2010.05.05 Wednesday
二ノ宮 知子「のだめカンタービレ(24) アンコール オペラ編」
半年前に最終巻が出て、その後もKissでは番外編(オペラ編)が連載されていましたのでいずれ出るだろうとは思いましたが、あてにはしていなかったのでうれしい誤算です!
早速読んで見ると・・・これは楽しい!
本編も最後の方になると、登場人物それぞれの「今後」が語られるようになり、どちらかというとシリアスな場面が少なくなかったのですが、こちらはまるで昔に戻ったようで文句なく楽しめます。
「昔」というのはのだめ達の渡欧前の頃ですね。ほとんどギャグ漫画の乗りだったあの頃・・・。
今回はライジング☆のオペラ版という内容で、千秋達の悪戦苦闘が描かれていきます。
前半はドタバタで、一見混乱の極み!という雰囲気なのですが、良く見ると登場人物それぞれが、それなりに成長していることが分かってきます。その流れで展開する後半は意外と真面目なお話になっていてちょっと感動する、という感触です。
市民オペラという「活動」も近年盛んなようですが、実際に公演までこぎ着けるのは並大抵の苦労ではないのでは?と想像します。ちあき達の苦労も同様で、低予算で、分かり易く、楽しめる舞台を作ろうという面での試行錯誤の過程が描かれていて、笑いながらも肯いてしまいました。
ただ・・・とりあげられる「魔笛」と言うオペラは結構いいかげんなオペラで、有名な割に「難解」な面や、意味不明と感じる部分もあると思います。なじみの無い方にはどうかな?とも思いますが、これを機会にオペラに興味を持っていだければ、と思います。
オペラは「総合芸術」と良く言われますが、それはとりもなおさず沢山のお金と人材が必要と言うことに他なりません。一般の愛好家が増えて観客動員数が増え ることで、舞台の水準も上がっていく事も期待出来ますので、この「番外編」によって関心を持つ人が増えてくれると良いですね。
今回、のだめの演奏シーンはほとんどありませんでしたが、次巻あたりで凱旋帰国公演があるのかな?文字通りの最終巻となるのかどうか?、良く知りませんが期待して待ちましょう。