリを探し、しゃがみこんだマリの姿を認めてため息をつく萩乃・・・。(笑)

後ろからマリの肩に置かれる萩乃の手・・・気付いて振り返るマリ・・・。

その目に映るエイリアンの不気味な顔!悲鳴を上げて尻餅をつくマリ!(笑)

良く見れば・・・目の前にあったのはエイリアンの印刷されたオモチャの箱・・・その裏から現れる・・・萩乃の笑顔・・・。

画材店の中を見て回る萩乃・・・高い棚を、惚けたように見上げるマリ・・・。

盛んにメモをとる萩乃・・・その顔を突然覆う白いベール・・・不思議そうに振り返った萩乃が見たのは・・・。

頭に白いベール・・・両手に真っ赤な薔薇のブーケを抱き、うつむき加減で瞳を閉じ・・・花嫁を演じるマリ・・・・・・一呼吸おいて萩乃に向けられる・・・・花のような・・・マリの笑顔・・・・。

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夕焼けに染まった街・・・遊園地のスナックコーナーで一休みする二人・・・。

「これで・・・大体揃ったかな・・・?」メモを手に、足元の荷物を点検する萩乃。

ドリンクを飲みながら見つめるマリ。

「あ〜疲れたぁ〜!」椅子にすわったまま、大きな伸びをしながら叫ぶマリ。(笑)

「あなた!何もしてないじゃない!」呆れる萩乃。(笑)

「確かに〜!」悪びれる様子もなく答えるマリ、ため息をつく萩乃。(笑)

「そうだ!無事に買い物を済ませたご褒美にさぁ〜〜・・・ん!」頭上を指さすマリ。

「え??」不思議そうに視線を巡らす萩乃・・・。

そこには、真っ赤な夕日にクッキリと浮かび上がる・・・観覧車・・・・。

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     ・

「凄〜い〜!!」かすかにキシミ音を上げながら上昇するゴンドラの中、歓声を上げるマリ・・・。

夕日の中に浮かび上がる町並み。その先の海と・・・島々・・・。

「綺麗だねぇ〜!学校のある街とは大違いだぁ〜!」立ったまま、窓に顔を寄せて興奮した面持ちのマリ。

「そんなに離れていないんだけど・・・この街はターミナルがあるから・・・」椅子に座ったまま落ち着いて話す萩乃。

「あっちが学校かぁ〜・・・」

「ここからじゃぁ見えないわね・・・」

夕暮れの光景を静かに見つめる二人・・・。

「・・・・・・ねぇ・・・」言いにくそうに切り出すマリ・・・。

「・・・ん?・・・」不思議そうに視線を向ける萩乃・・・。

「・・・・帰りはさぁ〜・・・・・歩いてみない?・・・」背を向けたままうつむき加減で、恐る恐る言い出すマリ。

「歩いて?・・・3時間位・・・かかるわよ・・・」戸惑ったように答える萩乃。

うう・・・やっぱり遅くなっちゃうとマズイかなぁ・・・」肩をすくめるマリ。

夕日を浴びながら、ゆっくりと回転していく観覧車・・・。

「寮には電話を入れておけば良いけど・・・でも、どして?・・・」

「最近運動不足だしさ・・・もう少し歩いてみたいなぁ〜・・・なんてえ・・・」額を窓に付けたまま、頬を赤らめ・・・恥ずかしそうに答えるマリ。

「・・・そうね・・・」静かに答える萩乃・・・。

「え?!・・・良いの〜?」驚いて、意外そうに顔を向けるマリ。

「・・・・・私も・・・・もう少し・・・歩きたい気分だから・・・・」

吐息をつきながら頷き・・・マリから夕日にを視線を逸らしてながら・・・ゆっくりと・・・囁くように答える・・・萩乃・・・・。

ああ・・・・・・」声を失い・・・萩乃の横顔を・・・見つめる・・・マリ・・・・。

夕日を見つめる2人・・・上昇を続けるゴンドラ・・・その上に降り立つ・・・BLUEのアジサシ・・・。

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「おいBLUE!このモニター行為も、正規の作戦行動なのか?!」艦橋で腕を組み、顔をしかめて問いかけるアザナエル。

「コマンダーよりの指示は出ていない・・・」答えるBLUE。

「これは・・・私の・・・自発的な作戦行動だ!」恥ずかしさから顔を赤らめ、顎を突き出すようにして言い張るツバエル。(笑)

「浮かれたコマンダーに、覗き趣味のガンナーか・・・この艦の規律はどうなっている!!?」呆れるアザナエル。

「う・・・うるさい!」思わず立ち上がり、食ってかかるツバエル。(笑)
 
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「はい。伝えます。それじゃ・・・」暗くなった夜空の下の青海寮。

「千光寺さんからでした。少し遅くなるから、心配しないようにって」電話室から出てソファーでくつろぐ船津丸と朱音に伝えるミッチー。

「ん?・・・ま〜た若竹が、我が儘言ってんじゃないの?」料理雑誌を見ながら皮肉を言う朱音。

「心配いらないって!萩乃が一緒なんだから!」海王新聞を見ながらなだめる船津丸。

「ま、そりゃそうだ〜」声を上げて笑い合う2人。

そのやりとりを、無言で見つめるミッチー・・・。

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暗い夜空を背景に輝く町並み・・・坂道を下っていくトラックの四角い影と赤いテールランプ・・・。

ユウガオの花が絡みつく道路脇のポール・・・。

肩を並べ・・・人通りのない坂道の歩道を、ゆっくりと上がってくる・・・マリと萩乃・・・。

「最初は・・・・あなたと二人で買い物なんて・・・冗談じゃない!・・・て、思ってたけど・・・」紙袋を両腕で抱え込んで意外そうに言うマリ。

「・・・それはお互い様よ・・・」微笑みながら言い返す萩乃。

「ん・・・何〜!?」萩乃に向かって睨むように顔を向けながら・・・小声で笑うマリと・・・萩乃・・・。

「でも・・・不思議だね〜・・・」

「何がぁ?・・・」

「こんなに・・・色々な話ができるとは・・・思わなかった・・・」かすかに紅潮した顔を上げ・・・しみじみと言うマリ・・・。

「・・・・・・・・・それも・・・お互い様!」マリの横顔をしばらく見つめてから・・・ぷいと横を向くようにして・・・思わせぶりに答える萩乃。(笑)

「もう・・・・ずるいぞ〜!」むくれるマリ。(笑)その横を逃げるように駆け出す萩乃・・・。

車道を次々と下ってくる車・・・広い歩道を・・・笑い声をあげながら駆け上がっていく・・・マリと萩乃の後ろ姿・・・。


背後の標識の上から二人を見つめる・・・BLUEのアジサシ・・・・。

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「全く・・・緊張感のカケラもない!」艦橋で、呆れたように言い放つアザナエル・・・。

「コマンダーは・・・何かを探しておられるのかも知れない・・・」モニターに映るマリと萩乃を見つめながら、考え込むようにつぶやくツバエル・・・。

「どう言うことだ?」不審そうに問いかけるアザナエル。

「私にも分からないが・・・ただ・・・・」小さく首を振ってから・・・言い淀んで目を見開くツバエル。

「ただ?・・・」

「あのフォリメに・・・会ってからだ・・・・」モニターに目を向けるツバエル。

「んん・・・??」不思議そうに視線を巡らすアザナエル。

「あんな風に・・・笑うようになられたのは・・・・」

笑顔を交わしながら走り続ける・・・モニターの中のマリと萩乃・・・。

痛ましげに・・・見つめ続けるツバエル・・・。

打たれたように・・・無言でたたずむ・・・アザナエル・・・。

広い艦橋にかすかに響く・・・マリと萩乃の・・・子供のような・・・笑い声・・・・・・。

モニターの中を・・・走り続ける・・・二人・・・・・・。

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痛みをこらえるようにゆっくりと運ばれる足・・・丸められた模造紙の入った紙袋を抱えながら、苦痛に顔をしかめるマリ・・・。
車道を走り去る車のライトに浮かび上がるのは、無言で先を歩きながら、ふと気付いて振り返る萩乃の姿・・・。

「どしたの?」不思議そうに問いかける萩乃。

「ど・・・どうもしないよ!あ〜おなか減ったねぇ〜!へへっ」街灯の下で冷や汗をかきながら、強がって笑顔を見せるマリ。

「ん・・・」向き直って、再び歩き出す萩乃・・・歯を食いしばり、右足をかばいゆっくりと後を追うマリ・・・。

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「このフォリメは・・・あの事故に関係が?」モニターに映るマリを見て、問いかけるアザナエル。

「ん・・・特殊な能力も・・・おそらくは・・・」頷いて、慎重に答えるツバエル。

「接触テレパスか・・・」考え込むアザナエル・・・街灯と街灯の暗闇に、小さく映るマリと萩乃・・・。

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同じ頃の海王学園・・・窓際の地球儀・・・ガラスに映る室内・・・。

「平成11年度在校生徒名簿」を脇に、ワープロで、マリに関するレポートを作成する祐子先生。

「現状、若竹マリの周囲に変化は見られず・・・か・・・」

画面に映るのは生徒名簿、No.1019062「川嶋朱音」、No.10196068「香月みち子」、No.1019077「千光寺萩乃」・・・住所・・・岡山県倉敷市味刺2−8−1・・・。

突然表示される「!ERROR!」と、ワープロのアラーム音。

「ん・・・?」操作を続ける祐子先生。繰り返し鳴るアラーム音・・・。

「どう言うこと??・・・ここだけにプロテクト??」

不審がる祐子先生・・・「!ERROR!」表示のままの・・・萩乃の画面・・・。

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ゆっくりと抜かれる靴・・・親指の付け根が赤く染まったマリの右足・・・。

「マメがつぶれちゃってる・・・」しゃがんだまま、マリの靴を手に痛々しげにつぶやく萩乃・・・。

「だ、大丈夫だよ!行こう!」バス亭のポールに手をかけながら、強がりを言うマリ。

「お・・・ん!」萩乃から靴を受け取り履こうとしたが、後ろによろけて右足を突き・・・・。

「痛っ!」顔をしかめるマリ・・・足元に転がる靴・・・。

ああ・・・」ため息をつき、跪いてマリの足元の靴を拾う萩乃・・・。

「どうしよう・・・・もう・・・バスも終わってるし・・・・」手にした靴を見て、考え込む萩乃・・・。

突然辺りを満たす雨音・・・。

「あぁ・・・・!」暗い空を見上げ・・・顔をしかめる萩乃・・・。

暗い夜空・・・心細い街灯の灯り・・・降り注ぐ・・・雨粒・・・。


道路脇の壊れた看板・・・「売り店舗」の張り紙・・・。


雷が鳴り、本降りとなった雨の中、薄暗い街灯に浮かび上がる、暗く、小さなドライブイン・・・。


暗い室内・・・壁に掛かったままのメニューの木札・・・テーブルの上に伏せられた椅子・・・荒れ果てた店内・・・。

かすかな外光に浮かび上がる・・・・窓際のテーブル・・・向かい合って長椅子に座る・・マリと萩乃・・・。

呆然とした様子・・・ゆっくりと・・・手にしたハンカチで、濡れた髪の毛を拭くマリ・・・。

轟く雷鳴・・・稲光に浮かぶマリの姿・・・。

「凄い雨・・・」つぶやくマリ・・・窓の外を見つめる二人・・・。

「当分止みそうにないわね・・・」静かに言う萩乃・・・濡れた窓ガラスを通して見えるぼんやりとしたマリの姿・・・。

「あっ!」

「どしたの?」

「に・・荷物!・・・え!!」慌てて周囲を探し回るマリ。

・・・さっき靴を脱いだ時ね・・・小降りになったら取りに行ってみましょう・・・だいじょぶよ・・・」

涙目になったマリを見て慰める萩乃・・・。

「でも・・・ボール紙と模造紙・・・」泣きべそをかきながらつぶやくマリ。バス亭の路上で雨に打たれる紙袋と模造紙・・・。

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「大丈夫かなぁ・・・」青海寮の読書室で、雷鳴を聞いて脚本を執筆する手を止め、外を見ながら二人を案じるミッチー・・・。

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「よく降るわねぇ・・・・」暗い店内・・・外を見ながらつぶやく萩乃・・・長椅子の上で膝を抱えてうつむいたままのマリ・・・。

「足・・・・まだ痛む?・・・・」優しく問いかける萩乃・・・無言のマリ・・・。

「気にしなくて良いのよ。荷物だったらまた買えば良いんだから・・・」

「馬鹿みたいだアタシ・・・調子に乗って・・・こんな・・・」膝小僧に顔を埋め・・・身を縮めて、すすり泣くようにつぶやくマリ・・・。

暗い夜空・・・心細い街灯の光・・・殺風景な暗い店内・・・ソファの上の・・・心細げなマリの足・・・雨に打たれる・・・模造紙・・・無言で見つめる萩乃・・・。

横を向いて何かを探す萩乃・・・立ち上がる靴音・・・。

うつむいたままのマリ・・・その体にかけられる布・・・。

「ん・・・?」気付いて顔を上げるマリ・・・。

マリの横に座り、布で二人を包もうとする萩乃・・・。

「冷えちゃうから・・・」横からマリを覗き込むようにして囁く萩乃・・・。

・・・」泣きながら・・・再び顔を伏せるマリ・・・。


激しく降り続く雨・・・街灯の青い光・・・暗い店内・・・窓際に・・・小さく寄り添う・・・二人・・・。


稲光に浮かぶ・・・寂しそうな萩乃の表情・・・。


「私達の・・・星にはね・・・」静かに語り出す萩乃・・・うつむいたままのマリ・・・。

「地球で言う、女性しか存在しないの・・・」寂れた暗い店内・・・壁の「瀬戸内紀行」のポスター・・・。

「それでも・・・生殖は可能なんだけど・・・」カウンターの上の・・・ガラスの割れた壁掛け時計・・・。

「このままでは滅んでしまうことが・・・分かってるの・・・」青白く・・・ほのかに明るい窓・・・。

「だから・・・この星に・・・」小さく横を向き・・・視線を逸らす萩乃・・・稲光に浮かび上がる・・・表情・・・。

「う・・・?」体にかかる布を引かれ・・・横を見る萩乃・・・。

・・・」そこには・・・疲れ切った様子で・・・寝息を立てるマリが・・・。

激しい雨音・・・窓際に小さく見えるマリと萩乃・・・。


その様子を、街路灯の上から見つめるBLUEのアジサシ・・・赤く光る双眼・・・。

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     ・

「あ、あいつは!・・・自分が何を言ってるのか分かっているのか?!!」声を震わせるアザナエル。

「軍規であるアルメの内情を・・・一体どう言うつもりだ!」

街灯の傘の上・・・雨に打たれながら二人を凝視するアジサシ・・・。

「私は・・・コマンダーを信じている・・・」モニターを見つめながら、静かに語るツバエル・・・。

「オノミルも同じだった・・・」

「えっ?!・・・んん・・・」一瞬息を呑み・・・視線を逸らせるアザナエル・・・。

「お前にも・・・信じろとは言わん・・・」蘇るオノミル最期の姿・・・。

「だが・・・分かってはもらえないか・・・」アザナエルを見つめ懇願するツバエル・・・。

「コマンダーが・・・どれだけご自分を責め苛んできたのかを・・・」痛ましげに俯き、再びモニターを見つめるツバエル・・・。

んん・・・・」溜息をつき・・・モニターに視線を移すアザナエル・・・。

モニターの中のドライブインの暗い窓・・・。

肩を寄せ合い、小さく映る・・・マリと萩乃・・・・・・。

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     ・

轟く雷鳴・・・。

寝入ったまま・・・突然息を荒げる萩乃!!

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     ・

「コマンダーの脳波パターンに変化!」急変を告げるBLUE!鳴り響くアラーム!

息を呑むツバエル!

「接触テレパス??!!」叫ぶアザナエル!

     ・
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     ・

連続する雷鳴!眠ったまま苦しげに白い息を吐く萩乃・・・蘇る・・・悪夢・・・。



闇夜に浮かぶ、周囲を火に包まれた神隠島の遠景・・・夜空を横切る光。

上空からの光線に包まれて白く輝くBLUE!

「エミルフォースドライブの内圧上昇!制御が効きません!」急を告げるツバエルの声!響き続けるアラーム音!

「コマンダー応答して下さい!コマンダー!・・・」

双胴機で神隠島上空を飛ぶエカリル・・・。

「こんな!・・・こんなこと!!」眼下に広がる荒涼とした島!散乱する死体!!悲痛な叫びを上げるエカリル!

「こんな!!」死体の握る刃物・・・切断された人体・・・動揺するエカリル・・・。

「コマンダー!コマンダー!応答して下さいコマンダー!!」繰り返すツバエル。

双胴機のモニターに映る、生命反応を示す赤い光点・・・。

「ハッ!!」モニターに見入るエカリル!

「このままでは・・・機関がもちません!」切迫したツバエルの叫び!

エカリルの瞳に映る・・・モニター上の光点・・・。

息を呑む・・・エカリル・・・・。

轟音をあげて・・・飛び去る双胴機・・・・。


轟く雷鳴!!

稲光に浮かび上がるマリと萩乃・・・身を寄せ合い・・・寝入ったまま白い息を吐き、苦しげな二人・・・。


天空からBLUEに降り注ぐ光!

「コマンダー!ブリッジからはコントロール不能!オノミルが、オノミルが機関室に!!」

暗い神隠島上空を、何度も横切る光の波・・・。

「オノミル!そこは危険だ!退避しろ!」

風防が開き、無人となった双胴機・・・。

「オノミル!!」絶叫するツバエル・・・。

海中に飛び込み・・・深みを目指すエカリル・・・。

あっ!」沈んでいく人影をみとめ、歯を食いしばって腕をかくエカリル・・・。

暗い水底に向かって沈んでいく・・・幼い少女・・・次第に近づくエカリル・・・。

開かれる少女の目・・・ほのかに明るい海面を背景に、近づいてくる長い髪の人影・・・。

ゆっくりと伸ばされる少女の両腕・・・見つめるエカリル・・・差し伸べる白い手・・・。

沈んでいく二人・・・触れ合って・・・握りしめられる・・・二人の・・・手と手・・・。

次第に明るさを増す海面・・・不思議そうに見つめる少女・・・涙を流すエカリル・・・・。

急激に白熱する海面!まばゆい光に包まれていくマリと・・・エカリル・・・。

爆発と同時に、火球に包まれるBLUE!

爆風と光線に包まれ・・・消えて行く・・・神隠島・・・。

     ・
     ・
     ・

「ハッ!」

意識を取り戻し、両目を見開くマリ!

轟く雷鳴・・・・。

暗い室内・・・目覚めた二人・・・降り続ける雷雨・・・。

「あなたが・・・」萩乃に目を向け・・・囁くマリ・・・。

「・・・・」無言で・・・顔を背ける萩乃・・・。

「あなたが・・・私を・・・助けてくれたのね?!」萩乃の顔を覗き込みながら問いかけるマリ。

「・・・・・そうなんでしょ?・・・・」

「・・・・・・・・ん・・・・・・・・・」かすかに頷く萩乃・・・。

・・・・・・・・・・・!!」声にならない声を上げ、被っていた布をはらって、泣きながら萩乃にしがみつくマリ・・・。

「あ・・・・・・」戸惑う萩乃・・・。

「ありがとう!・・・ありがとう!・・・・萩乃〜!」泣きじゃくるマリ・・・・。

呆然としたまま・・・ゆっくりと・・・マリの背にまわされる・・・萩乃の手・・・。

泣き続けるマリ・・・無表情のまま・・・溜息をつく・・・萩乃・・・。

轟く雷鳴・・・・。

稲光に浮かぶ・・・抱き合ったままのマリと萩乃・・・。

     ・
     ・
     ・

画像が切れたBLUEのモニター・・・・。

俯く・・・ツバエル・・・。

呆然と見つめる・・・アザナエル・・・。

「あのフォリメを・・・助けた・・・・」

「オノミルを・・・・・見殺しにして・・・・」

揺れる瞳・・・信じられない面持ちで・・・苦渋に満ちた言葉をつぶやく・・・アザナエル・・・・・・。

     ・
     ・
     ・

轟く雷鳴・・・・・。

暗いままの窓・・・・闇に沈む・・・・・・ドライブイン・・・・・・。

     ・
     ・
     ・
     ・
     ・
   (続く)


では・・・最初から見所を・・・。

まずは・・・3羽の雀ですが・・・可愛いですね。(笑)

そして、ミッチーの自室に散乱する大量の資料に驚かされます。一冊一冊内容を吟味して描いているのか???まさかね・・・。(笑)多分、大倉監督の思い入れの強さがあの大量の本に現れているんでしょうね。

「Lagenaria siceraria」   「夜の・・・思い出・・・」

え〜と・・・ユウガオだったかな?花言葉もどこかにあったかと思います。それなりに意味深ですね。
BLUE DROPは夜の物語だと思います。濃密で、暗く、切ないお話です。マリと萩乃の過した一夜の、余りにも濃密な、切ない「思い出」です・・・。

浮かび上がる鮮やかなイメージ

この場面の挿絵?は「りちゅうぞんび」さんの作品で、ぞんびさんのHPでは日記がもう見られなくなっていてはっきりしませんが、2007年の3月か4月頃?にアニメプロダクションと打ち合わせが行われたと書かれていたと記憶しています。今回改めて見てみたら、最初は殺風景だった背景が、ジャンヌと少女の中が良くなるにつれて一輪の薔薇の蕾が咲き、さらには花園になっていくという事が分かってちょっと驚きました。中々見物なのですよ!

そして・・・ジャンヌと萩乃を象徴する薔薇がここに・・・・。

少女をジャンヌと思い込んだ人々と接し、傍らのジャンヌの話を聞くうちに、少女は、ジャンヌの孤独な胸の内を理解していきます。

それまでジャンヌは、自分の心の中を人にさらけ出す事も出来ずにいて、辛い事も、苦しい事も、悲しいことも、全て自分ひとりで抱え込んでいたんです。


屈託のない少女に接する内に、ジャンヌは徐々に心を開いていきます。

全てに絶望し、諦めていたジャンヌは、いつしか、自分の命に代えてでも大切にしたいものを再び見つけます。

誰でも希望を持つことが出来る・・・諦めずに信じ続けることが・・・きっと何かを変えていく・・・。

未来を恐れず、希望を捨てない事によって・・・・・



この部分は特に言うことはないかな。このBLUE DROPという物語の全てがここに・・・。


目を見開き、信じられぬ面持ちのミッチー・・・・。

影の主役ミッチーにとっての晴天の霹靂のような場面ですね。良家の子女達の間で、ひたすら目立たなかったミッチーが、初めて存在を認められたのです。良かった良かった。(笑)

「・・・怖く・・・ないの・・・?」「・・・私達の・・・・・・」

マリと萩乃の電車の場面ですね。マリの記憶が戻って来つつある・・・。その事実におののく萩乃の描写が凄いですね。そして、怖くないの?と聞く萩乃・・・。自分が侵略者であり、加害者であるという自責の念に苛まれている萩乃の、正直な気持ちが表れています。だからこそ・・・距離を置かなくてはならない・・・・そんな気配もあって切ないのですね・・・。

「・・・あなたのことも・・・昔から・・・知っているような・・・気がしてたんだ・・・・」

対してマリは・・・運命的なものを感じながらもその正体が分からず、ひたすら萩乃に思いを寄せる様子が・・・痛々しい・・・。それが、萩乃にとっては両刃の剣になっているとも知らず・・・。

頭に白いベール・・・両手に真っ赤な薔薇のブーケを抱き、うつむき加減で瞳を閉じ・・・花嫁を演じるマリ・・・・・・一呼吸おいて萩乃に向けられる・・・・花のような・・・マリの笑顔・・・・。

何も言うことはありません・・・。萩乃にとっての大切な情景です。しっかりと脳裏に刻みましょう・・・。このような何気ない光景の積み重ねが、全話を見終わったときに生きてくるのですが、そこまで考えて作られていることに驚かされます。


吐息をつきながら頷き・・・マリから夕日にを視線を逸らしてながら・・・ゆっくりと・・・囁くように答える・・・萩乃・・・・。ああ・・・・・・」声を失い・・・萩乃の横顔を・・・見つめる・・・マリ・・・・。

う〜ん・・・美しい・・・・。

この観覧車の場面も電車の場面も、顔の表情を見せなかったり視線をそらせたままの描写が多いのですが・・・それぞれの場面で二人が何を考えているのか?本音は何か??そんな事を思いながら見つめる時間が・・・至福です・・・。見る者の想像力を刺激し、二人の心に寄り添う様に・・・そんな風に考えて作られているのでしょうか?凄いです・・・。

「こんなに・・・色々な話ができるとは・・・思わなかった・・・」「・・・・・・・・・それも・・・お互い様!」

お互いに、初めて本音を言い合った場面ですね。ずっと・・・ずっと・・・話したかった・・・。そんな気持ちがにじみ出しています。


「コマンダーは・・・何かを探しておられるのかも知れない・・・」「あのフォリメに・・・会ってからだ・・・・」「あんな風に・・・笑うようになられたのは・・・・」

エカリルをずっと見つめ続けてきたツバエルだからこそ言える言葉です。もちろん、その答えも知っているはず・・・でも言えないですよね・・・それほどに・・・アルメの美学は・・・重いんです・・・。


モニターの中を・・・走り続ける・・・二人・・・・・・。

第4話の最後と同じです。二人だけで走る場面は、とても切なく・・・美しい・・・無垢なる魂の触れ合い・・・。そして・・・この光景は・・・はかないもの・・・。


激しく降り続く雨・・・街灯の青い光・・・暗い店内・・・窓際に・・・小さく寄り添う・・・二人・・・。

運命的な二人の存在を象徴するような光景です・・・。


「私は・・・コマンダーを信じている・・・」「コマンダーが・・・どれだけご自分を責め苛んできたのかを・・・」

ここも切ないね・・・。エカリルの苦しみを知りぬいているツバエルです・・・愛すべき上官を懸命に支えようという部下の姿が麗しい・・・。

「コマンダーの脳波パターンに変化!」急変を告げるBLUE!鳴り響くアラーム!

何気なく書かれていますが・・・もの凄く高度な科学技術ですよね!「事故の真相」にもつながる大事な要素です・・・。

天空からBLUEに降り注ぐ光!

ここに全ての真相が!

次第に明るさを増す海面・・・不思議そうに見つめる少女・・・涙を流すエカリル・・・・。急激に白熱する海面!まばゆい光に包まれていくマリと・・・エカリル・・・。

美しい場面です。海中で涙が見えるのか?とか、何故息が続く?なんて考えてはいけません!!(笑)

この場面には、マリと萩乃の二人だけが生き残り、二人の間だけで成立する接触テレパスの秘密が描かれているのですね。まさしく・・・運命の刻印のようなものです・・・。母なる海の深みが二人を救い、そして過酷な運命を背負わせた場面です。

泣き続けるマリ・・・無表情のまま・・・溜息をつく・・・萩乃・・・。

全てが分かったと思い歓喜に震えるマリ。そして対照的な萩乃・・・。萩乃にとっては、地獄の釜の蓋が開いたに等しい事態です。自分の罪を告白し許しを請わなければ・・・ただただ・・・針のムシロの日々が始まる・・・。

「オノミルを・・・・・見殺しにして・・・・」

良く見ると分かる、ツバエルがオノミルの名を叫んだ時、エカリルはすでに乗機を離れていたと思うが、フォリメの命など何とも思っていなかったアザナエルには通じない・・・。怨念のこもったようなつぶやきが悲しい・・・。この場面をもって物語は、暗い水底に向かって転がり出す・・・。


う〜ん・・・何度見ても・・・凄まじいばかりのドラマに満ちた第9話です。

特に、マリと萩乃の交流場面では、一瞬も目が離せません!!切なく震える二人の心が手に取るように分かって感動的です!

こんな物語に出会えて良かった・・・。

2009.05.14 Thursday

〜BLUE DROP 誕生秘話〜 更新

ちょっと遅いですが、公式HPの「〜BLUE DROP 誕生秘話〜」が更新され「その11」が掲載されています。いよいよアニメ制作の内情が語られます・・・。

 >尾道に到着した我々は、まず尾道ラーメンを頂きました。
  美味いです、尾道ラーメン。
  セットで鳥の唐揚げが付くのが素晴らしい。

 そうですか・・・私も食べた〜い!(笑)

2009.01.21 Wednesday

「BLUE DROP」公式HPの秘密

「リリイ伯爵のチェキラ☆」さんを時々覗いて・・・笑っています。(笑)中々ユニークな「絵」ですし、アニメ「BLUE DROP」を世に広めようという意気込みが感じられて「同志!」と言いたくなる程ですね。

先日の書き込みでは意外な話が。「BLUE DROP」公式HPに隠しページ(クロニクル冒頭の薄字の部分の(仮)から入る)があると言うのですね。実際にやってみたらなるほど・・・と感心しました。内容はご自分で確認してみて下さいね。2chからの情報らしいですけれど、世の中にはいるんですね・・・見つける人が。(汗)

ところで、取り上げられている公式HPの文言を読んでいてちょっと気になったことが。

  異星人本星での男子出生率の異常低下
       ナノマシンとの共生へ
    『BLUE DROP 〜天使の始まり〜(仮)』
       女性だけの人類となる
       エミルフォースドライブの開発
       地球を発見、侵攻計画発動

という部分ですが、冒頭の「異星人本星での男子出生率の異常低下」という部分に関係して、少し前の朝日新聞の記事を思い出したのです。大まかな内容は・・・どうだったかな?(笑)

確か・・・・現代人は一夫一婦制のために生存競争が無くなり、男性を形づくる「Y染色体」が弱まって男が減りつつある。やがて人類は「滅亡」に向かっていく。と言うような話だったと思う。Wikipediaを見ると「ヒトY染色体は遅くとも500万年後には消滅するのではないかとみられている。」なんて書かれているし。本当かどうかは別にして、我々人類にも危機が迫っているのですね・・・多分。(汗)

アニメ「BLUE DROP」では「膜状多元宇宙」なんて宇宙観が出てきたりして、科学的な考証も以外とされているようなのですが、「アルメの悲劇」も荒唐無稽ではないのですね。この辺も大倉監督のこだわりの一部でしょうか?感心します。ついでに書いておくと、隠しページにあった「M理論」なんてのも何やら怪しくて凄いぞ!(笑)

隠しページなんてのは偶然見つけた人向けの「ご褒美」だと思うけど、あると知ったら他にもあるかな?と思って探してしまう。もう1個位あると嬉しいんだけど・・とりあえず・・・無いな〜。(笑)

さて「人類滅亡の危機」ですが・・・とりあえずは関係ないし、一夫一婦制を止めて競争を促進するのも恐ろしいし(笑)、座して待つしかないですね・・・。もっとも・・・その前に資源や環境問題で滅びちゃうと思うけど・・・。(汗)抱擁

2008.12.21 Sunday

サウンドトラックから見る! アニメ「BLUE DROP」の世界 その18

さて、アニメ「BLUE DROP」のDVD第6巻初回限定版におまけとして付いているサウンドトラックCDからの曲を取り上げてきたこのシリーズですが、今回で18回を迎えました。全39曲の中から今回は第38曲です。最後の第39曲はアニメの中では使われませんでしたから、実質的には最後の曲となります。


38、 Dolce(穏やかに) 作曲 Clara 3:09
第12話の中程、学園祭を明日に控えて、学園の屋上で語らうマリたちの幸福な一時・・・。しみじみと語るマリ、その場に居ることの幸せを語る船津丸、感動する仲間達・・・。忍び寄る破局を前にした・・・少女たちの最後の憩いの時間・・・。

全曲39曲の中で、最も明るく安らかな・・・優しく・・・切ない曲・・・・。



第12話。

「みんな・・・カッコイイね〜!」周囲の仲間たちを見回して言うマリ。「ああ・・・そっか・・・若竹は現代の女子高生役だから、衣装無いんだっけ」意外そうな朱音。「あたしと代わるかい?」すかさず横からしゃしゃり出る船津丸。「んな訳ないだろ〜!」にらみ付ける朱音。「あ、やっぱしぃ〜」おどける船津丸、つられて笑い出す仲間たち。(笑)


「うん・・・・衣装もだけど・・・大勢で力を合わせて・・・一つの事をやろうとしてるって言うのがね・・・」優しい表情で、しみじみと語るマリ・・・。

「何人事みたいに言ってんだよ〜、お前は主役だろ〜?」横目で見ながら、呆れたように言う朱音。

「うん・・・そうなんだけど・・さ・・・・」伏し目がちで、口ごもるマリ・・・。

「マリさん・・・」横からマリを見つめながら、つぶやくミッチー・・・。

「あたしはさァ〜、何となく・・・分かる気がするな〜・・・」肯きながら立ち上がる船津丸。

「うん・・・?」聴き入る親衛隊と朱音・・・。

「きっと、この芝居だけの話って事じゃないと思うんだ〜・・・」手すりに身を持たせながら語る船津丸。

「ん?」眉をひそめる朱音。

「あたしはさ〜、来年卒業だから、次の学園祭の時にはもうここにいないんだよね〜」学園祭の準備が進む広場、見下ろす船津丸・・・。

「ふ・・・・あんたらだってそうだろ?!!」仲間たちに向き直って問いかける船津丸・・・。

「今年の学園祭は一度だけ・・・・。学園祭でなくっても一日は一回ずつしかなくってさ〜。あたしらはみんな、その一日の主役なんだよ〜」頷く親衛隊、考え込む朱音・・・ミッチー・・・マリ・・・。

「香月の作った話はさあ〜、すっごく良い話だと思うんだ〜!」熱っぽく語る船津丸、目を見張るミッチー・・・。

「その芝居に参加できて・・・あたしゃ嬉しくってさァ〜・・・。だからさァ〜・・・みんなで力を合わせて、とびっきりの一日に!!・・・しちまおうじゃないかァ〜!!」立ったまま両手を握りしめ、仲間たちの顔を見回して力説する船津丸・・・。

「寮長さん・・・」感動して目を潤ませるミッチー・・・。

「そうですね!」「頑張ります!」「やるわよ〜!」手をあわせて応える親衛隊・・・。

「・・たく・・・」頬を染めて、思わず照れる朱音。(笑)

「あ、あれ?そう言えば萩乃は?」ふと気付いて、見回す朱音。

「萩乃様なら・・・菅原先生に呼ばれて・・・」「うん、うん」思い出して答える親衛隊。

「いっけない〜!!私も・・・講堂の使用届け出さなくっちゃ!お先します!」慌てて立ちがり駆けだして行くミッチー。

「午後からまた練習な〜!」ミッチーの後ろ姿に声をかける船津丸。

「あ!はい!」振り返って返事をし、ドアの向こうに消えるミッチー・・・見送る船津丸・・・その傍らに寄る朱音・・・。

「あのさ・・・」後ろから声をかける朱音・・・。

「んぁ?」振り返る船津丸。

「さっきの良い〜話なんだけどさァ・・・」思わせぶりな朱音・・・。

「なんだい?」不思議そうな船津丸。

「卒業・・・大丈夫なんだろうな?・・・」鋭い目つきで問いかける朱音!(笑)

「げっほ!!げっほ!!」思わず咳き込む船津丸。笑い出す仲間たち。(爆)

共に声を上げて笑いながら・・・ふと真顔になり・・・考え込む・・・マリ・・・。

学園の上に広がる青い空・・・響き渡る・・・少女たちの歓声・・・・。



さて「Dolce」ですが今までは「甘美な生活」なんて書いていたのですが、改めて辞書を見るとちょっと違うかな?(笑)甘美な、 柔らかな、快い、甘い、優しい、愛しい、愛する、穏やかな、お菓子やデザート、甘味・・・・色々ありますね。「甘美な生活」は「Dolce vita」みたい。名詞と考えれば「デザート」でも良いでしょうが、音楽の曲名としてはどうかな?ここは一つ「穏やかに」とでもしておきましょう。

使われている場面は1カ所ですし、曲名からも特に深い意味があるとは思えません。ただ一つ言えるのは、この曲の曲想の、他の曲との違いですね。今まで取り上げた曲のほとんどは、どこかもの悲しい雰囲気に満ちた曲が多かったですね。萩乃の心模様を表すかのような曲調で・・・多分・・・短調の曲が多かったのかな?この曲は・・・多分長調なのではないかと思います。どこでそれを見分けるのか?クラシックみたいに曲名に書いてないので分かりませんね〜。(笑)キーボードで拾えば良いのでしょうが面倒くさいからパス!(笑)

波乱に満ちた日々を過ごし、それぞれを思いやり、心を通わせたマリと萩乃、そして仲間たち。学園祭の舞台を明日に控えた彼女たちにとって、来し方を振り返る一時です。険しさの消えたマリの眼差しが印象的です・・・。

そんな意味からも、この曲は「お疲れ様」の音楽だと思いますね。色々あったけど「お疲れ様」、今まで本当に・・・「ありがとう」・・・ミッチーの涙そのものです・・・。

仲間たちの会話のきっかけを作ったのはマリの一言。第1話の孤独なマリ、第2話のクラスメートを寄せ付けないマリ・・・。あのマリがこんな言葉を口にする・・・。マリの変貌を見つめ続けてきたミッチーの、驚きと喜びを表しているとも思えます・・・。

と言う事で、簡単ですが終わりにしましょう・・・。

このシリーズとしても一応終わります。気まぐれですから、思い付いた事があったらまた続けるかも知れません・・・。(笑)

それでは・・・皆さま・・・「お疲れ様」でした・・・。ラブ

2008.12.13 Saturday

サウンドトラックから見る! アニメ「BLUE DROP」の世界 その17

さて、いよいよです・・・。

まずはじめにお断りを。実はこの曲の題名は、以前は「深紅色」と書いておいたのですが、あれこれ考えて「紅」とさせていただきます。

「紅」と書いて「くれない」と読んで下さいね。


35、 Crimson(紅) 作曲 Clara 1:11
第9話最後の場面。接触テレパスによる「事故」の再現場面の曲。海中での、マリと萩乃の出会いを・・・切なく・・・美しく・・・感動的に・・・。

そして・・・13話・・・マリと萩乃の別れの場面。「あなたはまだ・・・そこにいるんでしょう!?私の声が聞こえているんでしょう?!」。萩乃の青い瞳に・・・溢れる涙・・・これほど悲しく・・・これほど美しい情景を・・・私は知らない・・・。全編のクライマックス!!


第9話。

劇の材料を買い出しに出かけたマリと萩乃。二人きりの時間を持つため寮まで歩いて帰ろうとしたが、マリは脚を痛め、折悪しく降り始める雷雨・・・。空き店舗に入り込んだ二人は身を寄せ合って寝入る・・・。アジサシの目を通して、その様子を見つめるツバエルとアザナエル・・・。突然、萩乃の脳波の異常を伝えるBLUE・・・。接触テレパスによって再現される5年前の「事故」の光景・・・。機関の異常を訴えるツバエルの声・・・島の惨状に言葉を失い、モニター上に示された生命反応地点に向かって飛び去る萩乃・・・。

萩乃の肩に頭をもたせかけたマリ・・・その頭に頬を寄せる萩乃・・・。寄り添い合ったまま、うなされる様に息を荒げる二人・・・。轟く雷鳴・・・明滅する窓・・・。


「コマンダー!ブリッジからはコントロール不能!」天空からBLUEに向かって照射される光線。

「オノミルが・・・オノミルが機関室に!」炎上する集落の赤・・・海上に黒く浮かび上がる神隠島・・・上空を幾度も横切る波状の光・・・。

「オノミル!そこは危険だ待避しろ!オノミル!!」海上に浮かび空席となった双胴機・・・空しく響くツバエルの絶叫・・・一人海中に身を躍らせる萩乃・・・。

海底を目指して潜る萩乃・・・・。

「はっ!」沈んでいく・・・小さな人影・・・気付く萩乃・・・。

目を閉じ・・・眠るような姿の少女・・・。

ゆっくりと・・・瞳を開ける少女・・・視線の先に姿を見せる・・・長い髪の萩乃・・・。

ゆっくりと差し出される・・・少女の両手・・・。

その手に向かってさしのべられる・・・萩乃の両手・・・。

届いた手と手・・・握りしめる・・・二人・・・。

明るさを増す海面・・・不思議そうに見上げる少女の瞳・・・その様子を・・・涙を流しながら見つめる萩乃・・・。

輝きを増す海面・・・光りに包まれる二人・・・。

閃光に包まれ・・・爆発するBLUE・・・白熱した衝撃波に飲み込まれる・・・神隠島・・・。


雷鳴と共に覚醒するマリと萩乃。萩乃が自分を助けてくれた事を知り泣きじゃくるマリ。暗い表情のまま吐息を漏らす萩乃・・・。BLUE艦橋では、見殺しにされたオノミルを思い、絶句するアザナエルの姿・・・。


第13話。

遂に始まったアルメの侵攻。劇の舞台からBLUEに戻った萩乃は、ツバエルとともに出撃するが、追いすがるマリの声が・・・。

「転身・・・完了・・」艦橋に響くBLUEの声・・・。

「BLUE・・・」次の指示を出そうとする萩乃・・・。

「あなたはまだ、そこにいるんでしょう?」モニターに映るマリの姿、アジサシを通じて聞こえるマリの声・・・。

「わたしの声が聞こえているんでしょう?」アジサシに導かれて、走りながら叫ぶマリ・・・萩乃の青い瞳に・・・溢れ出す涙・・・。

「発進・・・・」目を伏せながら・・・絞り出すように告げる萩乃・・・速度を上げるBLUE・・・。

「ねえジャンヌ!何とか言ってよ!!」加速するBLUEを横目に・・・泣きながら、懸命に駆け続けるマリ・・・。

「ジャンヌ!!私には見えているのだ!」その声を聞き・・・歯を食いしばり耐える萩乃・・・。

「両舷全速!」懸命に顔を上げ、指示する萩乃・・・。

「目標・・・ノヴァール!!」流れる涙をそのままに・・・正面を見据え、最後の指示を出す萩乃・・・。

「目標・・・ノヴァール・・・・・・了解!」泣きながら、萩乃の顔を見て復唱した後・・・耐えきれずにうつむくツバエル・・・。

「あなたの全てやその微笑みが・・・」艦橋に流れるマリの声・・・。

「マリさん・・・・」流れる涙・・・肩を振るわせ、小さく首を振りながら・・・うつむく萩乃・・。

加速する・・・BLUE・・・・次第に離されながらも・・・苦しい息のまま懸命に駆け続けるマリ・・・。

「ジャンヌ〜〜〜〜!!!!返事をして〜〜〜!!!」

木霊するマリの叫び・・・・浮上するBLUE・・・。

轟音を残し・・・鳥たちと共に飛び去るBLUE・・・。

萩乃・・・・・・・」

火の粉が舞う中、堤防の突端に立ち尽くし・・・泣きはらした目で、離れ行くBLUEをみつめ・・・囁く・・・マリ・・・。


  ・
  ・
  ・
  ・
 
  ・


ああ・・・何と切なく・・・美しい場面・・・。




さて、この曲は2つの場面でしか使われていません。9話は「出会い」を、13話は「別れ」の情景です。「出会い」と「別れ」はこのアニメの主要なテーマです。第2話で取り上げられる「菊花の約」でも、「大切な約束」を果たすために命を捨てたのに、再会と同時に永遠の別れを告げる事となる「切なさ」が描かれていました。どんなに相手を思っていても・・・別れは「必ず」やってくる・・・それが、人の世の「定め」・・・「運命」・・・「宿命」・・・ですね・・・。

そうです、この曲は・・・切ない「宿命」の音楽なのです。

それがはっきりと示されているのは・・・「曲名」ですね。

「Crimson」・・・と言えば・・・・真っ先に私の頭に浮かぶのは「キング・クリムゾン」です。昔良く聞いたロックバンドですが、今回は・・・関係ないと思います。(笑)辞書で引いてみると、「深紅色」などの色に関する項目ばかりです。

実は、ここでかなりの時間行き詰まっていました。(笑)

気がついたのは「紅(くれない)」と読みを変えた後の事です。「源氏物語千年紀」の新聞記事の中の丸谷才一氏の書いた文にヒントが!!

『「万葉集」の「紅(くれなゐ)は移ろふものそ」は「紅は褪(あ)せるきまり」なのである。それゆえ「もののあはれ」は、男と女はどんなに愛しあっていてもいつかは生別、死別いずれかによって別れねばならぬ、春はかならず夏になり秋になり冬になるという「この世のさだめのせいでの哀愁」を言うことになる。そして「ものがたり」とはそのさだめを語る文学形式であった』

丸谷氏の文は、「源氏物語」のキーワードである「もののあわれ」という言い方に対する「もの」と「あわれ」の関係を説明していて、直接的に「紅」=生別、死別の「定め」、とは言っていないが、「紅は移ろうもの(定め)・・・だから・・・哀れなりとは言っていると思う。

「紅」は「紅花(ベニバナ)」のことであり、赤い染料として古代より使われてきました。それで染められた衣服は・・・洗うことによって色が褪せやすい・・・。転じて美しいものの「はかなさ」を匂わせる場合にも使われるようになったようです。

万葉集に納められた4500首にも及ぶ和歌のなかに「紅」が詠われているのは27首程あるそうですが、そのうちの一首を丸谷氏は取り上げています。

「 紅(くれなゐ)は  移ろふものそ  橡(つるはみ)の  馴(な)れにし衣(きぬ)に  なほ及(し)かめやも」    大伴家持 (万葉集18巻 第4109首)

同じ役人の知人が、若い女を二人目の妻にしようとするのをいさめる歌だそうですが、若さ(美しさ)もいずれ移ろっていくもの、クヌギのドングリで染めた服の方が持ちがよいように、古女房も良いものだぞ・・・と言っているのですね。

う〜ん・・・あまり切ないお話じゃないけどな・・・。(笑)

(別件ですが、この万葉集18巻の第4094首は同じ大伴家持の作で、「海行かば 水漬く屍・・・・」で有名な、「あの歌曲」の元になったものです。ちなみに、今回お世話になったのはこの本。
私の万葉集〈5〉 (講談社現代新書)
私の万葉集〈5〉 (講談社現代新書)
大岡信  (1998年1月刊)
とても分かり易く、興味深いお話が一杯書かれています。)

「紅」の色の「移ろい」を「定め」とし、そこから「出会い」と「別れ」の「定め」、「宿命」につながる・・・。

ひょっとしたら「Crimson」でも何かあるのかも知れないが・・・私的には今のところこんな風にしか考えられません。ひょっとしたら「妄想」のたぐいかも・・・。(笑)

マリと萩乃の「出会い」と「別れ」を美しく・・・切なく描きだすこの曲ですが、正直なところ「抱擁」とでもした方が良いかな?とも思います。出会いの抱擁、そして別れの抱擁ですね。もちろん、別れの場面の萩乃はマリに触れることは出来ませんが・・・萩乃の心は・・・全身全霊をもって・・・マリを抱きしめていたと思います・・・・。

この曲は・・そんな曲・・・です・・・。ラブ

2008.11.25 Tuesday

サウンドトラックから見る! アニメ「BLUE DROP」の世界 その16

サウンドトラックCDの曲について書いてきましたが・・・ああ、ついにここまで来てしまった・・・。


34、 Romarin(ローズマリー) 作曲 三柴 理・Clara 2:30
第9話冒頭。ミッチーが教室で「オルレアンの少女」の構想を語る場面の曲。「Romarin」はフランス語かな?オルガンによる沈痛なオープニング、それに続くピアノの、美しく・・・孤独で・・・華麗な調べ・・・この物語の核心を語るミッチー・・・音楽もまた・・・。

第11話の最後、最終13話、学園祭での劇の上演場面とそれに続くツバエルの奮戦、そして萩乃の・・・最期の微笑み・・・全ては・・・美しい戯曲の情景・・・。



第9話。

2年櫻花の教室。「学園祭の企画」のためのHR・・・。

椅子に座り、劇の粗筋を話し出したミッチー・・・。その周りに立ち、あるいは自分の机で・・・無言で聞き入る・・・仲間たち・・・。

「ごく普通の少女が・・・炎で焼かれる夢から覚めて・・・。気がつくと、暗い檻の中にいて・・・。そこはかつて人々から・・・聖なる少女とあがめられたものの・・・今では異端の烙印を押され・・・囚人となった、ジャンヌ・ダルクが捕らえられている・・・中世の牢獄だったんです・・・」祈る様に、両手を握りしめながら語るミッチー・・・。

椅子の背においた両手に顔を乗せるように座り、ミッチーを見つめるマリ・・・。頬杖をついて聞き入る朱音・・・。腕組みして、黒板によりかかるようにして立つ祐子先生・・・。

「ふいに眼前に現れた少女を・・・牢内のジャンヌは・・・悪魔の使いと罵ります。いきなり悪魔呼ばわりされた少女は・・・反発して・・・狭い牢の中で、少女とジャンヌは険悪な雰囲気になってしまいます・・・」

「すでにジャンヌの処刑を明朝に控えた牢獄に、様々な人々が訪れます。親切な牢番のお上。ジャンヌを熱狂的に支持していた見習い修道女。ジャンヌとともに戦った騎士・・・」

「少女は・・・訪れた人たちに、必死で助けを求めます。けれど、人々の目には、少女の姿がジャンヌとして映っているのです。少女の目には見えている、牢内の本当のジャンヌの姿や声は、訪れた人々には分からないんです・・・」

「少女をジャンヌと思い込んだ人々と接し、傍らのジャンヌの話を聞く内に・・・少女は、ジャンヌの孤独な胸の内を理解していきます・・・」

「それまでジャンヌは、自分の心の中を人にさらけ出すことが出来ずにいて・・・辛いことも苦しいことも、悲しいことも、全て自分一人で抱え込んでいたんです・・・」

「屈託のない少女に接する内に・・・ジャンヌは、徐々に心を開いていきます。全てに絶望し、諦めていたジャンヌは、いつしか、自分の命に代えてでも大切にしたいものを・・・再び見つけます」

「だれでも希望を持つことが出来る。諦めずに信じ続けることが・・・きっと何かを変えていく・・・」

「未来を恐れず・・・希望を捨てないことによって・・・」

揺れる瞳・・・感極まって両手を合わせ、祈るように・・・語る・・・ミッチー・・・。

えとっ・・・・そんなお話を・・・書ければいいなって・・・」仲間たちの視線、静まりかえった教室に気付くミッチー・・・。

「思ってるんですけど・・・」口ごもるミッチー・・・。


「あ・・・あの・・・ダメだったらまた、別のお話を考えますから・・・」自信なさそうに、うろたえるミッチー。「そんなこと無い〜!すっごく良かったよ〜ミッチー〜!!」叫ぶとともに立ち上がり、涙目のまま、ミッチーの手を握って振るマリ。賞賛の声を上げる仲間たち。目を見開いたままで、信じられない思いのミッチー・・・。



第11話。

学園祭を2日後に控えた夜の講堂。メガボマーを迎え撃つ萩乃をプールサイドで見送ったマリは、舞台上で萩乃への思いを切々と・・・。


「ジャンヌ・・・あなたの抱えていた悲しみや苦悩が・・・少しだけ・・・分かった気がする・・・」独り、照明を浴びて舞台中央に立ち、悲しげな表情で語り出すマリ・・・。

暗い海上・・・轟音とともに浮上するBLUE・・・。

「敵攻撃機による空襲・・・」艦橋に響くBLUEの声・・・。

「メガボマーは?」問い返す戦闘服姿の萩乃・・・。

「フルバースト射程まで、あと50ビコット・・・」BLUEの応答・・・。

「迎撃しますか?」緊迫したツバエルの問いかけ・・・艦体を揺すぶる爆発音・・・。

「その余裕は無いわ・・・。シールド展開・・・対空機銃フルオート・・・3番砲塔照準準備!」指示を出す萩乃。

「了解!」応えるツバエル。

BLUEの周囲を取り巻く弾幕。飛び交う閃光・・・轟く爆発音・・・立ち上がる水柱・・・。

「今の私には・・・もうあなたの姿が見えない・・・」

椅子に貼られた「千光寺」の名前・・・語りかけるマリ・・・聞き入る仲間たち・・・。

「あなたの声も聞こえなくなってしまった・・・」

「でも・・・でもジャンヌ・・・あなたはまだ・・・そこにいるんでしょう?」

暗闇の中で肯くミッチー・・・。

「私の声が・・・聞こえているんでしょう?・・・」

マリちゃん・・・」打たれる祐子先生・・・。

「だからねぇ・・・ジャンヌ!」椅子に向かって振り向くマリ。

「もう一度・・・会うことが出来たら・・・」うつむいて、「千光寺」と書かれた紙をを見つめるマリ・・・。

「もう一度・・・あなたに・・・ジャンヌ・・・」囁く・・・マリ・・・。

ノヴァール艦内。端末を操作して何事かを探るアザナエル。

「何故だぁ・・・何故ああもBLUEに・・・?」つぶやきながら、懸命にキーボードを打ち続けるアザナエル・・・。

「敵重爆、射程内に到達・・・」BLUEの声。直後に切れるモニター・・・。

ぬあ!・・・自動制御・・・不能!!」叫ぶツバエル。

「今度はもっと・・・きっと素直になれる!」涙を浮かべた目、握りしめた手を胸に当て、叫ぶマリ!

だからジャンヌ!もう一度わたしの前に!!」祈るように叫ぶ・・・マリ!

「目標接近・・・」

・・・・!」苦悶の表情、歯を食いしばる萩乃・・・。

「艦体、傾斜角増大、姿勢制御・・・不能・・・」

暗い夜空、傾きを増すBLUE・・・立ち上がる水柱、炸裂する閃光・・・迫るメガボマーの巨体・・・。

「目標・・・分離!!」叫ぶツバエル。

轟音とともに機体から分離し、BLUE目指して突入する弾頭!!再び途切れるモニター!!

「姿勢制御システムが!!システムが回復しません!!」絶叫するツバエル!

あ・・・あ・・・!」傾く艦体、翻弄されるツバエル・・・。

「傾斜角・・・なおも増大・・・射角不適当・・・攻撃不能・・・」無情に流れるBLUEの声・・・。

・・・!!」モニターを見つめる萩乃・・・・見開かれた瞳に映る・・・迫る・・・弾頭!!

突然、反応を示すBLUE!

「これは!!」モニターを見つめて驚愕するアザナエル!

「システム復元・・・傾斜回復・・・」

安定を取り戻す艦体!ロックされる照準!作動する3番砲塔・・・。
フルバーストで斉射される・・・ビーム砲!!
閃光に包まれる・・・弾頭・・・。

「だからジャンヌ・・・もう一度!」木霊する・・マリの・・・祈り!

BLUEを包み込み、轟音とともに沸き上がる・・・白く・・・巨大な・・・火球!!


静寂を取り戻した艦橋。息も絶え絶えの萩乃とツバエル・・・。萩乃に向かって肯くとともに、消えて行く・・・オノミルの姿・・・・。


第13話。

学園祭当日。遂に幕が上がった「オルレアンの少女」。戦火の夢を表す影絵が走り抜け、悲鳴とともに浮かび上がるのは、両手で頭を抱え耐える少女・・・。

?・・・夢?・・・」顔を上げ、戸惑う少女。

「何?・・・ここはどこ?」照明に浮かび上がった鉄格子・・・駆け寄る少女。

ねえ〜誰か!ちょっと!!」鉄格子を両手でつかんで叫ぶ少女。

「お前は・・・・・。私の牢で騒ぎ立てる・・・・・・お前は何者だ・・・?」ワラの寝床に座ってうつむいたまま、少女の背後から呻くように問いただす・・・粗末な身なりの・・・ジャンヌ・ダルク・・・。

ゆっくりと顔を上げ・・・険しい表情で少女を見つめるジャンヌ・・・同じような表情で見返す少女・・・。

「あなた・・・・・・誰なの?!」

暗い講堂の中、静かに見つめる理事長、舞山教務主任、父兄たち・・・。舞台袖で大きく頷くミッチー・・・見つめる仲間たち・・・。

同じ頃、上空で繰り広げられるアルメ機と自衛隊機の空戦!発射されるミサイル、爆発するアルメ機・・・。圧倒な数と強力なビーム砲による攻撃の前に、むなしく散っていく自衛隊機・・・。海王市の空を埋め始めた火花と黒煙・・・轟く爆発音・・。

「かつては救国の英雄とあがめられ・・・今は異端の名の下に牢につながれし、このジャンヌを知らぬとは!」白い鎧を身にまとい、旗を手に、スポットライトに浮かび上がる誇り高きジャンヌ・ダルク!

その瞬間・・・講堂を揺るがす爆発音・・・!

「あ!?・・・」息を呑むマリ・・・天井を見つめ、動揺する聴衆と仲間たち・・・。

はっ!・・・・」ふと気付いて、視線を、萩乃に向けるマリ・・・。

「!・・・・・・」そこには、息を荒げて歯を食いしばり、苦渋の表情を浮かべる萩乃の姿が・・・。

海上から海王市に突入するアルメ機!後方から追尾しながらも手の施しようながない自衛隊機。低空を進むアルメ機の前に転移し、弾幕を張りながら姿を現わすBLUE!

「上空にアルメ機多数・・・」無機的に響くBLUEの声・・・。

「分かってるわよ!」懸命にコンソールを操作するツバエル。

「何としても・・・何としてもコマンダーを!!・・・」

守るんだから!!」叫ぶツバエル!

BLUEの側舷から連続して射出され、美しい航跡を残しながら上空に広がっていく無数の攻撃機・・・。

講堂では、祐子先生が避難を呼びかけ、聴衆の混乱の中・・・劇は終わる・・・・。
   ・
   ・
   ・
マリと仲間たちに別れを告げた萩乃は、BLUEを駆ってノヴァールを目指す。最後の戦いを前にツバエルを脱出させた萩乃は、独り・・・ノヴァールに・・・突入する!

轟音とともに崩れゆくノヴァール・・・その破片を浴びながら突き進むBLUE・・・。

揺れ続けるBLUEの艦橋・・・席に座り、軍帽を取った萩乃・・・。

両手で持った脚本を見つめ・・・心静かに・・・最後の台詞を・・・朗誦する萩乃・・・。

「いかなる刃をもってしても・・・切ること能わず・・・」

「我の内なる荒野に咲ける・・・一輪の薔薇を・・・・」

脚本に描かれた薔薇・・・潤んだ・・・青い瞳で見つめる・・・萩乃・・・。

「薔薇の名は・・・ジャンヌ・・・・」ゆっくりと・・・瞳を閉じる・・・萩乃・・・。

「千光寺・・・・萩乃・・・・・」かすかに微笑みながら・・・囁き・・・白い光に包まれ・・・消えて行く・・・萩乃・・・・。

徐々に瓦解し・・・紅蓮の炎に包まれていくBLUE・・・。

南の空高く・・・浮かび上がる・・・光の十字・・・・。

「ジャンヌ・・・世界に希望の・・・種を・・・蒔く者・・・・」潤んだ目・・・輝く十字を見つめながら・・・囁く・・・マリ・・・・。

背後には仲間たちと・・・上空を埋める無数の円盤・・・。

黒煙が漂い、火の粉が流れる風の中・・・立ち尽くす・・・マリ・・・・。
   ・
   ・
   ・

ああ・・・・・・・美しい結末・・・。

第9話は、ミッチーの語りに合わせたBGMですね。格調高く、悲劇的で、しかも美しい・・・。「オルレアンの少女」を音にした・・・・という感じです。そして、この点が重要なのでしょう・・・。

第11話は、マリの、萩乃に対する祈るような呼びかけ、萩乃たちの絶望的な戦い、そして真実を知ろうと奮闘するアザナエル、の3つの場面が同時進行すると言う緊迫した展開でした。そして結末は・・・ハッピーエンドでしたね。ただ、使われ方としては純粋にBGMと言えると思います。

最終第13話は、劇の部分に関しては完全なBGMでしたが、萩乃の最期の部分は曲の後半が流れ、全てが浄化されるような終わり方でした。ですから・・・ここも・・・ハッピーエンドなのですが・・・。

そうなのです!

この「Romarin」と言う曲は、この物語が「ハッピーエンド」であることを教えてくれるのです!!そして、これこそ、この物語の「核心」なのだと思います!特に13話については重要です!!



実は・・・オンエアーで13話を見たとき・・・泣けましたね〜。(笑)

3ヶ月は・・・泣いて暮らしました。(笑)

落ち着くのに更に3ヶ月・・・長かったな・・・。(爆)

何て悲しい物語・・・と思っていましたが、不思議なことに、雑誌の対談やDVDの中で、大倉監督や沢城さんたちは、「ハッピーエンド」だったというような事を言っていましたね。

以前の書き込み『アニメ「BLUE DROP」とジャンヌ・ダルク その(1)その(2)』でジャンヌ・ダルクの生涯と劇の関連の面からこの辺について書いてはありますが、正直に言うと・・・感覚的に・・・もう一つ得心がいかないのですね。(笑)

監督が言っているのだから、と思っても・・何となく受け入れられない・・・そんな状態が長く続いたのですが、DVD第6巻付属のCDを聴いている内に、閃いたものが・・・。

そうです・・・閃いたのです・・・。


音楽に意味を持たせる時、色々なやり方があるようですが、この曲の場合はメロディーでも、使っている場面でも、もちろん歌詞でも無いわけですね。曲名の「Romarin」は「ローズマリー」のことですし、第13話の「象徴」でもありますから曲自体にも同様の意味を持たせていることは容易に推察できますが、「ハッピーエンド」に繋がるか?と言うとちょっと弱いと感じます。

では他に何が?と考えた時・・・最初の場面で聞こえていた・・・「台詞」が意味をもっているのでは?・・・と閃いたのですね。

最初の場面の台詞といえば・・・「オルレアンの少女」の構想を語るミッチーの台詞、と言う事になります。中でも重要なのは最後の部分・・・。

「それまでジャンヌは、自分の心の中を人にさらけ出すことが出来ずにいて・・・辛いことも苦しいことも、悲しいことも、全て自分一人で抱え込んでいたんです・・・」

「屈託のない少女に接する内に・・・ジャンヌは、徐々に心を開いていきます。全てに絶望し、諦めていたジャンヌは、いつしか、自分の命に代えてでも大切にしたいものを・・・再び見つけます」

「だれでも希望を持つことが出来る。諦めずに信じ続けることが・・・きっと何かを変えていく・・・」

「未来を恐れず・・・希望を捨てないことによって・・・」


この部分は曲の後半部分に重なっています。第13話では、萩乃の最期の場面とマリの囁きの場面に・・・。

そこで・・・見方を変えて・・・。

それぞれの場面に、ミッチーの語りの声が重なっていると想像してみて下さい!!

「それまでジャンヌは、自分の心の中を人にさらけ出すことが出来ずにいて・・・辛いことも苦しいことも、悲しいことも、全て自分一人で抱え込んでいたんです・・・。屈託のない少女に接する内に・・・ジャンヌは、徐々に心を開いていきます。全てに絶望し、諦めていたジャンヌは、いつしか、自分の命に代えてでも大切にしたいものを・・・再び見つけます」

この部分は萩乃の微笑みの部分に・・・。

「だれでも希望を持つことが出来る。諦めずに信じ続けることが・・・きっと何かを変えていく・・・。未来を恐れず・・・希望を捨てないことによって・・・」

この部分はマリと仲間たちの部分に・・・そして・・・。

「ジャンヌ・・・世界に希望の・・・種を・・・蒔く者・・・・」

というマリの言葉と響き合うのです・・・。

この静かで・・・幸福感に満ちた想いと力強いメッセージ・・・この物語の「核心」が、実際には聞こえませんが、それぞれの場面で流れているのです・・・だから・・・ハッピーエンド・・・なのですね・・・。

この事に気付いてから13話を見直すと・・・萩乃の最期の微笑みが・・・何と安らかで・・・美しい事か・・・マリの涙もまた・・・同様です・・・。

ああ・・・やっと・・・ハッピーエンドだ・・・・ね。(微笑)



さて、今回は最初に、「ついにここまで来てしまった」と書きました。そして・・・。

>この物語の核心を語るミッチー・・・音楽もまた・・・。

とも書いています。何故かというと・・・この曲こそサウンドトラックCD全39曲の中で最も重要な曲だと思っていたからなのですね。そして、正直に言いますが、実はこの「サウンドトラックから・・・」シリーズ、きっかけは第13曲「 Moment」(瞬間)ですが、もともとはこの曲を念頭に置いて始めたのです。

ああ・・あれから5ヶ月・・・・・・長かった・・・・やっと肩の荷が降りたような気がします・・・・。

そう言えば、今までの15曲ですが・・・ほとんど成り行きでした・・・。(汗)ま、おかげで色々発見がありましたから、やって良かった〜と思いますが。(笑)

と言う事で、このシリーズ、山は越えましたが、あと2曲くらいは続けます。アレとコレかな?中々捨て難い曲、そして奥の深い曲なのです・・・。



ああ・・・「Romarin」・・・萩乃の微笑み・・・そのもののような曲ですね。ラブ

2008.11.16 Sunday

水の容れもの

さて、今回はちょっと番外編ということで・・・。(笑)

先日の投稿につけていただいたHINAKAさんのコメントの中に、気になるお話がありましたね。

>ちなみに、この作品のタイトル「BLUE・DOROP」の中に描かれている青い宝石のようなもの。てっきり、地球だと信じていたのですが、よくよく見るとそこにはマリと萩乃と、たぶんミッチーの姿が……描かれているように見えるのは、気のせいでしょうか?

知らなかった〜!!(汗)ということで調べてみました。(笑)

確かに、マリや萩乃のスカートや長い髪の毛、あるいは横顔を思わせる部分もなくはないか・・・?そう思ってDVDのケースや画像を見ても、サイズや解像度の関係で今一分かりません。そこでポスターを引っ張り出して見てみました。(ポスター・・・何故か持ってるんですね〜。(笑))



う〜ん・・・・赤道付近から撮影したの雲の衛星画像と、球形の入れ物に液体をギリギリまで入れた画像を重ねた・・・という風に見えます・・・。ボンヤリとした影の部分が人影に見えなくもないかな・・・???

見方によってはマリと萩乃たちが見えるのかも知れませんが、その「見方」に慣れないと分からない・・・という感じですね。月のウサギも見方によりますから、見ている内に分かるのかもしれませんが・・・。解像度が高すぎてもダメかな???

う〜ん・・・とりあえず・・・HINAKAさんには申し訳ないけど、今のところはちょっと違うかな?と言う事で・・・。もし、こうすれば見える!というのがあったら教えて下さいね。(汗)

ただ、コメントの中のこちらは・・・。

>放映中は、ブルー・ドロップ=地球と信じて疑っていませんでした。
しかし今は、明らかに何かの象徴……もしかすると、若い少女達(少女が若いの当たり前ですが、何しろ萩乃の年齢が不詳なので……)の「心の雫」そのものではないかと、そんな気がしてなりません。

もちろんこのような見方はOKですよね。見る人それぞれが、それぞれの見方をする。それで良いと思います。アニメ第1話の副題であった「水の容れもの」が地球を指し、タイトルの「それ」を指すことは確かだと思いますし、そこには「かけがいのない地球」、「かけがいのない命」、そして「かけがいのない思い」までもが含まれていると思います。

「心の滴」ももちろん含まれますよね・・・。さらに言えば「水」を「涙」に代えたって良いでしょう?エンディングのアニメ−ションで見えるマリの涙、歌詞の中の「青い涙」・・・妄想は・・・果てしなく拡がります・・・。(笑)

ちなみに、公式HPの「誕生秘話 その5」で、原作者の吉富氏は「BLUE DROP」という題名の「解釈」について述べています。アニメと原作コミックでは描かれている内容が異なりますので、直接的に吉富氏の解釈を取り入れる必要は無いかと思いますが参考としましょう。

『自分なりの解釈なのですが、「BLUE」とは落ち込んでいる様、動より静のイメージ、海、異星人の瞳等を現そうとしています。
そして「BLUE」という言葉にはポルノを指す意味もあり、「設定で性を取り扱っているから有りだなあ」と思い、そこも当てはめてあります。
そして「DROP」は異星人の瞳、降下していく様、外れる様、飴玉(子供や甘いもの)等を現そうとしています。このタイトルに決めた一番の理由は、「海人〜KAIJIN〜」「神子〜KAMONOKO〜」が、異星人に支配され、それを力無く受け入れている印象だったため、それを「DROP」脱却させようという意図がありました。』
(〜公式HP)

異星人と地球人の心の交流を描いたアニメ「BLUE DROP」ですが、タイトルマークはとても美しいです。厳密に言うとアニメのロゴは他では使っていないようですので、権利上何らかの制約があるように見えますが、このまま消えて行くのは惜しいと思います。地球環境保護運動などに使うのも良いのでは?、と思いますよ。そんなことになれば・・・一石二鳥なのですがね〜!(笑)ラブ

2008.11.14 Friday

サウンドトラックから見る! アニメ「BLUE DROP」の世界 その15

さあ・・・今回は第32曲。


32、 Drop(しずく) 作曲 Clara 2:06
第6話冒頭、期末考査で「ぶっちぎりのワースト1」に輝いたマリを、裕子先生が褒め称える場面の曲。(笑)優しく暖かなオルゴールの調べ・・・透明な音色が美しい・・・・。

第7話の堤防の場面も秀逸。第9話の買い出しの場面でも・・・マリと萩乃が戯れる場面を見つめるツバエルとアザナエル・・・「コマンダーは・・・何かを探しておられるのかも知れない・・・」・・・ツバエルの切ない言葉。互いに求め合う魂の触れ合い・・・繊細な曲・・・。


第6話。

「ぶっちぎりの・・・・ワースト1ね。よりによって私の教科で・・・」「若竹マリ」の名前に付いた三角印。それ以外は全てレ点が並び、トータル5点の答案用紙を見つめながら困惑する祐子先生。(笑)

すみません・・・」体を縮こまらせ、消え入るような声で謝るマリ。

「ま、編入してきて間がないし、家じゃ化学はやってなかったって言うし・・・。大丈夫だって!!来週の追試に合格すれば、ちゃんと夏休みももらえるから・・・。マリちゃんが合格できるように、あたしが勉強見てあげるから・・・・ねっ!?」沈んだ表情のマリを元気づけようと、笑顔で語りかける祐子先生・・・。

「先生・・・」不思議そうに先生の顔を見つめ、問いかけるマリ。

「ん?」

「どうして・・・そんなに・・・?」
   ・
   ・
   ・
「・・・・あなたが落ちたら・・・夏休みの間中、誰が補修を講義すると思ってるの!!?」マリの顔にのしかかるようにして凄む祐子先生・・・。(汗)

「ス・・スミマセン!スミマセン!!スミマセン!!!」恐怖の余り、座っていた椅子ごと一瞬で後ずさりし、懸命に頭を下げるマリ!!(笑)

「いや〜ね〜冗談よ!一緒に頑張ろう〜!」笑いながら立ち上がり、マリの肩の手を置く祐子先生。その顔を見上げるマリ・・・。

「ね!」マリを見つめる先生・・・。

・・・・・・はいっ!」一瞬息を飲んで祐子先生を見つめながら、紅潮した顔で答えるマリ・・・。

寮の夜。食後の一時を過ごすマリたち・・。

「え〜〜〜!!!赤点!!??」驚きの声を上げるミッチー、朱音、船津丸。(笑)

「化学で・・・ですか?」聞き直すミッチー。

「あんた・・・前に、家庭教師に天才って呼ばれてた・・・って・・・」怪訝そうな船津丸。

「よく考えたら・・・あれは物理で・・・」うつむいたまま、バツが悪そうに答えるマリ。

「物理と化学、間違えるか普通??!!」手にしたアイスでマリを指しながら辛辣に言う船津丸。

「ほんと・・・ばっかだな〜!」あきれたように言う朱音。

「うう〜・・・うるさい!!」わなわなと肩を振るわせて叫ぶマリ。(笑)

「追試・・・頑張らないと・・ですね・・・」心配するミッチー。

「萩乃に面倒見てもらえば良いじゃん」両手を頭の後ろで組んで言う朱音。

「そうそ!万年全校トップのさあ〜!」アイスを食べながら同意する船津丸。

「千光寺さんは・・・」「んん・・・?」奥のテーブルの様子を伺うミッチーたち・・・。

「お願いします!このままじゃ数学が〜!」「私は英語が〜!」「私なんて現国と古文と両方です〜!」「教えて下さい!萩乃様〜!!」萩乃を取り囲んで悲鳴を上げる親衛隊たち。困惑した表情の萩乃。(笑)

「私も・・」「私も・・・」「お願いします・・・」次々と飛び出すお願い・・・。(笑)

「分かったから・・・順番に・・・・ね!??」何とかなだめようと懸命の萩乃。(笑)

「馬鹿は結構いるもんだな・・・」あきれたようにつぶやく朱音・・・。

「へへ・・・こりゃ〜舞山さんが怒るわけだ〜!」何やら楽しげな船津丸。(笑)

「ふん!!あんな人に教わる必要なんか無いわよ!!」そっぽをむくようにしてうそぶくマリ・・・。


第7話。
夏休みを利用して船津丸の実家にやってきたマリたち、それぞれに夏の日の午後を過ごす・・・。

蝉の声と風鈴の音・・・。近況を語り合う船津丸と身重の姉ゆり子。脇の布団で昼寝をするノリちゃん。縁側で仰向けになって眠り込むミッチー・・・。

「ここで過ごす夏休みも、今年で最後だね〜・・・」しみじみと語りかけながら、外に広がる明るい夏空を見やる船津丸・・・。

「そうね〜・・・」感慨深げな姉・・・。

涼しげな・・・風鈴の音・・・。

「ほんっとに誰もいないな・・・」黒いビキニ姿、脇にゴザを抱えて港に降り立った朱音は、辺りを見回しながらつぶやく・・・。

「わあ〜・・・」岸壁の突端。小魚が泳ぎまわり、空の色を写しこんだ海面を覗き込んで小さく歓声を上げるマリ・・・。

「何かいる?」突然聞こえる萩乃の声。

「ウッ!?あ・・・ビックリさせないでよ〜!」驚いて、横に立つ萩乃を見上げるマリ。

「水が澄んでるのね・・・」前屈みで海中を覗きながら、つぶやく萩乃。

「うん・・・・」ゆっくりと立ち上がり、答えるマリ・・・。

「あ・・・?」岸壁の先、沖の岩場に気付くマリ。

「ねえ・・・あの岩まで行ってみない?」明るい空、入道雲の下の岩場を指さしながら、萩乃に問いかけるマリ。

「あそこに?・・・・危なくない?」体を起こして岩場を見つめる萩乃。

「平気よ!何なら・・・競争してみる?」腰に手を当て、萩乃を覗き込むようにして挑発するマリ。(笑)

「ここ、深そうだもの・・・。あっちの浅瀬に行きましょう・・・」マリを無視するようにして、先に立って歩き出す萩乃。むっとして見つめるマリ。

無言で萩乃を追い越して行くマリ・・・。

「マリさん?」怪訝そうな萩乃。

萩乃に背を向けたまま、足を振り出すマリ。

「どしたの?」小首をかしげて問いかける萩乃。

青い空に、吸い込まれるように飛んでいくマリのサンダル!

「え?!」戸惑う萩乃。

裸足で振り向いたと同時に、萩乃に向かって無言で走り出すマリ!

「え!!?」驚く萩乃。(笑)脇をすり抜け岸壁の突端に向かって走るマリ。

「た〜〜〜〜〜〜!」

そのまま海に向かって飛び、大きな水音とともに落下するマリ!

「もう・・・・」困ったように・・・微笑む萩乃・・・。(笑)

「先に行ってるよ〜!」浮かび上がると同時に、萩乃に向かって手を振るマリ。

「え?」振っていた手を止めて、戸惑ったように萩乃を見つめるマリ。

無言のまま、着ているパーカーのジッパーを下げる萩乃・・・次第に現われる・・・白い・・・水着・・・。

青いワンポイントの・・・白いサンダル・・・足元に落ちる・・・白いパーカー・・・。

・・・・」頬を紅潮させ・・・声を失って・・・見つめる・・・マリ・・・・。

輝く太陽・・・真っ青な空・・・煌めく光りを振りまきながら飛ぶ・・・萩乃の・・・青い・・・シルエット・・・。

飛び込んだ萩乃を包む・・・真っ白な泡・・・深みに向かう萩乃・・・。

海底の貝殻・・・それを目指し・・・泳ぎを進める・・・萩乃・・・。

貝殻のそば・・・岩陰に潜む・・・ウツボ・・・・。
   ・
   ・
   ・
フジツボに覆われた沖の岩場・・・一人たどり着き、荒い息を継ぐマリ・・・。

「へへ・・・ぶっち切り!」得意満面で岸に目を向けるマリ。

「ん・・・?」暗さを増す空・・・荒れ始めた海面・・・。

「あれ?・・・」困惑するマリ・・・・。
   ・
   ・
   ・


第9話。
劇の材料を買うため電車で出かけたマリと萩乃。「ご褒美」として観覧車に乗り、夕日を浴びながら語り合う・・・。

「ねえ・・・」「ん・・・?」「帰りはさ〜・・・歩いてみない・・・?」「・・・歩いて・・・・?3時間位・・・掛かるわよ・・・・」「うう・・・やっぱり遅くなっちゃマズイかなぁ・・・」「寮には電話を入れておけば良いけど・・・でも・・・どして?」「最近・・・運動不足だしさぁ・・・もう少し歩いてみたいなあ〜なんてぇ・・・」「そうね・・・」「え?」


「いいの〜?」ゴンドラの窓から顔をあげ、紅潮した顔で萩乃を見つめて問いかける
マリ。

「・・・・」ため息をつき・・・頷く萩乃・・・。

「・・・わたしも・・・・もう少し・・・歩きたい気分だから・・・」夕日を見つめ、かすかに微笑みながら・・・囁くように・・・答える・・・萩乃・・・。

はあ・・・・・」その様子を・・・息を呑んで・・・見つめる・・・マリ・・・・。

夕日に染まる空・・・ゴンドラの・・・シルエット・・・。
   ・
   ・
   ・
ゴンドラの上、羽を休めるアジサシ、BLUEの艦橋に響くアザナエルの声・・・。

「おい、BLUE!このモニター行為も、正規の作戦行動なのか?!」

「コマンダーよりの指示は出ていない」答えるBLUE。

「これは・・・私の・・・自発的な作戦行動だ!」赤らめた顔を逸らせ、苦しい言い訳をするツバエル。(笑)

「浮かれたコマンダーに、覗き趣味のガンナーか・・・この艦の規律はどうなっている!??」あきれかえるアザナエル。

「ゥ・・ウルサイ!!」思わず叫ぶツバエル。(笑)


暗くなり街灯に照らされた青海寮・・・。

「はい、伝えます・・・それじゃあ・・・」

「千光寺さんからでした。少し遅くなるから心配しないようにって」電話室から出て、船津丸と朱音に告げるミッチー。

「ん・・・?ま〜た若竹が我が儘言ってんじゃないの?」ロビーのソファーで料理雑誌を見ながらも鋭い朱音!(笑)

「心配いらないって〜。萩乃が一緒なんだから!」朱音の向いで海王新聞を読みながら、太鼓判を押す船津丸。

「ま、そりゃそうだ」納得する朱音、笑い合う二人。

無言で見つめるミッチー・・・。


暗くなった道。行き交う車。
紙袋を胸に抱えたマリ、ショルダーバックを肩に掛けた萩乃・・・。
並んで歩く二人・・・。

背後に見える町の明り・・・。傍らに咲く・・・夕顔の花・・・。

「最初は・・・あなたと二人で買い物なんて冗談じゃない!・・・って思ってたけど・・・」正直な言葉が出てくるマリ。

「それはお互い様よ!」間、髪を入れず、笑顔で答える萩乃。

・・何〜!?」心外そうに・・・おどけるマリ・・・声を上げて笑う萩乃。(笑)

「でも・・・不思議だね・・・」しみじみと言うマリ。

「・・・何が?」

「こんなに・・・色んな話しが出来るとは・・・思わなかった・・・」感慨深げに、空を見上げるようにして言うマリ。

「・・・それも・・・お互い様!」意外そうにマリを見てから顔を反らせ、いかにももったいぶったように言う萩乃。

「もう・・・ずるいぞ〜!」すねるマリ・・・。(笑)

逃げるように駆けだした萩乃、追いかけるマリ・・・楽しげに、並んで走る二人・・・声を上げて笑い合う・・・マリと萩乃・・・。

坂道に消えていく・・・二人の・・・後ろ姿・・・。

二人を見つめるアジサシ・・・。


「まったく・・・・緊張感のかけらもない・・・!」あきれたように言い捨てるアザナエル。

「コマンダーは・・・何かを探しておられるのかもしれない・・・・・」考え込むようなツバエルの言葉・・・。

艦橋のモニターに映る・・・子供のように走るマリと萩乃・・・。

「どう言うことだ?」腕組みをし、ツバエルを見つめて静かに問いかけるアザナエル。

「わたしにも分からないが・・・ただ・・・」目を閉じて答えながら、ふと、思い付いたように目を開けるツバエル。

「ただ?」先を促すアザナエル・・・。

「・・・あのフォリメに逢ってからだ・・・」再びモニターの二人を見つめるツバエル・・・。

「ん・・・?」マリと萩乃に視線を巡らすアザナエル・・・。

「あんな風に・・・笑うようになられたのは・・・」

走りながら・・・声を上げて笑い合う・・・マリと萩乃・・・。

その様子を・・・切ない表情で見つめる・・・青い瞳のツバエル・・・。

ツバエルの言葉に打たれたように・・・無言で見入る・・・アザナエル・・・。

モニターの中・・・走り続ける・・・マリと萩乃・・・。
   ・
   ・
   ・


う〜ん・・・優しい曲です・・・。

少女たちの繊細な心模様・・・震える心の触れ合いを感じさせてくれますね・・・。

「Drop」という曲名は色々と意味があるようですが、3つの場面に共通する「意味」と言われてもちょっと思い付きません。

6話では祐子先生の顔に見入るマリ。7話では萩乃の水着姿に見入るマリ・・・。9話でも、ゴンドラの中で、萩乃の横顔に見入るマリ・・・。それぞれに、マリの「胸キュン」(笑)場面がありますから、「恋に落ちる」としたい所ですが、あれは「fall」だから違うな〜!(笑)

9話のツバエルの言葉「コマンダーは・・・何かを探しておられるのかもしれない」は、ツバエルの口から漏れた言葉という意味で「drop」も良いのですが。他では特に見あたらない・・・。

面倒なので、ここでは、少女たちの「煌めきの情景」とでも言いましょうか。

煌めく・・・「しずく」・・・かな?(笑)

それにしても、9話は素晴らしい・・・。

ゴンドラの中で語り合う二人。上気した顔で懸命なマリ。(笑)さりげなく「本心」を明かす萩乃・・・。道を歩きながら心を通わす二人・・・。笑顔で走り続ける・・・二人・・・。

そんな二人を見つめる・・・ツバエルの・・・切ない眼差し・・・。

5年間苦しんできた萩乃。その様子を見つめ続けてきたツバエルにとって、マリだけに向けられた萩乃の笑顔は、嬉しくもあり、切なくもあったでしょう・・・。

「コマンダーは・・・何かを探しておられるのかもしれない」と言う言葉には、過去の苦しみと、過酷な未来を知っているツバエルだけに分かる「意味」が込められているのですね。「大切なもの」・・・アルメにとっての「命に代えても護りたい、かけがえのない存在」を探している・・・という・・・。

そう言えば・・・アザナエル・・・優しい顔をしていたのに・・・。ままならない心・・・。

2008.11.01 Saturday

サウンドトラックから見る! アニメ「BLUE DROP」の世界 その14

今回は、このシリーズでは今まで取り上げてこなかった「戦闘場面」の曲で、サウンドトラックCDの第31曲となります。

31、 Blue 作曲 Clara 1:33
第5話の最後、ケルビルーとの激闘場面の曲。O・Pテーマソングのバリエーションだから「Blue 供廖I垉ぬに始まるが、途中から入るハープの調べと共に不思議な美しさが・・・壮麗でありながら・・・悲劇的・・・。

多用されそうに思うが、何とこの場限り!



なぜ今回この曲を・・・?一応理由はあります。簡単ってこともありますが(笑)、この場面でこの曲を使うことに「意味」があるからですね。

音楽に「意味」を持たせる「手法」は色々ありますが、今回は「歌詞」に注目しましょう。(もともと主題歌である「BLUE」のバリエーションですから当然のことですが。)とは言っても歌詞の1番ではありません、戦闘場面の関係してくるのは・・・2番の歌詞なのです。

重ならん宇宙・・・から始まる2番の歌詞ですが、内容は分かります?

「二つの世界が争い、沢山の血が流れるよ。いずれ私も、深い水底に一人眠ろう・・・」というような意味だと思いますが、言うまでもなくアルメと地球人の戦いの事であり、地球人の側に立つ萩乃たちも同胞と戦かわなければならない事を言っています。その結果として自らが生き延びられるとは思ってもいない・・・とも読めます。これについては戦闘が終わった後の萩乃とツバエルの会話からも分かります。


「これで・・・・・・・・・良かったんですか?」疲れ切った様子でモニターに映る萩乃を見上げ、苦渋の表情で問いかけるツバエル・・・。

「ええ・・・・・・・・・良くやってくれました・・・礼を言います」冷静に答える萩乃・・・。

「いえ・・・・わたしは良いんですが・・・・これでコマンダーは・・・・」視線を下げて口ごもるツバエル・・・。

「ありがとう・・・・。ゆっくりしてちょうだい・・・」ツバエルをねぎらい通信を閉じる萩乃・・・。

夜の明け始めた空の下、眠り着いたままの青海寮・・・じっと見つめる萩乃・・・辺りを満たす虫の声・・・。

「大切なもの・・・か・・・・」考え込むように・・・つぶやく・・・萩乃・・・・。



ツバエルの「これでコマンダーは・・・」という言葉の後には、軍人として「当然」のこととして、萩乃の「反逆者としての運命」が決まってしまったということが隠されています。そして、その事実を冷静に受け止める萩乃・・・。これは「覚悟」があってのことでしょう・・・。

萩乃のつぶやく「大切なもの・・・か・・・・」という言葉は、その「運命」を受け入れるだけの価値がある「大切なものを見つけてしまった・・・かも知れない・・・」という思いが込められているように思えます。そう言う意味では、全編の中でも重要な場面と言えます!

そして、歌詞の最後、「君に告げず」という部分。これは物語の後半の切ない雰囲気につながっていく訳ですね・・・。

と言う事で、この曲は単に戦闘場面を盛り上げるBGMではないのです。華麗でありながら、その裏には萩乃の「覚悟」が秘められた辛い曲だと思います。だからこそ、この場限りの曲なのでしょう・・・。

ついでに言っておきますが、大倉監督の作った歌詞はその全てがアニメの中で表現されています。具体的な描写はなくても、よく見るとその思いは伝わってきます。それを見つけるのも楽しみですね。ラブ

2008.10.26 Sunday

サウンドトラックから見る! アニメ「BLUE DROP」の世界 その13

う〜ん・・・13回目か・・・随分来ました・・・。

今回は第26曲から。

26、 Sospirando(ソスピランド) 作曲 Clara 1:31
第3話の最後。萩乃のいない夜を過すマリ。BLUE艦橋の萩乃。それぞれを思う静かな夜・・・印象的な場面の曲です。Sospirandoは、音楽用語辞典では「嘆いて.苦悩に満ちて.悲しみに沈んで」とあるけれど、ピアノソロで、シンプルなメロディーが流れる優しく美しい曲。1317に通じる・・・密やかな美しさ・・・夜の音楽・・・。

第4話、第6話、第9話、第13話でも。13話でのミッチーの、涙の訴えが胸を打つ・・・。



第3話。
ノヴァールとの接触のため学園を抜け出した萩乃。萩乃を思い、上の空の一日を過ごしたマリ・・・。調理実習の失敗もあってすごすごと部屋に戻ったマリは、パジャマに着替えてため息をつき・・・目の前の萩乃のベッドを見ながら前夜の出来事を思い起こす・・・。


マリに触れたため接触テレパスの衝撃を受け、床に倒れて息も絶え絶えに苦しむ萩乃・・・。

「大丈夫?・・・少し楽にした方が・・・」心配して萩乃の肩に手を触れようとするマリ・・・。

「触らないで!!」再度の衝撃を恐れて叫ぶ萩乃。

「あっ!」萩乃の剣幕に思わず手を止め、体を起こして眉をひそめるマリ。

「あなたね、大体どう言うつもりなの?!」気色ばむマリ。

「いきなり人の首を絞めてみたり、同室にさせてみたり、一体何が狙いなのよ!??」

無言のまま、荒い息の下でマリを見つめる萩乃・・・。

「あたしをどうしようって言うの!??」床に手をつき、萩乃の顔を覗き込むようにして問いただすマリ・・・唇をかみしめて耐える萩乃・・・。

「別に・・・どうもしやしないわよ!」マリから顔を背けながら当然のように言う萩乃・・・。

「そう・・・そう言うつもり!?それならこっちにも考えがあるわ!」一瞬ハッとした後、険しい表情で叫ぶマリ・・・。


照明を消して暗くなった部屋。一人ベッドに入り、天井を見つめながらさらに記憶をたどるマリ・・・。


「眠らないの・・・?」ささやくような萩乃の声・・・。

「あなたこそ・・・先に寝なさいよ!」トゲのある言葉を返すマリ・・・。

制服姿のまま、ベッドを背に膝を抱えて床に座り、互いににらみ合うかのようなマリと萩乃・・・。

一つだけ明りの点いた萩乃の机のランプ。その光の下、無言のままの・・・マリと・・・萩乃・・・。


ベッドの中で眠れぬままに時を過ごし、壁に向かって寝入ろうとうするマリ・・・。



BLUE艦橋。無言で前をみつめたまま、マリと過ごした夜を思う萩乃・・・・。



ウトウトをしたかと思うと、首をうなだれてうたた寝をするマリ・・・じっと見つめる萩乃・・・・。

切ない表情を浮かべる萩乃・・・・。脳裏に浮かぶ・・・炎に包まれる神隠島・・・泣きじゃくる少女の記憶・・・辛そうに、ため息をつく萩乃・・・。

つと立ち上がり、上掛けを手にマリに歩み寄り、その肩に掛ける萩乃・・・。

んん・・・・・」寝息をたてるマリ・・・。

「もう・・・二度と・・・・」マリを見つめながら・・・囁く・・・萩乃・・・。



第4話。
第4話では、冒頭で第3話の光景が繰り返される・・・。


第6話。
第6話では前半と後半の2つの場面で使われています。

夏休み前の考査の化学で「ぶっちぎりのワースト1」の成績を収めたマリ。(笑)化学実験室で、追試前の特訓を祐子先生から受ける事に・・・。

「そうじゃなくて・・・・水に溶けにくい気体を集める時に使うのは水上置換よ・・・」肩越しに覗き込んで説明する祐子先生。顔を赤らめて先生を見上げるマリ・・・。

「・・・上方置換て言うのは、空気より軽い・・・・ん?」マリの様子に気付いて体を起こす先生。

「もう!・・・こうら!!」あきれたように指でマリのおでこをつつく先生。

「えへへへへ・・・へ・・・」思わず照れ笑いをするマリ。(笑)


月の照らす青海寮。
化学の教科書を広げて勉強するマリ。
「ん・・・・と・・・温度が一定ならば、一定量の気体の体積は圧力に反比例する・・・と。ふ〜・・・・」頭を振り、首筋をもみながらため息をつくマリ・・・。

紅茶のポットを手に廊下を歩くマリ。読書室から聞こえてくるのは、親衛隊たちのために英語のテキストを読む萩乃の声。その声をじっと聞くマリ・・・。

Two households both alike in dignity,In fair Verona, where we lay our scene,From ancient grudge break to new mutiny,Where civil blood ・・・


食堂で一人ノートを広げ、頬杖をついて考え込むミッチー。やってくるマリ。

「あ・・・マリさん。まだ起きてたんですか?」

「うん。ミッチーこそ、お芝居の?」

「えぇ・・・脚本なんて初めてだから・・・何を書いたら良いのかさっぱり思い付かなくて・・・」

「そっか・・・大変だね・・・」

「粗筋だけでも、夏休み前に決めちゃいたかったんですけど・・・」

「きっと、ミッチーが一番見たい!!って思うお話を書けば良いんだよ・・・」

「そうですね・・・」ほっとしたように答えるミッチー・・・。


花火大会の喧噪をよそに、マリの「捕獲」を目指したアザナエルの攻撃を逃れ、学園への暗い夜道を辿るマリと祐子先生。うつむいたまま、祐子先生の謝罪と忠告の言葉を聞いていたが、別れをほのめかす祐子先生に気付いたマリ・・・。

「最・・後?」顔を上げて問いかけるように囁くマリ。

「ふ・・・秘密調査官の正体がばれちゃったら、もう意味はないわ・・・。2学期からはきっと、私の後任が来ることになると思う・・・」自嘲気味に答える祐子先生。その言葉を聞きながら、顔を伏せるマリ・・・。

ヤダッ!!」突然叫び、先生にしがみつくマリ!

「あ!マリちゃん!?」マリを抱き留める祐子先生。

「先生は・・・祐子先生は秘密何とかかもしれないけど、私の先生なんでしょう?!」泣きながら問いかけるマリ・・・。

「えぇ・・・・・・・そうよ・・・」一瞬言葉に詰まりながら、答える先生。

「だったら・・・・だったら最後まで!私に勉強教えてよ〜!!先生〜!!」泣きながら、祐子先生を見上げ、懸命に訴えるマリ。

「・・・マリちゃん・・・・」その様子に打たれる祐子先生・・・。

「・・・その代わり・・・今度赤点取ったら・・・承知しないわよ・・・・」マリを抱きしめながら、ホッとしたように告げる先生・・・。

辺りを満たす虫の声・・・暗い夜空には・・・満月・・・・。

近海の海上。黒煙を上げるアザナエルの乗機。

「あなたを・・・拘束します」銃をアザナエルに向け、フライトスーツを着て長い髪をなびかせながら、静かに告げる萩乃・・・。

「勝手にしろ!」吐き捨てるように答えるアザナエル。

月の光に浮かび上がる、「BLUE」の姿・・・。


第9話。
劇の着想を得たミッチーは夜を徹して脚本に打ち込む。朝になり、様子を見るため部屋にやってきたマリは、ジャージ姿で机に突っ伏したままのミッチーを見つけてあきれるが・・・。

「あら!?」床の上から机の上まで、沢山の本が散らばった部屋。その様子に気付くマリ。

「ん・・・?」背後からミッチーの寝顔を覗き込むマリ・・・。

「頑張ってんだ・・・・脚本・・・」納得したように肯くマリ・・・。

「・・・・ん・・・・?」ふと気付いて柱の時計に目をやるマリ。

「って言ってる場合じゃ無〜い!!」8時33分を示す時計に、大慌てするマリ。(笑)


第13話。
遂に始まったアルメの侵攻。劇も中断され、聴衆もいなくなった講堂。萩乃が跳び去って残された祐子先生と仲間たち。恐怖と困惑がないまぜになり、思わず萩乃の「裏切り」を口にする親衛隊・・・。その声に、踏みにじられ、置き去りにされた劇のプログラムを拾い、胸に抱きしめたままのミッチーが叫ぶ・・・。

「違います!!」皆に背を向けたまま絶叫するミッチー・・・。その声に驚く仲間たち。

「ミッチー・・・」潤んだ目で見つめるマリ・・・。

「千光寺さんは・・・千光寺さんは・・・きっと、わたしたちを護るために出て行ったんです・・・」肩を振るわせて訴えるミッチー・・・。目を伏せる親衛隊・・・。

「だって・・・誰よりも一生懸命に・・・このお芝居をやろうとしてくれてて・・・」痛ましそうに見つめる朱音と船津丸・・・。

「わたしと・・・頑張ろうって・・・約束したんです!」泣きながら皆に向き直るミッチー・・・。

「うっ・・・」打たれる祐子先生・・・。

「地球人じゃないかもしれないけど・・・スパイなんかの訳ないじゃないですか!」涙を流しながら、顔を上げ訴えるミッチー・・・。

「頭がとっても良くって・・・勉強もスポーツもすっごく出来て・・・あの千光寺さんが・・・」震える手でプログラムを握りしめ、笑顔を浮かべながら・・・泣くミッチー・・・。

「スパイなんかの訳・・・ないじゃないですか・・・」顔を伏せ・・・肩を振るわせるミッチー・・・。

轟音とともに揺れる講堂・・・。

「さあ・・・とにかくみんな裏の林に!」気を取り直して、舞台上の仲間たちに呼びかける祐子先生。うつむいたままのマリ・・・。

「・・・・・!!」意を決したように顔を上げ、舞台から駆け出すマリ。

「あっ!マリちゃん!!」驚く祐子先生と仲間たち。

「あ・・・マリさん・・・・」マリの背中を見送るミッチー・・・。

萩乃と同じように・・・白い光に包まれ・・・消えていく・・・マリ・・・。




>Sospirandoは、音楽用語辞典では「嘆いて.苦悩に満ちて.悲しみに沈んで」とある

文字通りの曲ではありますが淡々とした美しい曲です。確かに「記憶」に苦しむ萩乃の為の命名と思えますが、13話を除くとそのような意味合いは薄く、少女たちの心の交流場面という感じです。

13話は余りに悲しく・・・美しい場面です。第1話で流れる第8曲 Nostalgiaと同じ台詞が聞こえて、この場面の悲劇性を際だたせます・・・。その場面に居合わせた仲間たち・・・全員にとっての悲しい記憶・・・。

サウンドトラックも初出順に並んでいますから、結末に向かって次第に辛い曲が多くなります。でも・・・しっかりと見つめなくては・・・。ラブ

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